インディーズ・レーベルの終焉 [オーディオ]
北欧スウエーデンのインディーズ・レーベル BISレコードが今年で創立50周年を区切りに、Apple Music Classicに身売りすることになったそうだ。
Gramphone
英国のGramphoneが情報ソースだが、衝撃的だ。
原文記事によると、ロバート・フォン・バールによって設立されたスウェーデンのクラシックレーベルであるBISは、Apple Music ClassicとAppleが所有するクリエイティブサービス会社Platoonの一部になります、とのこと。
”一部になる”という表現は微妙で、BISというレーベルが残ったままなのか、いまは詳しくわからない。BISの分解ということではなく、Appleに組み込まれるという感じなのだろう。
「数日前、BISレコードは50周年を迎えましたが、この半世紀の間に私たちの小さなチームが成し遂げたことを非常に誇りに思っています」
「BISの専門は、コアレパートリーに会費を払いながら、若いクラシックアーティストや興味深い生きている作曲家を育成し、私たち全員が将来にわたって代表する音楽の宝物を保護することでした。そのために、慎重に検討した結果、80歳になったばかりで、Appleファミリーの一員になることを決定したというかなり重大なニュースを発表できることに興奮しています。」
「私たちは、私たちの名誉ある歴史をどのように維持し、構築するかを長く懸命に考え、私たちの使命を推進するパートナーと、世界中の新しい聴衆にクラシック音楽をもたらすためのグローバルプラットフォームを拡大しました」
「Appleは、革新と音楽への愛情の独自の名高い歴史を持ち、 クラシックの次の時代の到来を告げる理想的な家であり、クラシック音楽とテクノロジーが調和して機能する未来を構築するための真のコミットメントを示しています。」
声明はまた、BISのすべてのスタッフがAppleに編入後も保持されることを言及している。
・・・だそうです。
この流れは、今年の3月にあのアリーナ・イヴラギモヴァを擁するHyperionレコードがユニバーサル・ミュージックに合併されたニュースを聞いたときにあ~ついにクラシックのインディーズ・レーベルも片っ端から大手メジャーレーベルに吸収合併され淘汰される時代がやってきたのかな~という予感はした。でもはっきり断言はできなかったので、様子見していたのだが、ついにBISもそうなってしまった、ということは、この流れは結構瀧水のように一気にやってくるかもしれない。
PENTATONEは?Channel Classicsは?CHANDOSは?Simaxは?
この先どうなる?
自分のオーディオマニアとしての人生は、結局このSACD高音質レーベルのマイナーレーベルを推すことだった。
SACDサラウンド、マルチチャンネルで、そしてメジャーレーベルが契約しないようなクラシック業界でも無名な若いアーティストを第一線、表に出す、そしてメジャーレーベルが知らないような無名の作曲家の曲を発見してそれを世に知らしめることで、そのレーベルとしての存在感、オリジナリティ、独創性を売りにする。そういう戦略だった。メジャーレーベルに対するアンチティーゼのような存在でもあった。
クラシックのインディーズ・レーベルというのは、そこが魅力だったのだ。
音のクオリティがよくて、そしてそういうフレッシュな若手演奏家による音源。そこがインディーズ・レーベルの魅力だった。メジャーレーベルの音源が、ひどく退屈でつまらないものに思ったものだ。インディーズ・レーベルのほうが尖っている感じで格好良かった。
栄枯盛衰・・・
移り変わりの激しい技術の世界で、ずっと長く続けることの難しさということかな。
自分は配信時代になって、ずっと思っていたことがある。
それはレーベルとしての存在感、アピールが難しくなったな~と感じたことだった。
ストリーミングは、シングル単曲での勝負なところがあるので、いわゆるアルバムとしての魅力、レーベルとしての魅力がうまく出せないな~と感じていたところがあった。
昔は、PENTATONEの新譜、BISの新譜、Channel Classicsの新譜というように、レーベルの括りで、新譜を漁っていき、そのときにその毎月リリースされる新譜で新しい新人の若い演奏家の存在を知り、そしてその魅力を紹介する。。。そういうのが自分の常套作戦だった。だからレーベル単位なのだ。
なぜかというとレーベルごとに音の作り方、録音のクオリティや、録音のよさの特徴がすごい違うので、レーベルごとに括っていかないといけなかった。そのレーベルごとに違う音の作り方を楽しむのが、オーディオマニアの楽しみだった。レーベルごとに抱えている録音エンジニアのその技術にいろいろ違いがあって、それを楽しむのが、オーディオマニアの作法でもあった。いわゆる録音ポリシー、レコーディングポリシーみたいなものが、レーベルごとに存在していた。
また、そのレーベルごとに抱えているアーティストもそれぞれユニークでオリジナリティがあって魅力的だった。
ところがストリーミング時代になると、配信のリストは、レーベルとは無関係のアーティスト単位の検索であったり、聴きたい曲単位の検索であったり、あるいはその検索した楽曲に基づいて音声波形解析で似たような楽曲のリコメンドであったり。。その3パターンだ。
自分の嗜好とは関係ない新しい曲との出会い、驚きがなくなった。そしてレーベル単位で新譜を聴くということもなくなったような気がする。いままでレーベルという括りでそのカラーを打ち出してきたインディーズ・レーベルは、配信時代になると、その売り出し戦略が難しくなるな~とはずっと思っていた。
自分がずっと思っていたことだった。
物理メディアの衰退、配信時代への移行に伴って、やはりそのいままでの収入源、収益の上げ方の構造を根本的に見直さないといけなくなったのであろう。インディーズ・レーベルは配信時代を迎え、大きな岐路に立っているに違いない。
各々の経営者は、自分のレーベルをこの先、どのように末永く維持していくか、真剣に考えた末でのメジャーレーベルへの合併吸収ということなのだろう。なによりも、自分のレーベルに所属しているアーティスト達をこれからも守って行かないといけない。
う~む。時代だな~と思う。
技術の世界はやはり10年スパンで、どんどん激しく変貌していきますね。”同じ”をずっと続ける、ということはありませんね。
これからもクラシックのインディーズ・レーベルのメジャーレーベルへの合併吸収は続くかもしれない。自分達のアーティストを守っていくためには!
ところで、BISが身売りを発表したApple Music Classicalって知ってる?(笑)
日本にローンチしてましたっけ?
米国ではサービス開始しているのかもしれませんが、日本はまだローンチしてませんよね?
先の日記で、自分はストリーミングの場合は、ロック、ポップスとクラシックは同じ土俵上ではダメだ、ということを主張しましたが、Apple Musicは、クラシックのストリーミングを分けたんですね。それはいいことだと思います。
でもBISの今後の新譜がApple Music Classicalのほうにリリースされたら、日本では聴けないよ。(笑)
しかしBISのSACDサラウンドのあのサウンドがもう聴けなくなるかと思うと、悲しいな~。あのワンポイント録音のダイナミックレンジのすごい広い録音、録音レベルがすごい低いんだけど、それはいかにD-Rangeが広いかの証でもあった。BISの録音はどれもレベルが低かった。全体的な印象としてすご温度感の低いクールなサウンドだった。あれはSACDマルチチャンネルだからこそ味わえるサウンドなんですよね。
ストリーミングであのテイストが出せるのか?
Dolby Atmosなどの3Dオーディオ、空間オーディオであのテイストを出せるのか?
BISレーベルのヘッドクォーター
BISのスタジオ
BIS創業者のロバート・フォン・バール
BISのあの独特のサウンドを作り出すトーンマイスターたち。BISの録音制作を手掛けてきたトーンマイスター5人が独立して、「Take 5 Music Production」という別会社を設立していた。この会社はどうなるのか?
そしてなによりも、BISに所属しているアーティストたち。アンネ・ゾフィー・フォン・オッターやカミラ・ティリング、鈴木雅明&BCJ、小川典子、エフゲニー・ズドビン、その他もう数えきれないアーティストたち。これからこの人たちの音源を聴きたいと思ったら、Appleのストリーミングで聴くことになるのでしょうか?(笑)
まっロバート・フォン・バールも悩みに悩んだんだろうな・・・。自分たちのいままでの50年間で築き上げてきた財産(アーティストや音源)をどのように今後守っていくか。それがAppleへの売却という結論だったのだと思う。いままでの音源財産を全部ネットコンテンツ、オンラインコンテンツへの移行することを考えたんだろう。
英グラモフォン賞で、年間最優秀レーベル賞を獲得したこともあるBISレーベル。
まさにインディーズ・レーベルとして頂点にまで立った。後悔はないだろう。若いアーティストの育成を大いに評価された。その宝のようなアーティストたちや録音音源を守っていく上でも筋の通った戦略なんだろう。
この動きは、Appleによる専用のクラシックアプリであるApple Music Classicalの立ち上げや、3月のユニバーサルによるインディペンデントレーベルであるHyperion Recordsの買収など、クラシックレコーディング業界における今年の重要なポジショニングになると思われる。
アリーナ・イヴラギモヴァ擁するHyperion Recordsのユニバーサル・ミュージックへの合併吸収も衝撃であった。あのハイペリオン・レコードがDGやデッカと同じ会社の一部となるのだ。
Gramphone
ユニバーサルミュージックグループ(UMG)は、マルチグラモフォン賞を受賞した英国のクラシックレーベル、ハイペリオンレコードを買収した。
ハイペリオン(1980年にテッド・ペリーによって設立された)は、ドイツ・グラモフォン(1898年設立)やデッカ・クラシックス(1929年設立)と並んでUMGのポートフォリオに加わる。ハイペリオン・レコードは、そのユニークなアイデンティティを維持しながら、ユニバーサルミュージックUK内の独立したレコーディングレーベルであり続け、サイモンペリーがディレクターとして残る。
UMGのGlobal Classics & Jazz担当社長兼最高経営責任者(CEO)であるDickon Stainer氏は、この買収を歓迎し、「Hyperionはレーベルの宝石であり、ペリー家が成し遂げた素晴らしい仕事を継続し、ハイペリオンがアーティストや音楽ファンの心の中で占める特別な場所を維持し、構築することにコミットしている」と述べた。
2023年7月には、英国の名門ハイペリオン・レコードのストリーミング配信がスタートした!
創業以来43年、数多くの賞を受賞してきたクラシック・レーベルハイペリオン・レコードが、本日からストミーミング配信をスタートさせた。
ハイペリオン・レコードは1980年に設立されて以来、先駆的な録音を生み出してきたイギリスの名門クラシック・レーベル。マルカンドレ・アムラン、アンジェラ・ヒューイット、サー・スティーヴン・ハフなどの著名アーティストが在籍しており、レーベル設立以来、約2,500枚の録音をリリース。今年3月、ユニバーサル ミュージックグループの傘下に入ったことが発表され、話題を集めていた。
本日、ストリーミング配信が開始されたのは、ハイペリオンの歴史を代表する錚々たるアーティストの代表作を含む200作品と3枚の新作アルバム。新作は、グラミー賞を受賞したタカーチ弦楽四重奏団によるドヴォルザーク作品と、スティーヴン・レイトン指揮ケンブリッジ・トリニティ・カレッジ合唱団によるアンセム曲集、そして、高い評価を受けたオーランド・コンソートとなっている。今後、追加のカタログ・リリースが随時予定されており、
来年の春までにはレーベルが保有する全てのアルバムがストリーミング可能となる予定。
「ハイペリオン・レコードというかけがえのないレーベルにとって、世界中のストリーミング・プラットフォームに登場するということは非常に大きな意義があります」- ユニバーサル ミュージックグループ クラシックス&ジャズ部門統括 ディコン・スタイナー
BISもハイペリオンも結局この判断に到達した要因は、これからの配信時代に、きちっとした配信プラットフォームを基盤としたレーベルにお世話になりたいということなのだろう。BISもハイペリオンも自分たちでそういうプラットフォームは持っていなくて、特にBISなんかは、Channel ClassicsやPENTATONEと違ってことストリーミングに関しては、あまり大きなニュースになることもなく、配信というビジネスエリアではあまり目立った動きはしていなかったレーベルだ。
それが今回の決断の大きな要因になっているように自分は思うのだが、どうだろうか?
あくまで記事の文面を読んだ限りの印象だが、BISもハイペリオンもその音源やアーティストをそのまま維持しつつ、メジャーレーベルの”一部”となることを強調している。分解やマージということではなく、あくまで一部になるということである。だからそんなにいままで大きく変わることはないのではないだろうか?資本が違うようになった、というだけだと思う。
PENTATONE,Channel Classics・・・明日はどこのインディーズ・レーベルがメジャーレーベルに吸収されるのか?
クラシック インディーズ・レーベル、いま時代とともに大きく淘汰されようとしている。
ただひとつ、これだけは確実なことがある。
BSのSACDマルチチャンネルのディスクはそのうち廃盤になって入手困難になるであろう。そうすると、あのSACDサラウンドで聴いていたBISサウンドのあのテイストはほとんど聴くことが不可能になるということだ。ストリーミングの3Dオーディオ、空間オーディオではあのテイストは出せないんじゃないかな?いま所有しているBIS SACDは大事に永久に保持しておくべきである。そのうち中古市場で大変なプレミアがつくことになるであろう。(笑)
DG STAGE+ [オーディオ]
Spotifyやamazon music、apple musicにしても、やはりロック、ポップス、ジャズのためのストリーミングだと思う。あと懐メロ歌謡曲と演歌ですね。
これらのストリーミングでクラシックの曲は検索しずらいし、これらのジャンルの曲とのチャンポンはやはりどうもイケてない。クラシックの曲を、お気に入りプレイリストなどにこれらのジャンルといっしょにチャンポンで入れておくのはどうかな、と思う。たとえグルーピングで分けられるにしても。
あと、これらのサービスはもともとクラシックの音源って少ないのではないだろうか?またクラシックファンが望むようなマニアックで、深い内容のサービスも無理だろう。
まっもともと自分はこれらのストリーミングサービスで、クラシックを聴こうという気がもともとないので(笑)、実際検索すらしていないというところなのだが。
今秋にスタート予定のQubozがどのようなものなのか、クラシックをどこまでカバーしているのか、お楽しみとしておこう。
やはりクラシック音楽は、クラシック専用のストリーミングサービスでコアでディープにやってほしいものだ。博識で専門的なクラシックの音楽評論家の先生方の解説がたっぷりとメタデータとして添付されていて・・・、いやメタデータのサイズが大きいと、中身の音声データの音質に悪い影響を及ぼすので、音源を売っているページ内での詳細解説版などでの寄稿がきちんとビジネス化できるくらい充実した解説を望みたい。いまのSpotifyのこういう補助データってほとんど皆無ですよね。音源だけ、という感じです。若者は好きな曲だけ聴ければそれでいい。無用な解説は必要なし、なんて姿勢なのでしょう。でもクラシックの音源はたっぷりこういう時代背景からウンチクまで、たっぷり語ってほしい希望があります。つまりクラシックの雰囲気にあったあの独特の雰囲気を醸し出してほしい。そういう点では、ロックやポップスと同じ土俵ではそういうカラーを出すのは無理だろう、と思う。
やはりクラシック専用のストリーミングサービスとしてほしい。
Deutsch Gramphon (DG)が配信サービスをスタートさせたのは、そういう戦略もあるのだろう。クラシック界のレーベルの第一人者であるDGが、やはり自前の配信プラットフォームを持たなければ、という想いがあったのだろう、と推測する。
鳴り物入りでスタートした、DG STAGE+。
ライブ配信、アーカイブの映像配信、音楽ストリーミングをすべてカバーし、世界中のコンサートホール、オペラハウスからのストリーミングである。
なかなか自分で試してみることが遅れてしまい、今頃でスミマセン。(笑)
今年の夏のバイロイト音楽祭で、ガランチャ様が出演したパルジファルの映像が、DG STAGE+に入ったというニュースをSNSで拝見し、よし!ようやく入会してみるか、いっちょう触ってみるか、という気になったのである。
まず、このDG STAGE+のニュースを知ったとき、自分が感じたこと。
それは、世界中のコンサートホール、オペラハウスからのライブストリーミング配信である。
これはやられた!先を越された!
と思った。
今年の春、自分の日記で"DX時代のコンサートホール"の連載で、日本中のすべてのコンサートホール、オペラハウスは、ホール内に撮影カメラ、編集ルーム、そして配信設備を常備するべきである!とぶち上げたからだ。
DX時代のコンサートホールというのは、つねに全国・全世界とつながっている、コネクトの状態ということと同義なのである。ホールで味わった感動と同じレベルの感動を、全国・全世界とシェアできないといけない。
カーの世界ではコネクテッドカーというが、まさにそれに倣うならDX時代のコンサートホールは、コネクテッド・ホールなのである。
ホールのあの体全身に浴びるホールの響きを、全国・全世界中の家庭内で体験できないといけない。
ホールの中は常に最高に保障された空間で、ここはいつも不変の場所。実際コンサートホールに足を運ばれたお客さんは、その空間で、まさに実演そのもの、最高の興奮・悦楽を堪能できる。
DX時代のコンサートホール、コネクテッドホールは、その感覚を、クオリティを落とさず、そのままの状態で、みんなにシェアできる機能を持つのである。
そのためにはコンサートホールはネットワーク機能を持たないといけないのである。
いままではホール空間のみで楽しんでもらっていたことを、これからは全世界に同時にシェアしないといけない。それもクオリティを落とさず、である。
インターネットを通してホールの響きを再現するのである。
こんなことを堂々と語っていた。(笑)
DG、さすがだな~やるな~と思ったものだ。
考えることは同じだよな、とも思ったものだ。
と、同時に、世界中のコンサートホールからライブストリーミング配信ってどうやるんだろう?と考えた。あるときは、ベルリンフィルハーモニーから、ウィーン楽友協会から、アムステルダム・コンセルトヘボウから、そしてカーネギーホールから。。。
自分の場合は、単純にコンサートホールそれぞれにそういう設備を常備すること、とした。あるいは、ソニーやパナソニックが放送局業務用として開発しているネット経由で遠隔で編集できるシステム。こちらのほうが、コスト費用もぐっと抑えられるし、ずっと現実的だ。
すぐに思いついたのは、後者である。撮影カメラなどどうしても現場にないといけない最小限のもののみをホールの現場に持ち込む。あと編集や配信は、別のエリアでおこなうというもの。
DG STAGE+ってたぶんこちらの後者なのかな、と推測した。
DG STGAE+って技術的にサポートしているのは、どこの部門なのか?
