SSブログ

スチュアート・コープランド [海外ロック]

スティング、アンディ・サマーズと語ってきたら、ドラマーのスチュアート・コープランドのことも語らないといけない。もうこれは自分の使命である。


FXvvHo9UIAY7uM0.jpg


329243229_3086014751691178_4204660937031406988_n.jpg



”ポリスサウンド”とは?とあらためて考えたときに、いろいろな要素がある中で、スチュアート・コープランドのドラムはもっとも大事と言うか、その根底にある基本中の基本と言っていい。


彼のスネアドラム”ビシッビシッ”と疾走する感じで突っ走るドラムは、まさに”ポリスビート”と言われ、ポリスというバンドのサウンドの根底にあった。


とくに左手のスティックの持ち方に特徴があって、その左手がいわゆる、”ビシッビシッ”のビートを生んでいるのである。


左手で一定間隔のリズムで”ビシッビシッ”を叩き出し、それをベースにして、右手でランダムに高速の飾りの装飾打音を加えていく。


これがスチュアート・コープランドのドラム技法である。彼のドラムの一番のポイントは、この左手による一定間隔のビシッビシッなのである。これがすごい疾走感で突っ走っているような印象を我々に与える。ポリスビートと言われる一種独特のドラムビートに聴こえるのは、すべてこの左手の使い方にあると自分は思っている。


タイミングが前であること。フラムの多用。


ロックバンドでいろいろなドラマーを見てきたけど、かなり個性的で特徴があり、あまり他にはいないタイプだった。


295669652_5460968910630733_8243607374198954600_n.jpg


312228948_5698028793591409_2328219529953499155_n.jpg


あの人間業とは思えない、規則的で一定間隔で叩き出すビートは、本当にすごいものがある。よく彼らのライブの映像素材を夢中になって見ていたので、スチュアート・コープランドは、じつにうまいドラマーだな~と子供の頃から思っていた。


そしてスラっと細身でさらに長身で、とにかく身体能力、運動能力が抜群に長けた人で、もう全身バネなのである。もうバネとしか言いようがないくらいピョンピョン、瞬発力がある。


ライブの最初にステージに3人が上がってくるときも、スチュアート・コープランドは大抵Tシャツに半パンツという軽装で、汗をかき、運動量が半端ないドラマーにとってはある意味あたりまえの服装なのだが、もういつもステージ上でピョンピョン跳ねているイメージしかない、自分には。


とにかくすごい体にバネのように瞬発力があって、あういう体の造りだからこそ、ポリスビートが生まれたんだな、と思ってしまう。


ロックバンドのドラマーは、数知れず出会ってきたが、かなり個性が強いユニークで特徴的なドラマーだと自分は思う。


彼のスネアの効いた”ビシッビシッ”のビートを体験してしまうと、もう他のバンドのドラマーの音は温くて緩くて自分には刺激のないものに感じてしまう。


スチュワート・コープランドのドラムは左手の使い方に特徴があると言ったが、音量が求められるロックドラマーとしては珍しく、左手の手のひらを上に向ける「レギュラー(トラディショナル)・グリップ」の使い手なのである。


プレイはリバウンドを最大限に活かし、アタックが強くオープンリムショットや打面を両手でほぼ同時に叩く「フラム」を多用するのが特徴。


そして、何より肝心なのはハイハット・シンバルの表現力。


とにかく突っ走る感じで、放っておくとどんどん前のめりになっていってしまう。走るタイプのドラマーである。切れ味が素晴らしい。



スティングは、感情が高ぶりやすい。

アンディ・サマーズのプレイの安定感によりギリギリの線を保ち、豊かな演奏をしている。そんな3人のバランスであろうか。


ドラムが「ハシる」というのは決して悪いことではなく、これこそがスチュワート・コープランドの味であり、ポリスを象徴していると言っていい。



使用ドラムは日本のTAMAの愛用者で有名である。


327254764_702689454656744_4599378134108921333_n.jpg


そんなスチュワート・コープランドだが、25歳で参加することとなるポリス以前には


・プログレッシブロックバンド「カーヴド・エア」

・ジャズロックバンド「ラスト・イグジット」


に参加しており、プログレやジャズロックの土台があった。


そのため、エイトビートを美徳とする「パンクバンドのドラマー」では考えつかない視点を備えていた。


運動能力、身体能力抜群のドラマーだったが、音楽的な素養、知性溢れる音楽家でもあった。


スティングに出会い、彼の才能に惚れこんで、彼を誘ってポリスというバンドを立ち上げたのは、スチュアート・コープランドである。


”POLICE=警察”と人を喰ったようなバンド名を考えたのもスチュアートである。


またポリスのあのレゲエサウンドを考案したのもスチュアートである。スチュアートがスティングにレゲエを薦めて、スティングがすっかりその魅力に取りつかれてしまい、自分の作曲にどんどんレゲエを取り入れていくようになる。


ロックバンドにありがちな単調なエイトビートの範囲を大きく逸脱した複雑なリズム体系を取り入れて、かなり高度なサウンドを構築できたのもスチュアートの音楽的素養と彼のドラミングによるところが大きい。


デビュー当時は、ロンドンのパンクバンドのひとつとして見られていたが、そんなやつらとは3人は経験や素養が全然違っていた。それがすぐにわかってきて、実力通り、頭角を現してくるのである。


ポリスをパンクバンドとしてデビューさせようというアイデアもスチュアートである。



スチュアート・コープランドはアメリカ生まれのアメリカ人である。


父マイルス・コープランドJr(1916年~1991年)はミュージシャンで、CIAのエージェントでもあり、その前身である戦略情報局が設立された時のメンバーであった。


母ロレーヌ・コープランド(1921年~2013年)はスコットランド人の考古学者。長兄マイルス(コープランド3世、1944年~)はインディレーベルを創業してポリスをデビューさせ、ポリスの初期のマネージャーも務めた。のちI.R.S.レコードを創業しR.E.M.やゴーゴーズを世に送り出した。次兄イアン(1949年~2006年)は、ポリスのブッキング・エージェントを務めていた。


スティングはどちらかという内向的でナイーブな性格でクリエイターの役割なので、ポリスというバンドの運営などは、兄たちがバンドのマネージャーをしていたこともあり、スチュアート・コープランドが実質的なリーダーといってよかった。



そしてスチュアート・コープランドはどんな人、性格なのか?


318348347_5848316285229325_2623022574081407192_n.jpg


316554633_5550308405065092_5324926944781855448_n.jpg


もうアメリカ人そのものである。根っからの明るい性格で、もうヤンチャそのものである。そしてマシンガンのように喋り出したら止まらない。


ポリスの最初の頃のインタビューで3人で受けていたときのこと。インタビューアーの質問に対してスチュアートが一方的にずっと喋りっぱなしで、他の2人は話す機会がなかったことがあったそう。


それ以来、バンドのインタビューは、今回は誰が答える、というように、答える担当を決めて臨むことになったそうである。


根っから明るいアメリカ人のスチュアートと、内向的でナイーブなスティング、そしてギタリストとして経験豊富で人生でも先輩だったアンディ。そんな絡み合いだったようである。



スチュアート・コープランドにとって、スティングとアンディとのつながりは、どのくらいのスピードで発展していったのだろうか?あるインタビューでこんなふうに語っている。


「スティングとは、すぐに打ち解けたよ。彼が演奏しているのを見て、“すごいベーシストだな、それに歌も歌える!かっこいい!これはいい。これで僕の歌のニーズは満たされる”と思ったよ。でも、彼があんなに歌えるとは誰も思っていなかったんだ。


アンディが加入したとき、スティングは意見を言わないので、バンドのマネージャーとしてはちょっと居心地が悪かったんだ。僕がフォトセッションを行い、写真を選ぶと、彼は“いいよ、何でもいいよ”と言うんだ。彼は音楽をやるのに忙しいんだ。それが彼の仕事だからね。


でも、アンディが加入してからは、いくつかのことがあった。第一に、意見を求める行為(セカンド・オピニオン)に対応しなければならなかった。アンディがいることで、バンドにもう一人、ビジネスのことを考える人がいることは、実は素晴らしいことだったんだ。


もうひとつは、本当に重要なことなんだけど、彼が持っていた派手なコードだったんだ。スティングに火をつけたんだ。アンディがバンドに加わった日から、スティングは、ものすごい曲を書き始めたんだ。ジャズをやっていた彼は、自分がどれだけ優れたソングライターなのか、本人もわかっていなかったんじゃないかと思う。でも、3分間の曲を演奏することを余儀なくされ、アンディのスキルと才能に恵まれたことで、すべてが一つになり、彼は素晴らしい曲を書くようになったんだ。」


ポリスが実質活動を休止し始めた1984年以降。スチュアート・コープランドはどのように音楽家・ドラマー人生を歩んできたのか?


スチュアートは、非常に頭の回転が速く、頭脳明晰で、知性も豊富だった。単なるいちドラマーとして人生を終えなかった。


ポリス解散か?永久に活動休止と言われていた1984年以降。スティングはソロ活動開始。アンディは盟友ロバート・フィリップとギターの共作アルバムを制作。そしてスチュアートは映画のサントラを制作するというミッションで忙しかった。


スチュアートが担当した映画サントラが、この「リズマニスト」である。1985年かな?スチュアートがアフリカの巡礼の旅をおこないその模様を収録した映画で、スチュアートのソロ映画作品、そしてサントラだった。


リズマニスト.jpg


298706974_5493915767336047_4712564928179432956_n.jpg



1985年当時、スティングのソロはレコードを買って聴いていたし、アンディとロバート・フィリップスのギター共作のアルバムもレコードを買って聴いていた。でもスチュアートのこのサントラのソロ作品だけ買えなかったんだよね。大学の学生だったから当時お金がなかった。それ以来ずっと聴きたいと思いながらもずっとそのままになっていて、今回スチュアートの日記を書くにあたって、このアルバムを買って聴こうと思った。


でもすでに廃盤で通常ルートでは買えなかった。中古市場で探し出し、5000円も払ってやっと入手しましたよ。


DSC02439.JPG


もう感無量でした。もう40年ぶりの再会である。40年経っていまようやく彼のソロを聴けます。


全般的にアフリカのあの民族音楽が全体のモチーフとなっていて、すべての曲に装飾されている。あの当時はポリスのドラマー、スチュアート・コープランドが担当したサントラということでかなり話題沸騰になっていたけど、いま聴くとやはり色褪せるというか、アフリカ民族音楽を聴いている以上のものはあまり特別に感じなかった。ただ9トラック目の曲で一気に目が覚めた。あのスチュアートのビシッビシッというビートが炸裂して、おぉぉぉおおお~これこそスチュアートのドラムということで、興奮してしまった。このアルバムで唯一自分がオッと思ったところかな?


