SSブログ

香林坊バス停 [国内音楽鑑賞旅行]

特別番外編。初回でも書いたが、金沢は、なにせ生まれて初めての土地なので、土地勘、地理感がなく交通機関もいまいちだった。金沢観光はバスを使うのだが、北鉄バス、城下まち金沢周遊バス(左回り、右回り)、まちバスがあることはわかってきた。


城下まち金沢周遊バス(左回り、右回り)、まちバスは初心者向けの観光者に優しいバスですね。でも本数少ないです。


やっぱり頻繁に使うのは北鉄バスになる。


その北鉄バスを使いこなすうえで、なんか自分なりの苦し紛れのルールみたいなものが確立されて、それは香林坊バス停を使うことだった。


大体の北鉄バスは、かならず香林坊を通るので、あまりどっち向きとかいちいち考えず、行先に香林坊があった場合は、もうとにかく乗っちゃう。そして香林坊まで行っちゃうのだ。


香林坊にさえ着けば、そうしたらあとは確実に金沢駅に帰れる。ホテルは金沢駅近くでした。


そんな自分のコンパスの基準になっていたバス停でした。


また今回金沢グルメを堪能するため、ピンポイントでお店に伺わないといけないのだが、そうなると大半の店は、みんな香林坊バス停で降りることになるのだ。


金沢グルメのスポットとして、香林坊、片町は自分にとって欠かせないスポット、エリアだった。否が応でも馴染まざるを得ない・・・そんな感じ。


香林坊は、金沢の中でもっとも栄えている繁華街で、いわゆる高級ショッピングモール街といった風情のエリアである。


香林坊バス停は、おそらく金沢のバス停の中でももっとも立派なバス停であろう。


dbR4ZXxmCK8800N1659149387 (1).jpg


sg0fX950SvmmHGF1659149590.jpg


こうやって、大きな大きなベンチがあって、ここで時間潰すのに最高に便利なところだった。このベンチに座りながら、眺める香林坊の街並みは、金沢観光スポットとはまた違ったノンノン流金沢の想い出になるであろう。


大和デパートという大きなデパートがあって、香林坊バス停はその前にあるんですよね。


T4lJDvBEKr6jEOJ1659149859.jpg


この反対側にも香林坊バス停があって、こちらはいわゆる金沢駅に帰るバス停である。


nPdKMqRrETaOmtC1659149750.jpg



だからどんなに悩んでわかんなくなっても、香林坊にさえ来てしまえば、このバス停から金沢に帰れるのである。


早めにでかけて、金沢グルメのお店の位置を確認したら、あとは開店の時間まで、この香林坊バス停のベンチで時間つぶしをしているのだ。


とにかく暑かった。カバンの中のペットボトルの水がすぐなくなった。そのときに、自分が重宝したのは、香林坊にある東急ホテルの下に入っているスターバックスである。


WBy4uVO0cuQBOBh1659149992.jpg


ここはかなりの頻度で使いましたな~。つい最近のことだけれど、懐かしすぎる。とにかく喉が渇くので、このスターバックスは重宝しました。かなり利用しました。しかも店内はクーラーが効いてすごく涼しいんですよね。すばらしい避暑地でございました。


香林坊バス停は、正確には香林坊アトリオ前ですかね?


城下まち金沢周遊バスのバス停


Tdb2nQhsWrNztDm1659149215.jpg



まちバスのバス停


yfY1uCCNV36iXiW1659149282.jpg



北鉄バスのバス停


mb5zVZ07ODWa0401659148899.jpg



北鉄バス


BNWhuGLv9OXKttV1659149149.jpg



城下まち金沢周遊バス


GOAhwnuPm3CrwDm1659149086.jpg



まちバス


NLFTjiVQGpiuYfv1659149003.jpg


今度、金沢来るときは、こんな変則的な自分ルールではなく、きちんと反対車線の金沢駅行きの北鉄バスに乗りたいものです。そうじゃないとバス賃もったいないですね。


バス代は、1日乗車券というのがありますから、それを使うのが便利かもしれません。




nice!(0)  コメント(0) 

金沢21世紀美術館 [国内音楽鑑賞旅行]

金沢21世紀美術館は、新しい金沢の象徴ですね。いままでの歴史、城下町として栄えてきた伝統の金沢とは違ったこれからの近未来にむけての金沢を象徴する美術館なのだと思いました。


これはすごく楽しみにしていました。


広坂・21世紀美術館前バス停で下車するとそのすぐ目の前にあります。


Ts30kImb31TNwVy1659127806.jpg


金沢21世紀美術館は、石川県金沢市広坂にある現代美術を収蔵した金沢市立の公立美術館。公立なんです。美術館の経営って本当に難しいです。コンサートホールと同じで建てたのはいいとしてそれを毎年維持していくことが本当に大変ですね。


70~90年代のハコモノ行政の結果、全国に乱立した“見た目は豪華だが、閑古鳥が鳴く”公立美術館。


その中で「最大の“勝ち組”」といわれるのが、04年に開館した石川県金沢市の金沢21世紀美術館である。公立美術館の行く末は、首長の手腕が大きく影響する。


「市民に開かれた美術館」

「街に開かれた公園のような美術館」


日本の常識を打ち破る美術館にしたかった。


前金沢市長の山出保さんは、こう仰る。


金沢は、前田家が加賀藩を築いて以来、400年間以上にわたって文化都市を標榜してきました。前田家が、能楽や工芸などの文化に対して湯水のように金をつぎ込んできたのは、百万石という財力かつ外様大名であるがゆえに、徳川幕府から受ける厳しい監視の目を緩めるため。


また、明治維新や太平洋戦争の際も戦火にも晒されず、まさに「武より文」を貫くことによって、さまざまな災難を免れてきたのです。文化を利用して難を逃れる、というある種の“したかかさ”、個人的には、これこそが「金沢らしさ」なのではないかとも思っています。


そこで私は、市内の一等地に空いた広大な敷地の用途を考える時、この街が歩んできた歴史を踏まえるなら、真っ先に文化施設を建設するのが当然だ、と訴えました。また、当時の全国的な傾向として、県と県庁所在地の市、ひとつずつそれぞれの美術館を持つのがスタンダードでしたが、金沢市はまだ美術館を持っていなかった。その点も強調しました。




金沢のコンテンポラリーな新名所、金沢21世紀美術館。この美術館は、プリツカー賞を受賞した日本人建築ユニットSANAAの設計による斬新で開放的な建築で有名。館内のアート作品だけでなく、美術館の建物そのものがすでにアートなのである。



公立美術館冬の時代と言われ、「ここがコケたら今後50年間は冬の時代が続く」と、各地の美術館から入館者の推移が注目されたんですが、開館から1年間で地方都市の公立美術館としては驚異的な157万人もの入館者を集めた。


なお、開業初年度の目標は30万人と定めていた。2006年8月に入館者数250万人を突破した。また、2015年の北陸新幹線開業後の来場者数は、2018年度で約258万人と対2013年度で100万人以上の増加となっている。


そんな破竹の勢いを突き進んでいるのが、金沢21世紀美術館なのである。いまや金沢観光に避けて通れない堂々たる王道スポットである。


金沢21世紀美術館のなにがそんなに人を惹きつけたのか?

なにがそんなに新しかったのか?


DSC07770.JPG


DSC07782.JPG


DSC07795.JPG


DSC07773.JPG


DSC07774.JPG


DSC07779.JPG


DSC07903.JPG


DSC07907.JPG


DSC07821.JPG


DSC07828.JPG



地上一階に施設のすべてがある、総ガラス張りの円形の建物が金沢21世紀美術館である。「まちに開かれた公園のような美術館」を建築のコンセプトとしている金沢21世紀美術館は、1980年以降の現代アートを中心とした作品を数多く収蔵している。


親子や子どもたちで遊べるキッズスタジオやアートライブラリーなど、美術のことがよくわからない初心者でも気軽に楽しめるつくりになっており、近隣の住民からの評価も高く来場者が絶えません。


また、インスタレーション的な美術品が多く、TwitterやFacebook、Instagramなどでもよく取り上げられている。旅行客やアートに興味のある人のためだけでなく、街の人、近くの人にも身近な作りを目指している美術館、それが金沢21世紀美術館なのだ。



地元の大反発のなか2004年に開館。蓋を開けてみれば、開館1年で150万人以上が入館するなど、大成功を収めた。



その大成功の鍵を握っていたのが、この美術館の“顔”になってるレアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」。「このプールといえば21美」と、ここで写真を撮った来館者が自分のブログやSNSに投稿し、それがまたお客さんを呼んでくれるという相乗効果を生んだ。


large-1baffd60679bed0650f43c35df4b9267be4e3ada5cf362ab9451219bdc39a9bd.jpg


8ebe463384ca23119c3ac0238d544c770.jpg


193_1_m.jpg


article_art001920_og_facebook.jpg


157329389014518234231.jpg


DSC07034.jpg


本当に不思議ですよね~~~。

どうなっているんだ???

自分も体験したい!


みんな、このスイミング・プールを体験したいがために、21美にくると言っても過言ではないですね。このスイミング・プールこそ金沢21世紀美術館の顔となったのです。


自分はこれを見ると、北海道 旭川の旭山動物園を思い出します。あそこも経営の苦しい動物園の中で、唯一大成功を収めている異色の動物園。その大成功の理由は、やはりいままでの動物園の概念にとらわれない柔軟でユニークな発想。まるで自分が海の中にいるみたいに、魚たちのいっしょにいるような仕掛け。その見せ方にすごい工夫している。動物たちをみるための仕組みがすごくユニーク。


このユニークな発想が大成功を生んでいるのだと思いました。


自分は金沢21世紀美術館の大成功は、まさにこの旭山動物園の大成功の原因にダブルところがあると思っています。


市民にも開かれたSNS映えする美術館。


それが金沢21世紀美術館の成功の原因なのだと思いました。



そんな21美こと金沢21世紀美術館を体験してきました。


もう着いたらこれです。(笑)

チケットを求めての大行列。


DSC07832.JPG


DSC07887.JPG


金沢21世紀美術館は、無料ゾーンと有料ゾーンの2種類があります。これらのチケットは有料ゾーンのためのチケットを求めています。


スイミング・プールは、有料ゾーンですので、チケットが必要なのです。自分はそのことを旅行の前に気づき、21美のHPでWebチケットが買えることを事前にキャッチしていました。


これはぜひお勧めです。有料ゾーンのチケットは、必ず事前にHPでWebチケットを購入してからにしましょう。


美術館内を無料ゾーン、有料ゾーン含め、いろいろ散策して観覧していきます。館内は全身ガラス張りです。


「街に開かれた公園のような美術館」ですので、こうやってなんか草原の中にオブジェがあってこれがまたいいんだな。子供が遊ぶジャングル・キットのようにもなっている。かなり人で混んでいました。自然と調和していてすごく美しいな、と思いました。心が安らぎます。


Vqye44IReI4zLr21659128124.jpg


9QrkAFc1cSWZLv41659128624.jpg


kyIj4xyajVzylBZ1659128751.jpg


DfFBAnStoxyPv781659128870.jpg


EArUbZv4NCAcRZh1659129021.jpg


xIBZamCb5NkTEOr1659144146.jpg


vguzstLFDsOtMRS1659128681.jpg


lNNtwSooVVzsZgF1659129103.jpg


ここでは記念撮影できるところですね。大行列になっていました。


DSC07815.JPG



食事、ドリンクなど楽しめるレストランが館内にあります。


DSC07843.JPG


DSC07847.JPG


いろいろなグッズをおみやげとして買えるショップコーナーも充実しています。


DSC07898.JPG


これは有料ゾーンでチケットが必要ですが、主催展覧会もやっています。


自分は、


file.jpg


ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと

2022年5月3日(火・祝) - 2022年9月4日(日)


のチケットを購入して鑑賞を楽しみました。


この主催展覧会のチケットを買うことがそのままスイミング・プールのチケットを購入することになるのです。チケット兼務なのです。




さて、いよいよスイミング・プールです。チケットを見せて、まずプールの外から眺めます。意外に小さいサイズのプールでした。


DSC07802.JPG


DSC07889.JPG


DSC07894.JPG


さて、その中にどう入ろうか、ということでスタッフに聞いたところ、現在展示替え準備のため、スイミング・プールはご利用できないのです。上から写真を撮影するだけならできます。


えぇぇぇえええええ~~~。


ショック。あまりにショック過ぎて言葉にもならなかったです。(笑)21美はこれを楽しみに来たといってもいいのに。。。です。


ぜひ、なぜそのように見えるのか、を謎あかししたくなりました。ネットの情報を借りて、チャレンジしてみましょう。


Resized_DSC03158.JPG


プールの中を見下ろしてみると、人が!水の波紋のせいで、まるで実際に水中にいるかのように見えます。これは、天井にアクリルガラスが張ってあって、その上をごく少量の水が流れているという仕掛けです。


→ここです!種明かしはこれです!


これがプールの中にも水があってその中に人がいるように見える仕掛けなのです。実際、プールの中は、なにもない空洞なんだと思います。そこに人が入ってもその上部にアクリルガラスが貼ってあって、そこに少量の水が流れているので、太陽光とで、そのさざ波、水中感の模様が、その空洞に映し出されているだけなんだと思います。


Resized_DSC03161.JPG


下に降りてみると。。。はからずも感銘を受けたのが、プールへと続く廊下。プールから差しこむ青い光が非常に綺麗で、思わず見とれてしまいます。


Resized_DSC03163.JPG


プールの中はこんな感じ。ゆらゆら揺れる水模様が幻惑的でした。


Resized_DSC03165.JPG


上を見上げてみます。相手の顔ははっきりとは分かりませんが、手を降ってみたりすると相手も応えてくれたりします。



ネットに載っていたこととはいえ、こんな種明かししていたら怒られますかね?(笑)夢がなくなりますかね?


今度、金沢に行ったときは、ぜひこの21美のスイミング・プールは体験したいと思います。


以上長らく連載してきましたが、これで3泊4日の金沢観光のすべてになります。本日にて終了です。当初の旅行計画に対して、2/3か半分くらいしか達成できなかったです。


新しくオープンになった新・石川県立図書館、そして主計町茶屋街、にし茶屋街、長町武家屋敷とか行きたかったですねぇ。体力的に全然無理でした。


あと金沢クラフトのお店もぜひ行ってみたかったです。金沢は工芸の街としても有名なので、陶器などの金沢クラフトもとても興味があります。


金沢グルメも海鮮丼、ホワイト餃子、百万石うどんとか、まだまだ未達成のものがあります。


とにかく今回、そんな以前のような体力はもう無理なんだ、という事実を突きつけられ、ショックでしたが、けっしてめげずに元の体力に復帰できるように日々のリハビリ頑張りたいと思いました。


北陸最大の観光地、金沢。

とてもとても素敵な街でした。





nice!(0)  コメント(0) 

金沢の茶屋文化 [国内音楽鑑賞旅行]

金沢の伝統芸能の趣を表していると思われるものに、茶屋文化がある、と自分は思う。いわゆる”おもてなしのこころ”のお茶屋さんである。


橋場町バス停で下車すると、ひがし茶屋街、主計町茶屋街など、金沢観光を代表するそんな茶屋文化を象徴する観光スポットがある。ここも金沢観光として王道で絶対外せないだろう。


ここに来ると、いっきに江戸時代のお茶屋さんにタイムワープするような錯覚に陥る。


お茶屋さんというのは・・・


曲を披露し、客をもてなす一見さんお断りの遊興の場が、”お茶屋”。江戸時代は裕福な商人や町衆の社交の場で、武士の出入りは禁止されていたそう。お酒を飲みながら、芸妓の華麗な芸を鑑賞したあとは、ゲームスタイルのお座敷遊びも楽しんだ。


このような感じでしょうか。


shutterstock_779114170.jpg


geigi_10.jpg


一見さんお断りなので、興味本位に体験することはできない。怒られてしまう。きちんとその宿に宿泊して、その上でお金を払って申し込む必要があるのだろう。


あくまで予想なんだけど、芸妓の華麗な芸の鑑賞は、素晴らしい~と感心するのだろうが、自分が実際参加するゲームスタイルのお座敷遊びというのは意外や笑っちゃうというか、芸妓さんは本当にプロフェッショナルなので、お客さんを楽しませたり、笑わせたりとかでそのゲームに興じさせたりするのが、すごいお上手なのではないかと思うのだ。


いまの時代、そんな江戸時代の当時のゲームスタイルのお遊びをやって楽しいか、とも誰もが思うかもだけど、意外やそれが笑っちゃって楽しいもんなんだと自分は予想する。


なんとういうのかな、そのときの間、というか、なんかふっと思わず笑ってしまう。。。そんな、あ・うんのかけひきが芸妓さんは上手なんだと思います。


そこは芸妓さんはプロフェッショナルなんだろうな。うまく誘ってくれるんだと思います。芸妓さんは、まさに16歳とかそんな年齢でその世界に入り込み、その道ひと筋。これもまたひとつの人それぞれの人生だと思います。


そんなお茶屋さんが並んでいるのが、金沢のひがし茶屋街なのだ。


yxycsZuj1coj01h1659056919.jpg


iqHc3kY4ppxSrIt1659057015.jpg


K9cpxP2llZeU5il1659057713.jpg


雰囲気あります。ここ歩いているだけで、なんか異空間というか、江戸時代にワープするようなそんな素敵な空間です。



このひがし茶屋街に来たら、ただその茶屋街を歩くだけではもったいなさすぎる。ぜひお茶屋さんの中を見学して欲しいのだ。これを体験するとしないでは、せっかくひがし茶屋街にきて、勉強になる、印象として残るという点では月とスッポンの違いがある。


ぜひお茶屋さんの中を見学してほしい。


ひがし茶屋街の中には、そういう茶屋を見学できるお茶屋さんがあるのだ。


懐華樓(かいきろう)、志摩(しま)、そしてお茶屋美術館。


この3つはぜひ中に入って見学してほしい。ここを体験する、しないで全然違うと思う。金沢の茶屋文化に対するイメージや深い見識が自然と体の中に入ってきて染みるように感じることができると思う。


それだけインパクトかなり強いです。


自分は3泊4日の金沢観光だったけれど、1番自分の印象にVividで鮮烈だったのが、この3つのお茶屋さんの中を見学したときの衝撃だった。


あの鮮やかな残像は、いまでの脳裏に深く焼き付いている。それだけ印象的だったです。


日本的、和風的に、美しくて綺麗だったです。


ではひがし茶屋街で体験したお茶屋さんを順番に紹介していこう。



懐華樓(かいきろう)


DSC08051.JPG


DSC08055.JPG


1820(文政3)年築の金沢でいちばん大きな茶屋建築。畳まで紅色で統一した座敷や金箔畳の茶室、全面漆塗りの階段など華やかな装飾が非日常の世界に誘う。


懐華樓は、金沢ひがし茶屋街にある金沢で一番大きなお茶屋建築なのである。 金沢市指定保存建物として昼は一般に広く公開している。 夜は一見さんお断りを通して、今もなお一客一亭で華やかなお座敷が上げられているのだそうだ。(うわっ今度宿泊してみる?体験してみる?)