別会社だけど、DGお抱えということでは、Emil Berliner Studiosがやっているのか?
その可能性が高いと思っている。
映像は4K/2K、音声はハイレゾ・ロスレス、Dolby Atomsということはわかっているが、具体的な信号諸元なども詳しく知りたいものだ。
DG STAGE+は、オフィシャルにアナウンスされたけれど、技術的な突っ込んだ取材はまだされていない。自分のような者としては、どうしてもこういう技術的な細かいことを知りたい。
これはオーディオ評論家の先生方に頑張ってもらって取材してもらいたいものだ。(笑)
世界中のコンサートホール、オペラハウスからライブストリーミング配信。あるいはひょっとしたら、現場の撮影カメラなどもほとんどその国の現場の会社なのかもしれない。そこの会社とDGとが契約を結んで、その現場で撮影したコンテンツをネット経由で入手し、それをDGで配信コンテンツにして、配信しているだけなのかもしれない。DGはあくまで配信プラットフォームとしての場所を貸しているだけ。
このどちらか、と自分は睨んでいるのであるがどうであろうか。
いずれにせよ、世界中のコンサートホール、オペラハウスからライブストリーミング配信、というのはとても時代の流れに合ったとてもいいアイデアだと思う。
ガランチャ様の晴れ姿を観るために、さっそくDG STAGE+に入会した。
月会員で1,990円/月。年会員で19,900円/年。
大体ベルリンフィルのデジタルコンサートホール(DCH)と同じ額だ。
自分はまずお試しとして月会員になった。
まずGUIから。
日本語対応になっていて、文字も大きく、デザインもシンプルでとてもわかりやすい。
お薦めコンテンツとかお気に入りアーティストとかのリコメンデーションがある。
自分で検索したい場合は、どの検索キーで探すかのメニュー画面が現れる。
自分はコンサートホールに興味があるので、ホールを選択してみると、
あ
アムステルダム・コンセルトヘボウ (11)
イザールフィルハーモニー (2)
ヴァルトビューネ (11)
ウィーン・コンツェルトハウス (4)
ウィーン楽友協会 (21)
ウィーン国立歌劇場 (2)
ウォルト・ディズニー・コンサートホール (1)
エルプフィルハーモニー (4)
か
ガスタイク・フィルハーモニー (8)
さ
ザルツブルク・モーツァルテウム (4)
ザルツブルク祝祭大劇場 (9)
サンタ・チェチーリア国立アカデミア (1)
サントリーホール (2)
セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ (4)
た
ドルトムント・コンツェルトハウス (4)
ドレスデン・ゼンパーオーパー (1)
東京文化会館 (4)
な
ナポリ・サン・カルロ劇場 (1)
は
バーデン・バーデン祝祭劇場 (7)
パリ国立歌劇場 (4)
ハルパコンサートホール (2)
ピエール・ブーレーズ・ザール (8)
プラハ・ルドルフィヌム (3)
フランクフルト・ヘッセン州放送局ホール (2)
ベルリン・コンツェルトハウス (6)
ベルリン国立歌劇場 (3)
ま
ミラノ・スカラ座 (1)
ら
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス (4)
ルツェルン文化会議センター (9)
なるほど・・・
ここにベルリンフィルハーモニーホールが存在しないことに気づいた。(笑)これは、やはりベルリンフィルのDCHとバッティングしてしまうからだろう。ベルリンフィルハーモニーは、DCHのほうで観てください。それ以外はDG STAGE+でね、ということであろうか。
検索キーとしては、ソリスト、作曲家、指揮、オーケストラ・演奏団体、ホールという選択肢があり、ありとあらゆるケースを網羅しているように思う。
コンテンツは、ライブ配信だけではない。すでに存在するアーカイブコンテンツもある。ある意味、世界中のコンサートホール、オペラハウスからというのは、アーカイブコンテンツが大半なのではないだろうか。
ちょっとホールでアムステルダム・コンセルトヘボウを選択して、カルロス・クライバー&RCOのベートーヴェン交響曲第7番、そしてアルトゥール・ルービシュタイン&ハイティンク&RCOのブラームスのピアノ協奏曲第1番を観てみた。
これはあくまで自分の勘なのだけれど、これは市販のpublic domainのコンテンツではない非公式のコンテンツなのかなと感じた。
カルロス・クライバーの映像素材DVDは、全部揃えているのだが、RCOでコンセルトヘボウでベト7を振るクライバーってそんなコンテンツあったっけ?という感じである。ルービシュタインのほうもそうである。
そして、これらのアーカイブコンテンツは、時限コンテンツなのである。期限が2024年1月1日までなのである。ますます非公式なコンテンツのような感じがする。
世界中のコンサートホールから配信というけど、アーカイブコンテンツであれば、それは別に大変なことは何にもなくて簡単だよね、と思うし、自分が考えていたのは、いままでDVDやBlu-rayなどで、DGがパッケージ販売してきた膨大なクラシックコンテンツを、ネットコンテンツへと移行したいのかな、と考えていたのだ。
DGが販売しているクラシックパッケージソフトは、もういままで膨大な数があって、ある意味DGの専売特許ビジネスのようなところがあった。それを今後は、DG STAGE+でネットコンテンツという形で販売していきたいのかな、世の中の市販映像パッケージソフトや、レンタルビデオがみんなNetflixやAmazon Prime Videoに入れ替わったように。とそういう風に自分は考えていたのだ。
でもそういうんでもないんだよね。あくまでこの2作品を観ただけだけど、まだトライアルな時期なのかな。時限コンテンツなのも著作権的な問題もあるのだろう。永久にアーカイブするということになると、サーバーの容量の問題もあって、技術的な問題もあって簡単なことではないのだろう。
DGのクラシックパッケージソフトのオンラインコンテンツ化への移行を目指すならば、やはりこのサーバー容量の問題はどうしても解決していかないといけない。
簡単な問題じゃなさそうだ。
また、アーティストもDGと契約を結んでいるアーティスト限定なのだろう。他レーベルのアーティストを掲載するまでは至ってないし、それは難しいのではないか?と思う。
また音楽ストリーミングもカバーする。これもDGと契約しているアーティストの新譜だけだ。おそらく新譜専門だろう。いままでのレガシーコンテンツまで保有しているかどうか。ずっとコンテンツとして残してくれるかどうか疑問だし、どうせ時限コンテンツなのだったら、CDで新譜を買う前の試聴程度の使い道なのだろう、と思う。
自分がDG STAGE+に入会してみて、ちょっといろいろ触ってみて、いろいろなGUIを確認して、ちょっとコンテンツをふたつほど観た印象では、まだまだ、という感じである。
コンテンツが圧倒的に少なすぎるかな。
おそらくDG STAGE+にアクセスしても、コンテンツが少なすぎてつまんないと思うのが大半なのではないか、と自分は思う。
これじゃつまんないな、と。(笑)
やはりまだまだこれから。まだスタート地点に立ったというばかりということなのだろう。
アプリもPC(Windows)とiOS端末(iPhone/iPad)のみの対応だ。MacOSには対応していない。自分はMacBookProをオーディオシステムに繋げているので、ちゃんとストリーミングのクオリティを確認したい場合は、MacBookProでの再生が必要だ。
これもまだまだ。
まっとにかく、DG STAGE+に入会してみよう、と思ったキッカケは、ガランチャ様の勇姿を拝見したいため。
さっそく観ようと思ったところ、「このコンテンツはお客様の国(日本)と契約をしていませんのでご覧になれません。。。」
コラァァァ~(笑)。
入会金返せ~という感じである。
DG STAGE+の英語版のSNSアカウントに掲載されるなら仕方がないと思うが、日本語版のSNSアカウントに掲載されているんだから、誰でも観れると思うじゃんかね。これ問題だと思いますよ。(笑)
NHKオンデマンドでもバイロイト音楽祭の配信をやっているみたいで、それとバッティングしてしまうので、こちらでは視聴できないようにしているのか?
早く契約してください~。
SONY CLASSICAL SACD シングルレイヤー [オーディオ]
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタとこれば、やっぱり第5番「春」。通称、スプリングソナタ。自分は樫本大進氏のデビューアルバムが大好きだった。もう何年前だろうか?1999年頃だと思う。これは有望な大型新人だと期待して、まさかそのまま安永徹さんの後任としてベルリンフィルのコンサートマスターに就任するとは夢にも思わず、本当に嬉しかったことを覚えている。
ベルリンフィルのコンマスが日本人という、いわば日本人の名誉のような安永徹さんが築き上げてきた伝統を、樫本氏が継いでくれる、というなんともいえない頼もしい、日本人として名誉であることこの上ない、本当に彼には期待したものだ。
そんな樫本大進氏のデビューアルバムが、このベートーヴェンのスプリングソナタだったのだ。自分はこの曲が好きすぎて、いろいろなアーティストのものを買ってみるのだが、やはりいちばん自分の感性に合うのがこの樫本氏の演奏解釈だった。理由はシンプル。すごいスタンダードなフレージングだったからだ。
この曲で樫本氏の演奏を超える演奏は、自分の鑑賞史上出てこなかった。
それほど、のめり込んだ樫本大進のベートーヴェン スプリングソナタ。
SONYのSACD草創期のシングルレイヤーSACDで当時は発売された。
その後にはハイブリッドSACDになり、いまはもうSACDはなくて、ふつうのCDではないだろうか。
自分は、もちろんこの一番最初のSONYのシングルレイヤーSACDで所有している。
もちろんいまは廃盤。
最近このシングルレイヤーSACDをラックから取り出して、よく聴いている。
自分の青春時代だったな~と思いつつ感傷に浸っている・・・
と、同時に、このSACDビジネスの草創期の頃にソニーから販売されたSONY CLASSICAL SACDシングルレイヤー自分はかなりまとめてコレクションしており、他の録音ディスクもいろいろ聴いている。ケイコ・リーやマイルス・デイビス。自分のお宝ディスクたちである。
このSONY CLASSICAL SACD シングルレイヤーというディスクは、SONYがSACD規格を発売した1999年当時、そのSACD普及のために発売されたシングルレイヤーのSACDで、当初はまだハイブリッドSACDという発想がなかった時代である。SACDがいかにCDと比較して優れた高音質なのか、ということを世に知らしめるために、いわゆるSACDとして高音質なソフトが必要だったのだ。その普及のために、CDと比べ桁外れの音質向上から話題となり、SACD規格普及の一役を担う事となったSACDディスクであった。
ソフトとハードは、いわゆるにわとりが先か卵が先か、というようなところがあり、どんなにソニーがSACDプレーヤーを次世代音楽光ディスク規格として提唱しても、それを再生するソフトがなければ、その高音質の威力が世に伝わらない。ソフトの果たす割合は大きいのである。
それで、1999年当時、SACDは次世代音楽光ディスクとして華々しくデビューしたものの、そのソフトが圧倒的に少なかった。だからSACDの高音質を体験する、ということがなかなか叶わなかった時代だったのである。
いわゆるSACD草創期である。
その問題点を克服するために規格メーカーのSONYが先導になって、リリースしたSACDソフトが、SONY CLASSICAL SACDシングルレイヤーである。
往年のオーディオファン、SACDファンであれば、SONY CLASSICAL SACD シングルレイヤーといえば、すぐにピンとくる。SACDは、一番最初にソフトとして出たのが、このSONY CLASSICAL SACD シングルレイヤー、そしてその後ハイブリッドSACDの黄金期になる。やはりふつうのCDプレーヤーで再生できるようにしてほしい、世に普及しているCDプレーヤーは圧倒的だったので、その救護策とでもいおうか。そしてマルチチャンネル再生。。。このような要望を一気に引き受けたのがSACDの全盛期のハイブリッドSACDである。
SACDといえば、このハイブリッドSACDのことをふつうは言う。シングルレイヤーSACDというのは、SACDでコーデックされた層のみのディスクだからCDプレーヤーでは再生できない。SACDプレーヤーだけで再生できる。
しかし、規格の普及はSACDハイブリッド(通常のCDとSACDが両方とも聞けるタイプのCD規格)が中心となり、シングルレイヤーはその役目を終えるかのように生産終了へと向かった。ところが後年、再生システムの向上からSACDのシングルレイヤーに再び注目が集まり、ブームになったことがある。
つまりシングルレイヤーSACDとしては、2つの時代があるのだ。SACD草創期のSACDを普及させるためにSONYがリリースしたシングルレイヤーSACD。そしてハイブリッドSACDが主流になってからの時代。この時代は長かった。でもやはり高音質なのは、シングルレイヤーのSACDのほうである、という復刻ブーム。復刻ブームは、シングルレイヤーという構造そのものに注目を浴びた規格だったので、レーベルはSONYだけではなかった。いろいろなメーカーがシングルレイヤーSACDをリリースした。
SACD発売開始当時その普及の一役を担ったSONY CLASSICAL SACDシングルレイヤー・シリーズ。生産終了となっていたが、2013年頃かな?お客様の声に押され、今回数量限定で復刻となったことがありますね。
今回、自分がお話をするシングルレイヤーSACDは、このSACD草創期のSONYがリリースしたシングルレイヤーSACDのほうである。
いま自分のオーディオファン、オーディオマニアとしての略歴を振り返ってみると、自分のオーディオライフと言うのは、1999年に規格発表されたSACDとともに歩んだ時間だったな~と思う。SACDとともにオーディオに熱くなり、膨大な大金を湯水のように使って、機器やSACDソフトを買い漁った時代。月にかけるソフト代は毎月軽く10万は超えた。
SACDとともにオーディオの世界を見てきて、そしてSACDの終焉と共に、自分のオーディオライフは終わろうとしているんだな~と思う。(笑)
mixiで全国のオーディオ仲間と知り合う。首都圏をはじめ全国津々浦々有名なオーディオファイルのお宅の音を聴かせてもらう。(まさにいい音とは?耳の修行である。)オーディオだけの問題だけではなく、生演奏、コンサートとオーディオの関係について、自分なりの定義づけが必要になり、むさぼるように生演奏、コンサートに出かけた。それはまたコンサートホールの音響そのものへの興味へと移り、国内はもちろん、世界中のコンサートホール、とくにヨーロッパのコンサートホールをじかに体験したいと思い、海外音楽鑑賞旅行を始めた。SACDについては、肝心のSONYがSACDはCDを置き換える規格ではなく、マニア向けの高音質ディスクという位置づけとアナウンスしてから、SACDはマニアが秘かに集める高音質特化型のディスクという位置づけになった。
それに呼応するかのように世界のマイナーレーベル、インディーズレーベルがSACDの規格を積極的に採用して、とくにマルチチャンネルサラウンド再生に熱くなった。PENTATONE,BIS,Channel Classics,CHANDOS,SIMAX。。。こういうSACDを採用するマイナーレーベルに夢中になった。彼らのレーベルの新譜を買うのが趣味なっていった。またPENTATONEのように、マイナーレーベルに所属するアーティストはとても自分には魅力的だった。。。
こんな感じだろうか。(笑)
みなさんもリアルタイムにいっしょに体験してきた時代なので、よくお判りでしょう。
結局、自分のオーディオマニア、オーディオファンとしての時代は、このSACDに始まって、SACDの終焉と共に、終わったと言っていいと思う。いまやストリーミングといっても、完璧に他人事である。もうあの頃のような熱意はオーディオには抱けない。高齢と共に予算体力もなくなって、オーディオに投資する体力もない。自分のオーディオライフは、結局このSACDが活躍した時代だったんだな~というオーディオ振り返りである。
あの頃は、いろいろなオーディオファイルのお宅を訪問して耳を鍛えたことも鍛錬だったが、オーディオショップで試聴する、というのも大きなウエイトを占めていた。秋葉原のダイナミックオーディオ5555とか、HALとか秋葉原も何回か試聴させていただいたが、秋葉原は遠くて、結構身近なところで済ませていたようなところがある。
当時、結構通っていたのは、新宿にあるダイナミックオーディオと、当時広尾にあったU-Audioだったかな?そしてオーディオ機器だけでなくテレビなどのAV機器全般としてアバック横浜店。こんなところが自分のよく出没していたエリアだった。
U-Audioは儲けることなんて鼻から考えておらず、まさに趣味の世界で我が道を行くという感じで好きだったな~。高級住宅街広尾にポツンと立っているU-Audio。(いまは移転していますかね?)U-Audioは何回か行ったけど、あそこで聴いたチェリーのB&W 800Diamondの音はいまでも衝撃で忘れられないです。自分が自宅で再生している800再生とこんなに違うのか!新型の新しいB&Wのその音の素晴らしさ、なんかすごいショックで落ち込んだことを覚えている。
自分が一番の頻度で、いわゆる毎週通っていたのが、ダイナミックオーディオ新宿店である。
ここは毎週金曜日、会社が終わってからかならず寄っていた。当時は前職の会社に勤めていたので、山手線だったので、金曜日の花金(死語。。笑笑)は、かならず新宿に出ることが日課になっていて、そこでまず一週間働いたご褒美として、麺屋武蔵のラーメンを食べること。(美味しかった時代です。。笑笑)そして、このダイナミックオーディオ新宿店に入って、いろいろ機器を眺めたり、入庫した機器をチェックしたり、試聴させてもらったり、もう入り浸っていた、と言っていい。
ダイナミックオーディオ新宿店は、靖国通り沿いにあって、歌舞伎町から東に5分ほど歩くと新宿店がある。新宿店は同じビルだが、地階、1階、2階に別れており、それぞれ宮越店、角田・小林店、岩瀬店という名称である。1階は初級から中級機器が試聴可能となっており、アクセサリーも比較的多く陳列されている。いわゆる角田・小林店ですね。ここはよく商品覗いていましたよ。どんなの入荷したかな~という感じで。
2階の岩瀬店は中古高級オーディオが充実。かなり狭い空間で、そこにびっしりと中古高級オーディオのSPが並んでいた。ゆっくりと試聴できるようになっている。結構自分はここもおじゃましていた。
でも自分にとって、やはりいちばん入り浸っていたのは地下階にある宮越店である。本当に幅の狭い急な階段を下りていくという感じで、入り口のところにはアクセサリーがウィンドウケース内に売られていた。まさにハイエンドオーディオが整然と並べられており、足を踏み入れるのに躊躇してしまうほど壮観であった。1階の角田さん・小林さんのところもときどきハイエンドのSPが入荷することもあったが、やはりハイエンドのレベルとしては、地下階の宮越さんのところが圧倒的だった。トランスポートにしてもEsotericの最高級を始め、蒼々たる顔ぶれ。すごい観ていて楽しかった。
部屋の一番隅っこの中年の男性が2人机に座っていた。おそらく1人が宮越さんなのであろう。いつも行ったら、かならず片方が、お得意さんと電話している感じであった。
かなりハイエンドだったんだけど、SPいま思い出せなんだよね~。よくこんなSP入荷できたな~というようなブツがよく入っていた。そしてなによりも自分はそこで試聴するのが最高の楽しみだった。持ち込みディスクは可能なので、そこでかけさせてもらう。
やっぱり当時、オーディオって高級、ハイエンドなインテリア、置物として鎮座する重厚感、フォルムの美しさなど、素晴らしいリビングでそういうオーディオ機器が鎮座していて、そこで静かにクラシック音楽を聴く、というそういうなにかステレオタイプとでもいうようなイメージがありましたよね。自分はあの雰囲気がなんともいえないくらい好きだった。
やっぱりそういうハイエンド機器で聴く音楽というのは、どんな機器で聴いても高級でいい音に聴こえたものだった。自分はそういうシチュエーションがなによりも格好良かったし、好きだった。自分はあの当時ほんとうにオーディオが好きだったな~と思う。
それを毎週金曜日に仕事が終わったと同時に、自分へのご褒美として実現させていたのが、ダイナミックオーディオ新宿店の宮越店での試聴タイムだったのだ。
そして、ここで自分は運命の出会いをすることになる。
それはその地下の宮越店でラックに飾られて、陳列されていたSONYのSACD。それこそがまさにSONY CLASSICAL SACDシングルレイヤーだったのだ。SONYの草創期のシングルレイヤーSACDはパッケージに特徴がある。まずプラスティックケースではないのだ。丁寧な造りの紙製のBOXタイプで、背表紙が黒なのである。見た目かなり高級感がある仕様になっていて、かなりカッコいい。その黒の背表紙のSACDが、ずら~っと並んでいる姿は、まさに壮観でかなりカッコよかった。
自分はひとめぼれ。
うわぁ~これは欲しいな~と直感で思った。
細長い茶色のラックに格納されていて、ずら~っと黒の背表紙のSONYシングルレイヤーSACDが並んでいるのである。これはかなりカッコいい。高級感があって、いかにもハイエンドなオーディオルームの部屋の風情に似合う光景であった。ラックの濃いめの茶色と、この並んでいる黒の背表紙がみょうにマッチングしていてカッコいいのである。
自分はすかさず、宮越さんに(おそらく)これ、なんのディスクですか?ふつうのプラスティックケースのCDやSACDじゃないですよね?