この映画では、こんな撮影も。オリの中でドラムを打ちまくり、ライオンが興奮して襲ってくるみたいな。(笑)


ライオンのオリ.jpg



バンド活動休止になってからも、スチュアートはいろいろ活動が豊富で忙しかったようである。


1989年にアニマル・ロジックという3人編成のバンドを結成する。ベースとシンガーとドラムというトリオである。2枚のアルバムを出したが、続かずそのまま休止状態だったが、2022年に再結成して31年ぶりに新曲を発表したそうだ。


Animal Logic.jpg


316035860_10229585200873083_1054736525550060282_n.jpg


作曲家としての活動も豊富でいわゆるサウンドトラックである。


1983年、映画監督のフランシス・フォード・コッポラの依頼で映画「ランブルフィッシュ」の音楽を担当して、ゴールデングローブ賞の作曲賞にノミネートされた。これをきっかけにコープランドは、映画「ウォール街」(1987年)、「トーク・レディオ」(1988年)、「見ざる聞かざる目撃者」(1989年)、テレビ番組「ザ・シークレット・ハンター」(1985年-1989年)、Dead Like Me(2003年-2004年)、ビデオゲーム「スパイロ・ザ・ドラゴン」などのサウンドトラックを担当した。



オペラ・バレエ・管弦楽曲でも活躍している。


「ランブルフィッシュ」の制作スタッフの一人であったマイケル・スムーインがサンフランシスコ・バレエの監督になり、コープランドにバレエの作曲を依頼した。彼は依頼に応えて「リア王」を作曲し、サンフランシスコ・バレエはこの作品を1984年に初演した。彼はこの活動をきっかけに、クリーブランド・オペラの総監督であったデビッド・バムバーガーにオペラの作曲をもちかけられて、4年間を費やしてHoly Blood and the Crescent Moonを作曲したのだそうである。


ポリス時代でもアルバムの曲の8割から9割はスティングの曲なんだけど、残りをアンディとスチュアートで分けるみたいな感じで、デビュー当時から作曲には携わっていた。ただそれをお披露目する機会がなかっただけのこと。


ポリス時代のスチュアートの曲はなかなかセンスがよくていい曲が多いと思っていたので、ソロになって自分の作曲能力を存分に発揮できていて本当によかったと思う。


この彼の作曲活動の履歴をいま理解しても、まったくすごいと驚かないし、彼ならそれだけの才能はあったと思っている。



いま最近のスチュアートの活動はどうなのか?

ちょっと調べてみた。そうしたらびっくりたまげてしまった。


なんと!!!クラシックのオーケストラとドラムとの競演ということで、クラシックのコンサートホールでコンサートをやっているのだ。


3YgHQpEtnTtyCPjHSfFpcS.jpg


スチュアート・クラシック.jpg


300383558_10218964912948874_636604008550848388_n.jpg



Police Deranged for Orchestraということで、ポリスの曲をオーケストラを使って実現しようという試みである。セットリストを見ると、デモリューションマン、キング・オブ・ペイン、ロクサーヌ、マテリアル・ワールド、ウォーキング・オン・ザ・ムーン、高校教師、そして見つめていたい。。。


あのポリス時代の名曲目白押しである。

しかもアムステルダム・コンセルトヘボウでの実現である。(笑)


そのときの模様を紹介しよう。なんとスチュアートが指揮までやっている。いやいやギターまで弾いちゃってますよ。(笑)ポリスの曲をオーケストラで演奏する時代が来るとは思ってもいなかった。


クラシックの世界では弾き振りというのがあるじゃないですか?この写真を見てみると、どうも弾き振りならない”叩き振り”という感じなんですよね。ドラムをオーケストラの中心に添えるとは!


クラシック界におけるロックバンド・ポリスへのオマージュという図なのでしょうか・・・。


もう驚きとしかいいようがないです。


300778420_2884347418378746_2583044454240790781_n.jpg


299920537_2884347321712089_231531246185568944_n.jpg


300000119_10218964915668942_1733088635087398761_n.jpg


300464079_10218964913228881_8959921615915900116_n.jpg


300372169_10218964913948899_1475479339996250529_n.jpg


299941806_10218964915748944_3185535627606332605_n.jpg


300593788_2884347931712028_6100476998903698346_n.jpg


300833867_2884370801709741_2176331167953293663_n.jpg



Police Deranged for Orchestra。


Derangedというのは「精神が錯乱した」「気が狂った」という意味である。(笑)まさにポリスの曲をクラシックアレンジというのは狂気の沙汰なのだろう。


なんと!さらに驚くことに、このPolice Deranged for Orchestra、アムステルダム・コンセルトヘボウだけではない。去年の2022年から今年の2023年にかけて、いま世界ツアーをおこなっているのだ。(笑)


Stewart Copeland Classics-2.jpg


スチュアート・クラシック-2.jpg


ロンドン、ドイツ、ハンガリー、ポーランド。。

ひたすら驚くしかない。



まさか、スチュアート・コープランドがポリスの曲を使ってオーケストラと共演してクラシックのコンサートホールで演奏する日がやってくるとは!夢にも思わなかったです。(笑)日本にも来てほしいです。



陽気なアメリカン、スチュアート・コープランドの快進撃はまだまだ続きます。


彼が参加したアルバムのサウンドが本年度2023年のグラミー賞でベスト・イマーシブ・オーディオ・アルバムとしてノミネートされているそうだ。イマーシブ、3Dオーディオ、空間オーディオですか。。。最先端を行っていてさすがとしかいいようがないです。


320534768_693004149084742_3103670979002842243_n.jpg



ドラムだけじゃないよ~~~・ギターも弾いちゃいます。(笑)


ギターを弾いている.jpg



陽気なアメリカン、なんか元気そうでよかったです。

ひさしぶりにスチュアート・コープランドのことを気にかけてみたら、予想をはるかに超える活躍ぶりで安心しました。


なんか自分はえらく元気をもらった気がします。









nice!(0)  コメント(0) 

スティングの来日公演_2023に向けて [海外ロック]

スティングがまた来日する。「マイ・ソングス・ジャパンツアー2023」である。


Sting Tour_2023.jpg


「マイ・ソングス」というのは、いまから4年前の2019年にポリス時代からの自分のヒット曲をセルフカバーしたベストアルバムである。


ポリス時代の名曲からソロ楽曲まで40年以上のキャリアの総決算、いわば自分のミュージシャンとしての道標、歴史絵巻のような位置づけのアルバムである。そしてその秋には、そのベストアルバムにちなんだ世界ツアーもおこなった。


日本にも来てくれて、行きましたよ~。

幕張メッセでした。


とにかく幕張メッセというのは展示会用ホールであって、音楽ライブ会場としてはどうなのか、という感じで、ましてや大爆音のロックショーである。もう体中にドスンドスンというすごい振動が伝わってきて、耳が壊れるくらいの大音量。


そのとき、自分は年齢的にも体力的にも、もうロックのライブは無理かな、と感じてしまった。


今回、また日本に来てくれるということで、また行ってみる?とも過ぎったが、4年前と比較して、いまはかなり耳が弱くなっているので、もうあのような爆音は無理だな~と思い、今回は遠慮することにした。


自分にとって、2019年の「マイ・ソングス・ジャパンツアー」が自分にとってのスティングの総決算であった。


あの公演は最高に素晴らしかった。

日記にもその熱い想いを書いた。


「スティングが、ロックや彼仕様のジャズ・ロックの音楽性に飽きてきて、クラシックやもっと違った音楽性にトライしていたようなところもあって、ずっとそういう期間が長期間あり、ロックからすごく距離を置いていた時代があったと思う。


アーティストとして自分の音楽性を広げるという点では、それもあくまで正しい選択なのだけれど、やっぱり古くからのファンというものは、いつまでも自分がもっとも入れ込んでいた時期の姿、音楽性に愛着がある訳で、いろいろなジャンルに挑戦するスティングに不満とまではいかないまでも、どうしてもついていけない部分もあったのではないだろうか?


前作からロックに復帰してくれて、今回のアルバムでは自分のキャリアの総決算のロックアルバム。


やっぱりスティングにはロックが一番似合う!」


自分は4年前にこう書いて締めていた。そして最高のコンサートで、もう彼のコンサートに行くことはないかな、もうこれでお終い宣言をしていた。


予算や耳の調子、体力があればぜひまた行きたいのだが、やっぱりちょっと無理かなぁ・・・。


今回の日本ツアーの真意はどこにあるのかな?あれから、とくに新曲をリリースしたわけでもなく、4年前と同じ総決算的なマイ・ソングス中心のナンバー。


やっぱり2020年に世界中でコロナのパンデミックが始まってしまい、それ以来2022年までの2年間、音楽ライブは諸悪の根源みたいな扱いを受けて、ライブをやることは許されなかった。


ミュージシャンにとっては、自分の居場所をなくしたような喪失感、まさに人生最悪のときだったであろう。そんな悪魔のようなときを経て、ようやく世界的にも許容できるレベルになって、もう音楽家としてはいてもたってもいられなかったのであろう。


ライブはロックの原点である。


そんな体の内から湧き出てくるような衝動を抑えることができず、スティングがぜひ世界ツアー、日本ツアーを再開したいと思うようになったとしても、その気持ちがよく分かるような気がする。


自分は、今回のツアー、大成功となることを心からお祈りしている。

頑張ってほしい!!!


スティングの来日公演といえば、有名なのはらーめん屋さん通いである。スティングは、らーめんが大好きで、日本に来るとかならずらーめん屋さんに行って、それをインスタに投稿したりして、ファンの間ですごい話題になったりする。


スティングは来日すると、なぜかそのとめどもなく溢れるラーメン愛で話題になるのである。(笑)


前々回の来日のときに、インスタグラムで山頭火でラーメン食べました的なショットを上げて話題になった。そしてユニバーサル・ミュージックでは、スティングの大好きなラーメン屋さんベスト3も発表した。


sting_instagram_500x500.jpg



そして前回もその期待を裏切らなかった!