 

「懐華樓カフェ」では素材にこだわった高級甘味をご賞味いただけます。(あとで紹介します。)


もしひがし茶屋街で1軒だけ茶屋を体験する、というのなら、自分は文句なしこの懐華樓(かいきろう)さんを推薦する。もう圧倒的に素晴らしかった。他を追随しない素晴らしさがある。


懐華樓の素晴らしさは、いまも現役で使われているお茶屋だということである。昼はこうやって一般公開するけど、夜はちゃんとこの座敷で、芸妓さんとお客さんのお座敷遊びがおこなわれているのである。そう思うとなんかリアルな実在感があって緊張します。


まず、その懐華樓(かいきろう)さんの体験してきた写真をアップしていきますね。


DSC08045.JPG


ひがしのお茶屋では珍しい十分な広さの主階段は、石川県の伝統工芸「輪島塗」の豪華な朱塗りで仕上げられている。黒と朱色、すごく配色のバランスとして美しい凛としたお洒落なイメージですね。



朱の間。


DSC07942.JPG


金沢の芸妓たちによる、華やかで伝統的なお座敷遊びが今もおこなわれている客間なのだそうだ。驚きです。いまも現役だということです。鮮やかな朱の壁と、壁の色に合わせ赤で統一した畳縁で、お客さまをお迎えします。



群青の間


DSC07951.JPG


群青色の落ち着いた雰囲気の客間。もともと武士にとって青は高貴な色であり、青壁は格式高い部屋で、貴賓室として使用されている。



黄金畳の茶室。


DSC08008.JPG


井草の代わりに、一本一本に金箔を巻いた水引を編み込んだ畳を使用した、黄金畳の茶室である。金箔の国内シェア率99%を誇る、まさに「金箔の街」金沢ならではのしつらえである。


DSC07946.JPG


DSC07955.JPG


DSC07958.JPG


DSC07961.JPG


DSC07965.JPG


DSC08013.JPG



Shop(土蔵)


DSC08015.JPG


DSC08018.JPG


建物の中から直接出入りの出来る「内蔵(うちぐら)」である。壁は火災の際も中の貴重品を守る漆喰づくり。現在は懐華樓オリジナル商品などが展示されている。



懐華樓のジオラマ


DSC08020.JPG



懐華樓カフェ。


DSC07992.JPG


DSC07995.JPG


DSC07998.JPG


これまたお洒落で雰囲気ある。囲炉裏がある和風カフェである。金沢ならではの金箔をふんだんに使った懐華樓オリジナルスイーツやドリンクなどで、上質な時間と洗練された空間をお楽しみいただけます。



●金沢金箔 全国シェア98%



金沢では日本で生産される金箔の約98%が生産されている。金沢は金箔文化といっていい。ここのShopの女性スタッフは、金沢は日本だけでなく、世界シェアでも金箔といえば、金沢とイタリアが独占的というようなことを言っていたような記憶がある。



金沢市内を歩いていると、金箔が施された装飾に出会うことがある。例えば金沢市民の台所「金沢近江町市場」の入り口で立ち止まり、上を見上げてみると、天井には金箔が施された格子柄模様が広がっていた。この街に住む人たちにとって、「金箔」は生活の一部に溶け込んだ身近な伝統工芸なのだと感心した次第である。



また金沢市内のお土産処では、金箔が施されたお皿や小物が購入できる他、オリジナル作品を作る体験もできる。お皿やお箸などに好みの模様の金箔を貼り完成させたりする。製品になる前の金箔に触れることで、1万分の1mmの薄さを通して、職人技を体感できる。1枚の金箔を贅沢に乗せたソフトクリームなど、金沢らしさを感じる甘味を味わうのも良いです。


金箔のソフトクリームといえば、金沢名物。これもあとで体験するのでお楽しみに。


この懐華樓カフェで、自分は黄金くずきりを頼んでみた。スタッフの女性が、名物はこれです!と推薦してくれたので、迷わずそれを選んだのである。


これが黄金くずきり。


DSC08040.JPG


くずきりなんて、いったいいつ以来だろう?ところてんみたいなもの、と言ったら怒られる?左にとても甘いあんみつの上に金箔が張ってあるのだ。右のゆずきりを左の金箔入りのあんみつにひだして食べる。


これもひとつの珍味ですね。金沢ならではの珍味だと思います。


懐華樓にきたときは、ぜひこのカフェも体験してみてください。



志摩(しま)


cyvhb3nsl9QNhPF1659058846.jpg


N2BruOgHmdzqQYT1659058915.jpg


ひがし茶屋街が誕生した1820(文政3)年に建てられたお茶屋で、国の重要文化財。旦那衆が遊びを楽しんだ座敷、四季折々の表情を見せる坪庭、吹き抜けの階段などが、江戸時代そのままに残されている。


まさに茶屋街誕生当時の姿を今に伝える文化財なのだ。こちらはいまは現役ではなさそうだ。公開展示のみですね。


hIsfuMLPuM9JWH81659058985.jpg


OztaiRfyBRgCO5P1659059024.jpg


VIPkktiz6iWHXnE1659059089.jpg


懐華樓もそうだったが、なぜ、お茶屋のお座敷って朱色なんだろう?と思いますね。そして青。青は高貴な色。青壁は格式高い部屋だそうです。




お茶屋美術館


sGWKRHVqxmcj2UT1659057792.jpg


金沢の茶屋文化、お茶屋のことをもっと深く知りたいと思うなら、このお茶屋美術館をぜひお勧めしたい。ここにきて茶屋文化、お茶屋とは、と大きくはっきりと認識できるようになると思う。いままで実際のお茶屋を見物してきたが、ここはその茶屋文化を知る総本山のような気がする。


建物は1820(文政3)年に建てられた当時のままのたたずまいを残し、芸妓をあでやかに彩どる櫛かかんざし、蒔絵をほどこした道具類が多数展示されている。


これは本当に圧倒されますよ。金沢の茶屋文化とはここにあり!という総括のような気の引き締まり方でした。


芸妓さんのじっさいつかっていたものですから、かなりリアルでとても貴重だと思いました。


DSC08129.JPG


DSC08070.JPG


DSC08068.JPG


DSC08074.JPG


DSC08076.JPG


DSC08080.JPG


DSC08082.JPG


DSC08085.JPG


DSC08087.JPG


DSC08088.JPG


DSC08093.JPG


DSC08095.JPG


DSC08108.JPG


DSC08116.JPG


DSC08118.JPG


DSC08124.JPG


DSC08125.JPG





最後に、全国シェア98%の金沢金箔世界を堪能してお終いにしたいと思います。


このひがし茶屋街に、箔一 東山店という金箔ソフトを体験できるお店があります。金沢を代表する金箔ソフトは、この箔一 東山店がはじまりだったのだそうです。やっぱり金箔ソフトをもとめて大行列ができていました。女性ファンが多かったような気がします。



B57bukdIQOja0OC1659058621.jpg


もともとこのお店は、工芸品やコスメ、お菓子などさまざまな金沢金箔のアイテムが揃うショップだそうです。


お店の場所は、橋場町バス停からひがし茶屋街に向かって歩いていくじゃないですか。そうしてちょうどひがし茶屋街に入ったところの広場にあります。自分もまったく予期していなくて、メインはひがし茶屋街に向かって歩いていたんですが、偶然見つけた、という感じです。あら~なんだ、こんなところにあるじゃないの!わざわざ探さなくて助かったわ、という感じです。(笑)


DSC08147.JPG


DSC08149.JPG


DSC08171.JPG


金箔ソフトクリーム、私も頼んでみました。(はい。もちろん大行列に並びました。)こうやってインスタ対応のように、金箔ソフトを立てかけて、名前札も用意してくれるお店側の配慮。優しいですね~。自分の金箔ソフトができたら、こうやってここに立てかけて、名札とともに自分のカメラで撮影するんですね。みんなやってました。


DSC08160.JPG


食べてみたら、まっふつうのソフトクリームなのですが。。。さきほどのゆずきりもそうですが、金箔は味はしません。無味無臭だと思います。あくまで気もち的に豊かになれる、という視覚・精神の相乗効果ですね。


金沢の茶屋文化。


自分がこの3泊4日の金沢観光の中でヴィジュアル、色彩的にもっとも鮮烈な体験となりました。








nice!(0)  コメント(0) 

兼六園・金沢城公園 [国内音楽鑑賞旅行]

初日の本番のコンサートを終え、2日目。今日からが金沢観光のスタートです。退院後はじめての旅行ですので、不安はありました。この歩行が万全でない状態で、どこまでむかし通りにやれるのかな・・・という・・。


結論から申しますと、もう全然ダメ。相当落ち込みました。うわっこれは立案した旅程の半分もこなせないな、というがっかり感。ホテルに帰宅後、旅程の見直しということで、リスケジュールをし直しました。いまの体力でできる範囲、そして金沢と言ったら、どうしてもここは観ておかないといけない、これに絞りました。


金沢といえば、兼六園・金沢城公園は絶対外せないと思います。金沢観光の王道ですが、まずはトップバッターとしてここを狙いました。


金沢は、前田利家の加賀百万石の城下町として栄えた街ですね。町としての礎はそこにあります。NHK大河ドラマ 利家とまつ、しっかり見てました。あれで、自分の中に前田利家が、すごく身近に感じるようになりました。


金沢城の本格的な城づくりが始まったのは前田利家が城に入った1583(天正11)年から。高山右近に指示を仰いだとも伝わります。度重なる火災で焼失した部分も多いが、金沢城公園として復元が現在も進んでいます。


まさに金沢城公園は、加賀百万石の城下町のシンボルなのです。金沢城公園は、兼六園のすぐ隣。外様大名で最大の石高を誇った加賀藩前田家の歴代藩主の居城が長きにわたる改修で次々と復元。まさに豪華絢爛の建築の世界を堪能、といったところでしょうか。


順番としては、まず金沢城公園を堪能してから、隣にある兼六園へ、と考えていました。


北鉄バスで、兼六園下・金沢城公園バス停で下車。そこで早くも試練が。。。


バス停を降りたら、すぐに金沢城公園入口が見つかるのだろう、とたかをくくっていたのだが、なんか見渡す限り石垣で、入り口らしきどころがまったく見つからない。人に聞こうにも、とにかく城郭の石垣がずっと続いているので、そんなところに民家やお店がある訳もなく。


あれ~どこから入るの?入り口を探して、ずっと石垣沿いに歩いていく。



前田利家公銅像を発見。


dOm4f0cp7P3CHgM1658966763.jpg


金沢城はこうやってすぐ目の前に見えているのに、入り口が見つからないんですよね。どこから入るんだ?という感じです。


5TvZOxtqhr0MdNX1658966833.jpg



こうやって延々と石垣が続いていき、その石垣沿いに入り口を探して歩き続けます。相当歩きました。


z2pDxnxTsdBV5Lq1658966890.jpg


Qn1Vf1gamWmx9Pu1658966955.jpg


あとで地図で確認すると、バス停からお堀通りを延々と歩いて、石浦神社のほうまで歩いてしまいました。ある意味、End To Endという感じです。


ようやくここ石浦神社に屋台の人を見つけたので、「金沢城ってどこから入るの?」と聞くと、自分がいま歩いてきたところを指します。え~入口なかったよ?そんな押し問答で、結局金沢城に入るのはいったん諦めました。



まずは、そばにあった兼六園入口で、兼六園を先に体験することにしました。兼六園の真弓坂口のほうの入り口です。なにせEnd To Endで歩いてきてしまったので、これも兼六園の反対側の入り口になります。兼六園を反対側から観ていく感じになります。


EryUThDLeVGa2Ms1658967049.jpg


兼六園は、加賀藩前田家の歴代藩主が造営を続け完成させた庭園で、水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並ぶ日本三大名園のひとつで、加賀百万石の美意識を象徴する大名庭園といわれています。


金沢を訪れたら一度は足を運んでみたい人気の観光スポットです。


・完成までに180年

1676(延宝4)年に加賀前田家5代当主前田綱紀が金沢城に面した斜面に「蓮池御亭」を建て、その周辺を作庭したのが兼六園の始まりと伝えられている。14代までの歴代藩主が約180年をかけて現在の姿に造営したのである。


・国宝級の庭園

長寿と永劫の繁栄の願いを込めた大名庭園「兼六園」。1985(昭和60)年に史跡名勝の国宝に相当する国の「特別名勝」に指定され、四季を彩どる草花、小川や滝など、その美しさは多くの人々を魅了し続けている。


・東京ドームの2.4倍

加賀藩代々の藩主たちが愛でた兼六園の面積は約11ヘクタールと東京ドームの約2.4倍もある。広大な庭園内には、約160種、約8200本もの樹木があり、その広さはくまなく回るとしたら、1時間半はゆうにかかる。


・ミシュラン3つ星

日本三名園のひとつで、世界的評価も高い兼六園。2009年にはミシュラン発行の旅ガイドミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で最高ランクの3つ星に評価された。以降、海外からの来園も増えている。



兼六園といえば、写真なんかで、有名なショットがありますね。いわゆる灯篭がある風景。兼六園の顔ですね。自分はあそこさえ体験できれば、それでいいと思っていました。


自分が兼六園の真弓坂口という反対側から入っているということも知らず、その灯篭の景色はいつ現れるのだろうと思いながら歩いていきます。


ここは瓢池、海石塔とよばれるところです。美しいですが、あの有名な灯篭のところではありませんね。なにせ反対から観ていていっているので。(笑)


Sa6PaNxCNX4XuRf1658967189.jpg


mqpjYvEmuaZDqzO1658967347.jpg


夕顔亭ですか。


Dwdgjn4QFapvhAs1658967251.jpg


城山亭、清水亭、堤亭、久谷東山窯、万清亭、などの一連の屋敷跡が右側に現れます。


juuAHYMJ6ExYDOz1658967439.jpg


左を見ると、金沢城が見えます。いま自分のいる場所は、道路からずいぶん高いところにあるんだな、と認識しました。金沢城がますます遠く感じてしまいます。はたして金沢城に入れるのだろうか・・・みんなどうやって入っているの?


4giPJRB3UN772cK1658967538.jpg


もうここまで来たら、ヘロヘロで限界です。カバンの中のペットボトルの水も底をつきました。ベンチで腰掛けて、あ~こりゃ今回の金沢旅行は、予定の半分もこなせないな、と感じたのは、このときです。


かなり休んで、よっこらしょ、という感じで進んでいきます。まだ、自分が目指している兼六園のあの有名な灯篭のあるスポットに出会っていないと思います。


結局さらにEnd To Endで歩いてきて、兼六園の端にある桂坂口まで来てしまいました。なんか自分がバス停で降りてきて、その場所に戻ってきた感じです。


なにやってるんだ、オレ?という感じです。


そうするとありました!ここです。自分が目指していた兼六園の有名スポットは!