そうしたら、それがSONYがSACD普及のために特別に開発した初期の頃のシングルレイヤーSACDであることがわかった。
それからである。
自分は同じものが欲しいと思った。
同じものをコレクションして、同じような茶色の細長いラックに格納して、黒の背表紙のSACDをずら~っと並べたいと思ったのだ。それを自分の部屋で実現したかった。
それから自分の格闘が始まった。ネットで探したものの、ふつうのHMVやタワレコのオンラインでは売っているものでもなし。
SACD草創期のディスクですからね。廃盤含め、貴重でなかなか手に入らないですよね。もう目を血眼になって、夜な夜なネット中のサイトを徹底して調べ尽くした。
そうしてようやく見つけた!
全然無名のCDを売っているネットサイトなので、素性が怪しいが、確かにSONYの初期のシングルレイヤーである。値段が3675円であることが特徴だった。
もう自分の目的は、そのディスクの音楽、そのアーティストを聴きたいという意味ではない。自分がやりたいのは、茶色の細長いラックに、この黒の背表紙のSONYシングルレイヤーSACDをずらっと並べたいことなのだ。ますそういう形から入っていきたいのだった。いわばインテリアとしてそういうディスクを集めたいだけであった。
だから、もうむさぼるように、単に数を稼いで集めるために、どんどんそのSONY シングルレイヤーSACDを大人買いしていったのだ。いま考えてみると節操のない買い方というか、もうジャンル的にすごいことになっている。
もちろんクラシックを徹底的に買いこんだが、クラシックだけでは数が足りず、いろんなジャンルの音楽を買った。デューク・エリントン、トニー・ベネット、ウェザー・リポート、ジャーニー、小松亮太、ビリージョエル、ボブディラン、ザ・スクウエア、渡辺貞夫、そしてロックバンドのTOTOなんかもある。(笑)
とにかく黒の背表紙の数を稼ぎたかったので、クラシックだけでなく、いろいろな音楽のディスクを買った。
そしてあとは茶色の細長いラックかな?これはなにかカタログか何かでいろいろ物色して探したような記憶がある。
そうしてようやく完成!
あのダイナミックオーディオ新宿店の地下階の宮越店で見た茶色の細長いラックに黒の背表紙のSONYのシングルレイヤーSACDをずらっと並べる様。
自分の部屋では、こんな感じである。(笑)
まっ確かに要点は抑えているんだけど、やっぱりあの地下階の宮越店で拝見したようなハイエンドオーディオルームらしいちょっと照明が薄暗いそんな中で見る細長い茶色のラックに黒背表紙のSONY SACDとは、やはりなんか高級感が再現できないというか。。。難しいですね。あの高級感と存在感は、自分の部屋ではなかなか再現できないです。
でも、これで自分のSONY CLASSICAL SACDシングルレイヤー蒐集のための病気は一段落したのである。(笑)
あのとき、あの地下階の宮越店のその細長い茶色のラックには、もうひとつSONYのSACDのロゴがついている置物のようなインテリアが飾ってあって、あれがすごい欲しくて欲しくて堪らなかった。
宮越さんに、これ欲しいんですけど?と聞いたら、どれかオーディオ機器を買っていただければ、プレゼントしてもいいですよ、とのお答え。泣く泣く諦めたことがある。(笑)
そうやってようやく集めたSONY CLASSICAL SACDシングルレイヤー。
もういまとなっては廃盤で入手不可能な貴重なSACDディスクである。
これが樫本大進氏のベートーヴェンのスプリングソナタ。自分のこの曲のリファレンスです。
なかはこんな感じになっています。紙製のBOXなんですが、厚みがあって高級感あふれる造りとなっています。いまはもうこんなお金のかけた作り方はできませんね。
ケイコ・リーさんのSONY シングルレイヤーSACDも5枚も蒐集しましたよ。
若いな~~~。(笑)自分の青春時代のJazz界の愛しのディーヴァでした。(もちろんいまでも大ファンです。)六本木のSTB139、ビルボードライブ東京、ブルーノート東京。もうありとあらゆるライブレストランで彼女のライブを追っかけてましたよ。湯水のようにお金つぎ込んでいました。彼女のSONYから出るアルバムもかならずSACDでリリースしてくれるのが、SACDファンの自分にとっては最高のジャズシンガーなのでした。この初期の頃のシングルレイヤーSACDでもちゃんだと出してくれていたのです。
当時、ジャズを一生懸命勉強したいと、とずっと頑張っていた時代で、ジャズならまずマイルス・デイビスを習得しないだとダメだろう、ということでこのSONYシングルレイヤーSACDもマイルスのアルバムを、なんと16枚も購入しました。その後、通常のハイブリッドSACDでは買わなかったので、マイルス・デイビスのディスクは、これが最初で最後だったです。自分のお宝ディスクです。
いま振り返ってみて、自分のオーディオライフ、オーディオマニアの人生は、SACDとともに生きてきた人生だったな~と統括できると思いますが、やはりあの頃の機器はすごく格好良かったですよ。
やはり自分の原点は、SONYが1999年にリリースしたSACD旗艦機、SCD-1,TA-E1,TA-N1,SS-1EDでしょう。ソニーの最初で最後のセパレート型アンプ。そして長岡鉄男さんが愛したパワーアンプTA-N1。
定価400万のソニーのSACDフラグシップ。
自分のオーディオ人生はこのセットがすべてだったですね。
中古ですが、全部揃えて所有していた時期があります。
5年くらい聴いたのかなぁ~。
特にスピーカーのSS-1EDは、日本に15台しかない代物と言われ、中古市場でも滅多にでない珍SPではありました。オーディオ友人が某喫茶店で、単に飾られているだけでほとんど使われていないところを発見して、交渉してそのオーナーから譲ってもらったのでした。その幻のSS-1EDが自分の部屋にやって来て、かけられている毛布をさっと外されたときに、そのお姿を拝見したときのあの胸のドキドキ感、天にも昇る昇天気分、興奮はいまでも忘れられません。
じつにカッコいいSPです。
意外やサランネットをつけた姿ってお目見えしないというか、見たことのない人が多いと思います。頂点に付いているスーパーツィーターがソニー自慢のSPTWで、100KHz再生を謳った自慢のモノです。
このSPのサウンドを聴いたことのある人は、おそらくオーディオマニアの中でもかなり希少というか少ないのではないか、と思います。非常に力感溢れる線太い骨太な音で、完璧なまでのピラミッドバランスの取れた帯域バランスのようなサウンドです。
SACDの設計はおそらくクラシック音楽をリファレンスにして音作りをしていると思うのですが、このSS-1EDは、どちらかというと、ロックやジャズのようなオンマイク録音のような骨太なサウンドが力感溢れてよく鳴るというか、そういうサウンド傾向にあると思いました。
解像感や繊細な感じとしては、B&WのSPのほうが軍配が上がったと思います。
SCD-1はまさに不動のフラグシッププレーヤーとしてベストセラーの大人気商品となりました。高級感が溢れていてカッコよかったな~。
このスタビライザーのスライド式の開閉、動きもゆったりな動きでいかにも高級感溢れています。でもすぐピックアップ読み取り不良になることで有名な機器でした。(笑)
やっぱりこのSACDフラグシップ旗艦機、カッコよかったよ~。こういう気品漂うというか、高級感が滲み出ているカッコよいフォルムって、まさにこれこそがハイエンド・オーディオの極致だと思います。
もう最近のオーディオ機器ではほとんど期待できないのではないでしょうか。
やっぱりオーディオ機器って自分にとってはフォルムがすごく大事な要素なんですね。どんなに音が良くても、デザインの好みでない機器は、自分はまず投資しないです。自分のリビングや居間にずっと置いていっしょに生活していこうとしていく相棒ですから、デザインが自分の好みじゃないともう息苦しくて呼吸できなくて、その瞬間でもうアウトです。
時代とは言え、もうこういうスタイルのフォルムのオーディオ機器は現れないような気がしますね。
この完璧なまでに美しくて高級感溢れるフォルムのSACDフラグシップ旗艦機に黒背表紙の草創期のSONYのシングルレイヤーSACD。まさにこのSACD時代が、自分のオーディオライフ、オーディオ人生のもっとも輝いていた時期でした。
もういまやそんな熱意もなし。
この頃をピークに、その後どんどん予算や意欲も薄れていき、ストリーミング時代になっていき、高級感とは程遠い、そして音楽の聴き方の根本的な変化、音楽の業界そのものの変容の時代となって行くことを肌で感じながら、ただただ茫然と横目で見ているのが、今と言う感じでしょうか。
最近はほとんどオーディオトピックスは、あまりめぼしいものはないと思いますが、今年秋にQubozがついに日本にローンチという噂がありますね。
まっいざそうなったら、ちょっとどんなもんなのか、試してはみますよ。
でも自分的には、ストリーミングはもうSpotifyで全然事足りてますよ。(笑)
いまさら、これ以上のものはそんなに要らないかな、という感じです。
うさぎ仮面さん [オーディオ]
うさぎ仮面さんのご逝去は、ほんとうに驚きとしか言いようがなかった。つい先日まで連射モードで毎日すごい勢いで発信されておられたので、その訃報はあまりに突然で信じられなかった。
心臓の大きな病気をなされてから、すこし養生されるというか投稿のインターバルが長くなったが、でもひとたび噴火すると、もうすごい勢いで連射するので、あぁぁ~すっかり元気になられたんだな~と安心していたのだ。
つい先だってもLOVEGUNさんが復活した、ということで、ほんとうに嬉しそうで嬉しそうで大激射モードで発信されておられた。
なんか人間の生ってあっけないな、と思ってしまう。
自分はうさぎさんときちんと会ってお話したことはないし、うさぎさんの機竜も聴いたことはない。ゴローさんのお葬式で渋谷の会場でお会いし、そのときに自己紹介で挨拶した程度。たったそれっきりである。
だからおまえにうさぎさんの想い出を語る資格あるのか、と言われそうだが、やっぱりけじめで書かないといけないと感じた。リアルなお付き合いはなかったけど、mixiの日記やつぶやきを通じて、ずっと付き合いがあった。
ボクとうさぎさんは、ネットを通じての交友である。
mixiに入会したのが2009年だから、もう14年間のネット上のつきあいである。
ボクの日記で、自分のツボに入ったときは、よくいいねをくれたし、コメントをくれたりすることもあった。逆もである。ボクがうさぎさんの日記はかならず読むし、毎回いいねである。コメントもよく入れた。
そして、おたがい道産子である。うさぎさんは夕張出身なんだね。札幌味噌ラーメンのことで意見が一致したこともあります。(笑)
うさぎさんの日記で、ときどき、タイトルに、”ノンノンさんの・・・”とか、日記の冒頭上で、”ノンノンさんが日記で言っていたんだが・・・”というのが結構というか、かなりあるんだよね。(笑)
そのたびにボクはもうびっくりしてドキドキしながら読むわけだ。(笑)
ありゃ~、なんかお気に召さないことでも語っちゃたかな?とか。(笑)
それはいやそうじゃない、というのもあるが、同意の意思表示も多かった。
そうやって自分の日記にボクの記事を引用してくれるのは、やはりネット上の交友関係として良好だったから、と言えるのではないかと思う。だから自分もちょっとは想い出っぽいことを書く資格はあるんではないか、と。
2009年にmixiに入会して、hijiyanさん、教授、モモンガさんとか全国のオーディオ仲間と友達になり、オフ会交流もするようになり、いままで趣味は1人でやっていたのが、いっきに自分の世界が広がった。その中で、ゴローさん派というか、ここはゴローさん、エム5さん、うさぎ仮面さんが三大巨頭。この3人の音は絶対聴かないといけない、とよく言われたものだった。
当時、最初の頃は、うさぎさんは尖っている印象でちょっと怖いイメージだった。でもメッセージで今度機竜聴かせにお伺いさせてください、とご挨拶のメッセージを出したら、快く快諾いただき、うちは堅気の仕事じゃないんで不規則なんで、来るときは事前連絡お願いします・・・みたいな返事だったと思う。
結局それ以来、そのままになってしまった。
それ以来日記を通じての交流となった訳だが、うさぎさんの日記は、ほんとうに感心するのは完璧なまでに自分軸を持っていること。自分の視点から書いていることだ。自分の価値観がしっかりあって、あまり世間の流れとかに左右されない人である。
自分の世界がある。
世評を酷評することも多かった。(笑)もちろん賛辞も多かったけど。
うさぎさんの文章は、すごい短文でシンプル、余計なことはいっさい書かなく、核心だけを書いてくるので、非常に明瞭で、スカッとするし、山椒にピリリとくるような快感がある。
非常に面白いな~と思った。
これも個性ですね。文体は個性そのものです。
オーディオは、やはり生音へのこだわり、うさぎさんちの音は、すごい生々しくて、たとえば銃声の音をいかにリアルに再生するか、などずっと聴いていると心臓が痛くなってくるという感想をよく聞いた。音楽ももちろんだけど、それ以上に音へのこだわりがハンパない徹底したオーディオマニアだった。じっさい聴いたことのないオレが言うのもなんだが・・・(笑)長岡鉄男さんを信仰していて、よくその話も日記で読ませていただいた。
やっぱりうさぎさんの日記は、音へのこだわり、いかに鮮烈な音、そういうものに拘っていた日記が多かったような気がする。
最初の頃は、けっこう尖っていて、ゴローさんにも堂々と反論するような感じだったので、怖いイメージが自分にはあったのだけど、ゴローさんのお葬式で直接お会いしたときは、外見はとてもふつうの人に見えたので、この人がうさぎさんか~と思ったのも確かである。
いま思えばうさぎさんは、すごく純粋な人だったように思う。自分が好きなもの、興味があるものを徹底的に語っていた。音楽はなんでもこい。クラシックも詳しかったりする。ボクの日記を引用して、禅にも興味があったりということがわかって、すごい引き出しが多い人だったね。
もうひとつこれはうさぎさんの才能だと思うのだけど、mixiの日記のTLにうさぎ仮面マイナス1とあの少女のアイコンが流れてくる、と、思わず”オッ”と思ってしまうことだ。そしてかならず日記を読みたくなる気持ちにさせること。そういうオーラがあった。
これは非常に重要なことなのです。
自分もどちらかというと発信する側なのだけど、TLに流れるときに、”オッ”と思わせるそういうなにかオーラがあることは、すごい大事なこと。うさぎさんの日記は独自の視点で面白い。山椒にピリリと辛い爽快感がある。そういう味があるから、流れてくると、思わず”オッ”と思ってしまうんだよね。
発信する側は、読者側に対してこういうオーラがないとダメです。
そういう感じで、mixiの日記上でずっとうさぎさんの日記を読んできた自分からすると、もうそれが読めなくなるか、と思うと、ひたすら悲しいです。
Debbyさんも亡くなられたしね。Debbyさんも一度もお会いしたことがなかったのだけど、メッセージとかすごい頻繁にくれて、ボクの日記にも毎回いいねをつけてくれて、コメントもよく入れてくれた。
いつも楽しい記事をありがとうございます。すごく勇気づけられます。これからもどんどんお願いします、とメッセもよくいただいた。当時は女性のオーディオマニアは非常に珍しい存在で画期的でパイオニア的な存在だったと思う。悲しいお別れ方だったが、ステレオサウンドがちゃんとDebbyさんの追悼の記事を書いてくれたのが、すごい嬉しかったです。
こうしてみると2009年にmixiに入会して、ゴローさん、Debbyさん、そしてうさぎ仮面さんの3人が亡くなられた。なんか信じられないよ。ゴローさんはさておき、つい最近まで同じTL上でひんぱんにお見かけしていた人なのに、とつぜん逝っちゃうなんて。
あらためて、人間の生ってあっけないな、と思ってしまう。