前回ツアーは福岡からスタートしたのだが、その福岡でまたラーメン・ショットをインスタグラムに上げたのだった。


2019_Sting_Ramen.jpg


スティングが福岡で訪れたラーメン屋は、元祖唐辛子入り豚骨ラーメン屋の「鳳凛」。福岡で4店舗をかまえる鳳凛の春吉店である。


もっといいとこ連れてってやれよ~。(笑)

なんて言ったら怒られるかな。有名なところなんですかね?



スティングは雑誌のインタビューでそんならーめん愛について、こう言っている。


「いつでも最高のラーメン店を求めて歩いている(笑)。それも、観光客が行くようなところじゃなくて地元のサラリーマンが通っているようなところがいいね。実は昨日も福岡で美味しいところを見つけたんだ。作業着を着た人たちが、美味そうに食べてる最高の店だった。これから東京、仙台、大阪と行く中で、そういうラーメン屋を見つけるのが本当に楽しみだよ!」


そして、今回の来日ツアー、広島から始まって、大阪、東京、名古屋とわたるツアー。もうスティングはこのどこかでらーめん屋さんに行くことを宣言している。(笑)


「とにかく毎日、毎日、毎日、ラーメンを食べるのが楽しみです。店のカウンターでみなと並んで一緒に食べるのは、素敵です。日本が好きで、日本の文化が大好きです。」


ひょっとすると、今回の日本ツアーはらーめんが食べたくなって、ツアーをやろうと思い始めたのではないか?そんな気もする。いままではツアー中、らーめんネタをインスタに上げるのは1回だけだったけど、今回は連日連夜かもしれませんね。


しかし、らーめんが好きとはな~。(笑)自分の青春時代の憧れていたスターが、同じらーめん愛に溢れているとは思ってもいなかったです。


このツアーに先立って、朝日新聞社からのインタビューを受けている記事を拝読した。パソコン上でのWebミーティングという形式だったようだが、その記事はなかなかスティングらしい内容だと思った。


スティング 来日控え単独インタビュー 「歌は一晩で世界を変えられないけれど」



Sting来日_2023.jpg


スティングはやはり性格的に内向的でまじめだよね。彼の人間性はやはり”まじめ”というところに尽きると思う。そして、内向的でナイーブ。


彼のステージ上でのパフォーマンスは、それとはまったく正反対の別の彼、仮の姿、普段の自分とは違う別の世界での自分を楽しんでいる、そんな感じに思ってしまう。


非常に社会派で、世界の政治的なことも含め、つねにシリアスにまじめに考えている。それは自分のメディアでの発言やインタビューだけではなく、実際、自分の行動として起こしていて、非常に社会派の音楽家だと思う。



ウクライナを支援するために、1985年の楽曲「Russians(ロシア人たち)」の動画を公開したことが世界中で話題になった。なぜ、40年近く前に発表した曲をいま歌ったのだろうか。


今回の朝日新聞社とのインタビューでも、その理由について語っている。その内容を読んでみると、やはりスティングらしいな、と思う。いかにも彼らしい。彼のことを1977年からずっと見続けてきた自分が、彼らしい、と感じるから間違いない。


そのインタビューで興味深いところを何点か引用しよう。


Sting来日_2023-2.jpg


ロックなどの音楽が社会的なメッセージを発することは重要だと思いますか。


「歌で世界を変えることができるのか」と昔からよく聞かれます。私はたいてい「ノー」と答える。できるのは将来的に実を結ぶかもしれないアイデアの種をまくこと。


たとえば、若い聴衆を前に、私が関心を寄せる問題について歌うことができる。もしかしたら、その若い観客の中には、将来政治家や社会のリーダーになる人たちがいて、その人たちのものの考え方にプラスになるかもしれない。でも、それには何年もかかる。そうした意味において、歌が一晩で世界を変えることはできないと思います。


人生をより良く生きるには楽観的であることです。悲観的に生きるのはよくないと思う一方で、楽観的に生きるのは難しい世の中にもなっている。


でも、未来への道筋、希望を見出すことは絶対に必要で、そのために芸術、音楽が果たすべき役割は大きい。



Sting近影.jpg



ここ数年、ロックを聴く人が増えたと言われています。若い世代が過去の名曲に簡単にアクセスできるようになったことが要因にあるのではないかと思います。社会的なメッセージを発する若い世代のロックバンドも増えています。ロックの現状について、どのように考えていますか。



ストリーミングによる音楽サブスクリプション(定額制配信サービス)は非常に興味深い。アーティストとしても、自分の曲がどのように受け入れられているかを知ることができる。


例えば、どの曲が一番人気があり、聴き手はどこに住んでいるか、そして性別や年齢までわかる。このようなデータはとても興味深く、これまで入手することができなかった。


「マイソングス」という私の最新ツアーでは、ファンが私のどの曲を聴きたいかという調査に基づいて曲を選びました。


ストリーミングは誰もがいとも簡単にあらゆる音楽の歴史を手に入れられる。とても便利で素晴らしいツールです。


唯一の問題は、ミュージシャンに適切な報酬が支払われていないこと。そこから得られる報酬は非常に小さい。私はすでに成功しているからいいが、若いアーティストにとってはとても厳しい状況です。彼らにはもっともっとサポートが必要で、もっと公平であるべきです。




さて、2019年に「マイ・ソングス」のベストアルバムをリリースしたあの年、それにちなんだ日本ツアーにも行ったりして、あの年は、ポール・マッカートニーと並んで、自分のスティングに対する愛や想い出、個人的な想いを日記という形で数々リリースしてきた。


あの年はいわゆる豊作の年であった。


もうあれ以上のことは言えないし、書けないし、あれが全部なのであるが、あらためて言わせてもらえば、1977年~1987年、まさに中学生から大学生に至るまでの思春期の学生、青年時代、自分の崇拝していたスターでした。


やっぱり子供時代、とくに男の子というのは、自分の内なる中にヒーローというのがかならずいるんですよね。そういう存在がかならずいる。


子供の頃から音楽が好きで好きで堪らなかった、そしてその後の人生も音楽に傾倒する人生を歩んできた自分にとって、そして洋楽ロックまっしぐら路線だった青春期の自分にとって、スティングはアイドルでした。


ルックス、ハスキーでセクシーなテノールの声、そしてカッコいいステージパフォーマンス。


もうお互いいい歳になってしまい寄る年波には勝てないと思いますが、スティングはいい歳の取り方をしているな、と思いますね。


若い頃とは違う年相応のダンディズムを兼ね備えながら、上手に歳を取っているように思います。いつまでも若々しく長生きして頑張ってほしいです。


自分も負けず、これからの人生頑張って生きていかないといけないな。


POLICEサングラス.jpg


poice fan house.jpg


25940505_2310440465_162large.jpg











nice!(0)  コメント(0) 

ANA 羽田空港のデジタルサイネージ撤去 [航空関連]

浅田真央さん、JALのCAに挑戦!制服着用でテンションMAXに!(笑)


JAL CA浅田真央さん.jpg


浅田真央さんJAL CA本番.jpg


214118082161578_650 (1).jpg


JALはスカーフが素敵です!制服はすごく動きやすいって言ってます。(笑)


JAL「安全・安心な新しい空の旅にむけて」WEB動画に抜擢されて、JALの職場に潜入!という取材のYouTubeプロモビデオでした。普段カメラの入らないJAL職場や、訓練用の機内客席のシュミレータールームで、本物のCAさんのようにカートを引っ張りながら、飲み物いかがですか?にチャレンジしてましたよ。(笑)最後はスケートのようにくるりと1回転してみなさま、お待ちしております~。



こちらは、2018年と5年前になりますが、綾瀬はるかさんもANA CAに就任しています。


180219_0526_ana-640.jpg


AS20180221003200_comm.jpg


綾瀬はるかANA CA.jpg


素敵ですね~。CAさんはやはりスカーフ姿が素敵ですね。女性ならではの特権ですね。


2018年当時のANAの新サービスのプロモーション「乗るたび、ワクワク。FEEL THE NEW SKY」についてANAで発表会があって、そのときに綾瀬はるかさんがANA CA制服姿で登場したものでした。同じCAでも「Cabin Attendant」ではなく、「Communication Attendant」としてだそうですよ。(笑)新サービスは、国内線における機内Wi-Fiサービスの完全無料化というものでした。


ANAも昨日2023~2025年の中期経営戦略を発表しましたね。

2030年に向けた新経営ビジョン「ワクワクで満たされる世界を」。


航空を中核事業としつつ、「世界中のヒト・モノ・コトの新たな出会いやつながりを創出」し、航空事業から次世代モビリティ、非日常から日常、リアルからバーチャルへと領域拡大を目指すという。


非航空事業も収益性を高める。機材では主力のボーイング787型機を2030年度に100機超と、現状より21機以上増やす。


・・・だそうです。コロナ禍では固定費削減のため飛行機の墓場行になったボーイング達。またコロナ前の水準に戻すんですね。コロナのときはお客さんがいないから仕方ない処置でしたが、旅行者が戻ってくるならまた足りなくなりますね。


非航空事業は、最近ECサイト「ANA Mall」が新オープンになりました。使ってみたいです。


そんな中で、衝撃のニュースがありました。


220429_0226_ana-640.jpeg


200919_0003_ana_rjtt-640.jpeg


全日本空輸(ANA/NH)は、羽田空港第2ターミナルに4カ所ある保安検査場上部に設置している大型デジタルサイネージ(電子看板)を2月9日に撤去する。出発便などを表示しているもので、今後は同社のモバイルアプリ「ANAアプリ」で情報提供するという。


これはショックですね~。大型電子掲示板って、いわば空港の看板風景ではないですか!!!この電子掲示板を見て、あ~空港に来たんだな、と条件反射的に思いますね。


これがなくなるなんて、寂しいな~。空港らしくなくなりますね。殺風景になってしまいますね。


そして自分のような古い時代の航空利用者の人にとって、電子掲示板って自分の搭乗する飛行機のゲート番号を確認する大事な役割でした。


230130_ana_01-640-225x300.jpg


これからは、スマホでのANAアプリで全部やってもらうらしいです。確かにANAのスマホアプリでは自分の飛行機のゲートナンバーも簡単に分かるようになっている。みんなそうしてくれ、ということなんですね。


昨今の電気代高騰の世相、この電子掲示板にかかる電気代は大変なものなんでしょう。これをなくすだけで相当のコストカットできそうです。


いまやスマホで全部できてしまうのだから、電子掲示板なくしちゃえ、というところなのでしょう。


国内はそうかもだけど、海外の空港は電子掲示板は外せないですね。今回は国内のANAだけですね。ANAアプリが使える範囲ですね。ANAアプリって国内はもちろんですけど、海外も使えるのでしょうか?ANAのエアを使うならば、海外の空港でもゲートナンバー確認使えるんだったら、便利だと思います。スマホチェックインはまだ難しいかな?