QKjNSoAzGGYHQOs1658967612.jpg


兼六園の霞が池の庭園です。ここが兼六園でもっとも有名な灯篭のあるスポットです。兼六園といえば、みんなここを目指します。


osJzk4xDyWpdqaL1658967684.jpg


これが大変でございました。なにせ兼六園の1番人気のスポットですから、写真撮影の大行列ができています。仕方がないので、自分も並んだのですが、みんなあの大人気の灯篭のところで記念撮影します。自分は1人なので、セルフでもしない限り無理なのですが、自分は誰も映り込まない灯篭および庭園の写真を撮りたいのです。でも、それはかなり前後の人と口合わせしない限り無理でした。前の人の撮影の順番が終わったら、次の人が灯篭のところにいくという感じですので。


結局、記念撮影をしている人を撮影してお終いにしました。(笑)


兼六園のこの灯篭のある有名な景色は、四季に応じて、本当にそれぞれ美しい模様を見せてくれますね。春・夏・秋・冬。すべてにおいてあまりに美しすぎます。


兼六園をフルにカバーすると1時間半ということですから、いまの歩行ハンデ付の自分には無理ですね。この有名な灯篭のスポットを観れたので、これで兼六園は終了としました。


その帰り道の途中、こんな景色が見えてきました。


wUChKW1Ngap0aby1658967774.jpg


あれれ~~~???橋がかかっていて、そこを渡ると金沢城に入れそうな予感です。バス停の道路のある地上からずいぶん高いところに、いわゆる兼六園のある高さに、橋(石川橋)がかかっていて、金沢城にはそこから入るようです。


こりゃ気づかないはずだ。(笑)道路のある高さからは絶対わかりません。金沢城入り口は高いところにあったんですね。


結局バス停を降りたら、紺屋坂を登っていく(この坂の存在を認識できなかったのが最大の敗因。)と、兼六園の桂坂口に到着して、もっとも有名な灯篭のある庭園をすぐに観れて、金沢城に入るための橋もすぐに発見出来て、そのまますぐに入れたんだと思います。


わざわざEnd To Endで反対まで地上の道路を歩いて行って、すべてにおいて反対から観てきた自分。ご苦労様としかいいようがないです。(笑)復帰初戦で、見事なカウンター攻撃を受けたという感じです。この無駄な歩行が、後にボディブローのように体力をむしばんでいきます。


でもこれでようやく金沢城公園に入れる!計画がとん挫しなくてホッとしました。



金沢城公園といえば、ここです!菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓です。2001年に復元したそうです。焼失で天守閣はもうありませんから、実質的な金沢城の面影を堪能するのは、ここになります。


GIJkA5ljwzVtd291658967882.jpg


ここで向かいにある木製のベンチで座り休憩。この眺めをずっと見ていました。いままでの無駄な歩行が一気に報われた瞬間です。カバンの中のペットボトルの水がここで切れてしまいました。この後、どんどん喉が渇いていき苦しかった~。


河北門。金沢城の実質的な正門です。


TwZHOjGnBFFw1UY1658967947.jpg


城のことはそんなに専門的に詳しい訳でもなく、ただお城が好き、というなんちゃって城マニアとしては、まさにこれ以上の幸せはない感じです。これで自分のお城コレクションがまたひとつ増えた感じです。


もう体力的に限界だったのですが(ここで自分の歩行ハンデによる限界を知る。)、金沢城でぜひ観ておきたいところがありました。


それは石垣です。


金沢城は、まさに石垣の博物館なのです。いろいろな石垣をみることができます。なんちゃって城マニアにとってはたまりません。


テレビで人気急上昇中の”魅せる石垣”、色紙短冊積みの石垣を一目見ておきたいと思いました。


ここから結構歩くんですよね。


そこに向かう途中、とにかくその豪快な石垣にかなり魅惑されてしまいます。なんかすごくうれしいし楽しいです。


fs07mFpqMAIfUHq1658968026.jpg


これは自然石積みの石垣ですかね?とにかく金沢城はいろいろな石垣を観れる石垣の博物館なのです。


あくまで金沢城公園の中なのですが、山中の自然の中を歩いている感じで、空気も綺麗な感じがして、緑も目やすべての五感にいい。健康にいいな~と思いながら歩いていました。都会の喧騒とはかけ離れた特別な空間です。


4ZE86cu7xm8RAkD1658968133.jpg


8bCwv1dMVMsmvYL1658968252.jpg


そうしてようやくたどり着きました。


これが、テレビで人気急上昇中の”魅せる石垣”、色紙短冊積みです。デザイン性が高いということで、テレビで紹介されて一躍評判になりました。5代・綱紀時代のもので、色紙や短冊のような形をした石が巧みに組み合わされいて、すごくデザイン性が高いです。美しいですね~~~。長方形や正方形に加工された石が芸術的です。


X2QvaszcTd7Gq8X1658968389.jpg


mD5jaeLYstcT3II1658968448.jpg



この石垣のあるところから、玉泉院丸庭園を臨めます。美しいですね~。


1i5iKrRIitmjt5B1658968522.jpg


3代・利常が造り始め、廃藩まで城内にあった庭園。辰巳用水を引いた池泉回遊式で、高低差約22mの立体的な造形が特徴。2015年に復元されています。


これでもういいですね。じゅうぶんです。ミッション・コンプリートです。一時は、金沢城どこから入るんだ?という感じで前途多難でしたが、結局、兼六園も金沢城公園も全部コンプリートできました。


帰る道すがら、菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓を反対側から臨んだ姿です。


as8UiRhNdHcULBJ1658968646.jpg


結局、もはや昔のようにはいかない、と断念し、疲労困憊で気持ちも落ち込んだのは、この観光初日だけでした。2日目から、なんか昔の勘が戻ってきて、そうそうこんな感じだったと一転して絶好調になっていきます。




nice!(0)  コメント(0) 

金沢で意外に苦労したこと [国内音楽鑑賞旅行]

番外編で今回、金沢で意外に苦労したことである。


まず去年の9月の退院から、初めての旅行になる。旅行は国内、海外慣れているとはいえ、コロナ禍でブランクがあると同時に、なにせ病気で歩行が万全ではないので、どれくらい楽しめるか不安だった。


やっぱりブランクは大きかった。病気で歩行が万全でないのはかなり痛かった。


旅行の計画を立てるとき、自分の以前の健康体のときの感覚で立案するものだからその感覚で、いざ本番となると、もう全然ダメ。相当落ち込みました。


もう自分は以前みたいに旅行を楽しめない体になってしまったのかな・・・とか。もうちょっと廻っただけで、ヘロヘロ状態で、体力的に全然ダメでした。


あと、これは旅をする上で、常識みたいなところがあるのだが、初めての土地に行くときは、やはり初日というのがかなり不調なのである。


土地勘がない、地理感がない土地で、交通機関もよくわかっていない。そんな中で手探りで進めていくので、初日は大きなプレッシャーとともに、ちょっと鬱気味だったりする。


でもある程度、交通機関が把握できて、土地勘ができてくると、2日目以降は、もう見違えるように絶好調に進んでいくものなのである。


旅というのは、後半になるにつれて尻上がりに調子が上がっていくものなのである。そして最終日はもっと行けるのに、まだ滞在したいのに。。という感じである。


あ~確かにそういう感覚だったよな~というニュアンスが自分の中で蘇ってきた。懐かしいな~とも思える感覚が・・・。


それに歩行が万全でないハンデもあったが、相応として、なんとなくいままでの懐かしい旅の感覚を取り戻せたような気がして、充分満足の行く金沢紀行であった。


初日なんて、そんな最初の鬱も相まって、酷暑と疲労で、金沢に着いたと同時に、夜のコンサート本番に向けて、体力温存のため、ホテルで休養することにしましたから。


今回予想外だったのは、金沢にはドリンクの自動販売機がないことだった。海外、ヨーロッパなんかもそうだが、自販機は、やはり飲み終わった後の缶を捨てたりとかで、街の衛生上よろしくないですね。


そういう意図があるのかわからないが、金沢には自販機がなかった。(まっまったくない訳でもなく、あるところにはあるんですけどね。駅の中のごく一部とか。でも東京と比べると全然なかった。)


そこでこの猛暑である。猛烈に水分補給が欲しくなり、喉も乾いてしまう。


どこで飲料水を確保するか、結構困ってしまった。


また、当然下着など着替えも複数枚持って行ったのだが、予想もしなかった暑さでもう下着ビショビショ。靴下ヨレヨレ。全然足りなかった。


また2日目の夕方は、突然の横殴りのゲリラ雷雨で、傘をさしていても、もう全身べちょ濡れ。下着もベチャベチャで最悪の気持ち悪さ。もう散々であった。


飲料水と下着、靴下のスペアは、緊急事態で必要になってしまった。


まっ普通に考えてコンビニだよな、ということになる。


自分が重宝したのは、金沢駅周辺で、石川県立音楽堂の近くにあるセブンイレブン。


hf0RTz8BobZWmgz1658887207.jpg


そして香林坊バス停の近くにあるファミリーマート。(ここはのど黒めし本舗いたるの向かいにあります。)


Q2mr6jMLJsMZt4d1658887085.jpg


に助けを求めて、かなりの頻度で使わせてもらっていました。


なにせ飲料水は、死活問題。一回の買い物につき、5本くらいのペットボトルの水を買う。5本は重いよ。ホテルにも冷蔵庫の中にはなにもないし、自販機もないので、夜の飲料水確保にこのコンビニでの飲料水確保は重要なタスクなのであった。


そして日中の旅をしているときにも、日照りの酷暑の中の水分補給はかなり頻繁なので、バッグの中に2本くらい忍ばせるのだが、すぐに空になってしまう。


旅の間は、つねにこの喉の渇きと闘っているという感じだったかな。


また日照りの中を街を歩いていると、もう汗ビショビショで、気持ち悪くて仕方がない。もう何回下着、靴下をこのコンビニで相当買い込んだか、覚えていないほど買いました。


これは結構大変な出費で痛かったな~。もちろん現金もある程度、もしものことがあったら困るから持って行ったのだが、このコンビニ経費でずいぶん出費しました。


この出費はまったく予想外でした。現金なんて交通費くらいで、ほとんど使わないだろう、くらいにしか思っていなかったので。


旅はやはり行ってみないとなにが起こるかわかりませんね。予想できませんね。いい意味においても、悪い意味においても。


そんな懐かしい旅の感覚が戻ってきた体験でもありました。


今日以降はふつうに、巷でも有名な金沢の観光スポットについて、想い出を巡らしていきたいと思います。



nice!(0)  コメント(0) 

金沢のソウルフード [グルメ]

金沢への観光旅行で1番楽しみにしていたのが、金沢グルメ。いわゆる金沢の美味しいものをたくさん経験してきたいと思っていたことである。金沢というと、やはり石川県、日本海能登半島沖の漁獲高で美味しい新鮮な海鮮系の料理が一番と思われることであろう。


それはもちろん納得のいくところである。でも、自分はそれと同時に、金沢ならではの美味しいもの、いわゆるもっと庶民的でB級グルメ的な金沢庶民に愛されている金沢料理が食べたいな、と思っていた。


いわゆる金沢のソウルフードである。


金沢市民の金沢で土着的に愛されている料理。そういう金沢のソウルフードを体験したいと思ったのである。あくまでネットで検索して勉強しているレベルですので(笑)、実際のご家庭では、ネットには掲載されていないもっと庶民的な金沢ソウルフードがあるのかもしれない。


3泊4日の金沢への旅で、体験した順に、その金沢のソウルフードをご紹介していきたいと思う。



●8番らーめん


金沢だけではなく、石川県民の8番らーめん愛はスゴイ!!!



石川県のご当地グルメ代表の一つと言えば「8番らーめん」。8番らーめんの創業は昭和42年(1967年)、ちなみに2022年2月11日で55周年を迎えた。1号店は加賀市国道8号線沿いの、田んぼの真ん中の掘っ建て小屋同然のラーメン店だったそう。店名は、国道8号線にちなんで「8番らーめん」と名付けられた。


1号店を皮切りに店舗数をどんどん増やし、現在石川県内には約50店舗あるそうだ。日本国内では、石川県、富山県、福井県など北陸を中心に合計116店舗。さらに海外はアジアにも進出しており、特にタイに大きく展開している。タイに147店舗(2022/7/7現在)ある。その他、香港5店舗、ベトナム1店舗。日本の店舗数よりもタイの店舗数の方が多いなんて。。


「ハチバン」と愛されて続けている8番らーめんだが、通う一番大きな理由はやはりコレ。


“野菜たっぷり”なことである。


8番らーめんに来たなら、この野菜らーめんを食べないとダメなのだ。これが一番の売りのメニューなのだ。


8番のらーめんには、強い火力で炒めたシャキシャキのキャベツやもやしがどっさりのっている。気になるお味の方は、究極のおいしさを求めているというよりも、週に何度でも食べたくなる安定感のある飽きないおいしさを目指しているため、おふくろの味的安心感がある。


8番らーめんのCMキャッチコピーである「なんでやろ8番」どおり、思いついたようにふと食べたくなる味、体が欲する味である。


→これはまさにそう!あとで自分の感想をたっぷり言うが、まさにおふくろが作っていたらーめんなのだ。


野菜らーめんは、しょうゆ、塩、味噌があるのだが、石川県民のTOP2は、塩と味噌なのだそうだ。がび~ん。自分は事前によく勉強してなかったので、しょうゆの野菜らーめんを頼んでしまいました。


自分が、今回体験したのは、金沢駅の駅ナカにある8番らーめん駅前店。


DSC07222.JPG



ちょうど昼時だったので、混雑していた。


DSC07227.JPG


DSC07230.JPG



自分はもちろん野菜らーめんを頼むのだが、勉強不足でしょうゆを頼んでしまったんですよね。


これが石川県民全員に愛されている8番らーめん。(しょうゆ)


DSC07302.JPG


真ん中に乗っているカマボコに8番のマーク。これが8番らーめんのトレードマークである。8番らーめんのトレードマークである8カマであるが、8の赤い部分は、現在では天然由来の色素を使用しているのだそうだ。


8番らーめんを食す。


これはすごい懐かしい味。自分が子供の頃に母親に作ってもらった家庭のらーめん。すごい素朴ならーめんである。首都圏でやれラーメン愛を語り続けるスープや麺など、徹底的に拘りぬいたそういう極上グルメ・ラーメンとはまた一線を画す異次元の世界。8番らーめんを食べると逆にそういう世界が小賢しい世界に思えてしまう。


母親の味、家庭の味。そういう素朴そのものである。


やはり野菜がシャキシャキで美味しい。このシャキシャキでたっぷりの野菜が、この素朴なおフクロのラーメンに合うんだな、と思います。このシャキシャキたっぷりの野菜が一番美味しいと思う売りですね。8番らーめんでは野菜らーめんを頼まなきゃダメです。


たとえば、8番らーめんを新横浜のラーメン博物館に出店することがあるか、というと、う~ん、それもどうなのかな、と考えてしまう感じ。そういう世界じゃないんだよね。なんか、根本的に目指しているところが違うような。


その素朴なそのままにしてあげな、という感じです。


そんな懐かしい昔らーめんの味でした。


片町を歩いていると、ここにも8番らーめんの支店がありました。金沢だけでなく、石川県全域にどこでも味わえるソウルフードなんですね、8番らーめんは。


JaOHXfgf4WuTqbZ1658886110.jpg



8番らーめん





●ハントンライス



ハントンライスは、もともと金沢市だけで提供されてきた郷土料理的な洋食。オムライスの上に白身魚やエビなどのフライと、たっぷりのタルタルソースをプラスしたものが一般的である。


ボリューミーな上に色々な味を楽しめることから、地元のビジネスパーソンの人気メニューになり、今ではハントンライスを目当てにわざわざ金沢を訪れる観光客も多いのだそうだ。(私がそうです。。笑笑)


ハントンライスは、今や「金沢カレー」や「金沢おでん」と共に、金沢を代表するソウルフードとなっているのだそうだ。


ハントンライスの基本形は、ケチャップで味付けしたバターライスの上に薄焼き卵を乗せ、さらにお魚のフライとたっぷりのケチャップとタルタルソースをプラスしたひと皿。



ハントンライスが産声を上げたのは、1960年代後半のこと。


今は無くなってしまった伝説のベーカリーショップ「ジャーマンベーカリー」の社長が、片町でレストランを開業する時、看板メニューとして考案したのがハントンライスだったそう。


 この新しい洋食は学生や若いビジネスパーソンの胃袋をしっかり掴み、ジャーマンベーカリーが誇る人気メニューの一つにまで成長。


 やがてジャーマンベーカリーから独立した何人かのコックさんが、新店のメニューにハントンライスを加えていったことから、金沢市内の洋食店に広まっていった。


「ハントンライス」という変わった名前の由来は諸説あるが、ハンガリーの“ハン”と、フランス語でマグロを意味する“トン”から取ったと言われている。


ハントンライスはいかにもB級グルメという感じで、金沢ローカル色が強そうなので、今回の金沢グルメの中では自分が1番体験したかったグルメである。


自分は、金沢でハントンライスといえば、ここといわれるグリルオーツカに行くことにした。グリルオーツカの最寄り駅は香林坊バス停である。(でもお店の住所は片町です。)


LC7YsBhPt46TzYQ1658885097.jpg


4XczDMG4c2BcU3G1658885164.jpg


ハントンライスといえば、グリルオーツカというくらいだから、それはそれは開店前からすごい長蛇の行列でした。


自分が思うには、金沢市民はみんなグルメが大好きというか、食文化に対して、とても熱心という印象を抱いた。自分の場合、長蛇の行列といえば、ラーメンくらいしか思い出さないのだけれど、金沢の街を歩いているだけで、それはそれはたくさんの行列を見かけたものだった。それは金沢おでんであったり、海鮮丼のお店であったり。。


うわぁ、金沢の人は、食べることにとても熱いパッションを持っているんだな、とその行列を見るたびに思いました。今回自分が体験した、金沢グルメも、ほとんどの店が行列に並ばざるを得なかったです。



観光客で賑わう近江町市場から金沢で一番の繁華街・香林坊をぬける百万石通りから、ほんの少しはずれた静かな一画。東急スクエアの裏手近くに佇む、ハントンライスが名物な老舗の洋食店「グリルオーツカ」


1957年(昭和32年)創業から地元に愛されてきた洋食店である。


自分はこのカウンターでした。


DSC07444.JPG


とてもレトロな昭和の洋食店という感じの装いです。


DSC07447.JPG


DSC07448.JPG


おかみさんの後ろにあるのは、グルメレポーターのサインの数々。


DSC07451.JPG


厨房では、コックさんたちが大きなフライパンを回しながら、ケチャップライスを炒めておりました。


DSC07454.JPG


今や「ハントンライスといえばココ!」と名指しされる有名店ですが、その外観はとてもレトロでシック。上部に白い看板がなければ見逃してしまいそう。


お客さんのオーダーは、ほぼ100%と言っていい全員がハントンライスをオーダー。みんなこれが目当てなんですね。


ボクのように、わざわざ東京からこのハントンライスを食したくてやってくる観光客もいるのです。



さて「金沢3大ハントンライス」のうちの一つといわれるグリルオーツカのハントンライス。


これです!


DSC07483.JPG


食べてみた感想。。。


これはオムライスだ!!!(笑)


あきらかにオムライス。あの洋食の王様のオムライス。オムライス以上のものでも以下のものでもない。


ハントンライスとしての特徴としては、ケチャップだけでなくタルタルソースがかかっていること、そしてここのお店の場合、エビのフライでしたが、そういうオムライス以外のファクターもトッピングされているのだが、それって多勢に無勢というか、あまり大きな変動要素にもならず。


やっぱり大半がケチャップで炒められたバターライスを卵でくるんだオムライス。これがもう圧倒的な口内での味覚印象で、この味が圧倒的なのである。


どう考えてもオムライスを食べている感じだな~という印象しか持てなかった。


タルタルソースを食すときやエビフライを食べるときは、ふ~ん、これがハントンライスの特徴なんやね、という風に納得しながら食べておりました。


オムライスとしか思えませんでしたが、金沢のハントンライス、ここに体験できました。美味しかったです!



