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サラマンカホール オリジナルCD [ディスク・レビュー]

岐阜サラマンカホールが、新春お年玉企画として、オリジナルCDを制作した。限定販売で、一般読者には限定100名様に抽選で配布とのことだったので、自分も官製はがきでさっそく申し込んだ。1/30締め切りだったので、それからずいぶん経過していたので、残念ながら外れてしまったのかなと思っていたのだが、なんと今日無事届いていた。


うれしい~!


このサラマンカホール オリジナルCDの正式名は「DIGITAL SALAMANCA HALL 2020」。


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このCDは、コロナ禍の中でコンサートを開催出来ない状況が続いた2020年5月より、サラマンカホールが岐阜出身の若手音楽家やホールゆかりの演奏家に声を掛けて収録を重ねてきた音源から、7組10人の演奏を収めたセレクションアルバム。


演奏者の10人は、コロナ禍の中、演奏の機会を奪われた人たちもいれば、留学先から緊急帰国を余儀なくされた学生もいる。


深く音楽を愛する彼らの演奏を一人でも多くの人に聴いてもらうことが出来ないか、という思いから立ち上げられた「DIGITAL SALAMANCA HALL~サラマンカホールのデジタル版」。


パンデミックという困難な状況の中、音楽の力で人々の心が少しでも癒されれば、と演奏収録に協力してくれた。それぞれの音楽家が、「コロナの感染拡大が早く収束してほしい」との祈りを込めて選んだ「いま、一番聴いて欲しい曲」。サラマンカホールからも同様の想いを込めて…。


音楽の愛、優しさを感じますね。


さっそく地元の新聞にも大きく取り上げられました。


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またこのオリジナルCD、岐阜県立加納高校音楽科の生徒の皆さんにも寄贈されました。サラマンカホール 嘉根礼子支配人から受け渡されました。


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(C)サラマンカホールFB page


岐響ジュニアオーケストラの練習場にもお伺い、オリジナルCDを寄贈。
いいですねぇ~。


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(C)サラマンカホールFB page


このオリジナルCDは、そのほかに配布公演として、1月に開催された3公演のお客さんにも無料配布されたようです。そして残された一般読者の限定100名様が、抽選で選ばれ、配布されるということだったのです。よかった~当選できて・・・


拙宅に届いたオリジナルCD


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サラマンカホールの音響・レコーディング主任責任者として、オノ・セイゲン氏が就任している。最高ですね。もう怖いものなしですね。


今回のレコーディングやCDのマスタリングは、オノ・セイゲン氏のレコーディング・カンパニーであるSaidera Masteringがおこなっている。


サラマンカホールは、YouTubeで動画配信チャンネル「SalamancaHall」を設けて、いろいろなコンテンツ、特にコロナ禍になってから、演奏家たちの演奏を無観客のライブストリーミングとして配信したりしている。そのライブストリーミング配信でもオノ・セイゲン氏監修、現場監督のもとでおこなっている。


今回のオリジナルCD「DIGITAL SALAMANCA HALL 2020」プロジェクト。このプロジェクトのために、東京~岐阜間を軽く8回以上往復したとか。。。機材運ぶのも大変だったろうと思います。


The copyright of these photos are based on Ono Seigen Saidera Mastering FB page.


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KORGのMR-2000Sは、1-bitレコーダーとしては不滅の名機で、製造時期からかなり年月日が経過しているのに、いまだに名機として現場で大活躍していますね。


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さっそく我が家のオーディオで聴いてみる。


ホール感、空間感が素晴らしく、一聴するだけで超自分好み。
すごい空間感。(滝汗)D-Rangeすごい・・・。


ワンポイントだと思いますが、かなり空間を意識していていいですね。楽器の音像はスポットで拾っていると思いますが、それも前に出てくる感じでとても明晰に聴こえます。


「広大な音場と明晰な音像の両立。」


自分がクラシックで理想としている音の捉え方ですが、とてもそれに準じていてとてもグーです。


ホールの響きは、かなり光沢感のある響き、キラキラしていますね。凄いです。
リバーブ全開?。けっこうやりすぎでは?(笑)・・・


そこまでしなくてもサラマンカホールの場合、素のホール素性だけでも十分すぎる空間の響きだと思いますが、でもその響きをもっと強調してその素晴らしさを前面に押し出しているところが素晴らしいです。


非常にサービス精神旺盛な録音でありました。


CDは主にストリングス、弦楽器がメインですが、ピアノもあって、これが素晴らしかった。あの打鍵の余韻の響きの捉え方といい、結構オーディオマニアの心をくすぐるそういう音色ですよね。音圧も大きくて、結構いいピアノ録音だな、と思いました。オーディオマニア好みの音。。


チェロかコントラバスの低弦もかなり強烈なインパクトの鳴り方。ちゃんと拡がりと音としてのボディー感があって、D-Rangeの深さが余計に際立つ感じ。


このCDの録音を、統括した表現をするなら、空間感、響きの美しさを重要視した録音テイストだったと言えるのではと思います。


とくに響きの美しさは、かなり意識して造り込んでいる感があります。


サラマンカホールのあの美しい響きをいかに、表現するか、を徹底的に計算して突き詰めたような録音。


オノ・セイゲン氏はやはり徹底的に計算して造り込むタイプのサウンド・エンジニアだと思いました。坂本教授のCDを聴いたとき、一聴してそう思いましたが、実際クラシックの演奏家が、ホールで演奏する生演奏をどう捉えるのかを聴いてみたいと、そのとき思いましたが、やはりその直感は変わらなかったです。