スマホを使えない高齢者もたくさんいると思うんですが、思いっきりましたね。このニュースを発信されたとき、みんな驚きと反対の声で溢れかえってました。それだけ衝撃でした。


しかもなんと!


51空港に437台設置している国内線用の自動チェックイン機は2023年度、つまり今年。。。に廃止し、1年かけて全機を撤去する。


・・・だそうです。


これか?


25940505_2565186407_138large.jpg


自動チェックイン機もなくしてしまうんですね。これも思いっきりましたね。

一方、オンラインでチェックインできない人向けに有人カウンターは全廃せず継続する。

とのことですから最低限の救済策は残しておく、という感じでしょうか。


自動チェックイン機をなくすということは、チェックインも全部スマホでやれ、ということですね。(笑)


いままでANAの場合、チェックインするときって、以下の4通りがあるようなのでした。


AMC(ANAマイレージクラブ)経由で航空券を予約。4桁の予約番号と9桁の確認番号を入手。4桁の予約番号はすぐに携帯メールに送られてくる。9桁の確認番号は、予約したAMCページで表示される。搭乗前日にスマホメールに9桁確認番号がスマホメールで送られてくる。


①9桁の確認番号を空港のチェックインマシンで入力して航空券発券。

②AMCのバーコードを空港のチェックインカウンターにかざし、航空券発券。

③24時間前にスマホに自動チェックインメールが来て、その端末上でチェックイン作業をして、バーコードが表示されるので、それでそのままゲートを通る。

④AMCページの二次元バーコード送信をスマホにして、スマホで二次元バーコードを表示させて、ゲートを通過する。


自動チェックイン機がなくなるということは、もう自動的に③と④しか残らないということですね。本当にスマホ1つあればすべてが完結するという感じになっちゃうんですね。


スマホでしかチェックインできない。ふつうに航空券の発券ができない、というのは、もう高齢者置き去りは間違いないのではないでしょうか?容赦ないです。(笑)


たぶん全廃したときの切り替わりタイミングでそうとは知らないで空港に来たお客さんが、はて?と困ってしまい、そのまま有人カウンターに駆け込むという事象が起こるのではないでしょうか?


おそらく有人カウンター大行列ですね。(笑)


自動チェックイン機は自分は結構使っていたので、全廃なのは、なかなか勇気がいるな、と思います。ここも高齢者が置き去りになる可能性がありますが、それを言っていたら進まない、ということでしょうか。


国のDX化と同じですね。

ANAはDX推進を加速しています。


近々に北海道に帰省しますが、なんかドキドキです。ひさしぶりにANAに復活しますが、ANAアプリを使うのは初めてだし、ゲートナンバー確認、チェックインを全部スマホ1つで済ませるのも初体験かも?


ドキドキしますね。


スマホ1つですべて完結するようにするということは、スマホの充電には十分気を付ける必要があるということですね。(笑)自分のスマホはバッテリーがもういかれてきているので、すぐに消耗します。


空港の待ち時間などで使っていたら、肝心のチェックインのときにスマホ電池切れということになりますね。出発から機内、そして到着の空港に至るまでスマホ・バッテリー残量に気をつけろ!です。


これは気をつけないといけないな。


一方、羽田空港のJALの第1ターミナルの電子掲示板はいままで通り残すらしいですよ。


230202_0042_jal_rjtt-640.jpg


230202_0016_ana_rjtt-640.jpg


日本航空(JAL/JL、9201)は、羽田空港第1ターミナルの保安検査場上部に設置している大型案内表示について、廃止せず継続して使用する。大型案内表示を巡っては第2ターミナルで撤去が進んでおり、SNSなどでは2タミでの継続を求める声も見受けられる。



いずれにせよ、北海道帰省のときは、ここら辺十分体験してきたいと思います。いまから楽しみですが、初体験となるANA Lounge(HND/CTS)では、ANAのチキンカレーを食べてみたいです。(笑)


199775_3.jpg


あの、成田国際線のサクララウンジでしか食べられないJAL特製オリジナルビーフカレーに対抗して、ANAはチキンカレーなのです!(笑)


ぜひ体験してみたいです。


いまからとっても楽しみですが、仕事や予算などで、その当日にならないと本当に行けるかどうかもわからないので、今回は慎重に。あまりつぶやきの嵐を吹かせて、はしゃいだりはしないようにと思っています。


帰省の目的も結構しんみりとくることなので、はしゃぐ気分になれないです。


無事帰省できて、ミッションを全部こなして無事帰京できた暁に、後日に”ANA復活プロジェクト”と題してその模様を日記にしたいと思います。










nice!(0)  コメント(0) 

PENTATONEの新譜:アラベラさんのバッハ・コンチェルト [ディスク・レビュー]

あぁぁ~どうしよう~~ってな感じです。

アラベラさんの新譜にはぶったまげたっス。(笑)


5187017_cover-2048x2048.jpg



ちょっとほかのフォトも見てみますね。


324113771_1326947251214586_8677538388285852943_n.jpg


317395970_525996872875435_8522031302604320380_n.jpg


アラベラさんイメチェン.jpg


318408672_577767634159106_1242714772867670157_n.jpg


319360521_577731590829377_9211082230988330844_n.jpg


328836723_1591761084644819_7993727561688079864_n.jpg



・・・(^^;;


女性アーティストは、あるときを境にガラチェンしたくなるときがあるんですよね。いつまでもお嬢様イメージではいけないという。。。


女性アーティストの場合、若いときは美人でどこかカッコよく尖った感じで売っていき、いわゆる勢いのようなものがありますね。でも経年ととともに、年輪を重ねていき色褪せない美しさというか、人間味溢れる優しさ、落ち着いた美しさが滲め出る路線に変更していきます。こういうイメチェン路線がスタンダード路線だと思います。


自分は若いときの勢いのあるときもいいと思いますが、やはりどうしても自分の年代に合った女性がいいと思ってしまいます。精神的に落ち着くというか、目線が同じ高さであることの安堵感というか。。


アラベラさんはもう中堅に差し掛かったキャリアを積んできているベテラン。SACD/CDもOLFEO時代から現在のPENTATONEに至るまで膨大なアルバム数を出してきた。コンチェルト、ソナタなどのソロなどレパートリーも、もうほとんど弾いていない曲はないのではないかと思うくらい広い。


アルバムをリリースするたびにフォト・デザイナー、スタイリスト、カメラマンと相談しながら、つぎにリリースするSACD/CDのカバーデザイン、ライナーノーツに収めるフォトショットをどうするか、アラベラさんとともに相談しながら決めていくに違いない。


清楚なお嬢様イメージはもう十分やってきた。おそらくおよそこの10年間。そして次、ということになったときに、またいままでのイメージの延長線上だと、やはり戦略的に停滞感、マンネリ感がでてきてダメという判断で、一気にイメチェンしようということなのだと思う。


長いヴァイオリン奏者としての人生の中で、ひとつのターニングポイントだと考えたのだろう。プロデュース的には極めて正しい、と思う。至極真っ当な考え方である。 


自分がいままで慣れ親しんできたアラベラさんのイメージはこうである。


943836_10154071361384190_4536595372860635332_n[1].jpg


735d0ac3-bf12-4d99-b89f-eafc8f1c5a83[1].png


287234052_456006123001925_1766890206409125348_n.jpg


285635729_456006439668560_9207973187570105204_n.jpg


126382533_4932145300158871_2838670267726990608_o.jpg


25940505_2280628322_186large.jpg




・・・だとしたらだ。


このように路線変更するとなると、なんかこの路線でいいの?これからこれでやっていくの?という感じです。(笑)自分は、やはりお嬢様イメージのときがいいです。いつまでもそうあってほしかったです~。(笑)


ファン心理というのはそういうものです。



319089035_878890246573714_4662580648110081584_n.jpg



でも反面、ジャケット写真はすごいカッコいい。

これはかなりイケてます。かなりカッコいいと思う。初めて見たとき、うわっアラベラさん、ついにやってしまいましたか、でも最高じゃないですか! こういう切れる感じ、切れるセンスがすごくいい。


今ではすっかり、いままでリリースしてきたアルバムのどれよりもフォトジニックなのではないか、と思っている。



PENTATONE Alebella.jpg


バッハ:ヴァイオリン協奏曲集、ペルト:フラトレス、鏡の中の鏡 

アラベラ・美歩・シュタインバッハー、クリストフ・コンツ、

シュトゥットガルト室内管弦楽団




アラベラさんは、過去の膨大なアルバム数、ライブ数で、かなりレパートリーが広くてメジャーどころはほとんど網羅しているのではないか、と思っているのだが、バッハのコンチェルトとは驚いた。まだ未収録だったんですね。


SNSの投稿などでライブでは、よくバッハをやっているのを知っていたので、まだ録音していなかったとは思っていなかった。日本ではバッハはまず記憶にないです。日本のプロモーターさんはメンデルスゾーンが好きですね。(笑)集客戦略、お客さんの満足度から一番のキラーコンテンツなのでしょう。もちろん素晴らしい曲です。


ライナーノーツの中でアラベラさんは、4歳のときにバッハのヴァイオリン協奏曲(Minor)第2番の第2楽章を聴いて以来虜になったという。バッハの音楽の美しさと深さに圧倒され、導かれるようにヴァイオリニストになったという。これまで自身の最重要レパートリーとして頻繁に取り上げてきたバッハの協奏曲、ついに録音を実現したのだ。



1. ペルト:フラトレス~ヴァイオリン、弦楽オーケストラと打楽器のための

2. J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042

3. J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041

4. J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV.1043

5. ペルト:鏡の中の鏡


アラベラ・美歩・シュタインバッハー(ヴァイオリン/グァルネリ・デル・ジェス、1744年製作)

クリストフ・コンツ(ヴァイオリン:4)

ピーター・フォン・ヴァインハルト(ピアノ:5)

シュトゥットガルト室内管弦楽団(1-4)

ラヴァー・スコウ・ラーセン(コンサートマスター:1-4)