グリルオーツカ(ハントンライス)




●のど黒めし


のどぐろというお魚を知っていますか?


25940505_2556804668_189large.jpg


自分は知らなかったです。


のどぐろは、全国的な知名度の上昇とともに、その価値もぐんぐん高まっている高級魚。やわらかい身は口の中でとろけるほど脂のりが良く、「白身のトロ」と呼ばれることも。



「のどぐろ」という名前は、喉の奥が黒いことから名付けられた通称。正式名称(標準和名)は「アカムツ」だそうです。


全国各地の漁港で水揚げされるが、よく知られているのは北陸や山陰、九州の海域で獲れたもの。


のどぐろは、北陸屈指の観光地・金沢の名物としても知られている。金沢の人気スポットである近江町市場には、のどぐろの丼や寿司、ひつまぶしなどを目当てに訪れる観光客がたくさん。


自分が金沢でのどぐろを食べたいと思ったのは、以前、金沢の美味しいものという日記を書いたときに「のど黒めし本舗 いたる」の”のど黒めし”を発見して、その写真を見たときである。


25940505_2556804667_61large.jpg



これは美しすぎる!あまりに素敵ではないか!!!金沢に行ったら、もうピンポイントでこのお店に行こう!と決心したのである。


「のど黒めし本舗いたる」は、香林坊バス停で下車する。住所は片町である。移転しているので間違いのないように。HPに掲載されているMAPは古いです。よく確認して、片町の住所のほうです。兄弟店の香林坊いたるの隣にあります。


香林坊バス停で降りるほうです。間違いのないように。


「のど黒めし本舗いたる」は、こんなにお洒落な店舗です。びっくりしました。


hkUeETUL0beZO3x1658885376.jpg


zMNgcVASM8ilLzJ1658885439.jpg


店舗がすごいお洒落だし、のど黒めしもすごい美食なので、やっぱり客層がもう圧倒的に若い女性なんですよね。80%近くが若い女性客でした。


なんかわかるな~という感じです。


そして超人気店であることもわかりました。夕方4時半に店の前のリストに来た順に名前を記載して予約します。そして5時半に開店です。


開店間際には、もうこんな感じ。大人気店であることがうかがえます。


m5og9K18tdn0K1O1658885587.jpg


c1lHW5WaawvB50w1658885509.jpg


そして開店とともに入店。店内もおしゃれでした。


DSC07702.JPG


DSC07696.JPG


日本画も掛けられています。


DSC07703.JPG


2階もあるみたいです。


DSC07708.JPG


自分はカウンターでした。


DSC07710.JPG



のどぐろが保管されています。適温湿度で保蔵されているんですね。


DSC07716.JPG



これが「のど黒めし本舗いたる」ののど黒めしです。ここの看板メニューです。


DSC07740.JPG



この看板メニューには、食べ方があります。名古屋のひつまぶしと同じです。


最初はしゃもじで四等分に分けて、まずはそのままの味を楽しみます。

2等分目は、薬味をのせて、その変化を楽しみます。

3等分目は、のど黒出しをかけてだし汁とともに食べます。

最後の残りは、お好きな食べ方で。


です。


のどぐろ、初めて食べてみました。


いやぁ、これはすごい脂が乗っていて、本当に白身魚のトロですね。こんなに脂が乗っていて香ばしい魚は初めての体験です。これはまさに高級魚だと思いました。


こんな高級魚いままで食べたことないです。(貧乏な人生なので。)


こんな高級魚をこうやってひつまぶしのような食べ方で食するのですから、本当に美味しいし、美食そのものだと思いました。


これはまさに美食ですね。若い女性が圧倒的な客層なのもわかるような気がしました。


これはお洒落なお店といい、美食といい、今回の金沢グルメの筆頭格といっていいかもしれません。




のど黒めし本舗いたる





●金沢おでん


金沢をはじめ、石川県は人口あたりのおでん屋の軒数が日本一の”おでん県”だそう。金沢の街を歩いていても(特に片町や近江町市場)、うわぁ~すごい行列ができているなぁ~と思って、そのお店を見てみると、大半は金沢おでんのお店だったりしました。


金沢では、やはり金沢おでんが身近なんだな~と実感しました。


金沢おでんは関西おでんや関東のおでんとも違う。金沢おでんの定義ってなに?ということを調べてみました。


ずばり金沢おでんとは、



・おでんのタネに地元金沢の食材を使っている

・1年を通して食べることができる



この2点なのだそうです。

すごいシンプルな定義だったんですね。(笑)


金沢らしい具(タネ)で代表的なものと言えば・・・


魚肉や海老のしんじょ

ばい貝

車麩

赤巻き

ふかし

かに面

肉いなり

玉子巻き


などが特徴的なのだそうです。


自分は大失敗してしまいました。事前に金沢おでんのことをよく勉強していなかったので、金沢おでんの特徴はじつは金沢の食材を使ったその具(タネ)にあることを知らず、お店ではまったくそのことを知らず、ふつうに大根とか卵とか頼んでいました。(笑)大失敗です。


おでんのダシのほうは、特に金沢おでんだから、ということで、こう決まっているという訳でもなく、そのお店自体でそのだし汁もいろいろ特徴が違うみたいです。


自分は、金沢といえば、金沢おでん、そのお店として片町にある「金澤おでん 赤玉本店」を訪ねました。


u9RP5bJ09vAyYdO1658886205.jpg


創業95年の老舗で、代々受け継ぐ秘伝のだしが自慢。夏はそのだしを冷たいシュレ状にした「夏おでん」でさっぱりと味わえることもできる。2階にはカップルにお勧めの庭が見れるカウンターもあるそうです。


DSC08289.JPG


DSC08304.JPG


うわぁっ美味しそう・・・


DSC08342.JPG


DSC08340.JPG


DSC08291.JPG


DSC08292.JPG


とにかく、最初は、金沢の食材とかそんなことはまったく知らなかった訳ですから、普通に大根とか卵とかしいたけとか頼んだのです。


DSC08300.JPG



そのうちおまかせ盛り合わせというのを発見して、そちらもオーダーしました。これで金沢の食材はカバーできましたかね?


DSC08314.JPG


べつに金沢おでんだから、という意味ではないですが、やっぱり美味しかった~~~。この赤玉本店のだし汁は白濁していました。関西系の薄味と、関東系の濃い醤油味とも全然違っていました。


白濁なんだけれど、そして基本さっぱり系なんだけど、味が深いというか、ダシの効いた染みているじつにうまいお味でした。なんか表現するのが難しいです。


具(タネ)もだしによく沁みていて、ホクホク状態。もう最上のおでんでございました。


金沢おでん、ここに体験できました。


おでん2皿だけでは、お腹が物足りないので、お茶漬けと牛すじ煮込みもいただきました。美味しかった~~~。


DSC08338.JPG



赤玉本店(金澤おでん)




●金沢カレー


金沢のソウルフード、最後は金沢カレーです。


金沢カレーも地元金沢ならではのソウルフードでぜひ旅行する前に、日記で自分で書いて自分のものにしてから行きたかったのですが、間に合わなかったです。


金沢カレーの定義は、



・ルーは黒色濃厚でドロッとしている。

・ステンレスの皿に盛られている。

・フォークまたは先割れスプーンで食べる。

・付け合わせとしてキャベツの千切りが載っている。

・ルーの上にロースカツを載せ、ソースがかかっている。



これが金沢カレーです。



金沢カレーのルーツはそれこそ、いろいろあるみたいです。カレーのチャンピオン、ゴーゴーカレーとか。。。カレーのチャンピオンはチャンピオンカレーともいい、略してチャンカレとも言われているようです。金沢カレーの歴史、ルーツについては、それこそネットにかなり詳しく特集されていて、読み応えあります。いずれあらためて紹介してみたいですね。


金沢カレーのそれぞれの特徴ですが、


ステンレス製船皿については最も単純な理由で、割れにくく丈夫であることが大きな理由だそうです。


フォークでの提供が多いのは、昔使用していた豚肉が欧州産の肉質の固いものであったことが影響しています。召し上がりの際には先割れスプーンなどよりカツに刺しやすく食べやすいからだそうです。



また、カレーの上にカツをのせ、ソースを掛けてキャベツを添える…という点は、元々洋食店であった際に提供していた“豚カツ定食”と“カレー”を合わせて現在の“Lカツカレー”に行き着いているため、豚カツ定食で提供していた一式をそのままカレーの上にのせるスタイルとしています。


自分が金沢カレーを体験するなら、やはりカレーのチャンピオンで、と思っていたところがあるので、近江町市場にある近江町いちば館のB1にあるカレーのチャンピオン近江町店で体験することにしました。


DSC08395.JPG


すごいカジュアルな感じで驚きました。


DSC08401.JPG


DSC08404.JPG


う~ん、やはりステンレスの銀皿ですね~。


DSC08406.JPG


これがカレーのチャンピオンの金沢カレーです。ここの金沢カレーでまさに1番人気のLカツカレーというものをオーダーしました。


DSC08408.JPG



金沢カレーの定義がすべてあてはまります。


思っていたよりカツが貧弱かな、とも思いましたが、なかなかです。もちろん注文を受けてから揚げます。


金沢カレーを食した印象は、とりたてて、普段自分が食しているカレーとそんなに大きな差はないな、と思うところで、ルーが黒くて、ちょっとコクが深いと感じるところぐらいです。


金沢カレーの特徴・定義が、ステンレスの銀皿、フォークで食べる、カツとキャベツというように、カレーの味そのものの特徴と言うよりは、その様式の違いを主張しているようなところだと思うので、味そのものはそんなに普段のカレーとは違わないというのが自分の感想です。


まっ金沢の様式を兼ね備えた一種のカツカレーですよね、という感じである。でも美味しかったことは間違いないです。




チャンピオンカレー(カレーのチャンピオン)






以上、3泊4日で体験した金沢のソウルフード5品です。いやはや大変な貴重な体験でございました。

一生忘れることはないでしょう。自分のグルメ体験の中でも輝かしい体験だったと思います。


金沢おでんや金沢カレーあたりは、東京でも体験できそうな気がするので、探して通ってみようと思っています。







nice!(0)  コメント(0) 

金沢は素敵な街でした [国内音楽鑑賞旅行]

金沢は、自分が予想していた以上に、ずっとずっと素敵な街でした。旅行からすでに2週間経過しているがいまだにあの余韻、残像が残っている。それが消失する前に、その美しい残像を、きちんと自分の記録に残しておきたいと思う。


上野から金沢まで、上越新幹線で3時間。


憧れの金沢到着。


9YJx26r1Wj2NuxR1658639984.jpg


金沢駅の兼六園口にある鼓門(つづみもん)、もてなしドームといったら、もう超有名だろう。観光都市、金沢を代表するモニュメントだ。


これを背景にスナップ写真を撮るのが、金沢に来たという証でもある。


実際HPや観光用ポスターで観るのと、実物の印象の違いは、実際は、太陽光で眩しいということもあって、意外や黒っぽい色合いで、ポスターの写真とかは、あきらかにPhotoshopで加工していると思う。(笑)たぶん間違いない。あんなポスターのような鮮やかな橙色には見えないです。


実際はもっと黒っぽいです。


ナイターはぜひ見ておきたかったな。唯一の後悔です。鼓門の夜のライトアップも写真に収めておきたかった。



鼓門(つづみもん)は、“おもてなし”の心から生まれた金沢の新名所である。


金沢駅の兼六園口にあるもてなしドーム。金沢は雨や雪が多いため「駅を降りた人に傘を差し出すおもてなしの心」をコンセプトに誕生。金沢を訪れた人を幾何学模様のガラスの天井がやさしく迎えてくれる。フォトスポットとして人気なのが荘厳な印象の鼓門(つづみもん)。金沢の伝統芸能である能楽で使われる鼓をイメージしている。


金沢を訪れた多くの観光客がまずここで記念写真を撮影している。


金沢駅は世界で最も美しい駅14駅の1つに選出されているのだ。


金沢駅は新しい綺麗な駅ですね。


oCiLOMPSlST3N9x1658639710.jpg


CPV1JlfVbMtoisa1658639585.jpg


出口が2つあって、やっぱり人気なのが、観光スポットが軒並み集中している兼六園口のほうだ。


兼六園口のほうからみた金沢駅構内。


DSC08475.JPG


右側には、おみやげコーナーなどのショップがびっしり入っている。


DSC08490.JPG


そして左側には、食品コーナーや実際の食事処がテナントとして入っている。8番らーめんの駅前店はここに入っている。


DSC08497.JPG


人気の金沢の観光スポットをどのように、廻っていくのか?


以前自分は日記で金沢の観光スポットはすごく一か所に集中しているので、1日で全部廻れます、みたいな日記を書いたと思うが、もう全然無理です。(笑)きちんと3日間はじっくり取って、体力、気持ちに余裕をもって旅をしましょう。


金沢の観光スポットをまわる交通手段は、バスです!


M7PU4CsLrtMAOeg1658641679.jpg


pEBF10W2bHqFjSH1658641763.jpg


金沢駅の兼六園口のほうの駅前には大きな、大きなバス停があります。いわゆる観光スポットを廻っていくには、このバスを使います。


兼六園、金沢城、金沢21世紀美術館、ひがし茶屋街など、もうダイレクトに行先になっているので、そのバスに乗ればいいだけです。


北鉄バス、城下町・金沢周遊バス(200円)、まちバス(100円)の3種類あります。


城下町・金沢周遊バス、まちバスは、そのままぐるっと金沢の観光スポットを廻ってくれるので、しかも城下町・金沢周遊バスは左回り、右回りとか両方ある。


ぐるっと金沢を一周するので、自分がどこの観光スポットに行きたいかに応じて、そこのバス停で降りるだけである。いたって簡単。


こうしてみると京都の観光スポットを回るための京都観光バスとまったく同じ仕組みだと思います。あ~~~京都とまったく同じだなぁと思いましたから。


でも城下町・金沢周遊バスとまちバスは本数が少ないんですよね。


だから実際一番よく使っていたのが北鉄バスである。北鉄バスは一周したりとかしない。どこかの行き先があって、そこまで行ったら、また行先を金沢駅に変えて戻ってくるというバスである。この北鉄バスは、もうかなり多くの行き先があって、やはり金沢地元民じゃないと使いこなせないと思う。自分のような3日間だけ滞在のおのぼりさんでは難しかった。


でも本数がすごくあるので、自分はこの北鉄バスを一番重宝していました。


北鉄バスでも大抵の金沢の観光スポットには行ける。でも問題なのは、その観光スポットで楽しんだ後、つぎのスポットに行く、あるいはいったん金沢駅に戻る。


こういうときに北鉄バスってよくわかんないだよね~。(笑)


道路の反対車線側に金沢駅行のバス停があることはわかっているのだが、探すのが面倒。


そこで自分流に無理やり発見して使用していたのが、香林坊バス停を利用するアイデアである。


北鉄バスの行き先に香林坊があった場合、もうどっち向きとか考えずもう乗っちゃう。そして香林坊バス停まで行けば、金沢駅には確実に戻れるし、自分の地理感覚が正常に戻る。


香林坊バス停を自分の金沢バス運行の要の要塞地にしていました。自分のコンパスは、香林坊バス停中心に動いていました。



金沢の香林坊は、いわゆる大和デパートとか、東急ホテルとか高級ショッピングモール街という街の風情、雰囲気で、観光都市・歴史の金沢にとっては、1番現代的で高級な雰囲気があるような街だという気がします。


香林坊バス停には、大きな大きなベンチがあり、いつもここで座って休憩していました。グルメのお店開店まで時間潰すなど、このベンチは最高に役に立ちました。


金沢のバス停の中では、香林坊バス停が一番ゴージャスなのではないでしょうか?


rAT6CGhBs8yXjLc1658891750.jpg


Lf2fGLUsehF4x4G1658641550.jpg


この香林坊バス停のベンチに座りながら、香林坊の街並みを眺めてみる・・・


le6ozP97AS8P8g31658641259.jpg


oMIVczCYGRJB0Js1658641412.jpg



自分は、金沢といえば、有名な観光スポットももちろん大切な想い出ですが、自分流で役に立った中心的役割を果たしたのは、香林坊バス停であり、そのベンチから眺めていた風景も、これまたノンノン流金沢の大切な想い出のシーンと言えると思います。


香林坊バス停については、これ1本でもうひとつ日記にしたいと思います。(笑)


金沢グルメを堪能するために、その店にピンポイントで行かないといけません。そのためにそのアクセスは十分に調べ尽くしました。


そうすると、結局、どこのバス停で降りるかという話になったときに、香林坊、片町、そして近江町市場、この3か所になるんですよね。


金沢のグルメなお店が集まっている場所って、結局、香林坊、片町、近江町市場なんですよ。


近江町市場は、東京の築地や豊洲みたいなところで、まさに金沢の台所ですから、そりゃ海鮮系含め、美味しい食べ物屋さんはもう山ほど集中しています。


香林坊は、どちらかというと高級ショッピングモール街ですから、あまりそういう金沢グルメとは関係なさそうな感じはするかもしれませんが、香林坊バス停を降りて少し歩いて東急の背後のあたりに行くと、もうグルメなお店がいっぱいあるのです。住所的には片町ですね。


そういう意味で、片町というところは、ある意味、金沢グルメのスポットになっているような人気のお店がいっぱい集まっているようなところだと思いました。


片町の街風景はこんな感じ。


6CSMZO720GPN1wU1658640920.jpg


coNKZzm39qvSS1p1658641013.jpg


azKZ5y7qIWLAfCM1658641101.jpg


高級感、ブランド感という点では、やや落ちて、どちらかというと庶民的な街の感じになります。こういう雰囲気だと、B級グルメなどいわゆる庶民的な食べ物屋さんが、たくさん集まっているような感じがします。