ふだんとまったく変わらず連射モードで毎日発信していた人が、ある日突然他界してしまう。けっこうあっけないんだよね~。
たぶんオレもそうだ。(笑)
間違いない。(笑)
オレのように50代後半になると、テレビやネットで報道されている訃報の俳優さんとか、みんな自分の世代の人なんだよね。あれ~あの人が。。。てな感想を抱くことが多くなった。やっぱりこれは自分が歳をとったということなんだよね。
若い頃はまったくそういうのに無関係なんだけど、ある年齢に達すると、そういう現象が身近に多くなります。そしてmixiや他のSNSでもそういう自分が知っている、自分の世代の人の訃報をこれから多く接することになるんだろうな。自分がそういう歳になった、ということだ。
これから葬式に行くことも多くなるし、喪服を使うことも多くなる。
そういう歳になったということです。
ビートルズが新しい新曲を出すらしい。1978年頃にデモってた音源で、ジョンの声をAIで正確に摘出して、もちろんジョージの声も、それを使ってビートルズとしての新曲を作ったらしい。ポールが発表した。”ナウ アンド ゼン”ではないか、と言われている。
AIは使うが、AIで新たにジョンの声を生成したのではなく、あくまでデモテープ音源の中からノイズを除去しながら綺麗にジョンの声を摘出するのにAIを使ったとのこと。だから正真正銘の4人の声によるビートルズの新曲である。
これを聴いて、日記で感想を書きたいと思う。そしてそれをうさぎさんに献呈したい、と思う。
ビートルズ愛に溢れていたうさぎさんに贈ることで、こういうのがいかにもボクらしいと思うんだよね。
うさぎさん、あの世でゴローさんと十分にオーディオ愛語り合って楽しんでください。
現世お疲れ様でした。
カセットテープ復刻 [オーディオ]
今年はカセットテープが静かに復刻するということで(本当??。。笑笑)、カセットテープについていろいろと。カセットテープは自分の青春ど真ん中の記録メディアなので、あまりに想い出ありすぎます。
この復刻の話、本当なのだろうか、とネットでいろいろググってみたのだが、どうもそうらしいことがわかった。驚きとしかいいようがないです。
いまアナログレコードが流行しているのをご存じの方は多いだろう。そんな中、実は同じくアナログのカセットテープも再注目されているそうなのだ。
カセットテープが最も売れていたのは1980年代。ウォークマンやレコードレンタルショップの登場と共に、音楽好きがこぞってカセットテープに音楽を録音して楽しんでいた。
しかしCDの登場と共に徐々にカセット文化は衰退。2000年に差しかかるころには生産量も減少してしまった。
自分のカセットテープ熱がもっとも熱かったのが1983~1986年の大学4年間。もちろん1977~1982年の中学・高校生のときもカセットテープに音楽を録音してビートルズとかよく聴いてました。
でもそれはラジカセであって、本格的なカセットテープデッキが発売されて、カセットテープが一大ムーブメントになったのは、自分が大学生の1983~1986年の頃だと思う。
またカセットテープのブームに火をつけたのが、ソニーが1979年に出したウォークマン第1号。猿のCMとともに大変な話題となりましたね。
外で歩きながら音楽を聴くという文化が初めて花開いた、まさに画期的な発明でした。これは衝撃でした。
そんなカセットテープであるが、2010年代中盤から海外のアーティストを中心にアナログレコードに加えカセット形態で新譜を発売するようになり、その結果カセットは新たに若者の支持を集めはじめているのだそうだ。
デジタル音源が普及し、サブスクリプションサービスで簡単に音楽を聴けるようになった世の中だが、カセットにはデジタル音源が普及した今の時代でも楽しめる特別な価値があるのだそうだ。
これまで日本においてカセットの需要を支え続けていたのは、主に60代以上の高齢者層。用途としては、カラオケや演歌の録音、再生といったものがメインである。
しかし2010年ごろから海外のアーティストが新譜のアルバムをレコードだけでなく、カセットの形態で発売するようになった。
サブスクの影響もあり、フルアルバムではなく聴きたい曲だけを聴く人が増えたため、「アルバム単位で自分たちの作品を聴いてほしい」というアーティストにとってアナログメディアは有効だからだ。
2016年には、あのmaxellで有名だった日立マクセルがあの1970年代の黄金期のカセットテープ maxell UDを復刻版で再発したとか。
日本においてブームの火付け役となっているのは、50代以上の既存ユーザーだけではなく、10代~20代の若年層がブームの火付け役として大きな役割を担っているのである。
つまるところ、カセットやアナログレコードが”シンプルにカッコいい”という一言に集約されるから魅了されているわけ。結構いまの若者、Z世代の人たちにとって、昭和のモノって逆にすごく新鮮に映るらしい。
オンライン、サブスク全盛の時代の無形のモノと比べて、有形、モノの所有というか、レコードやカセットが格好良く映るらしい。
ところでカセットテープって知ってますか?(笑)
こんな感じの磁気テープに音楽を記録する記録メディアです。カセット型のケースに入っています。我々が手で触るのは、このケースのほうです。磁気テープに音楽を記録していくんですね。A面、B面というのがあります。A面まで来たら、B面にひっくり返すという作業が必要になります。
テープに爪があってそこを折ると録音禁止になって、そのすでに録音された音楽は永遠保存版として残せることになります。テープが、デッキのヘッドに絡まるトラブルもよく起こります。そのときは鉛筆をテープケースの丸穴に差し込んでクルクルと巻き戻す作業が必要になります。(よくやりました。)
カセットテープを売っていたメーカーは、ソニー,TDK,maxellとか王道だったですね。自分は、TDK,maxell派だったな。
カセットテープに録音できる分数は、46分、54分、60分、74分、90分、110分でしたね。録音する曲の長さによって選びます。だから、片面のA面、B面に録音できる分数は、その半分になります。
その他にもカセットテープには、その磁気テープの品質でランクがありました。
ノーマルポジション
ハイポジション
フェリクローム
メタル
カセットテープを買うとき、そのランクで高音質用か、ノーマル用か判断して買うのです。やっぱり自分のお気に入りの曲は高音質のテープで録音しておきたいというのがあるじゃないですか。
メタルテープが最高に音がいいということだったけど、やはりお値段も高かったですね。またメタルテープとかは再生するデッキ側にもそれなりの対応がないと効果がないらしく、それを知らない子供の頃の自分は、ふつうのデッキでメタルテープを使ってそんなに音質って変わらないな~とよく思っていました。(笑)
でもこの音楽はぜひいい音で録音しておきたいと思ったときは、よくメタルテープを買ってました。TDKかmaxellだったな~。
カセットテープの音質って丸っこい暖かい音でしたね。いまのようなデジタル音源のようにドンシャリというか、高域や低域を強調するような加工をせず、低域、高域はそのまま減衰して中域が盛り上がるかまぼこ型で、丸っこい音で暖かい音だったと思います。いわゆる心地よく、聴き疲れしにくい音質。
アナログレコードが復活しているのは、よくわかっていますが、カセットテープも復刻しているとは驚きでした。2023年、本当にカセットテープも静かに復刻してくるのでしょうか・・・。
自分にとってまさに青春ど真ん中、思春期の大学4年の1983~1986年は、まさに自分のカセットテープ黄金時代のときでした。
カセットテープをどういう用途で使うかというと、2通りあります。
①アナログレコードからカセットテープにダビングする。
②FMエアチェックする。
①は、やっぱりこの時代はアナログレコードが最大のメディア。アーティストから新譜が届くときは、アナログレコードで新譜発売されます。我々学生は、アナログレコードを買う訳ですが、その新譜を聴くためにいちいちレコードをターンテーブルに乗せるとかというとあまりそういうことはしないんですね。
1度レコードを買ったら、もうすぐにカセットテープにダビングしてしまうのです。そしてそれ以降は、新譜は、全部そのカセットテープのほうで聴くのです。そのほうが利便性がいいから。買ったレコードはそのままレコード棚で終生大事に保管されるのです。
あと大学生だからお金がないから、そんなにレコードをたくさん買えないのですが、そういうときはそのレコードを持っている友達のところでテープにダビングしてもらうのです。
そうやって友達とシエアしながら分担して新譜のレコードを買っていたような気がします。だから、ふつうに音楽を聴くと言ったら、もうカセットテープで聴くことを意味していました。
②のFMエアチェックも流行りましたな~。
いまもそうかもしれませんが、我々どこから音楽情報、特に洋楽のアーティストの情報を得るかと言うと、FMのラジオから仕入れている場合が大半でした。そのFMでの自分のお気に入りの音楽案組やお気に入りの音楽DJから紹介のあった曲をカセットテープにダビングするのです。この行為をFMエアチェックといいます。
おこずかいをはたいて新譜のレコードを買うよりも、FMラジオだから、無料じゃないですか。だからFMエアチェックは絶好の音楽をダビングできるツールだったのです。
いまは記録メディアへの記録はデジタル録音なので、コピーしても品質が落ちないということで、それじゃまずかろうということで、FMのラジオ番組で流す曲は、初めから最後まで通しでかけることはなくなったような気がします。でも当時は、カセットテープへのアナログ録音なので、当時のコピーの解釈は、複写することで品質が落ちるならいい、ということで、FMラジオでの曲紹介も曲をまるごと通しでかけていたように思います。
自分は、この①と②で大学生時代の音楽ライフを楽しんでいました。
この頃は、自分は洋楽ロック専門でした。
これが自分が大学生のときに、一生懸命アルバイトをして買ったFMチューナーとカセットデッキです。
TRIO KT-1010
Victor DD-V7
Victor DD-V7のほうは、1982年発売で79800円。
Trio KT-1010のほうは、1983年発売で59800円。
いま見てもその洗練されたデザイン。カッコいいです。惚れ惚れします。昔はこういうメカニックなデザインが好まれたんですね。買う人は大抵男性だったので。いまも自分の部屋にちゃんと残っています。
FMチューナーのTRIO KT-1010は、いまも現役です。いまもFMラジオで聴くときはこのチューナーで聴いています。TRIO(いまのKENWOOD)の最高傑作といってよかったです。TRIOといえばチューナーでした、自分にとっては。
これでアナログレコードの新譜を買ったら、すぐにターンテーブルに乗せて、このVicotr DD-V7でカセットテープにダビングしてしまうのです。またFMエアチェックするときは、TRIO KT-1010でFMラジオで番組をチューニングして、そして同じくVictor DD-V7でカセットテープにダビングしてしまうのです。
そしてあとは、そのダビングしたカセットテープで普段は音楽を聴いている。これが自分たちの青春時代の音楽の楽しみ方でした。だから思春期の頃の自分はカセットテープとともに音楽生活をエンジョイしていたんですよね~。
このカセットテープへのダビングすることで、大事な儀式があります。
それがカセットテープへのラベリングです。
べつにふつうに手書きで自分の文字で書いてもいいですが、それじゃ味気ないじゃないですか?そこで自分はある雑誌についているカセットテープ用のインデックスカードを利用していました。
FM STATIONって知ってますか?(笑)
まさにこの自分が過ごした1983~1986の大学時代の青春思春期に黄金期だったFM雑誌です。FMの各ラジオ局でどのような番組があるかのいわゆる番組表ですね。それ以外にもアーティストの最新情報とか、インタビューとか満載で、学生の音楽ファンにとってはすごく優しい雑誌でした。みんな愛読していたのではないでしょうか?週刊だったような気がします。
絶対みんな知ってますね。
この毎週発行されるFM STATIONにカセットテープ用のインデックスが付録としてついているのです。これが自分は毎回楽しみで楽しみで堪らなかったです。
鈴木英人さんイラストのカセットインデックス。懐かしすぎる~。(笑)
カセットの背表紙の枠縁が赤、黄、緑、青、とかいろいろカラフルで、その中の白い部分にアーティスト情報や曲名を書いていくんですね。
そして表紙には、あの独特のテイストの鈴木英人さんのイラストが描かれているのです。これが最高に楽しみでした。
自分にとって、FM STATIONを買うということは、この付録についている鈴木英人さんのイラストインデックスをゲットするということを意味していました。
この鈴木英人さんイラストのインデックスにラベリングをする訳ですが、これもまさか手書きする訳にはいきません。今も文房具店にはあると思いますが、専用のレタリングシールを活用するのです。シールの文字はアルファベットです。いまでも文房具屋さんに売っていると思います。
アルファベットのレタリングシールを購入して、このFM STATIONのインデックスにそのシールを貼り付けていくのです。そうすると見栄えのいいカッコいいインデックスが出来上がり、カッコいいカセットテープのコレクションが出来上がるのです。
自分の場合、アナログレコードからカセットテープにダビングしたテープの管理に、このインデックス管理をしていました。
たぶんいまも大事に保管しているのではないか、と思い、押し入れの中でゴソゴソ探したのですが、ありました!大学生当時は、茶色の3段のテープ用ラックを保有していて、それにびっしりラベリング付きのカセットテープを収納していたのですが、いま押入れを探してもどこにも見つかりません。
廃棄してしまったのかな~?勿体なさすぎますね。財産だったのに。
でもその一部だけですが、テープはきちんと保管できていました。
これです!懐かしすぎる~。(笑)FM STATIONの鈴木英人さんイラストによるインデックスでラベリングした自分のカセットテープコレクションです。
まさにカセットテープの黄金期に自分の青春時代があって、カセットテープとともに思春期に音楽を聴いてきたので、忘れようにも忘れられない記録メディアなのです。
その押入れの段ボールの中には、こんなものもありました。
MDって知ってますか?(笑)
ソニーが開発したカセットテープの次の時代の音楽用記録メディアですね。アナログレコードからカセットテープにダビングして普段はテープで音楽を楽しむという時代から、アナログレコードからCDの時代に変わっていって、最初はCDからカセットテープにダビングしていましたが、もっと高音質で楽しむために次世代の音楽専用の記録メディアとしてMDが開発されたんですね。
MDというのはMini Discの略です。
要はいままでの磁気テープではなく、磁気ディスクですね。丸い円盤型のディスク型の記録メディアです。
MDはデジタル録音です。だからCDからMDへのダビングはデジタル録音ですので、そのままコピーしても品質が落ちませんのでCD品質のクローンがそのまま生産されてしまい問題になります。でもそれを可能にするために、コピーするときに音質が劣化すればコピーが許されるんですね、ということで、圧縮という技術を採用することになります。音声圧縮です。
音声圧縮は、データを間引いてデータ容量を少なくすることです。MD用の音声圧縮として、ソニーはATRACという音声圧縮方式を開発しました。
ですので、CDからMDへのダビングは、ATRACで圧縮されてダビングされるので、元ソースよりは音質劣化しているということで、ようやくコピーが認められたのです。そこから先のMDからMDへの孫世代のダビングは許されていなかったと理解しています。
ATRACは懐かしすぎる!