今回のアルバムはシュトゥットガルト室内管弦楽団をバックにJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲とペルトの2作というプログラムである。



バッハは30代のころ、ケーテンの宮廷学長を務めていた。教会や宗教に関係する立場ではなく、そのため器楽曲も多く書かれた。その時期は「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」などが特に有名である。


バッハ、生涯においてヴァイオリン協奏曲を3曲残している。ヴァイオリン協奏曲第1番と第2番、そして2つのヴァイオリンのための協奏曲である。


ヴァイオリン協奏曲もケーテン宮廷楽長時代の1717~1720年ごろに作曲された。いずれも有名なヴァイオリン協奏曲である。アマチュアに人気がある。第1番はMajor調で書かれ、第2番はMinor調で書かれている。そのような関係から第1番は明るく晴れやかな曲であるのに対し、第2番はやはりどこかマイナー調の哀愁を浴びた調べとなっている。


世間的には1番が圧倒的に知名度があると思う。



また「2つのヴァイオリンのための協奏曲」は非常に人気があり、スズキメソード教本にも掲載されているため、ヴァイオリンの発表会などで良く演奏される。またヴァイオリン協奏曲第1番もスズキメソード教本に掲載されている。


「2つのヴァイオリンのための協奏曲」は愛称ドッペルコンチェルトといわれる。ドッペルというのはドイツ語で「2」という意味で、2つのヴァイオリンの掛け合いから、こういう親しみを持った呼び方をされている。


そのとにかく冒頭の親しみやすい旋律に、誰もが聴いたことのある曲だと思う。バッハのヴァイオリンの曲といえばこの曲というくらい圧倒的知名度だ。


自分はバッハのドッペルコンチェルトといえば、思い出すのが、この曲のオーボエ独奏版である。いまから10年くらい前、オーケストラの首席オーボエ奏者が、自分のソロを出すのがひとつの主流のような流れがあった。普段は自分のオーケストラの首席を務めながら、かたやソロを出すことで、より一層スター性が磨き上がるという戦略である。


オーケストラの首席だけでなく、ソリストのオーボエ奏者はこぞって自分のオーボエソロ作品集を出したものだった。オーケストラの曲はもちろん室内楽、ヴァイオリン、ピアノどのような曲でもオーボエ1本で編曲して、オーボエで演奏してしまうのだ。


これがめちゃめちゃ格好良かった。親しみやすい名曲をオーボエ1本で奏でるのって本当に素敵なのですよ。自分は名だたるオーボエ奏者のソロ作品を夢中になって集めていた時期があった。いまでも自分の宝物である。


常日頃、木管楽器というのはオケの顔、というか華というか、そんな華やかなイメージを受けるのである。

要所要所で、その嫋やかな音色がスパイスのように、オケのような大編成の音を引き締めているように思えるのである。


また映像素材などの演奏風景でカメラワークでフルートやオーボエ奏者などをショットで抜くシーンを観るとすごくイケているし、カッコいいと思ってしまう。


オーボエ奏者は憧れたなぁ・・・。


そんなオーボエ奏者にとって、バッハ、モーツァルトのオーボエ作品集を録音するのは、ひとつの登竜門というか、晴れ舞台、一流の証なのだ、と思う。普段は超一流オケの首席オーボエ奏者という立場で演奏し、その一方でソリストとして、このバッハ、モーツァルトを出すというのはオーボエ奏者として、まさにエリートの道まっしぐらとも言え、オーボエ奏者として選ばれし者だけが得られる特権のような感じがする。


自分にとって、この分野の最初のトリガーであったのは、ベルリンフィルの首席オーボエ奏者であるアルブレヒト・マイヤーのバッハアルバム。


イタリア協奏曲、オルガン・コラール、フルートソナタ、マタイ受難曲、カンタータなどなど。バッハの曲にオーボエの音色というのはホントによく似合う。


その中に、このドッペルコンチェルトもあったのではないかと思う。



バッハのヴァイオリン協奏曲は3つともイタリアのヴィヴァルディらが生み出したソロ・コンチェルトの様式に従って書かれている。全て3楽章構成で、急-緩-急の構成をとっている。ただし、バッハのほうがより複雑で高度な対位法を使っているのが特徴で、和音進行も複雑でバッハ特有のエネルギーのあるドラマティックな曲となっている。


非常に親しみやすい曲で誰もが知っている、そんな名曲だ。


アラベラさんのバッハは、非常に正統派というか折り目正しい優等生的な演奏であった。これはアラベラさんの演奏全般に言えることであるが、自分の容姿・フォトジニック全体のイメージに合うように、演奏も極めて優雅で繊細で正統派である。


ステージ上でのボーイングなどの演奏スタイルも非常に聴衆から観られていることを意識した美しいものである。


演奏・フォーム・ビジュアル、この3点において全体的に美しく統一感を持たせる、ということを意識したヴァイオリニストだと思う。それが彼女の自分を売り込んでアピールしていくための戦略なのだと思う。


ヴァイオリニストの演奏は、本当に十人十色だ。ヴァイオリンの曲って、同じ譜面なのに、もうフレージングやアーキテキュレーションのその解釈の違いでこんなに別物になってしまうのか、と思うほど奏者によって別物の曲になってしまう。


自分はいままでもう数えきれないくらい体験してきた。その結果どのようなことが起こるかというと、このヴァイオリンの曲は、この奏者の演奏のみ受け入れる。絶対受け入れられない奏者の演奏もある、という選り好みが出来てしまうことだ。


フレージングなんぞガンガンに個性を剝き出しにして、かなりクセの強い演奏をする奏者もいる。本当に十人十色の世界なのだ。ヴァイオリンの世界は。


ベートーヴェンのスプリングソナタなんか自分にとって代表例。樫本大進氏のソロ時代のソニー録音が好きで、非常に正統派の演奏でこの曲の自分の基準だった。


そのほか、同曲のいろいろな演奏家の演奏を聴いてみるのだが、たとえばものすごい高名なヴァイオリニストの演奏。名前は控えさせていただくが、あまりにクセの強いフレージング、節回しの強烈な個性剥き出しの演奏に自分は辟易してしまった。自分の感性に合わなかった。


だからヴァイオリンの曲に関しては、演奏家ごとに、ほんとうにいろいろなカラーの出やすい楽器なのだと思う。


そういう点で自分は、アラベラさんの演奏がいいと思うのは、非常に正統派で優等生的な演奏なので、自分の中でスタンダードになりやすい、基準になりやすいというところだと思う。


PENTATONEなので、録音もいいし、新しい録音でクセのない正統派のヴァイオリンの演奏を聴けるという点がアラベラさんの最大の魅力なのである。要は外れがないのである。


もちろん奏者にとって得手不得手というのはどうしてもできてしまう。本人がわかっているかどうか、意識しているかどうか不明だが、聴衆の立場から言わせてもらうと、アラベラさんの最大の得意な分野は、じつは現代音楽だと思っている。現代音楽、21世紀の音楽流派の作曲家を演奏するときのアバンギャルドで野性的で音が化けるというか、すごい音を出す、あの才能はすごいものがあると思う。


古典派、ロマン派などの曲は、非常にクセのないスタンダードな演奏をするので、ある意味想定内というか驚きも少ないのだが、現代音楽を演奏させると、とにかく想定外の驚きがあってかなり野性的な演奏パフォーマンスとサウンドなのである。


本人にこんな才能があるとはな~といつも思っているのである。


バッハのコンチェルトは第1番、第2番とも非常にスタンダードで正統派の演奏であった。ある意味驚きも少ないかもしれないが、自分の基準、教科書になるような永久保存版となりうる、演奏会の前に予習するための教材となるようなそんな模範演奏であった。


ドッペル・コンチェルトの共演はクリストフ・コンツである。


バッハCDのVn共演者.jpg


322724117_875552933495968_1450092048355160082_n.jpg


99248962_2702382106675499_2157727600267493376_n.jpg


ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第2ヴァイオリン首席奏者をつとめる傍ら、ソロ活動も積極的に展開している。コンツはウィーン国立音楽大学でヴァイオリンを学び、2011年にウィーン・フィルに入団しているが、その後、指揮活動も始め、2013年には、ザルツブルク・モーツァルト週間で指揮者としてデビューした。


これまでに、さまざまなオーケストラに客演しており、2022年の5月には、オーケストラ・アンサンブル金沢も指揮しているのだ。また、2019年からは、ドイツ・カンマーアカデミーの首席指揮者を務めている。


ウィーンフィルでヴァイオリン奏者をしながら指揮者活動としても活躍する将来有望な若手音楽家である。


アラベラさんは結婚後、いままで生まれ故郷だったミュンヘンからウィーンに移住しており、そのような環境からクリストフ・コンツと知り合うことも必然だったのでしょうね。


2つのヴァイオリンのための協奏曲、ドッペル・コンチェルトは、独奏ヴァイオリン2人による合奏。対位法を正確に導入した作品で、2つのヴァイオリンと合奏部による「音の織物を編み上げる」ような構成となっている。


2つの独奏ヴァイオリンは、対等に扱われている。


この曲の場合、この2人の独奏ヴァイオリニストをどのように絡めていくか、が難しい問題で、録音の場合、2人のソリストをどのように起用するかが問題となることが多い。指揮者主導でオーケストラのトップ2人を起用することも多いが、高名なソリスト2人を起用した場合、様々な要因からバランスが悪くなることが多く、1人のソリストにその親族あるいは弟子筋を起用する場合が多いらしい。ハイフェッツが初めて多重録音を使った際は大変な反響があった。その後はクレーメルなども使っている。


アラベラさんとコンツのコンビネーションは、申し分なくこの曲にそのような難しさがあることなど微塵も感じさせない完成度だったように思う。2人の絶妙なかけあいは見事であった。この曲に華を添えたことは間違いない。


またスズキメソードなどで演奏機会も多く、短調作品でバッハの厳格な形式を感じさせるような雰囲気があることがよく伺える作品である。とにかく誰もが聴いたことのある親しみやすい素晴らしい曲である。



本アルバムで、3曲のバッハのヴァイオリン協奏曲を挟むように差し込んである曲が、アルヴォ・ペルトの曲。


冒頭に「フラトレス」を、最後に「鏡の中の鏡」を、まるでプロローグとエピローグのように据えており、アラベラさんのセンスの高さがうかがえる。


アルヴォ・ペルトはエストニアの作曲家で現在もご存命である。(現在88歳)