ノンノン流で言えば、金沢は、兼六園、金沢城、金沢21世紀美術館、ひがし茶屋街も最高かもしれませんが、自分的には、香林坊、片町、そして近江町市場、この3つのポイントが重要なスポットだったと思います。


金沢の台所と言えば、やはり近江町市場。ここを観に行くのは外せませんでした。


まさに東京での築地市場、豊洲市場に相当するところです。300年の歴史を持ち、現在も約170店の食品店が並ぶ。店先やフードコートで新鮮素材を味わうこともできて、散策にピッタリだと思います。海鮮丼、回転寿司、極上寿司、金沢夜ごはん、金沢おでん、加賀料理・・・まさに金沢グルメの中心地ですね。


近江町市場は近江町市場バス停を降りたすぐに大きな建物が立っていて、その中に市場があります。


週末ということもあって、それは人、人、人で大変な混雑でございました。


DSC08206.JPG


DSC08210.JPG


DSC08237.JPG


qNp1O7STHReNNJv1658640316.jpg


pCbiBGRZ30tkcdA1658640422.jpg


CxU0v2apOYukBEv1658640596.jpg


こうやって、市場内に海鮮丼を食べさせてくれるフードコートもあります。


DSC08228.JPG


近江町市場では、ぜひ海鮮丼を食したいと思っていたのですが、金沢グルメのスケジュールを立てているとき、旅行日程の割には食べたいものがいっぱいあって、ちょっと食べ過ぎな感じなので、泣く泣く海鮮丼はあきらめました。自分は北海道育ちなので、海鮮系にはさほど興味もなく、美味しい海鮮系ってどんな感じかも想像できるのであきらめました。次回チャレンジします。


こんな感じで、金沢楽しんできました。金沢の観光スポット、そして金沢グルメと満遍なく。


徐々に想い出しながら、日記にしていこうと思っています。







nice!(0)  コメント(0) 

体験!石川県立音楽堂 [コンサートホール&オペラハウス]

石川県金沢の石川県立音楽堂コンサートホールは、2001年9月の開館。金沢駅のすぐ真横に鎮座している。


DSC07318.JPG


DSC07324.JPG


オーケストラ・アンサンブル金沢の本拠地。石川県教育委員会が設置・管理するコンサートホールで、施設運営は(公財)石川県音楽文化振興事業団が行っている。


設計は芦原建築設計研究所が行った。


一見すると首都圏の多目的ホールのような趣だが、ホールとしては、コンサートホール、邦楽ホール、交流ホールの3種類が存在し、コンサートホールは音楽専用ホールである。


ホールの複合施設という感じであろうか。コンサートホールは、室内管弦楽・室内楽・ピアノを演奏・鑑賞する場として適している。




フロントを入るとこんな感じ。コンサートホールはこの2Fにある。


DSC07275.JPG



2Fに上がる。ホワイエの定義をホールの前に広がる寛ぎ空間とすると、さらにその前にある待機スペースといったところか。ここで開場まで椅子に座って待っている。


DSC07333.JPG



今日の公演。最近対費用効果、コスト削減ということで、こういうフライヤー、ポスター類を展示しないホールも増えてきているけど、ここはちゃんと展示してくれる。これがあると、やはり気持ちがなんとなくリッチな感覚になりますよね。これはやはりあったほうがいいと思います。


DSC07328.JPG



開場してホワイエ空間。


DSC07336.JPG



ホール側面の通路。


DSC07420.JPG


そしてホール内潜入!毎度のことながら見知らぬ未知の世界への潜入ということで、自分の息がとまる瞬間でもある。


DSC07362.JPG


DSC07347.JPG


DSC07403.JPG


DSC07407.JPG


DSC07387.JPG


DSC07394.JPG


DSC07428.JPG


DSC07368.JPG


シューボックス型のコンサートホール。


音響実験を何度も行った結果得られた数値と専門家の意見をもとに、残響時間、ホールの形状・容積、天井高、客席構成、内装仕上材料などに細かな配慮をして設計された。



客席規模は室内管弦楽を鑑賞するのにちょうどよい1560席とし、バランスのよい音響、迫力ある臨場感を味わえるようになっている。1560席というのは、シューボックススタイルの原点となったライプツィヒのゲヴァントハウスと同じ席数であることが拘りのようである。


やはりOEKの本拠地ということで、室内楽を念頭に、それに見合った規模感、エアボリューム感を意識して設計された室内楽ホールなのである。


う~む、自分はますます水戸室内管弦楽団と水戸芸術館との関係に似ていると思ってしまうのである。


開演前は、ステージ上で写真のようにスクリーンが降ろされ、そこに静止画が投影されていた。神尾真由子さんも近日中に広上淳一&OEKで、このホールでコンサートをするんですね。ぜひ来てみたいけど、もう一回、また金沢に来るのは大変かも?(笑)


残響時間は、1.6~2.2秒。コンサートホールの最適な残響時間の目安は2秒と言われているから、標準値というところか。


内装材は木材パネルのように思えた。


ホールの響き自体の印象としては、暖色系のウォームな響きの質感で、両側面からの反射音も豊富で、響きに囲まているような感覚で、かなりいい音響だと感じた。


両側面、上下面が平行面の直方体のシューボックスならではの、いわゆる典型的なシューボックス型音響というやつでいわゆるライブな感覚である。


ホールの側面写真では、ステージの側面、後方、そして1階席全般の周囲が三角錐の音響拡散体の形状で設計されているのがよくわかる。サントリーホールでもよく使われている典型的なスタンダードな音響拡散体ですね。


音響拡散体は、ステージからの発音に対してその反射音をある一か所のかたまりのところに偏った返しをするのではなく、客席に満遍なく同密度で反射させるための工夫である。この三角錐でいろいろな角度に反射され、客席に平等に音が行き渡るように工夫をするものである。


ホール空間を眺めていると、不思議なことを感じる。ステージ周辺、1階席周辺は、この三角錐拡散体で覆われている設計なのだが、2階席周辺がツルンツルンテンであることである。3階席の上層部になると、装飾梁と、前部から後部にかけて次第に小さくなるサイズの異なった薄い4角錐形状の音響拡散体で囲まれているのである。


2階席周辺のツンツルテン。これはなんか意味があるのかな?ここも1階席、3階席同様、屈曲を施して定在波対策するべきだと思うのだが。。。


家庭のオーディオルームでもシューボックスのコンサートホールでも最大の敵は定在波である。定在波というのは、同じ音波が直方体の平行面で反射を繰り返し、進行方向と同一で逆方向に進行する波が重なると、 波がその場で振動するように見える現象が生じることをいいます。


これはかなりの音響障害になります。


これは直方体で両側面が、同じ平行面だから起こります。そうならないように、戻らないように、拡散体や障害物を埋め込んだりします。前述の三角錐形状も、単なる拡散体だけではなく、定在波対策も包括していると思います。



両サイドテラスのシートは一見豪華なハイバックシートであるが、これは完全に並行した対抗面との間で生じる定在波障害の対策の一環であろう。(あくまで自分の勝手な推測)


天井はいわゆるヴォールト(かまぼこ天井)でヴォールト面に多数の4角錐型の小型ヴォールトを配置したプラスターボード製の一体型・複合ヴォールト型反響板。



開演前はスクリーンが降ろされ隠れているが、開演になるとスクリーンがあがり、パイプオルガンが見えてくる。ドイツ、カール・シュッケ製のパイプオルガンを装備している。


自分が今回取得した座席は、1階席真ん中のやや前方(10列目)ヴァイオリン奏者がよく見える位置と、腹に響くステージからの直接音をがっしり受け止めたいがため、この座席を選んだ。ヴィジュアル的にも音響的にも満足できました。


DSC07413.JPG


金沢遠いけど、このホールでいろいろな座席で音響比較体験をして、なぜそう聴こえるのか考えてみたい衝動に駆られてきました。


新しいホール体験はじつにひさしぶりで、こうやってつぶさにホールを観察することも本当にご無沙汰。(いつもは通いなれているホールだから、そんなこともしない。)


やっぱり楽しい。なんちゃってコンサートホール・マニアだけど、好きなんだからしょうがない。日記の中でもこのホール体験記を書くのがなによりも大好き。本当にひさしぶり。


金沢の石川県立音楽堂は、非常に標準的なスタンダードなシューボックス・スタイルのホールで音響もいかにもシューボックスのような響き方、聴こえ方をするホールだった。


ひと言でいうならば音響は素晴らしいと思います。見た目も内装空間が人間の五感にいい木材のブラウンで統一されていて、極めてスタンダードだな~と思いました。









nice!(0)  コメント(0) 

オーケストラ・アンサンブル金沢 [国内音楽鑑賞旅行]

はじめての金沢を体験することが最大の目標であったが、同時に自分の場合クラシックを絡めたいので、地元発のオーケストラであるオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の公演を石川県立音楽堂で体験することを旅程に入れた。


岩城宏之氏(1932-2006)の強いリーダーシップのもと、石川県と金沢市によって、日本初のプロフェッショナルの常設室内管弦楽団として1988年に設立されたオーケストラ・アンサンブル金沢。


216808670_202893611841837_9105801449450638223_n.jpg



実際の実演を体験して、編成規模から室内楽オーケストラのように感じたのだが、やはりそうだったのですね。


2001年からは本拠地となる石川県立音楽堂を得て、響きの追求や数多くの録音、新たなプロジェクトへの挑戦のほか、ホールを軸とした地域活動への積極的な取り組みも可能となった。


1988年に当時の金沢市文化ホール、金沢市観光会館にて設立記念公演。音楽監督岩城宏之はモーツァルト「交響曲第39番、40番、41番」を指揮。


これがOEKの音楽活動のスタートとなる。


1989年に初の海外公演。ユーロパリア日本祭1989に参加し、岩城宏之と天沼裕子の指揮のもとベルギーとフランスの5都市にて演奏。ツアーにて初代コンポーザー・イン・レジデンスの一柳慧、石井眞木の作品を初演。


1991年に大阪・東京・名古屋定期公演始動。



1994年にベートーヴェン&モーツァルト・ツィクルス。岩城宏之とのベートーヴェン全交響曲連続公演を浜離宮朝日ホール(東京)にて開催。翌年からはしらかわホール(名古屋)を会場に加え、6年に渡るモーツァルトの全交響曲連続公演を実施した。


1997年は、名歌手プライとともに巡るヨーロッパ・ツアー。6度目となる海外公演は、岩城宏之とともにマレーシアとドイツ、フランスへ。ドイツ各地では、往年の名バリトン、ヘルマン・プライの歌う管弦楽編曲版「冬の旅」(世界初演)に惜しみない拍手が送られた。



2001年に本拠地完成。9月12日、コンサートホール、邦楽専用ホールを併せ持つ石川県立音楽堂が開館。レジデント・オーケストラとなる。素囃子、能、箏など石川の誇る邦楽団体との協働が始まる。



2004年に欧州8カ国13都市ツアー。岩城宏之との最後の海外公演。ウィーン楽友協会大ホール、フランツ・リスト音楽院大ホール、ベルリン・フィルハーモニーほか8カ国13都市。


2007年に井上道義 音楽監督就任。記念公演は石井眞木「聲明交響II」とモーツァルト「交響曲第39番」。井上道義のリーダーシップにより、ホールから街へとOEKの舞台は広がる。


2008年 ラ・フォル・ジュルネ金沢音楽祭。ルネ・マルタンがアーティスティック・ディレクターを務める世界的音楽祭が、井上道義をアーティスティック・プロデューサーとして金沢に初登場。OEKがその中心を担う。(~2016年)


2011年~14年 新しい歌劇、金沢発。金沢の生んだ文豪、泉鏡花の作品を原作とした新作オペラ「高野聖」(池辺晋一郎作曲)を11年に、「滝の白糸」(千住明作曲)を14年に、金沢芸術創造財団などとの共同制作により初演。


そして現在。2018年~OEK30周年。マルク・ミンコフスキ芸術監督就任。近年オーケストラ界に旋風を起こしているミンコフスキが芸術監督に就任。高い評価を受けた就任記念のドビュッシー《ペレアスとメリザンド》とともに、OEKは新たな30年へのスタートを切る。



こうやって楽団の年表を顧みても、30年間の歴史、由緒あるオーケストラなのがよくわかる。そして楽団の発展を、徐々にステップアップというか、オーケストラとしてどういう方向に進んでいきたいのか、よく考え抜かれたロードマップを歩んできたのだな、ということを実感する。いっぺんには成就できないから30年かけて、いろいろなことを体験し、徐々に肉付けしてステップアップと言うか、おそらく石川県金沢市と創立の音楽監督であった岩城宏之さんとのコンセンサスによる賜物なのだろう。


岩城宏之さん、懐かしすぎる~~~。(笑)OEKはまさに岩城宏之さんとともに発展してきたオーケストラなのである。自分にとっては、やはりリアルタイム世代というより、ちょっとその前の感覚かな。


自分にとってOEKといえば、やはりミッチーこと井上道義さんのイメージが強い。長らくOEKを牽引してきたその功績は大きい。


1988年に石川県と金沢市が中心となり設立した財団法人石川県音楽文化振興事業団を運営母体としている。2001年からは石川県立音楽堂を本拠地とし、定期演奏会を行なっている。毎年作曲家に新曲を委嘱するコンポーザー・オブザイヤー制度を敷く。


常設のプロフェッショナル室内管弦楽団としては日本で最初の存在だそうである。


自分はOEKを拝見すると、イメージ的になんか水戸室内管弦楽団のことを思い出してしまう。なんかイメージ的にすごく似ていると思う。実演に接してみて、室内楽編成規模だし、なんかすごい似ているな~と思ったものである。


メンバーは40名。地方を本拠としながらも出身・国籍にかかわらず幅広く人材を募っている。女性団員が多い印象を受けた。


現在は、芸術監督にマルク・ミンコフスキ、プリンシパル・ゲストコンダクターにユベール・スダーン、パーマネント・ゲストコンダクターに川瀬賢太郎、専任指揮者に鈴木織衛。


客員コンサートマスターに東響の水谷晃氏の名前もうかがえる。


そして9月から広上淳一さんがアーティスティック・アドヴァイザーに就任である。面白くなってきた。



月間1回から3回程度、3種類の定期演奏会を持ち、石川県立音楽堂での定期公演の他、毎年2回にわたる東京・名古屋・大阪での定期的な公演を含む全国各地での公演もある。


SNSなどを拝見していると、OEKは結構地方遠征をしているイメージが強いですね。


レパートリーはチャイコフスキーやシチェドリンなどのロシア物に始まり、ハイドンやモーツァルトの古典派音楽に軸足を置くが、ベートーヴェンやロマン派のブラームスもこの規模のオーケストラとは思えぬほど雄渾に演奏し、武満徹ら作曲家から毎年作品の提供を受けて現代の音楽にも挑戦し続けている。



地方発のオーケストラは、やはり礼儀としてその1番最初の体験はフランチャイズで聴く。なんとなく自分が拘っているしきたりである。


やはりOEKは地元金沢、石川県立音楽堂で聴きたいな、と思っていた。そこに広上淳一さんの就任もあったので、自分も一気にその気になったという次第である。


自分はOEK初体験として、この公演を選んだ。



hirokami_kobayashi2021.jpg


2022/7/15 オーケストラ・アンサンブル金沢

第457回定期公演フィルハーモニーシリーズ

広上淳一ザ・ロマンティック!小林美樹のドヴォルザーク



広上さんで初のOEKを体験できるのは、この上ない幸せだと思ったし、そして主役は小林美樹さんだ。


そしてさらに、もっと楽しみだったのが、演目がドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲であることだ。ヴァイオリン協奏曲の中でも、ドヴォルザークというのは昔からあまり演奏される機会が少ないレアな曲でとても貴重な体験であること、そしてなによりも小林美樹さん自身が、コンチェルトの中で自分にとって最も大切で大事に思っているのがこのドヴォルザークなのだそうだ。


そんな小林美樹のドヴォルジャークを聴ける!というのは、もうこの公演しかないだろう!という感じで即決だったのである。



小林美樹のドヴォルザーク。


FXtaethakAA_53o.jpg

(c)オーケストラ・アンサンブル金沢Twitter


これはまさに衝撃であった。ドヴォルザークのコンチェルトがこんなに素晴らしい曲とは!ドヴォルザークらしいスラブ系、民族音楽的美しさ満載で、そこにさらに高度な超絶技巧とドラマティックな要素を兼ね備えた曲。あまり巷では知られていない割には、曲としての完成度が極めて高く、いわゆる演奏会常連の有名なヴァイオリン協奏曲に決してひけをとらないどころか、いわゆるそういう有名曲のあのヒット曲特有にありがちな旋律のコード進行、パターンとはまったくかけ離れた、自分にとって新鮮度という面では、飛びぬけて珍しいその音楽の造形に惹かれてしまった。痺れました。いやぁいままで聴いたことがない旋律にヴァイオリンとオーケストラのコンビネーション。じつに素晴らしい曲。


自分は無類のヴァイオリン好きであるが、ドヴォルザークのVnコンチェルトは、なかなか体験することがないレアな曲だと思うんですよね。意外に縁遠い。実演で体験した記憶はないです。こんな素晴らしい曲だとは思ってもいなかった。実演の初体験をここ金沢で小林美樹さんで体験できてよかったです。一生の想い出です。


ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲の実演といえば、2022年7月15日の金沢の石川県立音楽堂での広上淳一&オーケストラ・アンサンブル金沢、そして小林美樹ということで、終生語り継いでいこうと思っています。



黒沼ユリ子さんもこのドヴォルジャークのコンチェルトに運命的な関わり方をされて、日記を書くことでそのことを知った訳ですが、そのときにオイストラフのCDを買いました。小林美樹さんにはこの曲のCD出してほしいです。この曲の新しい録音がぜひ欲しいです。