自分は、デジタル音声の音声圧縮をATRACで勉強しました。音声を圧縮するということは、どうやることなのか、その基本原理をATRACを通して学んだのです。その後、後世には、MPEG-1/MPEG-2/MPEG-4 AudioとかMPEG-2/MPEG-4 AACとか世界スタンダードな汎用な圧縮方式が開発され世界標準になっていきますが、音声圧縮のやり方は基本そんなに変わらないです。
音声信号を時間軸から周波数軸にFFT変換して、1本1本のスペクトラムにはかならずマスキング領域というエリアが発生して、そのエリアは、そのスペクトラムのキャリアのレベルに邪魔されて、人間の耳には聴こえない領域なんですね。いわゆる冗長成分なのです。Watermarkなんかは、その特徴を活かし、そのマスキング領域に著作権のデジタルデータを埋め込んでいきますが、音声圧縮も、このマスキング領域の人間の耳には聴こえない領域のデータを削除していきます。原則人間の耳には聴こえない部分だから削除してもわからないだろう、という魂胆です。
音声圧縮って、時代が進むにつれてどんどん進化していきますが、ロッシーな圧縮については、根本原理はみんなそこなんだと理解しています。自分はその音声圧縮の基本原理をATRACで一生懸命勉強しました。
画像の圧縮もそうですね。いろいろ進化していきますが、その根底にある基本原理は、人間の眼ではわからない気づかないそういう冗長成分のところを間引いているのです。
そんなMD用に開発されたATRACは自分の音声圧縮技術を学ぶための大切な教材になったのでした。
MDもよく使ってました。ソニーのミニコンポを買って、CDからMDへよくダビングしていました。そしてMDウォークマンを買って歩きながら聴いていたと思います。
段ボールは古いものをみんな放り込んでいるようで、こんなものも出てきました。
CDシングルです。8cmCDですね。ふつうの12cmのCDより小さいシングルのみ(正確にはA面1曲、B面1曲ということで2曲格納。もちろんA面B面なんてないですから、2曲連続再生です。)のCDです。
ふつうのCDプレーヤーで再生するのは、アダプターを装着して12cmCDのサイズにして再生します。こういうシングル専用のCDというのもあったんですね~。
よく買っていたような記憶があります。
左のピンクのジャケットがMISIAの”つつみ込むように”です。MISIAのデビュー曲です。MISIAはいまや日本を代表する大シンガーに成長してたくさんの名曲を歌ってきましたが、自分が一番感動するのは、やはりこのデビュー曲の「つつみ込むように」なんですね。この曲が最高で1番だと思っています。プロモビデオも出されたのですが、もう衝撃でした。なんてカッコいいんだろう!そしてファンキーというかプログレというかちょっと陰影のあるカッコよさというか。歌もうまいし。これは只者ではない新人が出てきたな、と思いました。
当時の自分の入り浸っていたHMV渋谷のお店の中を長時間にわたって歩きながら、ウォークマンでMISIAの「つつみ込むように」を聴いていた記憶があります。プロモビデオも格好良かったです。
このCDシングルを見た瞬間、五月雨式のように想い出が溢れ出てきました。1998年のことだったと思います。
右が、広瀬香美さんのシングル「ストロボ」です。14枚目のシングルでアルペンCMソングだったと思います。もうこの頃、自分は広瀬香美さんの大ファンで、当時彼女は冬の女王とか、ゲレンデの神様とか、冬、そしてスキー場にかかるというイメージキャラクターで売っていた大人気歌手でした。
広い音域をカバーする透明感のある声質と、ボーカル曲らしくない複雑なメロディーのボーカル曲が特徴で、とにかく張りのある声ボーカルで元気がでる曲ばかりで(しかもメロディアス!)聴いていてすごく気持ちがいいんですね。作曲家としてのセンスも最高、すごい才能があるシンガーソングライターだと思っていました。
もう大ファンになってしまい、結構CD買いまくっていました。そして片っ端からMDへダビングして、ミニコンポで自分の部屋でヘッドフォンで聴いていた記憶があります。これも1998年頃だったなー。
広瀬香美さんはこの時代の一大ムーブメントな歌手でした。懐かしすぎる。最近CMでもお見かけするので、元気そうでなにより。また広瀬さんの曲、ストリーミングで聴いてみたいです。
段ボールの中からこんなものも出てきました。
CDウォークマン。
これも重宝しました。もうこの頃は立派なオーディオ機器を揃えていたと思いますが、なぜかこれでロックを部屋でヘッドホンで聴いていた記憶があります。どこかに旅行に行くときなど、つねに音楽が手元にないと、ということで、このCDウォークマン重宝しました。
なんか懐かしい、思い出話に終始しましたが、たまにはいいですね。
なんか楽しかったです。
明日からまた仕事の毎日が始まります。(笑)
もっと高音質なハンディ型ストリーミング再生を [オーディオ]
最近、音楽をオーディオのメイン・システムで聴かなくなった。オーディオ・システムのスィッチを入れることがほとんどなくなったのだ。いまやスマホでストリーミングで全部事足りる。もちろんクラシックを聴くときは、システムで聴くが、最近クラシックをオーディオでじっくり聴くということも少なくなった。新譜がでたときと、コンサート前の予習のときくらい。
別に心変わりしたわけでもなく、クラシック愛は続いているのだが、最近はJ-POPSをストリーミングで聴いているほうが圧倒的に多い。長年ずっとクラシックを聴いてきたので、ちょっと気分転換しています。
MacBookProのノートPCを立ち上げてストリーミングをやるのはもう死語といっていい。高級DACも欲しいとは思わなくなった。
ストリーミングの命は、その楽曲検索の操作性にあると思う。ちゃちゃとザッピングしていって、どんどん好きな曲を、見知らぬ曲の大海の中から探し出していく、そういう手軽さが今後のストリーミング機器のmandatoryな機能だと思うのだ。
そうするとスマホでストリーミングをやるのが1番適していて、1番音楽を楽しむのに便利だということを痛感する。ソファやベッドで寝転がりながら、スマホでちゃちゃと検索していき、音楽を楽しむ。
これを1度覚えたら、もうやめられません。
ノートPCのPCオーディオ・システムだと、わざわざそのノートPCのところに体を持って行って、そこで楽曲検索しないといけないだろう。それはもうあり得ないと思うのである。
ストリーミングの利用で大きなウエイトを占めるのがザッピング、楽曲検索、ちょい聴き、そしてお気に入りに登録、ここだと思うからである。
ただ、スマホは音が悪い。(笑)
スマホのあの音質なんとかならんものか、と、あのシャリシャリでヒス音いっぱいのあの音を聴くたびに思う。スマホは便利なんだけど、もともとは音楽を聴くためのものじゃないから仕方がないといえば仕方がない。
操作性便利で、ストリーミングを高音質で楽しめないものか?
自分はかねてより存在を知っていたソニーのストリーミング・ウォークマンを買おうと決心した。ストリーミング専用のウォークマンである。ウォークマンであれば、音質は、スマホより全然いいだろう。音楽再生専用に作られているから、再生回路にきちんとお金をかけている。
SpotifyやAmazon Music HDにも対応しているから、もう全然十分であろう。
さっそくネットで物色してみた。
たしかにいいのだが、自分用途として特殊な事情があって、ダメだということがわかった。
それは内蔵スピーカーがついていないことだ。いわゆるイヤホンやヘッドホンで聴くことが前提なのだ。
自分は密閉型のインナータイプのオーディオは耳を悪くするので、今後はいっさいやらないことにしている。長年通勤で電車の中で大音量でiPodで音楽を聴いてきたから、耳が難聴気味で耳鳴りでおかしくなり、慌ててやめた。
自分が欲しいのはハンディ・タイプのストリーミング音楽再生機器で、イヤホンやヘッドホンでも聴けるけど、それなしでもスマホのように音楽を聴けるシステムが欲しい。もちろん音楽専用機器なのだから、スマホで音楽を聴いているより、全然音がいい。そんなのを望んでいる。
外で使うときや、ご家庭のある方は、家族に迷惑をかけないようにイヤホンやヘッドホンが必要だと思うが、自分のように外でイヤホンで使うことをせず、家の中で1人で音を出して聴くような、そんな音楽携帯機器が欲しいのだ。高音質再生で。
音楽を鳴らすという点ではスピーカーの設計回路のゴージャスさというのはとても大事である。ここに力を入れるほどいい音で聴ける。
それをハンディタイプの内蔵スピーカーで我慢させようとすると、やはり音質的に犠牲になるのではないか。現在のストリーミング・ウォークマンで、内蔵スピーカーを対応させていないのは、せっかくイヤホンやヘッドホンで360RAまでも実現させて、最高音質を実現しているのに、それをそんなにお金のかけられない内蔵スピーカーを搭載してまで、音質をそれよりも劣化させることに我慢ならんのだろう。360RAはイヤホン、ヘッドホンで実現できる世界だ。これを普通の内蔵スピーカーで実現するのは無理なんだろう。そこまでして内蔵スピーカーをつけることに魅力を感じないのだと思う。
それはメーカーとして当然の考え方だ。
でもイヤホンやヘッドホンで耳を傷めることがイヤで使えないユーザーもいるので、そういう人用としてぜひ内蔵スピーカー、それに高音質再生に特化したストリーミング・ウォークマンを実現してほしい。
内蔵スピーカー設計にいかに工夫を及ぼすか、そこがキーである。
これがいまの自分の切なる願いである。
あとは、PCオーディオのメインのシステムであるMacBookPro+USB-DACを立ち上げて、メインのオーディオ・システムも立ち上げて、スマホをあくまでリモコンのように扱えるような仕組み。ザッピングなどの選曲は、好きなくつろいだ場所でやり、全部スマホでやる。そしてそのコマンドをワイヤレスでそのメイン・システムのほうに転送できて、実際音を鳴らすのはメイン・システムのほうのいい音で聴く。
こんな感じをイメージしている。
でもこれはわざわざPCオーディオや、メインのオーディオ・システムのスィッチを全部オンにしないといけないので、面倒である。ハンディな高音質再生の携帯音楽再生機器のほうが、全然使いやすいように思うのである。
もういまやスマホのような携帯機器でストリーミングの検索、そして再生というのが大きな潮流のような気がする。自分が実際体験してみて、もう圧倒的な利便性を感じるからである。
もういまさらノートPC+USB-DAC+メイン・システムには戻れない。もうそれは古い骨董品のような時代遅れなシステムのような感じがしてしまうくらいである。
カバー曲のほうがいい。 [オーディオ]
最近Spotifyを使い始めた。それもスマホで。(笑)いままでの自分であったならあり得ない心境の変化だ。
きっかけはインターネットラジオのradikoである。スマホでチャッチャッとザッピングしながらどんどんラジオを聞き流すのが快感で、こんな風に音楽のストリーミングもできないかな、と考え始めたのが発端である。
自分はSpotifyがあまり好きではなかった。
まず高音質という点で、ハイレゾ・ストリーミングではないし、二流、三流のストリーミングというイメージだった。ロッシー(損失系)の圧縮を使っている。やっぱり非可逆性で音を圧縮するということをしたらダメである。そこにどこか格下のランク付けをしてしまう感じがあった。
そしてなによりも抵抗があったのが、配信での収入の作曲家、演奏家などの権利者への還元率が極端に低いプラットフォームなのである。音楽を水のように扱う。蛇口をひねれば、水道水が自由に飲めるように、音楽もそうあるべき。音楽業界にそういう考え方を広めたのは何を隠そうSpotifyだ。
Spotifyはストリーミングでの音楽業界の走りだった。
だから、いまではストリーミングは音楽再生であたりまえの技術になったけれど、作曲家や演奏家にとっては、まったく収入やお金が入ってこない。自分の曲を聴かれている割には、まったく収入にならないそんな割の合わないビジネスとなってしまった。
ユーザーの利便性、使い勝手の良さだけが優先される、そんな状況になってしまった。
インターネット音楽配信を仕事とし、きちんとした対価を著作権者に還元することを目的としていた自分にとって、Spotifyは昨今の諸悪の根源のように思えた。
mora qualitasがサービス終了で失意のどん底に落ち、Amazon Music HDもいまひとつ使う気になれない。なによりもオーディオシステムに火を入れた後に、ノートPCに電源を入れて、アプリを立ち上げて・・・その立ち上げ時間が異様に億劫である。
音楽を聴きたいと思ったときに、こんなたくさんの儀式をする必要があるのか?
ましてや、ノートPCの前に行って陣取って操作しないと曲の選曲ができない。
スマホで気軽にすぐに立ち上げて音楽を聴く。スマホでチャッチャッと音楽をザッピングしていく。ずっとそちらのほうが全然簡単だ。
いまではスマホでストリーミングで音楽を聴くなんて誰でもやっていることですね、きっと。いい音で聴きたいと思うなら、ストリーミング専用のWALKMANとかDAPとか、そしてトレンドの高級イヤフォン。時代はどんどんインナータイプのオーディオが主流になっていく。
値段が安くて手頃で、気軽にいつでも簡単に音楽が聴けるようになる。オーディオ業界はいまやそういう時代じゃないでしょうか。
何百万、何千万も投資して、部屋にビシッとハイエンド・オーディオを鎮座させて、究極の音質で聴く。悲しいことだけれど、もう我々のような種族含めて、だんだんそういうのは絶滅危惧種になっていくのかもしれない。
なによりも国民はお金がありませんね。そんな環境を揃えられるのは、高収入の家庭のごく一部です。限られた人しか楽しめない世界なのかもしれない。
そんな端くれにいた自分だけれど、Spotifyでしかもスマホ再生を始めてしまった。
これが意外や意外、すごく便利なのだ。(笑)こりゃ楽ちんだな~と思ってしまう。
スマホだから音質なんてもちろん問題外。もうスッカスッカの音で酷い音なのだけれど、好きな音楽を探すという点では、かなり便利であることがわかった。Spotify まだ使い始めて1か月も経っていないのだけれど、だからまだきちんと使い方をマスターしている訳ではないけれど、便利だということだけは実感してしまった。
なによりも驚いたのが、Spotify Radioという機能だ。
普通、自分はこの曲を聴きたいと思って、検索したらその曲が現れるのだけれど、そしてその曲を再生しても、その後に、なにやら次から次へと曲が再生されるのだ。しかもエンドレスにずっと続くのである。聴いているとわかるのが、その最初の自分が選んだ好きな曲に、なんかすごい似ている曲ばかりなのだ。
あ~これは個人嗜好の楽曲解析によるデータマイニング技術なんだな~ということがすぐにわかった。データマイニング技術自体はべつに新しい技術でもなく、どこのストリーミングでもやっていることだと思うけど、ラジオのようにエンドレスで流すというのがいいですね。
ついつい聴いちゃうから。自分の耳で聴くから、自分の好みなのかどうか判断できる。お勧めをするときに、ジャケ写を並べるだけじゃ、ユーザーはクリックしようという気にはならないからダメなんだよな~と自分は思っていたが、こうやってラジオのようにエンドレスで自動で流すというのは、なかなか頭いいな、と思いました。
自分の耳で判断できるから、いい曲と思ったら、どんどんクリップしてお気に入りに入れていけばいい。そうすればマイリストのお気に入りには、自分がいままで知らなかった新しい曲との出会い、自分の好きな曲がどんどん蓄積されていく。
それは最初に自分がこの曲を聴きたいと思って検索した曲に雰囲気や曲の構成が似た曲ばかりが流れてきて、それを選ぶわけですから、似た曲同士のコレクションができるのです。(笑)
でももともとは自分が好きな曲なのだから、それはそれで幸せなのかもしれない。
Spotify RadioはSpotifyユーザーが好きな曲、好きなアーティストなどをベースに、Spotifyに登録されている4000万曲の中から、自動的に好みの曲を選曲してくれるという機能のこと。
Spotifyによって、ユーザーが設定したベースとなる曲やアーティストと雰囲気の近い曲を自動的に選曲してくれるので、長時間途切れることのない音楽体験が可能となり、知らない音楽と出会うこともできる。
また、気に入った曲を新たに見つけたら、いつでも自分のお気に入りやプレイリストに追加することができる。さらに、チューニングすることが可能で、より自分好みのラジオ局にすることもできる。知らない曲も交えて再生されるので、新しい音楽体験を可能にするものである。
ユーザーにラジオのように半ば強制的に聴かせるというのがいいですね。絶対聴いちゃうから。そうすると自分の耳で直接判断できる。あっこの曲いいな、という感じで。
個人嗜好解析のための楽曲解析という技術は、それこそずいぶんと昔から研究されてきたテーマでした。音楽には、メロディ、リズム、ハーモニーという三大要素がありますが、音声波形を時間軸、周波数軸双方面でその波形特徴を抽出して、他の曲の波形解析で似たような雰囲気の曲を検索、探し出してくるという技術です。
自分が現役の昔の時代は、たとえば曲名はわからない、思い出せないけれど、鼻歌なら歌える。鼻歌をアプリに聴かせるとその曲をあててくれる、また似たような曲をどんどんネットから探しだしてくれる、そんなアプリの開発もしていました。
何を隠そう、前職時代に大病で3年間休職して、ようやく社会復帰できる、というときに最初に復活して取り組んだ仕事がこの楽曲解析だったのでした。
音高推定技術とよばれるもので、音高というのはいわゆるピッチのこと。音高推定技術とは、楽音の基本周波数を推定する技術のことです。音高推定技術を使ったシステムとして、自動採譜システムなんかがありました。楽曲を聴いてそれを採譜していくことです。
音楽家の方なら、普通に音楽大学の授業で必須科目でやっていることですね。(笑)楽曲解析にはいろいろな手法があるのですが、音高推定技術もその中のひとつに過ぎないです。
これを自分は一生懸命やってました。この技術について、米国特許を徹底的に調べてました。当時は、ファミリー特許という存在も知らず、英語で書かれたUSPをガリガリに読んでいたものです。そして特許リストを作って、音高推定技術で出願されている技術をExcelのリストでまとめていたのでした。
いまや楽曲解析、個人嗜好にあわせたデータマイニング技術。至極あたりまえの技術になっていてどこでもやっているスタンダードな技術になりました。
プロジェクトXのオジサン世代のようなことを言って恐縮ですが、やっぱり技術と言うのは、開発してから実際の運用ベースに普及するには、20年くらいはかかるんだな、と思いました。
そして夢として語っていたことは、それは必ず何十年後かに技術として実現する時代がやってくるということです。
インターネット音楽配信もいまやストリーミングとして、至極あたりまえのサービスとして世間に普及、定着しているし、楽曲解析による個人嗜好お勧めなんかもあたりまえのサービスになりました。
音楽配信に限らず、すべての技術についてそうだと思います。実際の運用ベースになるまで、やはり何十年とかかるんだな、と思いました。ずっと技術の世界で自分が見てきた実感です。
Spotifyで、カーペンターズのI need to be in loveが聴きたくて検索したのだけれど、そうするとこの曲の後、永遠にSpotify Radioで似たような曲が永遠にエンドレスで流れるのです。
あのカーペンターズのカレンの美しい歌声と流れるような流麗で綺麗な曲と、雰囲気がそっくりで、しかも自分が知らなかった美しい曲をたくさん知ることができ、どんどんクリップしていき、お気に入りに放り込んでいくのです。
そうすると美しい曲リストの一丁上がり!です。
Spotifyにはずいぶん偏見を抱いていたけれど、やっぱりこういう使い勝手の良さ、便利という面で聴衆の気持ちを掴んでいまや業界スタンダードになっているんだな、と思いました。
GUIもすごくシンプルでわかりやすいです。全然マニアックじゃなく、初心者向けです。
いまやオーディオ・システムのスィッチはほとんど入れなくなりました。(笑)いまや全部スマホで済ましている。自分の変わりように驚いています。
すぐに音楽を聴けて、気軽にザッピングしながら聴ける。すごい利便性を感じます。
ストリーミングも一時期のセンセーショナルな登場から、やや落ち着いてきて、もう高音質、スペックを売り込むだけの高音質指向だけではもう売れないのではないでしょうか?