ペルトの作品は、一般的に2つの年代に分けられる。初期の作品群は、ショスタコーヴィチやプロコフィエフ、バルトークの影響下にある厳格な新古典主義の様式から、後期にはアルノルト・シェーンベルクの十二音技法に至るまで。


自分は録音にしろ実演にしろ正直あまり聴いたことがないかもしれない。でもこの影響を受けた作曲家の作風を鑑みるとかなり厳格で前衛的で現代音楽的なスタンスの作曲家のように思う。主要作品を俯瞰してみるのだが、特に交響曲全集というようなシリーズ完遂というタイプではなく、単発での作品が多いようだ。


今回のアルバムで取り入れられたペルトの2作は現代のヴァイオリニストの必須レパートリーといえる作品。


ことに「フラトレス」は頻繁に演奏され、アラベラさんは2021年6月の来日時に島田綾乃(ピアノ)との共演でテレビ収録、NHKの「クラシック倶楽部」で放映されている。


197788246_224203829515490_8106656387044546701_n.jpg


198201907_224203909515482_1697235191204550064_n.jpg


自分はこれはよく覚えている。この年は読響とメンデルスゾーンをサントリーホールとミューザ川崎でやってくれたんですよね。自分がいままで15年間にわたって愛用してきたストラディバリウスのブース(Booth)を日本財団に返却しないといけなくその最後の公演だったのだ。


この来日のときに、演奏会ではないのだけれど、銀座王子ホールでNHKが「クラシック倶楽部」用ということで、収録をしたんですよね。それがアラベラさんと島田綾乃さんのデュオでの収録なのでした。


この収録の模様は放送されるのをすごく心待ちに待っていたのだけれど、なんとその年の8月に脳梗塞を患い2か月間緊急入院。その入院中に放映されたのでした。(笑)あのときの悔しかったことといったら。だから自分にとって幻の収録となってしまったのです。


その収録のときに、このペルトの「フラトレス」は演奏されているのです。


フラトレスは、アルヴォ・ペルトが作曲した室内アンサンブルのための作品である。

後にペルト自身によりいくつかの異なる楽器のために編曲されている。独奏ヴァイオリンと弦楽合奏の版や、ヴァイオリニストのギドン・クレーメルのために編曲されたヴァイオリンとピアノのための版が現在多く演奏されている。


本アルバム収録は、前者の独奏ヴァイオリンと弦楽合奏の版で、島田綾乃さんとのデュオは、ヴァイオリンとピアノのための版だと思います。


なにを隠そう!今回のアルバムでもっとも感銘を受けたのは、この冒頭に配置されたペルトの「フラトレス」なのであった。ペルトの作風からすると後期のような趣で、かなり前衛的で無調、シェーンベルクの十二音技法の世界なのだ。


これはかなり自分にとって衝撃であった。


アラベラさんは、やっぱりこの手のタイプの音楽はめちゃめちゃ強いというか凄すぎる。剃刀のように鋭利でエッジの効いた音、そして胸を搔きむしられるようで、たたみ込むように迫ってくるボーイングの連続技、かなり野性的で本能的で怖い感じ。聴いている側に威圧感を感じさせるというかそういう凄みがある。アラベラさんは、こういう音楽を弾くのがすごい得意というか素晴らしいと思う。


自分は過去の数多の録音や実演の経験で、実感していることである。

それをこの1曲目のフラトレスでやっぱりそうだったんだと再認識。


録音の良さもこのフラトレスでは際立っていたように思う。特にバスドラ、グランカッサのあのドスンという沈み込むような深さには、かなり震えがくるというか、いい録音だな~と思ってしまう。今回はSACDサラウンドではなく、CDステレオ2chなのだが、特に縦軸の振幅が大きく、立体的で深く沈み込むように感じて素晴らしいと思った。


やはり自分にとっていい録音と感じるものさしの基準は、周波数レンジ(Fレンジ)よりもダイナミックレンジ(Dレンジ)のほうに耳が敏感に反応するようである。


そしてなによりも空間が広く感じること。教会での録音なので、その感覚が十分伝わってくるような響き方、空間における音像のマッピングの仕方というか、痺れます。


野性的な演奏だけではなく、オーディオファンの心を掴むようなサウンドという意味から、自分は冒頭のペルトの「フラトレス」を筆頭にあげたい。


録音は、2022年6月21-24日、録音場所はドイツ、ロイトリンゲン・ゲニンゲンの聖ペーター&パウル教会でおこなわれた。


IMG_7678-768x1154.jpg



日本財団から借りていたストラディバリウス「ブース」を返却した後、前回のモーツァルトアルバムのとき、今度はスイスの財団から1716年製のストラディヴァリウス「Ex Benno Walter」を供与いただけることになり、それでモーツァルトのコンチェルトを演奏した。


今回のアルバムでは、ストラディバリウスの1744年製デル・ジェス”Sainton"をスイス財団からの供与で使っているようだ。今回の録音は、BaselのWalterとEdith Fishliによるスポンサーで実現している、とのクレジットがある。


ストラドのデル・ジェスは諏訪内晶子さんもドルフィンから返却のときに新しいパートナーとなったヴァイオリンでしたね。


PENTATONEは、SACD戦略をやめ、主要ビッグアーティストのみSACDで、その他はCDとなってしまった。SACDはコストが高いことと、SACDのカスタマーのマーケットが小さくなってきていることに応じて、PENTATONEはディストリビューターやリテイラーから苦情をもらうことが多くなってきたため、CD戦略にせざるを得ない状況のようだ。


アラベラさんのアルバムも前作のモーツァルト・コンチェルトからCDになってしまった。今回もCDである。


やっぱりもったいないよな~。こんな素晴らしい作品をぜひSACDサラウンドで聴いてみたかった。2chステレオでこれだけ素晴らしい録音に感じるのだから、サラウンドで聴いたなら、もう別世界のすごいサウンドに感じるんだろうな、と思いながら聴いていました。


自分がPENTATONEに乗り込んで、日本マーケット用にSACDサラウンドを発売する戦略、販売ネットワークを交渉してくる。(笑)ディスク大国、CD大国の日本は、やはりSACDサラウンドに熱狂してきた世代の人が多いから需要は大きいような気がする。


録音のテイストは、昔のPENTATONEにあったような温度感のあるサウンド傾向は消え去り、非常に自然なテイストで音像は明晰、音場も広く、解像感も高くいい録音。なによりも自然に聴こえるのがいいです。いい録音だと思います。


ポリヒムニアは、長年のパートナーのエルド・グロートは、録音プロデューサーとして、そして録音エンジニアは、カール・シューバイヤーズ。ポリヒムニアも若手育成に余念がない。


本アルバム、まさに超カッコいいアルバムジャケットに、素晴らしい録音、演奏と申し分ない仕上がりになっております。


アラベラさん、去年は来日公演はお休みでしたが、今年は6月に大阪のシンフォニーホールで大阪フィルとコンサートやるみたいです。東京はまだ未定。あるいはないかも?


ぜひ大阪に行って、久しぶりにシンフォニーホール行きたいけど、時期的と予算的に厳しいかな~~~。


ぜひ東京公演追加してほしいものです。












nice!(0)  コメント(0) 

秘密のベールにつつまれた寿福寺 [寺院・仏閣]

今日この日に、この日記を書こうと思った矢先に、とても悲しいニュースが飛び込んできた。歴史小説作家の永井路子さんが、97歳で亡くなられたそうだ。老衰とのこと。


永井路子さん.jpg


鎌倉時代をはじめとした中世の歴史研究、歴史学の最前線の成果を取り入れた独自の史観とに裏付けられた明快で親しみやすい作風で人気を集めた。


永井路子さんといえば、自分にとって文句なしにNHK大河ドラマ「草燃える」である。「北条政子」「炎環」「つわものの賦」など永井路子さんの原作を中心に脚本がつくられた。


この時代の歴史描写、歴史人物の取り上げ方は、歌舞伎に代表されるように、平家物語、源義経、源平合戦、そこに源頼朝が絡んでくる・・・判官びいきの源義経を悲劇の主人公として描くことが圧倒的に多かった時代背景の中で、永井路子さんの独自の史観は、あくまで源頼朝と東国武士団の旗揚げであった。


自分がいちばん拘ったところ、いままでに見たことのないような衝撃、格好良さ、いちばん惹かれたそういう視線での物語描写は、永井路子先生がルーツだったのだ。


「草燃える」がなかったら、いまの自分の鎌倉好きはなかったといっていい。永井路子先生の偉大な業績、足跡に敬意を表しながら謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。


永井路子さんは、去年の「鎌倉殿の13人」はどのような想いでご覧になっていたのだろうか。


今日この日記を書こうと思ったのとシンクロして、このようなニュースが舞い込んできて、自分はただただ驚くしかない。



鎌倉殿ロスは大きい。鎌倉・鶴岡八幡宮の大河ドラマ館、TwitterやInstagramなどの公式SNSサイトも正式に閉鎖になり、ますます寂しさが募ります。まっ新しい大河ドラマが始まるとともに、だんだん遠くなっていくのはわかってはいたことですが、なかなかそのロスから立ち直れない昨今の自分です。


これはいたしかたがないですね。

それだけインパクトありました。


鎌倉殿のFBコミュニティでは、”皆武衛だ!”というタイトルでオフ会やるらしいですよ。(笑)楽しそうで素晴らしいです。


さて、去年鎌倉殿への巡礼ということで、鎌倉五山を行脚する企画を実行しました。

建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺ですね。

いまでも鮮明に覚えています。楽しかったです。


その中で第三位の寿福寺はとても不思議なベールにつつまれた謎めいた雰囲気のある禅寺でした。


寿福寺は、源氏のルーツの地に立つお寺なのである。

寿福寺は、源義朝の邸宅あとに開山として栄西が招かれ、建立されたと伝えれられている。開基は北条政子。


ふだんは一般公開はまったくおこなっておらず、仏殿、境内はつねに閉鎖されたままで、中に入れない。寿福寺の楽しみ方は、参道。この参道の敷石は鎌倉随一の美しい意匠と言われている。


そして北条政子、源実朝のお墓、やぐらを拝みにいくしかない。この2か所しかないのだ。


でも例外がある。それはお正月とGWには特別公開、特別拝観ということで、仏殿、境内の中を公開するようなのだ。


この年2回の特別拝観の期間・時間は下記の通りである。


・1月1日から1月7日 8:00~16:00

・5月第1週(GW期間)8:00~16:00


自分はこの情報をネットで見つけて色めきだった。この情報源は、2022年のお正月に寿福寺の特別公開に行かれた人のブログで、なんと!!!あの仏殿や境内の中の写真も掲載されているのだ。