小林美樹さんは、個性的とか、パフォーマンスとは無縁の非常にスタンダードで自然な美しい演奏スタイルでした。すごく自然で中庸、教科書のような立ち居姿でした。技術も素晴らしく、素晴らしいヴァイオリニストだと思いました。これからの日本のクラシック界を背負っていく新世代のニュースターですね。



そしてOEK。



FXtaggraUAAdsiw.jpg

(c)オーケストラ・アンサンブル金沢Twitter


素晴らしいオーケストラですね。精度の高いアンサンブル、特に弦楽合奏のビロードのような質感は依然としてこのオーケストラの美点といえるのではないかと確信した。冒頭のバッハや休憩後のブルックナーでは、演目的にオケが鳴りきらないもどかしさを感じて、オケの実力を理解するには難しい曲だな、と思っていたのだが、ドヴォルザークのコンチェルト、リストのハンガリー狂詩曲で、そのストレスもなくなり思う存分ホール上空に抜け感たっぷりに鳴っているその演奏を聴いて、OEKがいかにレベルの高い演奏技術を持ったオーケストラであるかをその時点で理解できた。



ホールの音響も素晴らしく、オーディオマニア的にもかなり鳥肌もんのサウンドであった。本拠地で聴けたことが、幸せでした。


広上さんは、相変わらずあの感じでした。(笑)指揮台でぴょんぴょん、あ~いつもの広上さんで安心しました。まっそんなに変わる訳ないですよね。(笑)スゴいと思ったのは9月から正式に就任で、今回の公演は、プリという位置付けだと思うのですが、なんかOEKがすでに広上さんの手中に収めているかのように自然なつながり、信頼感を両者間に感じました。


今後を楽しみにしています。



やっぱり金沢の地元フランチャイズなオーケストラですから、地元の暖かさを感じますね。8割方客席埋まっていて、ここ金沢でもクラシックは、人気あるんだな、と思いました。客層は全然若いですよ!首都圏のホールの超高年齢層(笑)と比べると全然若いです。地元金沢市民が支えてますね。


広上さんもスピーチで仰ってましたが、野球もサッカーも地方、地元が支えてますね。OEKもまさにそうなのだと思いました。


念願のOEK。ようやく体験することができて肩の荷がおりました。今後はまた機会があれば金沢でもう一回聴いてみたいし東京に来られたときは積極的に足を運びたいと思いますね。


これで自分のオーケストラ・コレクションがまたひとつ増えた感じです。


この日、広上さんは休憩時に、お客さんにコーヒーを淹れてあげるファンサービスをおこなっていました。京響時代もそうでしたが、相変わらずファンサービス、ファンとの接触をとても大切にする方で感心しました。でもポットで淹れ続けていて、手や肩が痛くなったと仰っていました。(笑)





FXtafpeaMAAzvNu.jpg

(c)オーケストラ・アンサンブル金沢Twitter




第457回 定期公演フィルハーモニー・シリーズ

2022年7月15日(金)19:00~石川県立音楽堂コンサートホール


指揮:広上淳一

ヴァイオリン:小林美樹

コンサートマスター:アビゲイル・ヤング


バッハ(ウェーベルン編)「音楽の捧げもの」より6声のリチュルカーレ(管弦楽版)

ドヴォルザーク ヴァイオリン協奏曲 イ短調 op.53


~アンコール

バッハの無伴奏ソナタ第3番よりラルゴ


(休憩)


ブルックナー(バボラーク編)弦楽五重奏 へ長調よりアダージョ(弦楽合奏版)

リスト(トバーニ編)ハンガリー狂詩曲 第2番 ハ短調 (管弦楽版)


~アンコール

シベリウスの悲しきワルツ

 




nice!(0)  コメント(0) 

金沢を研究しています [国内音楽鑑賞旅行]

日本、いや世界中の誰もが予想もしなかった悲劇。まさかこんなことが起こるなんて夢にも思わなかった。まっみんなそうだと思いますが。


2022年7月8日。お昼ごろにテレビのニュースで知って1日中釘付けになった。正直なところ、あまりに衝撃過ぎて気持ち悪くなってしまった。あの日は相当具合悪かったです。


政治信条などに賛同する、しないに関わらず、人間としてあまりにショッキング過ぎる。ショックがずっと尾を引いて、ここ数日間平静でいられなかった。


心からご冥福をお祈りしたいと思います。


とても発言できるほど回復できず、事件発生後から6日目。ようやく重い筆をとっている。というのは、じつはかねてからの計画である金沢への旅行が迫っているからだ。


今週の金曜日7/15~7/18の4日間、かねてからの憧れであった金沢に旅行に行きます。


ちょっと前までは、本当にすごく楽しみで楽しみでしょうがなかったのであるが、あの事件が起きてから、かなり微妙になってしまった。


いつもなら、おそらく金沢現地に行ったら、もう気分はすっかりハイテンションで、リアルタイム実況中継で、洪水のようなつぶやきで、はしゃぎまくるところだと思うのだが、今回のことで、なんか気持ち的に、それができなさそうである。


いややっぱり日本中の空気というのがあって、そんなことをやったら場違いのような感じがしてしまうし、なによりも自分の気持ち的に、急にはそんな気持ちには切り替われない。


そんなことを気にする必要ないよ、という声も聞こえてきそうだが、まっこれは自分の気持ちがなかなかそうならないということで仕方がない。


タイミングが悪すぎた。誰も恨めない。仕方がないことですね。


自分が悩んだ挙句、折衷案として考えたのは、コンサートの感想はリアルタイムでつぶやく。これはもう仕事なので。それ以外の観光などの日記は、あらためて平静な世の中、自分の気持ちが戻ってきたら、事後報告という形でちゃんと日記という形で報告できれば、というところに収まった。これだったらいいかな、という感じで。


なので、当日はコンサート以外は必要最小限な感じで、まずはひっそり楽しんでこようと思っています。後日たっぷりお話しできることを楽しみにして。


そんな感じで考えをようやくまとめました。


金沢はすごい素敵なところですよ。そんな発言を昔からすごく耳にするし、実際観光都市としても金沢は昨今すごい人気の街なのだ。


でも自分はまだ金沢に行ったことがないのだ。福井ならむかしよく行ってました。上越新幹線がなかった時代。


前田利家の加賀百万石時代の城下町として栄え始めた、そこにこの街の礎がありますね。自分の場合、ただの観光旅行ではなく、やはり可能な限りクラシックを絡めたいというのがある。


オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)。


ビンゴ!これだな!と閃いた。


金沢市内にある石川県立音楽堂で、OEKを聴く!


これは自分の旅行にもっともふさわしい形と感じた。OEKについては、別にもう1本、専用の日記を書いてみたいと思っている。


自分はいままでOEKの実演に接したことがないです。OEKとはどんなオーケストラなのか、どんな歴代の首席指揮者、音楽監督がいて、どんな歴史を歩んできたオーケストラなのか、まず自分が勉強したいです。


ただ、巷の資料を読んでるだけではダメですね。自分で書かないとダメです。自分の言葉で語り、自分の脳の思考回路に組み直し、自分で書かないと自分のモノにならないと思います。


旅行前にOEKについて語ってみたいと思っています。


さて、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)のどの公演を聴くか?


自分は吟味に吟味を重ね、この公演に決めた。


hirokami_kobayashi2021.jpg


2022/7/15  オーケストラ・アンサンブル金沢

第457回定期公演フィルハーモニーシリーズ

広上淳一ザ・ロマンティック!小林美樹のドヴォルザーク



もうこれしかない!と即決ピンポイントでこの公演に決めた。広上さんは9月よりOEKのアーティスティック・リーダーに就任ということで、とてもタイミングがよかった。広上さんで初のOEKを体験できるのは、この上ない幸せだと思った。


そして主役は小林美樹さんだ。


自分は、小林美樹さんの実演にまだ接したことがなく、いずれ必ず接してみたいとずっと思っていたのだがまさか金沢で、こんなタイミングでチャンスが訪れるとは夢にも思ってもいなかった。


小林美樹さんは、まさにこれからの日本の新しいクラシック界を背負っていくであろう新世代のニュースターの代表格だ。どのようなヴァイオリニストなのか、とても楽しみです。


そしてさらに、もっと楽しみなのが、演目がドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲であることだ。ヴァイオリン協奏曲の中でも、ドヴォルザークというのは昔からあまり演奏される機会が少ないレアな曲でとても貴重な体験であること、そしてなによりも小林美樹さん自身が、コンチェルトの中で自分にとって最も大切で大事に思っているのがこのドヴォルザークなのだそうだ。


そんな小林美樹のドヴォルジャークを聴ける!というのは、もうこの公演しかないだろう!という感じで即決だったのである。


まさに広上淳一&OEKで小林美樹。それ以外にもバッハ、ブルックナー、リスト。思い切り金沢の夜を満喫してきたいと思っている。


その当日にリアルタイムで感想をつぶやくし、後日きちんとしたコンサートレビューを石川県立音楽堂体験記と絡めて日記にしたいと思っています。



金沢はいまいろいろ研究しているところです。


DSC06947.JPG


観光名所が比較的近くに集中していることから、1日あれば金沢の名所はひと通り体験できるような立地条件のよさがある。今回4日間あるので、たっぷりゆっくり堪能していきたいと思っています。



金沢をいろいろガイドブックで勉強していると、金沢の一番の特徴は、やはり茶屋文化なのかな、と思いました。


お茶屋というのは、曲を披露し、客をもてなす一見さんお断りの遊興の場のことをいいます。江戸時代は裕福な商人や町衆の社交の場で、武士の出入りは禁止になっていたそう。お酒を飲みながら、芸妓の華麗な芸を鑑賞したあとは、ゲームスタイルのお座敷遊びなどを楽しんだそうである。


金沢にはそんな茶屋が立ち並ぶ茶屋街が、ひがし茶屋街、主計町茶屋街、そしてにし茶屋街と3か所ある。これはじっくり鑑賞してきたいと思っている。


そんな茶屋の中には、懐華樓や志摩のように国指定の重要文化財として大切に扱われている茶屋もあって、その中を見学できるようなところもあるので、ぜひ見学していきたいと思っている。


金沢は、まさに茶屋文化なのである。


10094_2_l.jpg


そして日本三大庭園のひとつである兼六園もこれは必須ですね。加賀百万石の粋を体験、というものです。国宝級の庭園と言っていいと思います。


なんちゃって城マニアにとっては、金沢城公園も楽しみです。金沢城は”魅せる石垣”といわれるほど多彩な石垣があって、テレビでも人気急上昇中だとか。どこまで時間があるかわかりませんが、ぜひ見てきたいと思っています。


自分的にかなり楽しみなのが金沢21世紀美術館。


large-1baffd60679bed0650f43c35df4b9267be4e3ada5cf362ab9451219bdc39a9bd.jpg


ここは日本の美術館の中でも指折りの有名な美術館ですね。アートの街・金沢を代表するようなちょっとアート感覚満載な現代アート美術館。いろいろ面白い仕掛けもいっぱいあって、上の写真のようにプールの中に自分たちがいるような感覚も味わえるような仕掛けがあってすごく面白いです。なんか遊び心満載でお洒落でいいですね。自分がすごく楽しみにしているスポットのひとつです。




これはすごくタイミングがいいな、と思っているのが、今週土曜日の7/16にオープンするできたてホヤホヤの新・石川県立図書館である。


20220407184155.jpg


従来からの図書館を閉館して、旧金沢大学工学部跡地に新しい図書館を設立。ようやくオープンにかぎつけたというところである。ご覧のようにちょっと信じられないくらい夢のように広くて美しい図書館である。世界にも世界絶景のひとつとして、なんかこういうコンセプトの美しい図書館ありましたよね。それの日本版を狙ったんだと思います。


金沢の新し観光名所になることは間違いないですね。ところがこの新・石川県立図書館。ネットにまったく情報が掲載されていないんですよね。アクセスがまったく載っていない。なんと不親切な!という感じですが、当日はタクシーかな?とも思っています。


この新・石川県立図書館で、OEKが月に1回の室内楽の定期演奏会を開催することにもなっているそうです。クラシック演奏の新しい名所スポットになりそうですね。


金沢といえば、やはり能登半島沖、日本海でとれる新鮮な海鮮系。海鮮丼、お寿司とか。近江町市場はそんな金沢の台所といえる場所ですね。ここではご自慢の海鮮丼をいただきたいと思っています。


金沢グルメ、金沢のソウルフードを体験するグルメ方面もぬかりはないです。今回は、B級グルメ、ソウルフードとよばれる金沢ならではのグルメに特化したいと思っています。


のどくろ、金沢おでん、金沢カレー、8番ラーメン、ハントンライス。


とくに主治医の先生がお勧めするのが、金沢おでん。これはぜひ体験したほうがいいよ。


石川県は人口あたりのおでん屋の軒数が日本一の”おでん県”だそう。おでんというと冬の食べ物のように思うかもしれないけど、金沢おでんは1年中おでんなのです。夏おでんというのもあるらしい。金沢おでんは一年中うまい、地元の味なのです。


先生いうには、金沢おでんというのは関東や関西のおでんとはまたちょっと違うらしい。だしやタネなど。。金沢おでんはぜひ体験したほうがいいよとアドバイスもらいました。


ふつう旅行というのは、あまり計画を立てないでふらっと立ち寄って気軽に楽しむのがいい、と言われるではないですか。そのほうが気分的にも楽でいい。


金沢グルメに関しては、もうガチガチにこの店!とピンポイントで決めてますから。(笑)かなり計画的にピンポイントで決めてます。


なんかこんな感じで金沢のことを書いてきましたが、書いているだけですごく魅力的で素敵な街なんだな、ということがわかります。


一昨日、こんな夢を見ました。


ザルツブルクに旅行している夢。


なぜか仕事の出張で来ている。仕事も終わり、ちょっとザルツブルク音楽祭でも行くか、という感じで、祝祭大劇場の近くにあるチケット・オフィスを覗いてみる。


ラトル&ロンドン響のチケットがあった。公演を2日間分買った。外に出て祝祭大劇場に行こうとしたら、そこにはなぜかベルリンフィルハーモニーホールがそびえ立っている。(笑)


あれ?と思い、周りを探したが、いっこうに祝祭大劇場が見当たらない。チケットを見てみると、公演日は、1週間後ですでに帰国している先のチケットだった。


ずが~ん、と思い、しょうがない、ホテルでチケットの写真でも上げながら残念日記でも書こうかと思い、帰路を急ぐ。


案の定、道に迷ってしまう。地下鉄の駅を必死に探す。


近くになぜか焼き肉屋さん(ザルツブルクに???。。。笑笑)があって、道を聞くために入った。そうしたら、そこにはなぜか安倍元首相が1人でお茶をしていた。お店の人に道順を聞いて、店を出る。


ようやく駅に辿り着く。なぜか駅の中は、ジムのマシンが勢ぞろい。外国人が一生懸命汗をかいている。記念に写真を撮ろうと思ったら、近くの外人に、「おまえ、なんで写真撮ってるんだ?」と脅され、怖い思いをする。


ようやく地下鉄の車両に乗ったら、海外の地下鉄だから路線図がわからないことに、今さらながら気づき、あ~~~~~!とパニックになって目が覚めた。(笑)


怖い夢だった。


そもそもザルツブルクに地下鉄ってあったっけ???


これはラトル&ロンドン響の来日公演2022のチケットを買え!というお達しなのか???ラトルはぜひ行きたいのだが、外来オケは高いんだよね。あまりの高額チケット価格に驚きおののき・・・昔は外来オケでもガンガン買っていたものだが、いまはまったくもって貧乏で予算体力もなく・・・


安倍元首相、夢に出てくるとは・・・成仏してほしいです。


海外は、やはり道に迷うとややパニックになる。見知らぬ土地だし。国内はその点、ハードルが低いが、それでも見知らぬ土地に初めて行くときは結構大変だ。金沢は、お店などここ!とピンポイントで決めて、最初からそこ狙って行くので、見知らぬ初めての土地でこれやるのは結構しんどい。


こういう夢を見るということは、金沢で相当迷うということか。(笑)




nice!(0)  コメント(0) 

あの銘店をもう一度 [グルメ]

新横浜ラーメン博物館も2年後の2024年に開館30周年ということで、2022年7月1日から2024年にかけた約2年間、歴代ラーメン店に順次ご出店いただくプロジェクト「あの銘店をもう一度」を立ち上げることとなったそうだ。


まさに、


ラー博史上最大のプロジェクトが始動

~ROAD TO 30th「あの銘店をもう一度」~


283379849_5813934221967131_1984054449197092891_n.jpg


291366048_5927503453943540_7846938055100930487_n.jpg


こ~れはラーメンファンには溜まりませんね。1994年に開館ということだから、自分の記憶だと1995年あたりから通っていたのではないだろうか。まさに自分はラー博の歴史とともに歩んできたといっていい。


もういままでの日記でいろいろな体験を紹介してきましたね。自分にとって、やはりラー博といえば、「すみれ」(当時は純連と書いてすみれと読ませていました。)が1番濃厚な想い出です。


あの頃のすみれは本当に美味しかったです。まさしく、あれこそが本場の純連・すみれの味だと思います。いまのすみれ横浜店は、もちろん美味しいけど、あの頃の美味しさとはまたちょっと違うんですよね~。ラーメン屋さんって、意識的なのか、不可抗力なのかわからないけれど、長年にわたってスープの味を変えないというのは、すごい難しいことなんですね。


あと、これもとても美味しくて、今回復活するのがとても楽しみなのが、札幌味噌ラーメンの「けやき」。これも本店は札幌のススキノにカウンター5席くらいしかない本当に小さな店なのですが、でも美味しくて瞬く間に人気になって、いまは支店も多く、自分は最近は北海道に帰省したときは、千歳空港の北海道ラーメン道場の支店で必ず食べるのが旅の楽しみなのでした。


このけやきを初体験したのがラー博だったです。2006年の就職浪人で新しい職を探さないといけなく、港北のハローワークに定期的に申請をしないといけなく新横浜に通っていた時期があったのです。(この申請を毎月やらないと、失業保険がおりない。)