自分がいままでのオーディオでのクラシック鑑賞歴で数多く聴いてきた録音と比較すると、化粧が厚い部類に入ると思いますが、非常に計算されていて、ここまでの録音に仕上げる技術力はさすがに素晴らしいと思いました。


オーディオはあまりやらずに、生演奏を好むコンサートゴアのファン層と、オーディオを徹底的にやる層とあるとしたら、オーディオマニアの方たちに好まれる音の好みをよくご存じというか、そういう音の感性をしっかり持っていると思いました。


空間感と響き。
そしてダイナミックレンジの深さ。

この3つのファクターを非常に重要視する録音。


自分の好みと合っていてよかったです。(笑)
安心しました。


もちろんクラシックの録音にはいろいろなアプローチがありますから、それ以外の着目するポイントもたくさんあります。そういう録音を数多く聴いてきているので、その録音エンジニアの嗜好、考え方がその都度よくわかりますね。


このサラマンカホールのオリジナルCD、素晴らしい超絶優秀録音です。


録音テイスト話になると、すぐに熱くなるので、肝心の演奏のことを置き去りになってしまい申し訳ありません。


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1.H.ヴィエニャフスキ:2台のヴァイオリンのためのカプリス Op.18より 第2番
2.J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005 第1楽章 Adagio
3.J.S.バッハ/A.コルトー編曲:チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV1056 第2楽章 Arioso
4.F.ショパン:ノクターン 第20番 嬰ハ短調 Lento con gran espressione
5.F.シューベルト/F.リスト編曲:万霊節の日のための連祷
6.J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 Ⅰ. Prelude、Ⅱ. Loure
7.F.タレガ/R.リッチ編曲:アルハンブラの思い出
8.G.リゲティ:無伴奏チェロのためのソナタ 第1楽章 Dialogo、第2楽章 Capriccio
9.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 第75番 ト長調 Op.76-1 第4楽章
10.F.クープラン:「チェンバロ作品全集」より 優しい恋わずらい、神秘のバリケード、恋のうぐいす


●収録アーティスト・プロフィール

垣内響太・垣内絵実梨(ヴァイオリン):
岐阜市出身。プロ演奏家を目指す兄妹で、収録時は高校2年と中学2年。ロンドンの
名門メニューイン音楽院留学中。


梅田智也(ピアノ):
可児市出身。東京藝術大学修士課程首席卒業。2018年浜松国際ピアノコンクールでは日本人作品優秀演奏賞を受賞。2018年当ホール主催のジョアン・ピリスの1週間のワークショップに参加。


宇野由樹子(ヴァイオリン):
岐阜市出身。2019年エリザベート王妃国際コンクール・ヴァイオリン部門ファイナリスト。東京藝術大学を首席で卒業後、ザルツブルグのモーツァルテウム芸術大学に留学。


佐藤晴真(チェロ):
名古屋市出身。東京藝術大学を特待生で卒業。日本音楽コンクールチェロ部門1位、ルトスワフスキ国際チェロコンクール優勝、2019年ミュンヘン国際音楽コンクールチェロ部門優勝など多数の受賞歴を誇る。現在ベルリン芸術大学に留学中。使用楽器は宗次コレクションのE.ロッカ1903年。


サラマンカホール・レジデント・カルテット:
若い世代の音楽家育成と音楽普及活動のために、当ホールが2015年に結成した弦楽四重奏団。


中野振一郎(チェンバロ):
日本が誇るチェンバロ界の重鎮。欧米を代表する名手と肩を並べ「世界の9人のチェンバリスト」の一人に選ばれる。2020年よりサラマンカホールで「フランソワ・クープラン全集(全20枚)」のCD収録を開始。




若い演奏家の演奏を聴くのは、とても気持ちがいい。でも自分には若い年齢層とは思えないほど、演奏技術や作品としての完成度が素晴らしく、自分の聴取レベルでは現代の一流の音楽家の演奏と遜色ないというか、まったく区別がつかないほど録音作品として完璧なものでした。


商業ベースレベルでも素晴らしいCDなのでは、と思います。


昔、カラヤンのCDで有名な旋律だけを集めたアダージョ・カラヤンというCDが世界中で爆売れしたことがあったけれど、決してそれに負けることがないと思うよ。


それだけ完成度高い。


演奏家たちのプロフィールを見ると、本当に凄いよね。
みんな金の卵たちばかりだ。


このCD録音に参加した演奏家は、みんな志半ばで挫折を味わってしまった人たちだけれど、こんなことに負けず、きっと輝ける未来が待っていると信じて頑張ってほしい。


そして、そういう将来のプロの演奏家の卵たちに、こういう機会を与えてくれた岐阜サラマンカホールには本当に感謝のひとことです。


やっぱり自分は美しいホールが好きなのかもしれない。
ただ美しいだけではなく、品格のある佇まいがいいですね。
そしてもちろん音響の素晴らしさを兼ね備えていることはもちろんのことです。


サラマンカホールは、独特のブランド感、ブランド・イメージありますね。


この日記を書いていたら、また無性にサマランカホールに行きたくなりました。
暖かくなったら、近いうちにまた参上します。


JR名古屋駅の在来線3番ホームの住よしさんの立ち食いきしめん、無性に食べたいです。(笑)





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