使い勝手、便利さ、GUIの使いやすさなど、大衆に寄り添った形でないと、淘汰されていき段々生き残れなくなっていくような気がします。
あと、ストックしてある楽曲の豊富さですね。これは命線ですね。自分は、mora qualitasではこれにずいぶん悩まされましたから。
Quboz,TIDAL,ROONなど、重くて高くて複雑なものを使って税に入っている男のオーディオマニア達を尻目に、全然Spotifyで十分じゃんと思い直している自分でした。(笑)
Spotifyも昔は、MP3とかでしたが、いまやAACのハイビットレート(128kbps)や、ロスレスとかも出てきて、高音質化に向かっています。
さすがにスマホで聴くと、音はスカスカですが、Spotifyの場合、ノートPCとスマホで連携させることが可能なのです。両方でSpotifyを立ち上げて、スマホで選曲すると、それをノートPCのほうで鳴らすことが可能です。
いわゆるスマホをリモコン代わりにすることですね。ノートPCのほうは、USB-DACやオーディオシステムと繋がっているのできちんとしたSPで聴くといい音で聴けますね。
またスマホのお気に入りリストの曲は、あとでCDなどのパッケージメディアで買っておくことも大事ですね。自分のものにできます。
最後に、こうやってSpotify Radioで自分の好みで新しい曲との出会いで確信したことがあります。これはなにもいまに始まったことではなく、昔からずっとそう思っていたことですが、音楽ってやっぱり原曲よりカバー曲のほうが魅力的に感じるということです。
もう絶対カバー曲のほうがいい!!!
原曲で凝り固まったイメージを、一気にその殻を破ってくれる新しい歌手、新しい声、新しいアレンジによる新しい斬新なアプローチ。
いやぁ~カバー曲のほうが全然いいな~と思うことしきりです。昔からそう思っていました。
セルフカバーといって、自分の歌を後年自分でアレンジを変えて出すカバー曲もいいと思います。
先日、村上春樹さんの村上RADIOで、ビートルズのラバーソウルのカバー特集をやっていたのですが、これがじつに目から鱗が落ちる感じで、よく知っている曲ばかりだけれど、カバー曲がじつにいいんだな。ビートルズの原曲より全然魅力的に感じます。
自分が、Spotify Radioを使うようになって、たくさんのカバー曲を見つけましたが、とくにお気に入りなのが、米国の女性歌手Mary MacGregorが歌うJust The Way You Are。素顔のままで。
過ぎし日の想い出
Mary MacGregor
古すぎてCDは売ってませんでした。ストリーミングのみや、AmazonでMP3ダウンロードのみですね。
素顔のままでは、もうビリー・ジョエルの定番中の定番の大名曲。1977年にアルバム「ストレンジャー」からの第1弾シングルとして発売された大ヒット曲でした。
ビリー・ジョエル世代の自分にとっては忘れることのできない名曲です。
この曲をMary MacGregorが歌うと、もう全然別世界の素晴らしい世界になるのです。ビリー・ジョエルでは醸し出せないような女性歌手の美しい声だからこそ表現できるというような、もう全然別世界。
やっぱりカバーに限るな~と思いました。
Mary MacGregorは、1974年頃に活躍した米国のポップス歌手で、ネットにはあまり情報がなく詳しくは素性はわからないです。でももうすでに御年74歳で現役引退しているようです。
ストリーミングのお勧めを聴くようになると、こういう思いもかけない素晴らしいカバー曲に出会うことが多くなりました。
ちなみに、スマホのストリーミングを使うのは、ポップスの曲だけですね。クラシックをスマホで聴こうという気にはまださすがにならないです。
ストリーミングに合うのは、短い曲ですね。クラシックは長いし、やはりスマホのスカスカの音で聴きたいとは思わないです。きちんとしたシステムでいい音で聴きたいです。
プレイリストCSV出力 [オーディオ]
mora qualitasが2/28付にてサービス終了(というか課金措置終了)するにあたって、せっかく保持してきたプレイリストをなんとかせないかんな、と思っていた。
やっぱりこの曲好きだなぁ、自分がこれは聴きたい、欲しいと思ってピン止めして保持してきたアルバムたち。全部綺麗になくなってしまうのは勿体ない。
音楽人生において楽曲との出会いは本当に一期一会ですから。
その曲と出会うのは、ホントに運命のようなもの。
ひょっとすると、出会うことがなかったかもしれない。
それって紙一重。
そのときのその一瞬のひらめきで、聴きたいという衝動があったからこそ、その曲との出会いがあった。そういう出会いというのは、昔に遡って思い出せないもの。
その一瞬一瞬が、偶然であり、一期一会だから。
そういう意味でストリーミングに保持してきたプレイリストは音楽人生において宝物のようなものだ。
さて、どうする?そんなにアルバム数は多くないので、手書きで写しておくか。
ちょっと待てよ。
そういえば、mora qualitasのSNS投稿で、プレイリストのテキストデータをExcelのCSVファイルとしてダウンロードできる、というサービスがあることを思い出した。
自分が”ストリーミングに内在する危険性”ということで、散々ぎゃんぎゃん文句を言っていたから、ソニー側で急遽こしらえてくれたサービスだ。
どれどれ・・・これか。
プレイリスト出力ツール。これを使って、mora qualitasのアプリの中のプレイリストのテキスト情報をCSVファイルとして吐き出させる。
アプリの中の”プレイリスト”、”お気に入り”、”ライブラリ(アルバム)”をダウンロードできます。
プレイリストを選択。そしてCSVファイル出力準備を押す。
ダウンロード準備ができた時点で、CSVファイルダウンロードを押す。
そうするとCSVファイルが、PC内のダウンロード・フォルダの中に落ちてくるので、そこを見るとZIP圧縮されたファイルがありました。
それを解凍して覗いてみると・・・
おぉぉぉ~プレイリストがちゃんと出力されている。
ラッキー!
あっという間であった。(笑)
ただしトラック(曲)ごとの情報抽出。アルバム単位で十分なのに。。。ISRCコードもついているからドンピシャの検索もできますね。
CSVファイルをEXCELファイルに変換して万事OK。
こういうツールは、ストリーミング・サービスにはぜひ必須にしてほしい。
mora qualitasの場合は、サービス終了アナウンスの後に、急遽、救済措置という形で急いでこしらえて、このサービスが出てきたのだが、サービス終了しなくてもバリバリに現役続行中のサービスであってもこういう機能はあったほうがいいのではないでしょうか。
また経営的な問題で、ストリーミングサービスを終了するにあたっては、このプレイリスト救済機能は今後、絶対mandatoryな機能になるでしょう。
そんなにサービス終了になるストリーミングってそうそうないとは思いますが。(笑)
mora qualitas。
サービス終了アナウンスしてから、急にFBやTwitterの告知が盛んになったんですよね。こういう曲をニューリリースしましたとか。
それまでは、ぜんぜんSNS投稿にあまり熱心でなかったのに。そういうのって終了告知前にするものでしょう?(笑)まっそこが普通じゃなくてカワイイです。
いまもバリバリに現役で使ってます。そろそろAmazonのほうに変更切り替えないといけない。
Amazonはどうもいまいち乗り気がしない。
Quboz/TIDALのローンチは本当にあるのだろうか・・・
ストリーミングに内在する危険性 [オーディオ]
ソニーのmora qualitasがサービス終了である。衝撃が走った。(笑)頭が締め付けられるようなストレスをずっと感じてしまい、また血管が切れて病気が再発しそうであった。(笑)ようやく収まってきた~。ふ~。
2019年に国産のハイレゾ・ストリーミングとして鳴り物入りでローンチしただけに、まさか2年半で終了するとは思ってもいなかった。
日本にローンチしたハイレゾ・ストリーミングは、Amazon Music HDとmora qualitas。ソニーの方が全然音が良かったし、自分はAmazonがどうしても好きになれなかった。
Amazonのほうは、メモリーが飛んでしまったのか、プレイリストが全部消去されてしまったことがあって、それ以来、Amazonのほうではプレイリストは作っていなかった。
もっぱらmora qualitas専用の使い手だった。
だからサービス終了はあまりに衝撃である。
これからハイレゾ・ストリーミング生活はどうしていけばいいのかな~という感じである。
まず、自分がいままで一生懸命作ってきたプレイリストが全部消えてしまいパーである。自分の青春時代の想い出いっぱいの曲たちで彩られていたプレイリスト・・・。どうしてくれる!
Amazonのほうでは作ってないんだよ!
自分はストリーミング生活はおもに、J-POPSやロック専門に使っていた。やはりストリーミングには3分くらいの短い曲が似合う。長いクラシックの曲は合わないと思う。
便利だったんだよな~。懐かしい自分の青春の曲を聴きたいと思えば、ちょっとググればすぐに体験できる。オンライン・オーディオは時代の主流だと確信していた。
でも自分の場合、クラシックは相変わらずCDである。
自分は、ここにストリーミングの危険性って、まさにここにあることを確信した。送信側にすべて委ねられてしまうことに問題がある。サービスが終了したり、サーバー側でその曲をやめてしまったりすることで、それがユーザー側の損失としてもろに返ってくる。
その点、まだダウンロードのほうが、自分の手元に置けるから、自分の所有物であるから、まだ安心である。金返せ、という感じですね。いままでの苦労を返せ、という感じです。
はたして、ソニーのmora qualitasになにが起こったのか?
やっぱり当初から言われていたけれど、コンテンツが少なくて、どちらかというとSME(Sony Music)専用のDBだったりして、顧客の獲得がままならず、伸び悩んで、維持費がペイできなくなって赤字だったんじゃないのかな?
真の理由は、mora qualitasの声明文から読み取り不可能である。「高品質のサービスを維持できなくなった。」としか書いてなかった。
そりゃAmazonに比べれば、マイナーな感じは否めなかった。でも素人設計の匂いがするAmazonより、自分は音のいいソニーのほうが好きだったし、自分のカラーに合っていた。
ソニーの立体音響技術の360 Reality Audioだって、肝心のお膝元のmora qualitasに移植することなく、まったく見向きもしないで、ライバルのAmazonにせっせとインストールするところをみてもオカシイと思っていた。(笑)
mora qualitasと360RAの開発部隊とお互い仲が悪いんじゃないの?mora qualitasはそもそも、どこかのベンチャー企業の音楽配信ビジネスをそのまま買い取ってmodifyしたような感じだったから、あまりそこと心中するつもりもなく、さっさと見切りをつけ、米国の音楽配信ビジネスを新たに買収したようなニュースを聞いたことがあったから、新しいビジネスとして衣替えしてリ・スタートするのかな、とも思ったりした。
でも自分が居た頃からソニーの音楽配信ビジネスって、いつも業界を最初に先に走るのはいいけど、長続きせず、あっさり後発にマーケットを略奪される、というのは常であった。
自分のときは、AppleのiTunesであった。相変わらず、変わっていないな~と思ってしまう。(笑)
そんな自分をぜひ見返して、ソニーからまた新しいストリーミング・サービスをローンチしてほしいものである。
さて、これからどうする?ハイレゾに拘るならAmazon使うしかないね。
SpotifyやApple Musicはどうもその気になれない。ポータブル機器で気軽に聴くんだったらいいけど、ビシッとしたシステムで聴くなら、やっぱりハイレゾ・ストリーミングがいい。
オーディオマニアがみんなやっている違法行為で、海外のTIDALやQubozを聴けるようにしてしまう?(笑)もれなくRoonもついてきます。
日本のe-onkyoはその膨大な音源をQubozに譲渡するから、Qubozの日本市場進出は近いのではないか、というもっぱらの噂だ。
TIDALも公式HPがなぜか日本語をサポートするようになっていて、TIDALの日本マーケット進出も近いのでは?とオーディオマニアの間では噂になっている。
そのためには、Roonの日本語GUI化が必要になるであろう。Roonはライセンス・フィー高いんだよね。
自分は普段そんなにオンライン・オーディオ使わないから、Roonのような機能は必要ないんだよね~。しかもリコメンデーションなんてほとんど使わない。宝の持ち腐れだと思うんだよね。お金勿体ないです。
入院の高額医療費の還付金やもうじき冬のボーナスも入ってくるので、ホカホカの状態で、高級USB-DAC買おうと思っていたんだけどねぇ・・・。
自分のオーディオへの投資の最後のあがり、として。Amazonしか選択肢がないとしたら、いまひとつ気持ちが乗り切れない。気持ちがそがれたというか。お金をあまり使わないように、という神様のお達しなのかな?
「お金のゆとりは、心のゆとり。」というから、無理して無駄使いして、貯金を減らすより、ホカホカの状態でいたほうが精神の健康にはいいですかね?
オンライン・オーディオは、普段そんなに使用頻度が高くないから。やっぱりCDのほうが音がいいです。PCでの再生は音がよくないです。
だから高級USB-DACを買っても、あまり使わないしなぁ・・・どうしようかな~と悩んでいたのだ。
神様からのお告げ、アドバイスのような気がする。(笑)
タブレット端末を上手に使おう! [オーディオ]
ネットワーク・オーディオや、ライブストリーミングを視聴するために使うPC周辺のアップグレードの需要は急に高まっている。
そこに来て在宅勤務も主流になってきている。
やっぱりオンライン音源や、ライブ配信をPCのスピーカーで聴いていちゃダメだ。(笑)
自分もそうだけれど、ハイエンドのオーディオ・システムを所有している人は、オンライン音源をPCで受信して、それをUSB-DACに接続して、その出力をオーディオ機器に入力して、自分のオーディオ・システムで音を聴いている。(あるいはHDMIでAVアンプに接続して聴いているソリューションもあるだろう。)
そして映像は、PCからHDMIでTVモニタやスクリーンプロジェクターに接続して大画面で観ているという感じなのではないだろうか?
最近はネットワーク・ストリーマーというかネットワーク・オーディオ専用のオーディオ機器もあるけれど、それは音楽のダウンロードやストリーミングだけに対応していて、映像が絡むライブストリーミングは対応できないので、やはりなんでもできるPCでやるのが、一番手っ取り早いのだろう。
でもPCは音楽再生用に設計されているものではないから、ノイズの海なんですよね。(笑)あまりいい音は期待できないし、それをいい音にするのはまさにマニア的なノウハウが必要で一般大衆向けではない。
逆にネットワーク・オーディオ専用機器は、初心者としては操作性が優しくて、いいのかもしれなく、音楽再生用として性能もいいかもしれないけれど、ネットワークの世界は、つねにアップグレードや新しいサービスが、すごい短いタームで入れ替わる激しさがある。
そのスピードについていけないのが弱点である。
高価格で購入しても、超スピードが速いネットの世界についていけず、すぐに時代遅れの産物になってしまうのが弱点である。
でも通常はネット接続機能がついていて、機器のファームウエアを常に最新のものにアップグレードできるようになっているとは思うのですが・・・。
オンライン音源やライブストリーミングの両方を対応するのは、やはりPCを使用するのが一番無難ということになるのだと思う。
ネットワーク系音源をPCのスピーカーで聴いていちゃダメだ、となると、映像はTVモニタ/スクリーンプロジェクタ、そして音声はオーディオ機器を介して聴くのがベストだけれど、ハイエンド・オーディオのシステムを持っている人は、世間の中で本当に数パーセントだと思うんですよね。
アクティブスピーカー(アンプ内蔵)やヘッドフォンアンプ&プリアンプ内蔵のUSB-DACが結構世の中の需要のニーズが高まってくると思うんですよね。
スミマセン、そこらへん疎いので(笑)、もう世の中、すでにすごい需要なのかもしれませんが。
自分は、ハイエンド・オーディオ機器を所有しているので、音源再生で欲しいとは思わないけれど、在宅勤務の目的ではこのセットを購入したいと思っています。
もちろんオンライン音源やライブストリーミングもこれで聴けば、全然いい。
少なくともPCのスピーカーで聴いているよりよっぽどいいと思う。
少なくともPCのスピーカーで聴いているよりよっぽどいいと思う。
ライブストリーミングが成功するかどうか、アーティスト側の宣伝材料、その配信コンテンツを視聴して今度は、そのアーティストの生演奏、実演を聴きに行きたいと思わせるようになれるかどうかも、そのユーザー側の視聴環境のグレードがある程度保証されていないと、その良さが伝わらないと思うんですよね。
だから、このPC周辺のアップグレードはメーカー側の緊急のタスクと思うのである。
この分野のマーケットのマスは大きいと思います。
この分野のマーケットのマスは大きいと思います。
アクティブスピーカー、音の出口であるスピーカーには無理してでもお金をかけたほうがいい。あまり価格が安いとその出音はかなり悲惨でその落胆ぶりはひどいものがあると思われる。昔はアクティブスピーカーはなんちゃって感があって、あまりいい音ではない噂しか聞かなかったが、いまはどうであろう。
やっぱりオーディオって値段に比例するところがあって、安い機器はそれなりの音しかしないです。価格はやっぱり目安になるということですね。安物に過度な期待は禁物なのかもしれません。
今後はこの手頃な値段でいい音がするコンシューマー向けのスピーカーの開発がメーカーの急務かもしれません。
一般大衆普及用として、アクティブスピーカーとUSB-DAC&ヘッドフォン&プリアンプである。いま巷で言っているヘッドフォン・アンプというのは一般のオーディオのプリアンプと同じことなの?(笑)それともヘッドフォンで聴くためだけの音量調整なのでしょうか?