このときに、すみれが卒業して、そのあとにけやきが入店。どれどれ、と試してみたら、これが目から鱗が落ちるくらい美味しい味噌ラーメンで、いっぺんに虜になりました。すみれとは、また全然違う味噌味で、非常に個性的で1回食べたら病みつきになりそうなそんな魔力がありました。


けやきの味噌ラーメンは美味しいと思うな~。このけやきもきっと今回のプロジェクト「あの銘店をもう一度」で復活すると思います。


いまはもう北海道に帰ったときしか食べられないので、それが頻繁に食べれるようになるんだったら、それこそそんな嬉しいことはないです。



あと、ラーメンの鬼、佐野実さんの「支那そばや」ですかね。自分の好みからすると、病みつきになるほどうまいという感じではなく、そんな中毒性はないんだけど、非常にさっぱりしていて美しいラーメンでしたね。あっさりしたラーメンでした。佐野実さんは素材を徹底的にこだわる研究家でもあって、そういうひとこしらえ、というかラーメンスープに幾重の工夫を重ねたある種の創作ラーメンといってもよかったです。麺製造に”かんすい”を多く使うラーメンでしたね。国産小麦の自家製麺、厳選素材の基盤を作ったパイオニアでした。


藤沢の本店にも行ったこともありますよ。あの佐野実さんが調理している目の前に座っていました。調理台をカウンターがロの字で囲む形で、お客さんはみんな佐野実さんがラーメン作っているのをし~んと固唾を飲んで見ている感じなのです。


もちろんお喋りなんかできません。佐野さんに怒られます。みんな、し~んとして佐野さんがラーメンを作っているのをただひたすら眺めているだけです。一種独特な雰囲気でした。


その「支那そばや」もラー博に入っていたことがあります。自分も何回か通ったことがあります。相変わらずさっぱりした美しいラーメンだなぁと感心しました。佐野さんが厨房にいた頃と亡くなった後にも行きました。


日本で初めてラーメンを誕生させた「来々軒」さん。この日本初のラーメンを復活させるにあたって、この「支那そばや」さんの協力が大きかったのです。この日、ひさしぶりに目の前を通ったら、開店の時とくらべて暖簾が変わってましたね。でも相変わらず繁盛している感じで安心しました。よかったです。


DSC07130.JPG


そして、今回自分もあの懐かしの銘店をぜひもう一回行ってみたいと思っていたラーメンを体験しにこのROAD TO 30th「あの銘店をもう一度」に行って参りました。


Kv6nVLFCmurJauf1657155493.jpg


DSC07148.JPG



自分が今回行きたいと思っていたのは、ご当地ラーメンの元祖ともいえるべき和歌山ラーメンの「井出商店」です。懐かしすぎる~~~。(笑)


ラー博は全国の美味しいラーメンの名店を飛行機に乗らずして東京で食べようというのがコンセプトですから、当然地方の美味しいラーメンが集まります。


その中で一種のブームになったのがご当地ラーメンというものです。


いわゆるその地方でとても有名で、そしてそのラーメンスタイルもかなり個性的で、東京では絶対食べられない類のラーメンのことです。


あれは何年くらい前だったかなぁ・・・。


おそらく1998年頃だったと思います。ご当地ラーメンというのがすごいもてはやされて、日本で一大ブームになったことがあります。和歌山ラーメン、徳島ラーメン、尾道ラーメン・・・


みんなすごい特徴があって美味しいです。東京では絶対食べられない、いかにも地方ラーメンという感じです。


自分はこのご当地ラーメンに結構ハマったんですよね。特に和歌山ラーメンには相当ハマりました。


和歌山ラーメンの代表が「井出商店」です。もうラーメンとは言いません。中華そばなのです。中華そばという呼び方が一番です。


WA026301.jpg



ラー博に「井出商店」が入ったときは、それはそれは通いました。「井出商店」の和歌山ラーメンがなにがそんなに凄かったかというと、ラーメンスープが「豚骨醤油(とんこつしょうゆ)」だったことです。


これは自分にとってカルチャーショックでした。ラーメンというのは、醤油、味噌、塩、この3種が基本だと思っていましたから、豚骨醤油ってなんだ?という感じです。


いわゆる醤油ですと、透き通った醤油味ですが、それに豚骨味が合体したちょっとミルキーな感じで全体として混濁の茶色の色で、豚骨味と醤油味を合体させたようなそんな味です。


この豚骨醤油を世に知らしめたのは、まさにこの「井出商店」の和歌山ラーメンだったのです。


これはまさに革命的でした。それ以降、豚骨醤油はラーメン界では至極あたりまえのスープになりましたが、その功労者が和歌山ラーメン「井出商店」だったのです。


ラー博では、そのご当地ラーメンブームにのって、ご当地ラーメンの代表格として紹介されていたのが井出商店でした。そのラー博の井出商店には数えきれないほど通いました。もうその頃からすごい行列でしたよ。相当並ばないと食べれないラーメンでした。


自分はその和歌山ラーメンブームにのっとって、和歌山に旅行に行きたいなと思ったくらいでしたから。自分は高校野球で、和歌山県代表の箕島高校の大ファンでしたから、箕島高校のキャンパスを体験したいのと、この井出商店の現地の本店を表敬訪問したいと思っていたのでした。


これが和歌山にある井出商店の本店です。


E4BA95E587BAE59586E5BA97.jpg


もうひとつ自分を夢中にさせたご当地ラーメンが徳島ラーメンです。まさに和歌山ラーメンと双璧をなすご当地ラーメンでした。


04baadd184f1b7c99e04b6f5635eedec5a28f070.jpeg



このように強烈に濃厚な豚骨醤油に、すきやき風のお肉、生卵が入っているのが徳島ラーメンの特徴です。徳島ラーメンの代表的なお店って覚えていないんですよね。ネットでググっても自分が通っていたと思うようなお店がない。自分はどこに通っていたんだろう、と思いますが、徳島ラーメンも当時相当美味しいと思いました。


これもご当地の徳島に旅行に行って食べてみたいと思った一品です。


尾道ラーメンも体験したいな、と思い、ネットでググって渋谷にある尾道ラーメンのお店に通ったことがあります。


このようにご当地ラーメンというのはラーメン界では一大ムーヴメントだったのです。ご当地ラーメンを食べていると、現地に飛んで、その元祖のお店で食べてみたいという衝動に駆られるんですよね。まさに聖地巡礼、そういう気持ちになります。


では、話をもとに戻し・・・


ROAD TO 30th「あの銘店をもう一度」で和歌山ラーメンの「井出商店」がラー博に復活します。もうこの井出商店目当てに行って参りました。昔、佐野実さんの「支那そばや」が入っていた場所でした。


DSC07114.JPG



昔の「井出商店」はここに入っていました。いまや店舗が入っていなく閉鎖されていました。


DSC07121.JPG


予想はしていましたが、もうincredibleな行列になっておりました。ちょっと昨今では思い出せないくらい、信じられないくらいの長行列です。さすが、「あの銘店をもう一度」で井出商店の復活はラーメンファンにとって衝撃ニュースだったんですね。


一番最後尾につくと、スタッフから整理券番号を渡され、それをLineのQRコードで読ませると、順番が近づいたら、Lineでお知らせしてくれるので、それまで自由にどこかで休憩していてくださいというシステム。



ようやくありつけます。店内は、そのまま佐野実さんの「支那そばや」のときと同じそのままです。


DSC07134.JPG


自分はスタンダードな中華そばを注文。


DSC07145.JPG



なんかやはり今風ですね。どんぶりがすごいお洒落です。今風の洒落た器で、サイズも小さめ。すごい上品で美しい現代ラーメンという装いでした。


自分は、これは違うんじゃないかな~と思いました。(笑)


やっぱり当時のご当地ラーメン、いわゆる地方のラーメンというのは、もっと田舎臭さ、標準のラーメン丼、ありきたりの昔からラーメンというイメージ、大衆性。。。もっと昔からのイメージ通りのラーメンそのもの、もうラーメンと呼ぶよりは中華そば。そういう呼び方が一番しっくりくる。けっして現代風にお洒落風になってはいけないものなのではないか、と思いました。


もっと下品に食べたいです。(笑)


今回の井出商店の和歌山ラーメンはあまりにお洒落な装いです。


さっそく食してみますと、おぉぉぉ~これこそが和歌山ラーメン。そのもの図星でございました。ミルキーな豚骨醤油のスープ、細麺のストレート麺。とてもスタンダードなラーメンでございました。


懐かしい味。。涙が出てきました。そういや~随分夢中になって通ってたな・・・そんな想い出が走馬灯のように頭の中を巡り巡ってきました。



このラー博30周年記念、ROAD TO 30th「あの銘店をもう一度」プロジェクト。

これからの2年間、楽しみに通わせていただきたいと思います。


年間パスポート買ったほうがいいかもですね。


「井出商店」の井出紀生さんも横浜に入られました。ラー博、岩岡館長との2ショットです。


290999074_5924683420892210_3011801672163179718_n.jpg



ありがとうございました。今度和歌山の本店に伺います。美味しかったです。


そしてご当地ラーメンをはじめ、全国各地の噂の美味しいラーメンの情報をつねにアンテナを敏感に立てつつスカウトされている新横浜ラーメン博物館さま、ラーメン大好き人間として、これからも末永くお付き合いさせていただきたく存じます。







nice!(0)  コメント(0) 

映画「エルヴィス」 [映画・ドキュメンタリー]

世界で最も売れたソロアーティスト、エルヴィス・プレスリー。エルヴィスがいたからこそ、ビートルズやクィーンがうまれた。


まさにロックの元祖、キング・オブ・ロックンロールである。


そんな伝説の男。


じつは自分はあまりよく知らないのである。(笑)いやもちろんエルヴィス・プレスリーのことはよく知っているし、曲もよく知っているのだが、なぜか幼少の頃から自分のものになった、という感覚がなかった。


これはたぶんエルヴィスの動く動画、コンサートを観たことがないからだろう。なにがそんなに凄いのか、そのステージパフォーマンスを観たことがないからなんかビートルズのように夢中になれなかったということもあるのだろう。


自分はビートルズ世代である。それもリアルタイム世代ではなく解散後の1977年あたりにリバイバル・ブームになった第2次ブームである。


だからエルヴィスは、やっぱり自分より前の世代になってしまう。


今回のこの映画で字幕監修などで大きく関与されている湯川れいこさん曰く、海外のアーティストが日本に情報が入ってくるようになったのは、ビートルズの1964年あたりでした。それまでエルヴィス・プレスリーの時代は日本にはまったくその情報が入ってこなかったのです。


そんなエルヴィス・プレスリーの生涯を描いた映画「エルヴィス」を観てきた。


エルヴィス-1.jpg



これは衝撃であった。かなりショックです。


あれからおよそ70年後の2022年のいま、自分が観ても相当ショックなのに、1950年代の当時の人が、このエルヴィスのパフォーマンスを観たら相当ショックだったんだろうな、ということがよくわかる。


いままでのこの世にはまったくなかった新しいもの。


1950年代というと、表現は悪いけど、呑気なカントリーや片意地張らないお気楽なポール・アンカやニール・セダカのようなポップス音楽が大勢を制していた時代。そんな時代に登場したエルヴィスのロックンロールは、あまりに新しく刺激的で、異端児で、案の定、世の中から弾圧を受けてしまう。


いつの世でも新しいってそういうことだ。


映画「エルヴィス」を観るにあたって、音のいい映画館で観たいと思っていた。いつもは渋谷のTOHO CINEMAで観るのだが、今回はそこでの放映権がなかった。どこにしようか、悩んだが、久しぶりに立川まで行って立川シネマシティの極上音響上映で観ようと決心した。


ひさしぶりの立川シネマシティのシネマ2。


JBOKcUD52FdUpNQ1657065733.jpg


記憶を紐解いてみると、いまから6年前の2016年に初めて体験しているんだね。いま改めて体験してみると、やはり巷での評判通り、サウンド、音響は素晴らしいと思う。


渋谷のTOHO CINEMAがすごいデッドで、音が濁っているように感じてしまうくらい。立川シネマシティは、響きがすごく豊富で音が澄んでいる、そしてなによりも重低音が身体中にズシン、ズシンと振動して入ってくる。まるでロックコンサート会場にいるみたいだ。うわぁ、これは渋谷とは問題にならないくらい音響いいな、と直感で思いましたから。


立川シネマシティって、本当にボロイというか、見かけは田舎の汚い映画館という感じなんですけどね。でもひとたび上映すると、その音に驚くという感じです。


立川駅の北口改札のところに美味しいうどん屋さんがあって、そこのカレーうどんが絶品に美味しかったので、そこ狙いで今後も立川に行ってみようと思います。


立川遠いですけどね。いまの自分の会社の1次面接をおこなった場所が立川でした。そのときが立川初体験。



エルヴィス-5.jpg


映画「エルヴィス」の中で、主役のエルヴィスがつぶやく言葉。


「ロックの原点は、やはりゴスペル(黒人霊歌)とR&B(リズム・アンド・ブルース)なんだよ。」


これはすごい重い言葉。エルビスが新しかったのは、この黒人音楽の要素を取り入れたから。黒人音楽というのは、白人では絶対出せないあの躍動感あるリズム感に、色気のある独特の音楽。


自分が子供時代のときも、当時の洋楽ロックシーンの歌手たちは、みんなこのR&Bに影響を受けていた人が大半だった。やっぱりロックは黒人音楽がルーツなのである。


自分も子供時代、自分が憧れていたロック歌手はみんなR&Bに影響を受けていた人ばかりだったから、自分でもR&Bってどんな音楽なんだろうということで聴いてみたかった。レコードを買いたかった。


でも当時はネットとかなかった時代で、子供でお小遣いも少なかったから、買えなかったんですよね。で、結局R&Bというのがどんな音楽なのか、ずっと知らないまま、でも知識ではよく知っている頭でっかちなロック少年としてずっと育ってきたのである。


それだけ当時のロックシーンの中で、R&Bの影響は大きかった。


幼少時代から、エルヴィスは、その黒人音楽に夢中になり、自分から進んで、黒人居住地の中に入っていって、黒人たちといっしょに黒人音楽に浸りながら踊る姿が映画では描写されている。


エルヴィスは幼少時代から黒人音楽にゾッコンだったのである。


あの黒人独特のリズム感に体をくねらせるダンス。あの独特のリズム感、態様が、後のエルヴィスの腰振りダンスとなってお披露目になるのである。


人種差別が平然とおこなわれていた時代。黒人だけのそういうスタイルの音楽を、黒人の社会だけで楽しんでいればそれで終わってしまっていたのかもしれないけど、それを白人であるエルヴィスが注目しマネて、白人の社会でお披露目することで、世の中に知らしめることになり、市民は驚き、大パニックになって、そしてあれは黒人音楽の模倣、よりによって黒人音楽なんてけしからんと弾圧の対象になっていく。


エルヴィスの腰振りダンスは、もう本当に凄いです。いま自分が観ても、すごい興奮するのに、1950年代の人が見たら、そりゃ驚いて大パニックになるよな、という感じです。いいか、腰は振るな、と弾圧。カメラでもエルヴィスの下半身は映さないようにしていた。


カントリーやポップスなどのお気楽な音楽が蔓延していたその時代にです。これは衝撃だったろうな、と思います。



この頃のエルヴィスの描写が一番勢いがあって格好良かったように思います。


結局、弾圧でエルヴィスは軍隊に入隊させられ、ドイツに赴任。その後映画スターを目指すも、いまひとつ。


この映画「エルヴィス」の素晴らしいと思ったところは、エルヴィスをここまでの大スターに躍進させたマネージャー、トム・パーカー大佐のことをとても詳しく描写しているところである。


これはある意味、いい意味でもあるし、後年、この大佐が、エルヴィスにとって人生の暗部となる点、双方においてである。


自分はこの大佐の存在を知らなかったです。エルヴィス・ファンであれば、すごく有名なマネージャーでよく知っている常識なんでしょうね。


人生の暗部を描くその内容は、このギョーカイ、よくあるあるなことだと思いましたが、かなり怖かったです。エルヴィスにこんな暗部があったなんて・・・。


ネタバレになるので、言いませんが、ぜひ映画館でご覧になってください。


トム・パーカー大佐.jpg


エルヴィス-3.jpg


エルヴィス-6.jpg


このトム・パーカー大佐を、なんと!トム・ハンクスが演じているんだよね。トム・ハンクスは、主人公、ヒーロー、2枚目スターを演じることが多いけど、まさかこんな悪役(?)を演じるなんて思いもよらなかったです。巨体の特殊メークで、すごい存在感。


主役エルヴィスに続く第2の主役です。じつにいい仕事しているな、トム・ハンクスにとって役者として新境地開拓だな、と思いました。このトム・パーカー大佐、かなり重要な役柄ですので、映画ではぜひ注目してあげてください。


あの有名なラスベガスのホテルショーなんかも詳しく描写されていて、素晴らしいです。


映画の尺としては3時間。正直観ていても、かなりボリュームがあって長いなと思ったことは確かですが、全然その長さを感じさせない、ロックショーらしいリズム感、テンポ感がいい、鳴っている音楽が心地いい、ロックファンならすごい興奮するような映画になっていると思います。



エルヴィス・プレスリーを演じているのが、オースティン・バトラーである。


エルヴィス-2.jpg


エルヴィス-7.jpg



これが凄すぎる!!!

もう最高です!


クィーンの映画のときのフレディ・マーキュリーより全然いいと思います。(笑)よくこんな役者さん見つけてきたな~と思います。



「エルヴィス」を映画化するあたり、当然ながらバズ・ラーマン監督をはじめとする製作陣は、エルヴィス・プレスリーを演じるのにふさわしい、完璧な役者を見つける必要があった。そこで声質や仕草に加え、エルヴィスの繊細な内面も表現できる俳優を徹底的に探した。では、一体どのようにして監督はオースティン・バトラーという宝を見つけたのか?