中はこんなふうになっていたのか!・・・である。興奮を抑えることができなかった。

これはぜひ自分もこの期間に行って、自分のカメラで撮影したい。自分の写真で日記にしたいと思っていた。


この人が行かれたのは、2022年のお正月で、自分がこのブログを発見したのが、1月中旬。もうまずは2022年のGWを狙うしかない。


もう楽しみにしていましたよ。


ところが、GWであるにも関わらず、閉鎖のままでした。GWの一週間ずっと通いましたよ。今日こそ開いているかもしれない。でも期待も虚しく柵はしまったままでした。


そして今年の年初、正月。あらたに期待をしながら新年の初詣をかねて寿福寺にむかいました。もうドッキドッキでしたよ。


1月2日に行ったのですが、なんとまたしても柵は閉じたまま。

もう自分は深い絶望感。


去年のGWから、そして今年の正月と2回連続して特別公開はされないということは、きっとなにかお寺のほうで、予想外のアクシデントがあったのかもしれません。お寺の住職さんが病気になってしまったとか。


2回も連続して特別公開がされないということは、自分はもう寿福寺の特別公開に立ち会うことは、久しくはなさそうだ、という予感がしました。


たぶん、なんかありましたね。


とにかく寿福寺というお寺は、人とのつきあい、俗世との関りを徹底的に避けているような雰囲気で、SNSなんかもちろんやっていないので、お寺からこの期間に特別公開やりますよ~なんていうアナウンスもないし、特別公開の時期なのに、なぜ開いてないのか知りたくても知ることができないのである。


ネットでは一応電話番号が書いてあるのですが、そこに試しにかけてみてもまったく出ません。

あきらかに世捨て人、秘かに源氏のルーツである地、お寺を守っていこうというお寺なのです。


そこで、特別公開2022に行かれた方のブログの写真をお借りして、秘密のベールにつつまれた寿福寺の仏殿、境内の写真を紹介しようと思います。ぜひ自分のカメラで撮影したかったな~。やや無念ではありますが。


まず、今年の年初、1月2日に行ったときの寿福寺の様子から。

こちらは自分のカメラ、写真です。


この日は快晴でした。


LZswsaEqDMMWYPA1675901183.jpg


gajyVlK49T1mjqa1675901295.jpg


寿福寺と言えばこの参道ですね。

この参道の敷石は鎌倉随一の美しい意匠と言われています。


iYqfQyOhQBDHu8c1675901383.jpg


34lSrBK4AMf9GLs1675901434.jpg



そしてこの瞬間がっかりするのです。(笑)

柵が閉まってます。

もう世捨て人の雰囲気たっぷりです。


vdRjc9OgA9VkmU31675901495.jpg


tDQp3ZhKnATzqoJ1675901558.jpg



さて。。。です。ここから寿福寺の特別公開のときの仏殿、境内の中をご紹介します。こちらの方のブログからお写真をお借りします。



鎌倉の寺院と札所巡り by鎌倉PRESS

寿福寺のお正月期間 特別公開(特別拝観)の様子




いつもは柵が置かれて入れないようになっている寿福寺の仏殿前の門、柵がなく自由に入れるようになっています。


jufukuji-tokubetsuhaikan003.jpg


ホントに~~~。(笑)その場に立ち会ってみたいわ。(笑)


jufukuji-tokubetsuhaikan062.jpg


柵の無い門をくぐり中へと進みます。


jufukuji-tokubetsuhaikan005.jpg


少し苔むした石畳を歩いて本堂へと向かいます。



jufukuji-tokubetsuhaikan009.jpg


何度も訪れている寿福寺、本堂の前に立つのは初めてです。

この本堂、正確には仏殿と言って、鎌倉市指定の文化財にもなっています。


jufukuji-tokubetsuhaikan021.jpg


屋根の上には波模様の鐙瓦が置かれていました。


jufukuji-tokubetsuhaikan011.jpg


jufukuji-tokubetsuhaikan012.jpg


軒下の柱の左右には唐獅子が取り付けられていました。


jufukuji-tokubetsuhaikan022.jpg


本堂の屋根を見ると笹竜胆の寺門があります。源家縁の寺院であることがわかります。


jufukuji-tokubetsuhaikan019.jpg


本堂の戸が開いていて、中には賽銭箱も置かれています。

なんか鼻血が出そうです。(笑)もしその場に立ち会っていたなら心臓バクバクでしょうね。



本堂の中を覗いてみました。


おぉぉぉぉおおおおお~~~!!!


jufukuji-tokubetsuhaikan063.jpg



中央に黒い釈迦如来像でしょうか?


jufukuji-tokubetsuhaikan066.jpg



左右に大きな仁王像も置かれています。


jufukuji-tokubetsuhaikan064.jpg


jufukuji-tokubetsuhaikan067.jpg



中央上部には「興禅閣」と書かれた扁額が掲げられていました。


jufukuji-tokubetsuhaikan065.jpg


仏殿前の庭の片隅に五輪塔などの石塔が置かれていました。


jufukuji-tokubetsuhaikan015.jpg



顔の識別が出来ない風化した石仏もありました。


jufukuji-tokubetsuhaikan037.jpg



年間で2週間ほどしか公開されない寿福寺の本堂が見られる特別公開、もしお正月、GWに鎌倉に来るようなことがあれば立ち寄ってみてはいかがでしょうか?


滅多に見られない寿福寺の仏殿、機会があればぜひ見に来てください。

以上、寿福寺のお正月期間 特別公開(特別拝観)の様子についてでした。


鼻血ブー。(笑)


これは興奮ものでございますね。

本当に小さな仏殿なのだということがわかりました。


これはぜひ自分のカメラ、写真で日記にしたかったです。今年のGWにも行ってみようと思ってますが、たぶん柵がしまったままだと思います。もういつになったら、日記にできるかわからないため、もう我慢しきれず。。という感じです。


なにせ、秘密のベールにつつまれた寿福寺ですので、この仏殿の中のことを説明している文献は皆無です。黒い釈迦如来像をはじめ、どれがどういうものなのか、誰も説明できない、まったく誰もわからないのではないでしょうか?


だからこの仏殿の説明を試みることも不可能なのだと思います。


源氏ルーツの禅寺、北条政子が建てた寿福寺。誰からも話しかけられることなく、その仏殿の解説も試みることもできず、800年以上もずっとこうやって秘かに鎌倉の地に佇んでいるのです。謎過ぎます。


でも神秘的、ミステリアスです。


今年のGWもぜひ行ってみようと思ってます。

もちろん来年のお正月も。。。


北条政子が建てた寿福寺。北条政子の生涯について歴史的な名著を残してきた永井路子先生。そんな永井路子さんのご逝去の報により、よりその想いが強くなったのである。









nice!(0)  コメント(0) 

DX時代のコンサートホール:統括 [コンサートホール&オペラハウス]

本連載、全16話本日にて終了です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。1年前に"DX時代のコンサートホール"とは、どういうものなのかを書いてみたいと、ずっと思ってきて、ようやくその本懐を遂げました。


まっ去年のクリスマスから年始のお休みの間に、突貫工事、付け焼刃で捻りだしたものなので、内容も浅くて申し訳なかったです。


コンサート通いをずっとやってきて、こうだったらいいのにな~というベースはつねに頭に中にあって、それに最新の技術をくっつけた程度のアイデアでした。

もっと時間をかけて、実現性も踏まえて考える内容ではありますね。

でもいままでずっと抱えていたストレスみたいなものは、本日にて全部消え去りました。


すっきりしました。

楽しかったです。


pl-99948581648.jpg


こういう類のものは、実際実現した人が一番偉いですね。ただ書いているだけで、責任のない立場はお気楽なものです。自分も含めて。


いざ現実のものにして、実際実現していくとなると、費用の面、将来に向けてそのかけた費用を回収できるのか、ビジネスとして収益がきちんととれるのか、真剣に考えていかないといけません。


そしてすんなり一発ではいきませんね。かならず失敗、試行錯誤を繰り返して、落ち着くところに定着するのだと思います。


そういう現場で実際やる人が一番大変で偉いのです。


現実的で、実現性に重きをおいた本番モードは、これからきっとあるに違いないです。そのときに、それに一生懸命に従事している人をぜひ応援していきたいと思っています。


でもアイデアを考えるのは楽しいもんです。自分は昔から結構好きです。知的欲求を満たされる感じで、なんかいままでモヤモヤしていたことが一気に晴れるというか。精神的健康にいいですね。


また定期的にいま世界で、自分の周りで起きている新しい技術のこともクリアにしておくことは重要なことだと思います。


なにごともこのときが一番楽しいですね。もう若い頃からずっとそう感じています。このアイデアをいろいろ考えるときが一番楽しいです。


そんなことできる訳ないじゃないか、夢みたいなことを言っているときが一番楽しくて、なんか未来に向けて夢を持てそうで明るい気持ちになります。


こういうのもいいもんです。


pl-99948255732.jpg


これもずっと自分が思っていることですが、技術は、天から降りてきた、世界が目指している、国が基礎技術開発のときから関わってきて民間に降りてくるような新技術というのは、いわゆるエリートですね。それに従事するのはやはりエリートコースなのでしょうね。


そのときの頭の使い方は、まずその新技術のことを学ぶ、勉強する、自分のものとして習得する、そういう頭の働き方のように思います。それを実際の商品として具現化していく。これはこれですごい大変なことです。


それに対して、自分でなにか考える、生み出す、という頭の使い方は、すごくエネルギーがいる、というか、かなりヘビーで大変のように思います。かなりしんどいです。前者とは根本的に頭の使い方が全然違うような気がします。


それで大抵はそれは大したアイデアじゃないんですね。(笑)前者と比較すると、お恥ずかしいくらい大したレベルでないです。個人レベルと言うか。。


やっぱり人間の頭って、なんか生み出すという頭の使い方ってかなり大変なことなんだな、といつも思います。もともとそんな風にはできていないように思います。

もちろん自ら編み出した天才的な創出をなされる方も多くいます。そういうケースもすごく多いです。

自分はぜんぜんダメですが、いつもそんなことを感じてしまいます。


あと、もう一点、こういうアイデア出しをするとき思うのは、ふだん自分がそのことに興味を持っていること、自分が体験していることでないと、アイデアってなかなか出てこないものだな、と思います。