やはり普通のプリも対応してほしいです。アクティブスピーカーでじかに聴きたいです。
音楽はやはりスピーカーから聴きたいものです。ヘッドフォンはいやです。
密閉型のヘッドフォンは耳を悪くします。自分はそれで、通勤時間のiPodをきっぱりやめました。このままだと難聴というか絶対耳を悪くすると思ったので。
音楽はやはりスピーカーから聴きたいものです。ヘッドフォンはいやです。
密閉型のヘッドフォンは耳を悪くします。自分はそれで、通勤時間のiPodをきっぱりやめました。このままだと難聴というか絶対耳を悪くすると思ったので。
もうひとつ自分がオンライン音源やライブストリーミングを視聴していて、ずっと思っているのはスマホやタブレット端末をもっと上手に使いたいと思うこと。
これはスマホやタブレット端末でネットワーク音源や配信コンテンツを視聴したいと言っているのではない。いま世にあるのは、スマホやタブレット端末で視聴することを前提としているシステムなのではないだろうか?
もちろんソファやベッドの中でリラックスして観るには、それでいいのかもしれないが、自分の場合そうじゃないのだ。
自分は、オンラインコンテンツは、やはりオーディオのメイン機器でクオリティの高いレベルで視聴したいのである。
自分がスマホやタブレット端末に期待しているのは、リモコンとしての機能である。
USB-DAC&ヘッドフォンアンプ&プリアンプには、やはりワイヤレス通信対応(Wi-Fi/BT対応)にしてほしいです。既に売っている機種でそれがない場合はアダプター対応してほしい。
もちろんスマホやタブレット端末でネットワークコンテンツを受信して、それをワイヤレスで飛ばしてそれで音を鳴らすというのが通常であろう。
でもWi-FiやBT(Bluetooth)を通すとデータ容量削らないといけなさそうで、画像や音悪くなりそう。ちなみに、BTに音声信号を通すときは、必ずAACで圧縮しています。
それじゃダメだろう?(笑)
せっかくプロバイダから高画質・高音質のフォーマットを目指して配信してきているのに、それを圧縮しないといけないのでは本末転倒である。
基本は、ネットワークからPCで受信したものは、そのまま、なにも加工せずモニタやUSB-DACに送り込みたい。
ここはいじりたくない。
だからあくまでiPadやiPhoneはPC上のプロバイダのGUIをコントロールするだけのリモコンとして使いたいのである。
PCの画面を、iPadやiPhoneで共有したいのである。
Wi-FiやBTはあくまでコマンドを送るだけの伝送路として使用するのである。
画像や音声のコンテンツを送るI/Fとしては使用しない。
Wi-FiやBTはあくまでコマンドを送るだけの伝送路として使用するのである。
画像や音声のコンテンツを送るI/Fとしては使用しない。
この画面共有の技術は、わが会社の業界のカービジネスでは至極当たり前のこととしてde-factoですよ。(笑)
カーオーディオやカーナビにスマホをつなげて、外部ネットワークのインターネットと接続する訳ですが、そのとき、スマホの画面をそのままカー機器のH/Uに共有して出せるようになっていて、カー機器の画面上からスマホをコントロールできるのです。
ミラーリングと言います。両者間の画面座標変換技術。
運転中にスマホの小さい画面のGUIを操作するのは不可能ですからね。
カービジネスではごくあたりまえの技術です。
だからホームオーディオの世界でも必ずできるはずです。
いま世の中にあるミラーリング技術は、ちっちゃい画面を大きな画面にミラーリングする技術はありますが、その逆の大きな画面をちっちゃな画面にミラーリングする技術はないかも?です。
それが欲しいです。
以前調べたのですが、AppleのMacの世界では、iPadとiPhoneの間で画面は共有できるみたいなんです。(スィッチコントロールというらしい。)これはiPadとiPhoneの間でコンテンツが同じだからできることらしい。
でもMacBookとiPad/iPhoneの間の画面共有はできないらしい。それはこの両者間ではコンテンツが同じじゃないかららしい。
自分はぜひこの画面共有の技術をなんとかしてほしいと切に祈るばかり。
MacBook Pro/Airで受信した配信コンテンツは、そのままなにも加工せず、モニターやUSB-DACに送り込む。でもプロバイダのGUIを操作するときは、ソファに寝転がりながら、iPadやiPhoneでMacBook上のその選曲ボタンなどを操作できる。
つまり高画質・高音質な配信コンテンツの性能を損なうことなく、そのままのグレードが保証され、音声はメインのオーディオ・システム、映像はTVモニタ/スクリーンプロジェクターで視聴し、そしてiPadやiPhoneをリモコンとして使う、ということを言いたいのである。
これは自分が昔からずっと思っていたことで、一度ぜひやろうと思ってAppleに問い合わせて調べたことなのだが、現実はそのようにできていなくて挫折したことなのである。
いちいちMacBookの前まで行って体を陣取って操作しないといけないのは、まったく格好良くないです(笑)
もちろん、Mac系だけでなく、Win系の話も当然ありです。iPadの代わりにSurfaceみたいなWinのタブレット端末でも同じようなことが実現できて欲しいです。
自分は、iPadなどのタブレット端末は、普段ほとんど使用しない人である。
まったく必要性を感じないからである。
日記を書いたり、それをSNSに投稿するときはPCで、普段リラックスしてSNSを閲覧するときは、スマホで全然事足りるからである。
あえて、iPadを使ってみたいと思うとしたら、こういうネットワーク・コンテンツを視聴するときのリモコンとして使えるなら、ぜひ購入して使ってみたいと思うのである。
東京・春・音楽祭 ライブ・ストリーミング [オーディオ]
東京・春・音楽祭の川本嘉子ブラームス室内楽のチケットを取り直すことができた。キャンセルでリターンチケットなのか、緊急事態宣言解除で満席率緩和なのかわからないが、とにかくよかった。
今週土曜日です。これで今年も上野の桜を観ることができる。
それによって、東京春祭のライブ・ストリーミングを体験することができなくなってしまったので、急遽、体験するためだけに、他の公演をアレンジした。
今日の18:30から上野学園 石橋メモリアルホールでおこなわれるコンサート。
なんと!推奨OSのヴァージョンを、わがMacOSが満たしていなかったため、画面がこんな感じになってしまった。(笑)
でも音声は大丈夫である。
映像もこのアングルの枠の範囲でなんとかわかる。
映像もこのアングルの枠の範囲でなんとかわかる。
東京・春・音楽祭のライブ・ストリーミングの印象。
音声はじつに素晴らしかった。
ホールの空間の響きがよく再現できていた。
これはかなり感動しました。
ホールの空間の響きがよく再現できていた。
これはかなり感動しました。
いかにもホールの座席で聴いている感覚と同じなのである。
これは素晴らしいなあと思いました。
これは素晴らしいなあと思いました。
演奏の響きが、ホール空間での響きだったであることはもちろんであるが、ホール内の観客のざわめきとか暗騒音とか、あのホール空間にいる感覚が錯覚してしまうほど素晴らしい。
音像、音場、定位、帯域バランスとかいわゆるオーディオ述語を並べたてるありきたりの評価文なんかより、"コンサートホールの座席で聴いているのとまったく同じ感覚”というのが一番の誉め言葉なのではないだろうか。
驚いたのは映像のほう。今回新技術としてマルチアングル技術ということだったが、堪能させてもらった。
昔のクラシックの番組であれば、業務用放送カメラを何台もホールに設置して、マルチアングルで撮って、それを後でスィッチングして編集する、という作業だったのが、いまでは、リアルタイムのストリーミング配信で、そのマルチアングルのスィッチングが可能となっていて素晴らしかった。
1番驚いたのは、アングルの切り替えの瞬間のとき、前の画面をフェードアウトしながら切り替えるという細かい作業をしていることだ。
これはちょっと感動してしまった。
いままで自分は観たことがなかったかも?
いままで自分は観たことがなかったかも?
いきなりバチっと切り替えてしまうより、非常に柔らかいソフトな優しい感じを視聴者に与えてとてもいいと思う。
4K配信とのことだが、自分はOS Versionの関係上楽しめなかったが、きっと素晴らしかったのだろう。
自分が望むこととしては、アーカイブ配信、オンデマンド配信に対応してほしいことだ。その実演の時間にちゃんと観れない人のためにもなるし、また生演奏に行った人も、あとでもう一回あの感動を味わいたいというニーズもあると思うのだ。
やるなら、もちろん有期限コンテンツではなく、無期限コンテンツでお願いします。これを実現するためには、永遠に蓄積していくコンテンツの容量を、どうやって対応していくかのサーバー構築力に工夫が要ります。
ベルリンフィルのDCH(Digital Concert Hall)はそれに対応しているのだから、絶対できるはず。もちろん彼らの場合、全公演をオンデマンドしている訳ではなく、それ専用に公演をセレクトしている訳ですが。。。
IIJの技術力をもってすれば必ずできるはず!
自分のMacOSのヴァージョンが推奨条件を満たしていないことで、逆に気づかされたことがあった。
あれ?おかしいな、と思い、WindowsPCのほうで確認したら、全然問題ない。じゃPCのほうで視聴しようか?と思ったのだが、PCの内蔵アンプ・スピーカーで聴く音の酷いこと、酷いこと。
こりゃ絶対ダメだと思った。
自分は音楽再生用のMacBook Proは、自分のオーディオ・システムにもう組み込んであるのである。だからライブ・ストリーミングを視聴するときは、必ず自分のオーディオの音で聴いていた。それが当たり前の音だと思っていた。
まさかPC内蔵のAMP/SPで聴こうという発想はまったくなかったのである。
でもいざ聴いてみると、これはイカン。
冷静に考えてみると、世の中の人は大半の人は、オンライン配信は、みんなPC内蔵のAMP/SPでそのままPCで聴いているのが大半なのではないか、と思ったことだ。
それじゃいかん。
ライブストリーミングは、クラシックだけではない。ジャズ、ポップスすべての音楽業界によって大事なビジネスになっていく。実演とともにペアで考えていくことが必須になっていく。
ライブストリーミングを観ることで、そのアーティストを知って、いいな~今度実演に行ってみようという宣伝ツールになることもあるだろうし、ユーザーもそのアーティストの実演にいくかどうかの判断を、まずライブストリーミングを観て判断する、そういうツールとして使うこともあるだろう。
また生演奏コンサートに行った人が、もう一度あの感動を味わいたいとオンデマンドを観ることもあるだろう。
ライブストリーミングは満席・チケット完売というのがない世界。しかも実演よりチケット価格が安い。そしてそのホールに通えるエリア範囲の人だけでなく、エリアを問わず、日本中、世界中の人が楽しめる。
ライブ・ストリーミングは無限の可能性を秘めているのだ。
ところが、それをこんなPCの貧弱な音で聴いていたら、あきらかにダメだろう。
ここをまずなんとかしないとイカンと自分は思ってしまった。
じつは自分は、在宅勤務をしているときに、買おうかなと思っていたシステムがある。それはアクティブ・スピーカーとUSB-DAC兼用のヘッドフォンアンプ&プリアンプ。
それはあくまで在宅勤務用として考えていたのである。
在宅勤務、会社の仕事と言うのは、正直音声はどうでもいい訳であって、どちらかというと共有する資料が見れればよくて、音声も人の話している声の内容がわかればいいレベルであって、そんな高音質を必要としていない。
だからPC内蔵のAMP/SPで十分なのである。でも自分は、その在宅勤務用として、さらにレベルアップしかたかったのである。
アクティブ・スピーカーというのは、アンプが内蔵されているスピーカーである。正確に言えば、パワーアンプが内蔵されているスピーカーということかな?
アンプは、プリアンプとパワーアンプというのがあります。プリアンプというのは、音量調整(ボリューム)とインプット・セレクターの機能を司るところです。パワーアンプというのは、スピーカーを直接駆動する機能を司るところなのです。
ハイエンドなオーディオは、このプリとパワーの部分はセパレートなのですが、普及型になると、それが一体型になって、それをプリメイン・アンプといいます。
これから在宅勤務、テレワークがあたりまえの時代になってくると、そのテレワーク環境のシステムを充実させることが必要となってくるのではないか?
そして今日思ったことが、これまた当たり前のビジネスとなっていくライブストリーミングのためにも、このPC周辺機器としてのアクティブ・スピーカーとUSB-DAC/ヘッドフォン・アンプ/プリアンプのユニットがもっと普及していかないとダメなのではないかと思ったことだ。
ライブ・ストリーミングをいかにいい音で聴くか?
ハイエンド・オーディオをやっている人なんて、本当に数パーセントの限られた人だけなのだ。マーケットのマスとしては、こちらのほうが遥かに大きいだろう。
これからのオーディオの世界としては、ハイエンド・オーディオの世界とは違った、こちらのビジネスのほうが主流になっていくような気がする。
誰もが簡単に参入できる。。。そこが一番大事である。
アクティブ・スピーカーやUSB-DAC/ヘッドフォン・アンプ/プリアンプのユニットって揃えるのに数万円でいいのではないの?十万もしないのでは?
これから当たり前の世界となる在宅勤務、そしてライブ・ストリーミングをいい高音質で聴くなら、このPC周辺をビシッと揃えたほうがいいのではないのであろうか?
すくなくともPC内蔵AMP/SPで聴いているより、よっぽど別世界の音だと思いますよ。在宅勤務はまだしも、ライブ・ストリーミングをこんな音で聴いていたら、絶対アカン。
我々の世代は、アクティヴ・スピーカーをバカにしていたところがあった。アンプ内蔵なんて、いかにもなんちゃって感があって音も悪いだろう、というイメージがあった。
でもなぜ放送局にはGENELICのスピーカーが当たり前のようにたくさん転がっているのか?それはGENELICのSPは、アクティブ・スピーカーだからである。重たいアンプがなくても鳴らせる手軽さがあるからである。
これからはヘッドフォンも大きな主流になるので、ヘッドフォン・アンプは必須にだとしてもいまのUSB-DACにプリアンプの機能ってあるのかな?
今後はプリの機能は必須になります。(ヘッドフォン・アンプと言われている部分が、普通のオーディオのプリの部分も兼ねているのかよくわかっておらず。)
あと、ライブ・ストリーミングを視聴するたびに想うことは、PCの前に長時間陣取るのはかなり苦痛。やはりiPadなんかのポータブル・デバイスを使って、ソファーでくつろぎながら、観たいもの。そのためにはワイヤレス通信でないといけない。
iPadから画像・音声をBT(Bluetooth)で飛ばして、そのUSB-DAC/プリアンプで受けてアクティブ・スピーカーで鳴らす。
ハイエンド・オーディオを使わないで、ライブ・ストリーミングを高画質・高音質で楽しむのは、こういう世界なのではないだろうか?
誰もが簡単に参入出来て、これからはこちらが主流でマーケットのマスも大きいのでは?
でも世の中にはすでにこのようなものはいっぱいあるか?(笑)
自分に縁がないので、自分が疎いだけかもしれません。(笑)
自分に縁がないので、自分が疎いだけかもしれません。(笑)
自分のMacOSが推奨スペックを満たしていなかったために、偶然ではあるが、そのようなことを考えることができたのはラッキーだったのでしょう。
東京・春・音楽祭のライブ・ストリーミングの現場であるが、Phile-Webでオーディオ評論家の山之内正さんがレポしていたので、それを紹介してお終いとしよう。
東京文化会館小ホールで行われた演奏会を、マルチアングル配信(ユーザーが手元でカメラの切り替えができる)と、4K+48kHz/24bitのロスレスで配信することができる。収録を含めた配信システムはすべてIIJが構築し、チケット販売サイトや視聴用サイトも同社が提供する。
映像はフルHDカメラ4台と4Kカメラ1台で収録し、音声収録用のマイクの数も最小限に抑えていた。小ホールのステージと配信システムを設置した会議室の間は、映像・音声・コントロール信号など異なる信号を光ファイバーケーブル1本で伝送。
複数の機器間で自在に信号を双方向でやり取りできるIP伝送システムを用いているため、小ホールのステージ周辺だけでなく配信ルームの機材も収録規模を考えると異例なほどスリムで、設置や撤収の作業も軽減される。
個々のカメラのSDI出力をNDI(Network Device Interface)に変換した映像信号と、DANTE規格の音声信号をネットワークスイッチに接続するだけなので、ホールやバックヤードのケーブル配線はLANケーブルと光ファイバーケーブルが中心を占めていた。
今回は同一会場内で上下2フロア間を約100mの光ファイバーでつないでいたが、IP伝送なので演奏会場と配信ルームが数キロ程度離れていても遅延なく伝送できるという。
メインマイクはステージ上方に設置。音声もDANTE規格を利用しており、LANケーブル1本のみで伝送できる。
オンラインならではの取り組みとして、歌曲では歌詞の日本語訳も表示される。歌詞の表示はリアルタイムで曲を聴きながらタイミングよく表示を出していくという。
LiveExtreme(KORG)による4K/ハイレゾ配信のシステム。ソフトウェアベースのため比較的シンプルに実現できる。
東京春祭は、結局3公演を実演で行くことにしているが、ライブ・ストリーミングが かなりよかったので、もっと視聴してみようか、とも思う。
ESOTERIC 名盤復刻シリーズ [オーディオ]
オーディオメーカーESOTERICがリリースするEsoteric SACDは、クラシックやジャズの過去の名盤のCDを復刻してSACDとしてリリースする人気シリーズである。
昔、自分が愛聴していた過去の名盤のCDがSACDとなって発売されるのであるから、やはりオッとなって、買ってしまうのではないだろうか?