すべてはオーディションとは無関係の動画を、オースティンが送ってきたところから始まった。「オースティンが涙を流しながら「アンチェインド・メロディ」を歌う録画テープを送ってきたんだ。その後すぐに知り合いでもなかったデンゼル・ワシントンから、売りこみの電話がかかってきた」と監督は「エンターテイメント・ウィーリー」で明かしている。


ブロードウェイの舞台「氷人来る」でオースティン・バトラーと共演したデンゼルは、「この若者と舞台で共演したが、彼のような仕事ぶりは見たことがない」とオースティンを電話でベタ褒め。このデンゼルの言葉に後押しされて、バズ・ラーマンはオースティンと会い、現在に至るというわけだ。


・・・これが事の真相だそうです。


このエルヴィスの役を勝ち取ってからというものの、本物のエルヴィスになり切って、どんな細かいステージ動作、アクションに至るまで徹底的にエルヴィスを研究しつくしたそう。


驚くべきことに、若かりし頃の粗削りなロック&パンク的サウンドをかき鳴らす1960年以前のエルヴィスの歌唱シーンは、すべてオースティン・バトラー本人が歌っているのだ。


しかし、エルヴィスの声は年月とともに大きく変化しており、そこをはっきりと見せなければならなかったため、1960年以降のシーンは「時折オースティンとエルヴィスの声をミックスさせている。だが、後半の力強く象徴的な歌唱シーンは、エルヴィス自身の声でなくてはならなかった」とバズ・ラーマン監督は語っている。


でもあの歌唱と腰振りダンス、あまりに完璧でした。


この映画があまりにリアルで、観客にグッとくる印象があるのは、すべてこのエルヴィスを演じたオースティン・バトラー本人によるところが大きいと思う。自分のようなエルヴィスを知らない世代に、本物と間違うかのようなリアル感、実体験をさせてくれたといって過言ではない。



エルヴィスの人生に大きな影響を与えたように、元妻プリシラ・プレスリーは本作にも欠かせない存在となった。「エルヴィス」製作が発表された当初プリシラは、この企画に対し「とても神経質になっている」と公言し、オースティン・バトラーがはたしてエルヴィスの代わりになるのか、疑心暗鬼な態度をとっていたそうだ。


しかしオースティンに元夫の物まねを求めていなかったプリシラは、今作の製作に協力。エルヴィスが愛したメンフィスの家「グレイスランド」でオースティンと向き合っただけでなく、バズ・ラーマン監督やトム・ハンクスと何度も会話を重ねる中で、エルヴィスやトム・パーカー大佐がいかなる人物だったかという、キャストや製作陣にとっては貴重な生きた情報を提供し、映画に奥行きを与えたのだそうだ。



映画の中では、実際大観衆の中でエルヴィスがコンサートをする様子も何度も映し出され、しかもロックコンサートである。女性ファンの絶叫、お互い体をくっつけあい、ひしめいている感じ、もうぎゅうぎゅうである。


コロナ禍のときに撮影されたそうだから、もちろん撮影中止になった期間もあったそうで、本当によくこんな映画がこの時期に作れたな、と驚くばかりです。


自分は、この映画を観て、ようやくエルヴィス・プレスリーを自分のものにできた、という感覚になれたと思います。


エルヴィス・プレスリーの伝記を知る映画は過去にもあったようですが、本作は文句なしのこれさえあればエルヴィス・プレスリーのすべてがわかる1本だと確信します。











nice!(0)  コメント(0) 

エリーナ・ガランチャ リサイタル [国内クラシックコンサート・レビュー]

自分がずっと憧れてきた永遠のディーヴァ、ガランチャ様こと、エリーナ・ガランチャのリサイタルがすみだトリフォニーホールで開催された。6/28と6/29と2日間とも自分は通った。


289859623_5843556542340966_8504688663622798332_n.jpg



思えば2020年のマーラーフェスト2020でアムスから帰国したら、すぐに1週間も経たないうちに、ガランチャ・リサイタルである。うわぁ~これは大変だな~と思いながらも、まさに音楽に溢れた日々を過ごせるんだから、うれしい悲鳴じゃないのか、この幸せ者!と思っていた。


マーラーフェストといって騒いでいたときである。いったいいつのことだ?(笑)そしたら、世界中の誰もが予想もしなかったコロナ禍に突入。音楽界は地獄に落とされた。


ガランチャ・リサイタルも延期に延期で2年待った。ご本人も主催者側もよく中止にしないでくれたものである。主催プロモーターはテート・コーポレーション。


そしてようやくその日が来たのである。自分の中でいろいろ想うところが多かった。


89254738_10156922690801127_5743894682472022016_o[1].jpg


エリーナ・ガランチャ。


ラトビアの歌手である。自分は2010年の米METのカルメンでその衝撃ともいえるセンセーショナルな旋風を巻き起こしたときをきっかけにファンになり、ずっと注目してきた。


その年だったか、年末のベルリンフィルのジルベスターコンサートでラトル指揮でソリストとして歌ったのもとても印象的ですっかり彼女の虜になってしまった。NHKで放映されたその録画を何回も何回も擦り切れるほど繰り返して観た。当時の自分にとってガランチャといえば、カルメンだったので、もちろんそのジルベスターでカルメンを歌ってくれたときは、この上ない幸せだった。


2013年にザルツブルク音楽祭を訪問できたときも、祝祭大劇場でのムーティ&ウィーンフィルのオーケストラ・コンサートでヴェルディのレクイエムのときも、独唱ソリストで登場していた。自分がガランチャの実演に初めて接した体験はこのときだと思う。


なにせ、ヴェルレクであのような曲だから、ソリストが活躍するシーンも短く、あっという間だった。でも将来、オペラやリサイタルをじっくり体験したいと思っていた。


そのときはすぐにでもそれが実現できそうな気がしていた。


あれから10年、まさかこんなにインターバルが空くとは思ってもいなかった。


ガランチャが日本に初来日したのは、2003年の新国立のホフマン物語のときだそうである。ガランチャが世界的なスター街道を一気にかけ上がっていたのが、2003年ザルツブルク音楽祭でニコラウス・アーノンクール指揮によるモーツァルト「皇帝ティートの慈悲」のプロダクションでアンニオを歌ったときである。


このときからガランチャの国際的な活躍が始まった。


そんな世界スターになる前に、新国立で歌っていたんですね。自分はまったく知らなかったです。


あれから19年ぶりに日本来日。日本での初のリサイタルを開催してくれたのである。



188978691_322185302598456_8826526355432255393_n.jpg


現代オペラ界の頂点に君臨。まさに欧米の第一線で活躍しているオペラ歌手を堪能できるのである。


自分がオペラ歌手に対して、猛烈に追っ掛けしたのは、グルベローヴァさま、こと、エディタ・グルベーロヴァの来日ツアーである。でも悲しいかな、グルベローヴァさまは、もう全盛期はとっくに過ぎ、引退宣言もしてそれを撤回しての来日ツアーだから、衰えも隠せず、実演を聴いても往年の声の張りもなく悲しいところもあったが、でもやはりオペラファンにとって、グルベローヴァさまの実演に接することができただけでも大感動なのである。


一生の宝物なのである。


それに対して、ガランチャ様は、いままさに頂点なのである。歌手キャリアの中で、いまがもっとも光り輝いているときなのである。


ヨーロッパのオペラハウス、米METなどの第一線を走り抜けているそんな最高のときを堪能できるのである。これほど至宝の体験はないと思う。


ガランチャの実演に接するにはどうしたらいいのか。自分なりに考えていた時期がある。なにせ欧米オペラ界の一流の大スターである。


新国立のオペラでふたたび呼んでくれるだろうか?たぶん自分はそれはないだろうと思っていた。


新国のオペラというのは、やはり年間の予算というのが決まっていて、1つのプロダクションにかけられる予算もさらに限られてくる。舞台芸術の舞台装置から、歌手、合唱のギャラに至るまで。だから選出される歌手は、新人とか、これから世界に羽ばたいていきそうな新しい人材を選ぶ傾向にあって、出演ギャラもそんなに高騰ししていない頃の人材を選ぶものである。


そういう海外の若手歌手と日本の二期会の日本人歌手と和洋折衷的な感じで組むのが新国オペラだと推測するのである。


そんな中で、ガランチャのような第一線の歌手を呼ぶことってあるのかな?と思ったりした。やはりギャラ的に難しいのではないかと自分で勝手に思っていた。


そうしたら、もう彼女を聴きたいのなら、もう自分からヨーロッパに行かないとダメなんだろう。こちらから現地に赴かないと聴けない歌手なんだろうという結論に達した。


日本で実演に接するには、リサイタルというスタイルが一番近道なのだろう。


でも基本は自分がお金をかけて、ヨーロッパや米国に出向く。そういう歌手なんだ。夢はとりどめもなく高いな、と挫折しかけたこともあった。


283914572_587041579446159_7155408153055115597_n.jpg


彼女の声音域はメゾ・ソプラノなのだが、メッゾらしい安定感があって、ガランチャの声は本当に定位感がよく安定しているので、聴いていて気持ちがいいのである。ソプラノは本当に高音域の美しさがいいけれど、じつは高音域であるからこその線が細くて、不安定要素も大きい。それに対してメッゾは、すごく安定感があって、声の線が太いので、とても安心して聴ける良さがあるのである。


自分がガランチャが素晴らしいと思うのは、そしてオーディオで録音を聴いていて思うのは、とにかく定位がすごくいいこと。発音の音程の安定感が飛びぬけて素晴らしい。声の線は太い方だけれど、安定感抜群の美しさがあってそこに惚れているのである。


そしてそこにスタイルが抜群で、さらに美貌ときている。なんか天は二物も三物も与えた感じで、いつかじっくりリサイタルでも堪能してみたいディーヴァ(歌姫)だと思っていたのである。



オペラ歌手はその得意のレパートリーからして、ワーグナー系、ベルカント系とかに分けられる傾向があるが、彼女はとくにそのような分類はないような感じがする。でもワーグナー系ではないことは確かである。(笑)キャリアでもワーグナーの演目はやっていないようだ。


モーツァルト、ロッシーニ、ヴェルディ、R.シュトラウス、ロッシーニ、ベッリーニ、ビゼーなどなど。


所属レーベルはDG。彼女の録音はかなり買え揃えている。そのたびにいままでも自分の日記で幾度も取り上げてきた。



242052231_411805156969803_8380075716625905610_n.jpg


クラシック、オペラは自分にとって”現実逃避”。


普段の会社生活、仕事での自分の世界から、まったく異次元の夢の世界に自分を連れてってくれる。その現実社会から離れて、夢を見たいから、その稼いだお金を、みんなそこに惜しげもなくつぎ込むのだ。そのために会社で働いている、仕事をしているのだ。


それが生き甲斐なのだ。



DSC07070.JPG


DSC07080.JPG



初の単独日本リサイタル。すみだトリフォニーで、初日は3階席、2日目は1階席で聴いた。



実直な感想を述べると、実演とオーディオでそんなに差のない自分のイメージした通りの歌手だと思った。よくオーディオで録音を聴いていると、すごくいいのだけれど、じっさい実演に接してみるとガッカリする歌手は結構多いのだ。


その点、ガランチャはまったく差がなく、むしろ実演のほうが全然素晴らしい歌手であった。


あの声量感、ダイナミックレンジ、そして抜群の定位の良さ。自分が想像している以上に凄かった。


ガランチャの一番の魅力は、その完璧なまでの定位の良さ、音程の安定感だと思っているのだが、それ以上に驚いたのが、声量である。とくに強唱のときのあの声量は凄すぎる!!!(滝汗)


これは実演に接して初めてわかることだと思う。オーディオで録音を聴いているだけでは、絶対わからないと思う。


強唱のときでも、けっしてサチらない(飽和しない)。要はいっぱいいっぱいな感じではなく、器の容量が大きく、その大きな容量の中で十分にコントロールされている強唱なのである。


それでいてあの声量感。これは恐れ入りました。凄すぎる・・・、と冷や汗だった。


初日の3階席で聴いているとき、視界的には本当に豆粒くらいにしか見えないのに、発せられる声量はすごいのである。2000~3000人は収容すると思われるホールの隅々まで響き渡るのである。もちろんマイクなんてなく地声ですよ。オペラ歌手って本当に凄いな、と思ってしまう。


その圧倒的な声量、D-Rangeにもう驚愕されっぱなしであっという間の2時間だったと思う。


もうひとつ凄いと思うのは、歌い始めた最初からエンジン全開、絶好調なのである。ふつう歌もの、歌手のコンサートというのは、最初は喉が温まっていないせいもあって、歌い始めはかなり不安定なものである。聴いている側は、ちょっとちょっと大丈夫?と心配するくらい不安定なもので、これが中盤から終盤にかけて、喉が温まってきて、ラストは最高潮に感動・・・こういうパターンである。


自分がいままで経験してきた90%以上はこのパターンである。生身の人間が楽器のコンサートなんだから、それも仕方がないことと思っていたところもある。


でもガランチャは、もう最初の1曲目から、まさに絶好調、最高潮のボルテージ、テンションなのである。(笑)これは驚くしかなかった。


259971492_465826164901035_4355515234854787690_n.jpg


260091954_465826161567702_2828268464087208792_n.jpg


演目は、ブラームスに始まり、ベルリオーズ、ドビュッシー、サン・サーンス、グノー、チャイコフスキーなどすごい多岐に渡り、熟慮を重ねたよく練られた構成の曲のように思えた。



自分があまり聴いたことのないような曲が多かった。でもカルメンのハバネラを聴けたときは、もうこれで十分だなと思った。


まさかガランチャ様のカルメンのハバネラを、こうやって生で聴けるなんて!自分の目、耳でじかに体験できたなんて、ファン冥利につきるのではないだろうか。これ以上の幸せはない。


2日目は、1階席の真ん中なので、ステージ上での表情や演技もよく拝見できた。


1曲1曲、とても表現豊かで演技が入っているのが素晴らしい。歌ってよし、美人で、愛嬌もある。


驚いたのはアンコールである。第1部(前半)と第2部(後半)は比較的に真面目に進行していくのだが、アンコールが大変な盛り上がりだった。最初、我々は3曲くらいやって終わるのだろう、と思っていたのだが、初日で6曲、2日目で7曲の大サービスだったのだ。


3曲目以降になると、さすがに聴衆もみんなびっくりですごいどよめき(^^;;と大歓声である。1曲ごとにガランチャの流暢な英語でコメントを発しながら進んでいくのだが、もう聴衆はアンコール後半になるにつれて、狂喜乱舞である。ガランチャ自体、すごい陽気で明るいキャラなので、そのノリもあって、すごい盛り上がりだった。


もうこれはアンコールではない。列記とした第3部なのである。この第3部アンコール編でコンサートは一気に頂点に達した。


これはあとで自分が思ったことなのだけど、これは彼女の計算のうちなんじゃないかな、と思うのだ。第1部、第2部とうって変わって、観客から大歓声と大拍手でどんどん乗っていく、彼女は完璧なまでのエンタティーナー、ショーマンなのだと思う。


圧倒的な歌唱力で、すごい馬力でどんどん進んでいくと思えば、根っから陽気で愛嬌がある。明日もあるのに、アンコール6曲、7曲も平気でどんどん歌って頂点に誘っていく。


女性なんだけど、


鉄人・・・


思わずそんなイメージを頭を過るそんなすごいパワーを感じるオペラ歌手でした。



最後に、ガランチャの実演に接して思ったこと。


我々アジア系の人種で、このように同じ世界観を表現できるのか。自分は正直なところ、かなりジェラシー、嫉妬のようなものを感じた。


クラシックは西洋人の音楽。そこに我々は根本的なコンプレックスがある。小澤征爾さんも、自分はモルモット。西洋人のものであるクラシックの世界に東洋人の自分がどこまでできるのか、だと仰っていたのは有名な話だ。


それもずいぶん昔の話。いまでは日本人演奏家、日本人歌手の実力も軒並みレベルが上がってきてそういうことをまったくといっていいほど意識しなくなった。


現に聴衆である自分も、コロナ禍になる2020年前までは、まったく外来オケ、外国人歌手と日本オケ、日本アーティストなどの差なんかまったく意識したことなく楽しんでいた。そんなこと思ったこともなかった。



コロナ禍になって、海外のオーケストラや海外アーティストの来日がまったくなくなって、そういうブランクがあって2年ぶりにひさしぶりに体験して、なんかそんな微妙ななんともいえない嫉妬を感じたのだった。




エリーナ・ガランチャ リサイタル2022


2022年6月28日(火)・29日(水)

すみだトリフォニーホール


第一部


ブラームス(1833-97)


「愛のまこと」Liebestreu Op.3-1

「秘めごと」Geheimnis Op.71-3

「僕らはそぞろ歩いた」Wie wandelten Op.96-2

「ああ、帰り道がわかるなら」O wusst ich doch Op.63-8

「昔の恋」Alte Liebe Op.72-1

「五月の夜」Die Mainacht Op.43-2

「永遠の愛について」Von ewiger Liebe Op.43-1


ベルリオーズ(1803-69) 劇的物語「ファウストの劫罰」より「燃える恋の思いに」


ドビュッシー(1862-1918)「月の光」


サン・サーンス(1835-1921)歌劇<サムソンとデリラ>より「あなたの声で心を開く」


グノー(1818-93) 歌劇<サバの女王>より「身分がなくても偉大な方」


休憩(Intermission)


第二部


チャイコフスキー(1840-1893)歌劇<オルレアンの少女>より「さようなら、故郷の丘」


ラフマニノフ(1873-1943)

「信じないでほしい、恋人よ」

「夢」

「おお、悲しまないで」

「春のせせらぎ」


アルベニス(1860-1909) タンゴ ニ長調


バルビエリ(1823-1894) サルスエラ<ラバビエスの小理髪師>から「パロマの歌」


ルペルト・チャピ(1851-1909) サルスエラ<エル・バルキレロ>より「とても深いとき」


サルスエラ<セベデオの娘たち>より「とらわれし人の歌(私が愛を捧げたあの人のことを思うたび)」







nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。