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さらば!キングチャイナ [グルメ]

うちの街に住み始めたのは、ヨーロッパから帰った年の1995年。もう28年も住んでいる。


東京に住むようになって、こんなに長い間ひとつの街に住んでいるのは、いまだにロングラン記録続行中だ。


なぜこの街だったかというのは、帰任のときに住居を会社が補助してくれる仕組みになっていて、少々家賃が高くてもいいメリットがあった。(ただし有効期間がある。)


だから、いろいろな街の住まいの候補を見て回ったのだが、ここが一番しっくり来た。有効期間が過ぎて、補助がなくなり、家賃がバカ高いので、そして会社借り上げの住居だったので、前職退職とともに、引っ越した。


心機一転、違う街という手もあったが、それをサーベイするのが面倒で、人間歳をとると長い間住んだ街が勝手がよく、同じ街内に引っ越した。


この街は、昔の松下通信工業があった街で、大学の卒業時の会社見学で伺ったことがある。説明会での社員の方々が明るい雰囲気で大変印象がよく、うちの学生の中では人気が高かった。


帰任後にこの街に最初に住んだ高級マンションの真横は、現在のパナソニックの寮がある。(笑)もともとは松下通信工業用の寮だと思うが、松下通信工業はいまはなくなり、近くの鴨居に立派なオフィスのパナソニックがあり、通信関係はここに集約されているようで、ここの住人はそこに通っているんだろう。


なにかと縁がある街なんだろう。(笑)


正直この街に住み始めて、栄光から挫折まで、まさに天国から地獄まで経験した28年間だった訳で、地獄は、大病を患い3年間休職して、この街のマンションを無住居状態で3年間家賃を払い続け、自分の身ひとつで北海道の親元で療養したことだ。


そして復職する数か月前に、この街の自宅に戻ってきたとき、自分の部屋に戻ったときのあの部屋のかび臭いニオイ。(笑)


そして復職前の準備期間として、きちんと生活が営めるかどうか、ということで、うちのオヤジが自分の部屋に数か月同居して監視。きちんと自炊できるか、ふつうの生活が営めるか、そしてなによりも3年間不在だった部屋の大掃除。


病気前までは料理なんか作ることのなかった自分はそれではダメだ、とオヤジに言われ、実家で3年間療養していた時に、母親から料理の猛特訓を受けていたのだ。


そのおかげでまったくド素人から料理を作れるようになった。母親から、そしてオヤジといっしょに通った男の料理教室で学んだレパートリー、しっかり大学ノートに書いてある。これは自分の料理人生の中でお宝だ。



オヤジといっしょにこの街にあるイトーヨーカドーによく買い物に行きましたよ。自炊するようになってから、食材を買うのは、かならずここのイトーヨーカドーだった。イトーヨーカドーは、当時この街にあるスーパーマーケットとしては1番大きい規模で、この街に住み始めた1995年からずっと営業していていまに至る。


ときたま、イトーヨーカドーに行くことがあるんだけど、そうすると、なんか胸キュンしてせつなくなるんだよね。あの頃、オヤジと一緒に療養していた時代を思い出すのだ。ここにはほんとうに甘酸っぱい想い出がいっぱい詰まっている。


イトーヨーカドーが全国規模で閉店するニュースが出たけど、おらが街のイトーヨーカドーはなんとか難を逃れて欲しい気はする。


まさに復職前の数か月間、社会復帰を目指し、オヤジとこの街で一緒に暮らし、いまは亡きオヤジとの強烈な想い出として脳裏に刻まれている。まさに人生最悪の地獄だったときだったな。



そしてSNS生活を始めるようになってからも、この街にいるときで、そこから人生好転したような気がする。


まさに天国から地獄というのは言い得て妙で、自分の人生の縮図がこの28年間、この街に詰まっている。


だから去りがたいものがある。もっとお洒落で綺麗な街はいっぱいあるだろうけれど。




うちの街は、正直お洒落でもなんでもない。いろいろなお店がごっちゃに出ている商店街が特徴であって、そこのお店は、28年間も眺め続けると、いろいろな変遷があった。とくに飲食店なんかは、ものすごいサイクルで出店したり、閉店になったりで、その入れ替わりが激しい街と言える。


でも中には、自分が来た時から、ずっとやっているお店もあって、その中の代表格であった中華料理屋さんのキングチャイナが閉店になるという。(いまから4年前の2019年の話です。)



大ショックだった。


内輪向けの話題で大変恐縮だが、このキングチャイナ、この24年間でずいぶんお世話になった。


駅のすぐ傍にあって、とにかく飲食店は星の数ほどうちの街には存在するのだが、その中でも、”困ったときのキングチャイナ”という異名をとるほど、その安定したボリューム、美味しさ、そして安さは別格で、とにかく安定しているので、なんかお腹が空いた、というときは、星の数ほどたくさんある見知らぬお店に入って冒険するよりも、このキングチャイナに入ったほうが、よっぽど間違いないというか無難なのである。


この飲食店については、入れ替わりの激しいこの街に40年間もやっていた、この街の住民なら知らない者はいない超有名店である。


ツィッターで閉店の知らせを知った。


みんな驚愕していた。


そりゃ驚くよ。絶対閉店しそうにないお店だったから。


儲かってないから閉店するというのではないと思う。行列ができるほどではないが、いつ行っても店内は満員状態で、儲かってるんだろうな、いつも思っていた。


だからなぜなんだろう?・・・だ。


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だから今日を持って閉店になる訳だが、今週はいつ行っても大行列だった。


みんな、おらが街情報のツィッター、チェックしているんだね。(笑)おらが街情報のチェックにはツィッターはすごくいい。こんなところに新しい店がオープンとか、あるいは閉店になる、とか身近なローカルな情報なので、ふむふむなのだ。


とにかく24年間ずいぶんお世話になった。


何を隠そう、拙宅におけるオーディオオフ会のときに、オフ会終了後にゲストの方をこのお店で夕ご飯を御馳走したこともたくさんあった。


この店内の写真を見ると、「あ~!覚えている!」と思われる方も多いだろう。(笑)


普通オフ会でご馳走するのは、もっと個性のあるお洒落で変わったお店がイイのかもしれないけれど、たかが中華なんだけれど美味しいし、腹いっぱいになるし、ゲストの満足度が高いお店だった。



また、サントリーホール開館30周年記念ドレスコード・コンサートから帰った時に、ビシッと礼服で決めた格好しているのに、おらが街に帰ったら、急に腹が減って、このキングチャイナで、礼服を着たまま中華のご飯を食べたこともあった。(笑)


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本当にふつうのラーメン、餃子の中華料理屋さんなんだよね。

驚きはメニューがすごいたくさんバラエティーがあること。


定番メニューの他に、日替わり定食というローテーションで変わるメニューもあって、飽きることはまずなかった。


たぶん、このキングチャイナで、自分が一番注文したであろう、A定食(焼肉とオムレツ)。

ボリューム感満載だ。


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40年もやっていて、いつも満員だったのに、突然の閉店宣言。

儲からないという意味ではなく、もっと別な理由があるんだろうな。


復職してからすっかり自炊もしなくなり(笑)、いつも会社から帰ってきたときの晩御飯として重宝していたキングチャイナの閉店。


これは痛い!!!


そんないつもお洒落なフレンチとかイタリアンとか食べていられない訳です。(笑)



あとがき(2023/9/7補記)

いまこのキングチャイナのあった場所は、隣にあるバスターミナルの待合場所というかそんなスペースになっています。







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