しかもEsoteric SACDの場合、装丁も美しいし、パッケージ・メディアとして高級感があるので、コレクターアイテムとしてもマニアには堪らないものがあると思う。
ESOTERICとしても狙っている層が、一般層の多売りを狙うというよりは、オーディオマニア層による小売りで貴重なマニア感を感じる層を狙っているようなところがあって、大きなマスを狙っていないような感じもする。
なかなかビジネスのコンセプトとしてしっかり狙いを定めているようなところがあって感心する。オーディオメーカーがリリースするSACDなので、オーディオマニア寄りのターゲット層なのだと想像する。
オーディオメーカーのESOTERICでは,これまでRCA,ソニークラシカル,英DECCA,蘭Philips,DG,EMIの音源を独自にSACDハイブリッド盤で販売してきている。世界の名高いレーベルの大半をカバーしていることになるのである。
Esoteric SACDは、2008年からスタートし、現在では120タイトル以上のSACDをリリースしているのではないだろうか?着々とコレクションを積み重ねている。
また完全限定生産なのである。在庫を売り切ったら生産終了である。だからリリースされたと同時に買わないといけない。(でもアマゾンとかで、旧譜を売っているサイトも多いですね。)
一方で、なにかと煩いオーディオマニアの間では、44.1/16のCDスペックからのアップコン(upconvert)で、真のSACDとは言えず、”なんちゃってSACD”である、音質もそれほど向上しているとは思えない、これはSACDではない、となかなか手厳しい声も多い。
自分はEsoteric SACDは過去に3枚ほど買ったことがあって、音質にはそれなりに満足していた。やはり自分の気に入っているCDの名盤をSACDで持つことは気分がいいものである。
今回Esoteric SACDの新譜がまた3枚ほどリリースされた。自分は、この新譜3枚も購入し、ここはひとつEsoteric SACDについて、徹底的に調べてみて、日記にしてみようと考えた。旧譜もさらに買い増し、合計10枚ほどのコレクションを持つことができた。
自分自身が、Esoteric SACDのことをよく知りたいだけである。Esoteric SACDとはどういうコンセプトのもとに、どのように作られているのか?
エソテリック・リマスタリングSACDプロジェクトの総帥、大間知基彰氏
ESOTERIC SACDプロジェクトの総帥は、エソテリック社長(当時)の大間知基彰氏、その人なのである。このEsoteric SACDが出たころ、この大間知さんを特集した記事を見つけたので、紹介してみたい。大変興味深い。Esoteric SACDの概念、コンセプトがここにあるんだな、ということがわかります。
エソテリック(Esoteric)の新たなマスタリングによる「スーパーオーディオCDシリーズ」は、これぞ名演、名録音、と感動して何度もレコードが擦り切れるほど聴いた体験を、何とか現時点の最高レベルの技術で、そのオリジナルの音に肉迫した音の出るディスクにしたい、という熱い思いから生まれたものなのである。
芸術作品はいつでも、誰かの夢や憧れから始まるもの。CD化されて聴いているこの音は、マスターテープにはもっと“いい音”で収録されているのではないか、それがこの程度の音になっているのは、初期のデジタル録音のシステム、あるいはマスタリングから、ディスク製造にいたる工程に問題があったからではないか。こう思って、過去の名盤をマスタリングからやり直してみたい、と考えた人物が、その当時エソテリックの社長であった、大間知基彰(おおまちもとあき)氏なのである。
最終的にディスクから引き出される音楽のクオリティは、録音時の出来(品質)がもちろん最重要なのであるが、同時に録音以降の工程の精度も大きな要素となっているのではないかと考えたのは、じつに正しいことであった。
ディスクの音質評価では、録音現場のプロデューサーやエンジニアの力量が重要視されることが多いのだが、ヨーロッパでは同じぐらいの比重でマスタリングエンジニアの腕が問われる。日本でCDに編集やマスタリング
の担当者名を表記するようにしたのは、日本コロムビアのデノン(DENON)レーベルが最初。
の担当者名を表記するようにしたのは、日本コロムビアのデノン(DENON)レーベルが最初。
これは同社が早くから、海外で録音製作をしていたので、ヨーロッパ的発想を熟知していたからである。エソテリックの大間知氏が、マスタリングの重要性にいち早く気づいた理由は次の2つが主なものだと思われる。
まず、大間知さんはティアック時代から長年、テープレコーダーの開発に携わってきたから、マスターテープの音を聴くことにかけては、他メーカーの設計者やエンジニアよりも体験が豊富だったこと。
そしてもう1点は、タンノイのスピーカーを扱っている関係で、海外の音楽に触れる機会が多かったこと、内外のさまざまな規模のホールでの生の演奏の音と、マスターテープの音、出来上がったディスクの音、といういろいろな段階での音を聴く機会に恵まれていたことである。
このことからわかるのは、大間知氏の“いい音”のリファレンスは、すでに発売されている完成品のディスク、マスターテープ、録音の現場、コンサートホールの音、という具合に何段階もあるということである。
大間知氏は、グラモフォンにしてもデッカにしても、過去の名盤と呼ばれる録音の、マスターテープの音を聴くと、現在流布しているCD盤との違いがかなり大きいと感じていた。
そのことに関する大間知さんのインタビュー
「もっとも大きな違いは、マスターテープの音には“ストレス”がないんですね。窮屈さがどこにもなく、自然で滑らかなんです。そして、空間に音が浮遊する感じがマスターテープで聴くとじつに鮮明です。よく私たちは奥行き感とか、臨場感とかいいますが、そういう言葉では表わしきれない、柔らかくて、芯がしっかりしていて、しかもホールで聴くように、音が空気中にきれいに浮かんでいるのです。
十分に説明することは難しいのですが、このマスターテープの音を、限りなく忠実に生かしたCDを現在のわれわれの技術で作りたいと思ったのが、リマスター盤を作ることになったもっとも大きな理由です。」
しかし、大間知氏の理想を生かしたディスク(SACD/CD)を作るには、新たにマスタリングをしなければならない。ということは、プライドの高いヨーロッパのメーカーを説得して、オリジナルのマスター音源を入手しなければならないのである。CBS・ソニーやビクターとは違った次元の交渉力が必要なのである。
ティアックもエソテリックも相手のレコードメーカーとは系列関係にない、ハードメーカーである。その畑違いのハードメーカーがレコードメーカーのマスター音源を借りて、マスタリングをやり直し、新たなディスクを作ろうというのであるから、常識的には無理な話なのである。
その困難を乗り越えて、エソテリックのリマスター盤SACD/CDは誕生した。
エソテリックはレコードメーカーではないので、ヒット作を作ろうというレコード産業の至上命令から離れたところで制作ができる。そこで、オーディオマニアが喜びそうな、高音質ディスクを作るというだけの試みなら、アナログ時代からも何度も何種類もの作品が作られてきた。
しかし今、エソテリックのリマスタリングに込められているのは、音に関心の高いオーディオマニアを納得させることは当然のことであるが、さらにもっと本質的な音楽的品質の向上なのである。それは簡単にいってしまえば「マスターテープの音を、限りなく忠実に生かしたCDを現在のわれわれの技術で作りたい」という1点に尽きる。いかに、マスターテープに記録されている、録音時の演奏家や制作者、技術者の理想に近づくか、もてるオーディオ技術のすべてをそこにつぎ込む、ということ。
そして、大間知氏とエソテリックをこのように突き動かしている要因は、“いい音のオーディオで聴く音楽の喜び”以外の何ものでもない。
自分がよく聴くのは、マスターテープで聴くとすごいいい音なのに、それをマスタリングして、そこからCDになったら、なんでこんなに悪い音というか普通の音になってしまうの?
この落差こんなにがっかりすることはない。
これは自分は本当によく耳にする話です。
録音がいい、というのは、演奏家が演奏して、それをマイクで集音して、マルチトラックに収め、それをあとで編集してミックスダウンする。この作業の良し悪しが、録音がいいか凡録音になるかの一番の大きな分かれ目になるのは、よくご存じの通りで、これは絶対間違いないところだと思う。
ついつい自分もここだけをメンションすることも多い。
でも実際は、そのオリジナルマスターテープから原盤をつくる作業のマスタリングの工程もじつはいい録音を作る、とても大事な工程である、ということは意外と見逃されている、メンションされていない部分ではないか、と思うのだ。
大間知氏は、そのマスタリングの重要性に着目したのである。
でもそこには、過去の名盤をリミックスすることは権利上できないけれど、リマスターならできる、という見地があったのではないだろうか、と自分は想像する。
リミックスとリマスターの違い。
演奏家、ミュージシャンが演奏して、それをレコーディングしてCDになるまでの工程はこのようになっている。
マルチマイクで録って、それをHDD(いまはメモリーカードなのかな?)などにマルチトラックで録音する。それを2chや5.1chに落とし込むことをミキシング(ミックスダウン、あるいは単にミックス)という。
ステレオなら2ミックス。
そしてそれをCDの原盤に落とし込むことをマスタリングという。
リマスター、もしくはリマスタリングというのは、この2ミックスを原盤に落とし込むときに、デジタル処理でノイズを除去したり、歪みをとったり、楽音を鮮明化したりして、高音質化アーカイブしたりして、再度原盤に落とし込み直すことである。
だから昔作った2ミックス音源を加工するわけではない。
でもリミックスというのは、マルチトラックの音源をもう一回ミキシングし直すことをいう。これは、いわゆるやり直しに近い工程だから、昔の曲のイメージががら変になってしまうのは当然である。
それは当時と最新とでのエンジニアの技術力も違えば、使っている編集用のオーサリングツールの進歩も全然違う。エンジニアの技一つで、音場感を出したり、奥行き感を出したり、立体感を出したり、音の隈取りをしっかり出すようにするとか、全体の音のバランスなど自由自在に料理できる。
まさにこのミキシングの部分でエンジニアの力量が問われる部分なのだと思う。この2ミックスのところをやり直したら、そりゃ出来上がったものは、大昔の当時にミックスしたものと全然違うものができるのは当たり前だと思う。
ここ2ミックスの部分、というのはある意味、「聖域」に相当するところなのではないだろうか。
だから大間知さんの狙っているところは当然リミックスの聖域ではなくて(そんなことは権利上できない)あくまでリマスタリングの部分なのである。
すでにあるオリジナルマスターテープからマスタリングするときの音質を改善させて、当時よりも高音質で原盤に落とし込む、マスタリングする、そこを狙っているのではないか、ということだと理解しました。
大間知さんは、このリマスタリングの部分には自社の技術ですべて賄える自信があったのだと思う。ここは自分の領域だけですべて完結する。
問題は、そのオリジナルマスターテープをどのように入手するのか?
あくまでオーディオメーカーであるエソテリックが、クラシック業界で名だたるレーベル、RCA,ソニークラシカル,英DECCA,蘭Philips,DG,EMIのオリジナルマスターをどのように入手するのか?
すべてはここなのだ、と思う。
ここは企業秘密なのであろう。
調べても当然出てこなかった。(笑)
ただ、ライナーノーツに記載されているファクターに、44.1/16からアップコンバートされ、96/24でリマスター処理をしている、ということが記載されている。
もともとのオリジナルソースの信号諸元はCDスペックの44.1/16なのである。
この記述を見て、世の中のオーディオマニアは、なんだぁ~SACDといっても結局CDからのアップコンじゃないの?という非難が出ているのは、この記述の部分に起因するのだろう。
映像の世界でも音声の世界でも一度削除してしまった情報は、いくらアップコンしてもその削除した情報は元に復元できないのである。アップコンされた信号は、あくまでその前後左右の画素、音素情報から補間して算出された情報であって、真にそこにあった情報ではないのである。
だから偽高音質、偽高画質なのである。
もちろん昔ソニーなんかがやっていた高画質の画素情報をメモリーしておいて、低画質に対する相関値をもとめ、その相関係数を乗ずることで元の高画質を復元するというような技術もあったような記憶がある。これは単なるアップコンより全然いい。この手の技術はいまはもっと進化しているでしょうね。映像も音声の分野でも。
いまのテレビの4K/8Kアップコンはその最たる最新技術なのではないでしょうか・・・。
だから録音現場ではマスターで録るときは、最高のスペックで録っておくというのは常識なのである。逆に高い諸元の信号から、ダウンコンバート、圧縮・削除していくのはなんら問題ない。
Esoteric SACDは、本当に昔のクラシック、ジャズの名盤であるから、マスターはアナログテープだと思うんですよね。
それを「44.1/16からアップコンバートされ、96/24でリマスター処理をしている。」
はたしてこれはなにを意味するのであろうか?(笑)
ちなみに、いまのSACDレーベル、たとえばPENTATONE,BIS,Channel Classicsなどは、録るときは96/24で録っています。あるいは192/24とか。PCMハイレゾで録っています。それはDSDは編集できない信号処理だから。まずPCMのハイレゾで録って、PCMで編集、ミックスダウンして、最終的にDSDにコンバートします。
それであれだけ素晴らしい録音ができるんだから、録音って結局スペックじゃないよね、と思うところです。
オリジナルマスターテープに記録されているのが、44.1/16のデジタル記録で、それを96/26にアップコンしてリマスター処理をしている、ということなのでしょうか?
マスタリングは、ミキシング(ミックスダウン)して作られたマスターテープから、曲順の決定や、フェードイン・フェードアウトなどのクロスフェード作業、最終的な曲のレベルや音質、音圧調整、曲間の編集などを経て、CDカッティング用マスターテープ(現在はプリマスターCD-RやDisc Description Protocolファイル)をつくる作業。
(この過程のCD-Rが結構闇に出ていたりして、それを聴いて、すっげぇいい音とびっくりする、というのはオーディオマニアの世界ではよく聴く話です。)
リマスタリングは、古いマスター(主にアナログ音源)からこの作業を繰り返すのである。そのとき、この2ミックスを原盤に落とし込むときに、デジタル処理でノイズを除去したり、歪みをとったり、楽音を鮮明化したりして、高音質化アーカイブしたりして、再度原盤に落とし込み直す。
こんなことをPCM 96/24でやっているということなのでしょう。
そして最終はDSD 2.8にコンバートするという感じでしょうか?
オリジナルマスターテープを現地レーベル入手しているのか、単なるCDからやっているかは謎です。(笑)そこは触れないようにしておいたほうがいいのかもしれません。
各ディスクで録音状況に違いはあるが、通常のESOTERIC盤と同様に「マスターに残された音、そのものを再現する」ように心がけている。使用するマスターの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われている。
特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、入念に調整されたESOTERICの最高級機材を投入、またMEXCEL ケーブルを惜しげもなく使用することで、貴重な音楽情報を余すところなくディスク化する。
エソテリックのマスタリングの特徴は、すべての工程で最新の高性能機器が使われていることはもちろんなのだが、中でも特に注目すべきなのは、エソテリック製のルビジウムによるマスター・クロック・ジェネレーター「G-0Rb」を使用していることである。通常デジタル機器には水晶発振モードのクロックが使われているのだが、これは超高精度ルビジウム発振器によるもので、このジェネレーターで各機器のクロックを一元管理している。
作業工程上にある機器の時間軸をキッチリと合わせることは、仕上がった音の質感に大きな効果があることが今はよく知られていること。これはデジタル初期と違う最大のポイントのひとつだそうである。
デジタルとアナログの根本的な違いは、すべての信号処理が計算によって成立していること。この計算が正確に行なわれるためにも、機器の時間管理が精密でなければならない。さらにこれはアナログでも同じ、基本的なことであるが、電源、伝送ケーブルの品質も音に大きな影響がある。
その点でも、エソテリックのマスタリングは抜かりがない。
このエソテリックの絶対的なマスタリング技術で使用している機器のクレジット情報は以下のようになっている。
D-01VU:D/A Converter
G-0Rb:Master Clock Generator(Rubidium)
Cables:Mexel Cables (BNC,XLR,AC cable)
G-0Rb:Master Clock Generator(Rubidium)
Cables:Mexel Cables (BNC,XLR,AC cable)
この3つのEquipmentは、マスタリングをする上で彼らの最大の武器、アピールポイントなのであろう。結局すべてはここなんでしょうね。
このEsoteric SACDのSACDリマスタリングは、JVCマスタリングセンターで行われている。正確には、JVCKENWOOD Creative Media Corporationである。
灯台下暗しであった。(笑)
Esoteric SACDのマスタリングをやっていたエンジニアは杉本一家氏であったようだ。JVCマスタリングセンターの代官山スタジオには、Sugimoto Studioという専用スタジオもある。
杉本一家氏は、「ESOTERIC名盤復刻シリーズ」のマスタリングエンジニアを、2008年「カーゾン/モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番・第27番」から「モーツァルト、フランク&ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集」まで、延べ118タイトルご担当された。
大間知さんと杉本さんとでEsoteric SACDのマスタリング作業をSugimoto Studioでやっている様子。
なんと!この日記を書くために調べていて初めて気づいたのであるが、杉本一家さんは、2019年にご逝去されておられた。
存在を知ることが大変遅くなり(しかも灯台下暗し)、いまご逝去を知り大変恐縮ですが、この場にて謹んでご冥福をお祈りします。
代わりに現在は、東野真哉氏が後継者として本シリーズのマスタリング・エンジニアを務められているようだ。今回新しくリリースされた新譜3枚も東野さんがマスタリングエンジニアである。3枚とも聴きましたが、素晴らしい録音でした。
以上が、自分がEsoteric SACDについて調べて理解した内容である。
Esoteric SACDとはオーディオメーカーESOTERICが販売専門店のみのルートで販売している特殊のSACDである。クラシック・ジャズの過去の名盤をエソテリック独自のマスタリング技術・製盤技術でSACDリマスタリングしている名盤復刻のSACDディスクである。
このように要約できるのではないだろうか?
では、つぎの日記で、自分がもともと購入していたディスク3枚と、評価用として新たに買い増した7枚、合計10枚のEsoteric SACDについてレビューしていくことにしよう。