こういうことができればいいのにな~と普段思うことがないと、なかなか出てこないことだと思います。


自分はカービジネスの世界にいますが、一番ダメだと思うのは、自分が車をやらないことなんですね。もし車を持っていて普段運転することも多かったなら、車載機器についても、こんな機能があればいいのに、こんなことができればいいのに、という日頃のアイデアの積み重ねがどんどん蓄積されていくと思うのです。


だから体験ありきのところがありますね。


だから自分は、いつも受け身で他人事なのです。滝のようにいろいろな情報を浴びることはできるけど、自分からなにかを生み出すという行為がなかなか難しく感じます。


やっぱり自分が体験していて、使っていて、こういうことができればいいのにな~というのがすべての基本、原点のように思います。


DX時代のコンサートホールの連載はこれで終わりですが、実現性に乏しい、浅い内容で申し訳なかったですが、これからもなんかこんなことができればいいのにな~ということが浮かびましたら、単発編でもいいので、発信していきたいと思っています。


今度は期限がなく、思いついたときに書いていくので気が楽ですね。(笑)

ではそんなことを思っていました、ということでこれにてお終いにしたいと思います。


駄文、駄アイデアを読んでいただき、どうもありがとうございました。






nice!(0)  コメント(0) 

DX時代のコンサートホール:ファンクラブ運営 [コンサートホール&オペラハウス]

ファンクラブというのは、コンサートホール側の問題?という疑問はありますね。確かにDX時代のコンサートホールというお題目では、直接関係なくてアーティスト本人、事務所側のイシューだと思いますが、でもいままで述べてきた電子チケット、プログラム・広告チラシの電子化・アーティストのCD,関連グッズのEC販売とかの項目に大きく関与してくると思います。


これらの電子媒体にアーティストのファンクラブ情報のページのURL、もしくは紹介があるだけでファンなら入会したいと思うかもしれません。なにしろチケット買ったときとか、公演が終わった直後というのが、ファンにとって1番購買意欲が最大限MAXのときなのです。


そんなことも含めてデジタル時代のファンクラブの在り方というのも考えておく必要があると思います。


ファンクラブ_作り方.jpg


ファンクラブはそれこそ昔からあるものですが、デジタル時代になってSNS,YouTubeなど誰もが身軽に発信できるようになった時代、アーティスト本人がSNSのアカウントを持っている場合が大半ですからファンだったら絶対フォローしていますし、そこからのイベント紹介が一番効果的ですね。自分も大半はアーティスト、プロモーターのSNSからコンサート情報を入手しているのがほとんどです。


でもファンクラブというのは、それよりももっと1歩進んだ、もっとアーティストのことを知りたいというファン向けに有料で紹介するというのが前提なのだと思います。有料だからこそ、ふつうのファンよりももっとそのアーティストのことを知ることができる。そういう特典的なものなんだと思います。やっぱり収益ありきですね。



いろいろなアプローチがあって、そのアーティストの考え方によるもので、各々独自の方法がありますね。オリジナルユニークでいいと思います。昔は事務所が運営していたことが大半ですが、このデジタル時代、もちろん事務所運営もありますが、アーティスト本人による特別なYouTubeなどのSNS戦略ありますね。


でも無料でなんでも情報提供するというのはどうか、と思いますので、有料になるし、そうなると課金となると、収益管理、その後の処理など考えると事務所、スタッフでやるのがよいのかと思います。


1.入会費・年会費

2.会員特典

・会員証 / 会員番号の発行される

・会報が送付される

・最新情報などお知らせが届く

・チケットの先行案内を受け取れる(音楽アーティストならチケット発売の先行予約)

・限定グッズが購入できる / プレゼントされる

・オフ会や会員限定イベントに参加できる

・デジタル会報誌が楽しめる

・写真・動画でオフショットが見れる

・ここだけのつぶやきを楽しめる

・ライブ配信を視聴できる

・オンラインのファンミーティングに参加できる


なんかこれだけでも、こりゃとてもじゃないけどアーティスト本人でできることではありませんね。(笑)やっぱりスタッフありきで、アーティストは出演、情報提供というミッションでしょうか。


チケットの先行案内を受け取れるところで、音楽アーティストなら自分のコンサートのチケットの先行予約はすごい有難いです。自分が実感するところです。すごい争奪戦が予想される場合、チケットが欲しいというだけで、(ファンクラブ以外にも)入会してしまうことも多々ありました。


●ファンクラブの開設・運営に必要なもの


専用サイト / アプリ

決済サービス

会員管理システム



●ファンクラブ運営のコツ


レア情報や最新情報を更新する

公式SNSをしっかり運用する

メルマガやLINE公式アカウントで集客する


昔、子供時代に、自分も好きな方のファンクラブに入っていたことありました。やはりあの時代は原則郵送でのやりとりだったんですよね。ファンクラブに入会すると、郵送でいろいろイベントのお知らせが届いたり、写真プロマイドや特典グッズが届いたり。。それがファンクラブに入っている、有料だからこそ入手できた代物で、そこにお宝感覚といいましょうか、特別待遇な感覚でうれしかったものです。他のやつらとは違うんだぞ、みたいな。


デジタル時代、DX時代のファンクラブというのは、もうWebベースが基本ですね。上記にあげた特典、情報展開を専用のページを作成してどんどん公開していく。もちろんEC販売も絡めるなら、物販郵送もありますね。そうやって収益をあげていくという感じなのでしょう。


下記の2つは、デジタル時代のファンクラブ運営サービスのパッケージ商品を販売します、というビジネスモデルケースです。(ちょっと簡単にググってみて適当に見繕ったものです。)


CCC、SKIYAKIと資本提携~CCCの会員基盤を活用したファンサイト・ファンクラブ事業展開へ



デジタル時代のファンクラブ運営-1.jpg


ファンクラブ次世代型会員管理システム「fanUP!」



デジタル時代のファンクラブ運営-2.jpg


会員管理機能をコアに、オフィシャルサイト管理、ファンクラブサイト管理、ECショップ管理、チケット販売等の各機能はたまたライブ企画、コンサートホール予約までワンパッケージにて提供するもので、もう圧倒されますね。やっぱりWebベースなんですよね。そこにアーティストの活動を応援、サポートしていくプラグインをたくさんつなげていこうという発想なんですね。



でも自分は思うのですが、これだけSNSが大衆化した時代、アーティスト本人がみんな自分のアカウントを持ってそこから発信している時代。それとは差別化して、有料だからこそ得られるお宝情報、グッズをファンの方に贈るというのは、これまたアーティストにとってはすごい負担で重労働なことですね。(笑)


昔はSNSはなかったですからね。ファンクラブだけでした。アーティストは本当に大変な時代になりました。


DX時代のファンクラブの運営で、コンサートホールと関与してくるポイントは、電子チケット、プログラム・広告チラシの電子化・アーティストのCD,関連グッズのEC販売などの電子媒体に、このファンクラブのページへ飛べるURLのリンクを貼っておくというのがポイントだと思います。







nice!(0)  コメント(0) 

DX時代のコンサートホール:ロビーやラウンジでのキャッシュレス決済導入 [コンサートホール&オペラハウス]

コンサートホールやオペラハウスでの前半と後半との間のインターミッション、ブレイク、休憩時間、大体15分~20分くらいじゃないでしょうか。


クラシックコンサートやオペラに行ったら休憩時間も楽しみましょう!


実は休憩時間を楽しく過ごすと、さらにコンサートが楽しめるようになります。どう過ごすかでそのコンサートが総合的に楽しめるかどうかが変わるくらい、休憩時間って大切なのです。


なぜ休憩時間があるのかというと、演奏者にとって長時間の演奏は、かなり負担が大きいからです。お客さんも長時間、座りっぱなしでは疲れてしまうので、ほどよく休憩してリフレッシュできますね。演奏者もお客さんも、クライマックスのメイン曲をベストな状態で迎えることができるというメリットがあります。


これが最大の休憩をとる意味といっていいですね。公演の中には、1曲のみの演奏で、それが中途半端で微妙に長いので、休憩をとるにとれず、休憩なしというコンサートもあります。そういうときは事前にトイレに行っておくことがとても大切になります。


オペラの場合は、インターミッションと呼ばれる幕間に平均20~30分、長ければ50分の休憩時間があります。また、オペラの長さによって数回に分けて設けている場合があります。たとえばワーグナーの「ニーベルングの指環」では、上演時間はなんと5時間にもなるので、50分程の休憩時間を2回設定しています。


それだけの長時間だと、歌手の負担も大きいので長い休憩時間が必要ということなんですね。そして舞台裏では、次の幕の演出用に舞台設備を大きく変えるための時間でもあります。クラシックコンサートやオペラにとって大切な休憩時間、せっかくなら楽しく過ごしたいですよね。


どのような過ごし方があるのか、見ていきましょう。


休憩の過ごし方


①トイレに行く。

②ホワイエをうろつき、知り合いがいないかチェックする

③写真撮影をする。

④ステージのすぐそばへ行ってみる

⑤プログラムノートを熟読

⑥チラシの束をチェック

⑦外の空気を吸いに行く

⑧寝る

⑨演奏者のCDを買ってみる

⑩バーカウンターでワインを楽しむ



①トイレに行く


自分はこれが1番多いいですね。これは自分にとって必須だと思います。トイレに行かないことは自分にとって非常に危険です。もちろん開演前にも済ませますが、自分はトイレが近いので、前半と後半通しで我慢することは無理です。後半をより快適に楽しむために、休憩時に必ずトイレは済ませておきます。


休憩時のトイレは、とにかくすごい劇混みになりますね。特に女子トイレの長蛇の列。自分は毎回このたびに女性の方は本当に大変だな、と思ってしまいます。男子トイレも休憩時は、長蛇の列になりますが、回転率はいいですね。自分は生理現象的に、休憩時にいの一番に、トイレに直行してすっきりして後半に望みます。これが後半を気持ちよく鑑賞するための自分なりの秘訣になります。


②ホワイエをうろつき、知り合いがいないかチェックする


自分はシャイな性格なので、これはあまりやらないです。でもクラシックファンや音楽評論家のみなさんはとてもよくあるケースではないでしょうか。やっぱり人気の公演や注目する公演は誰しもがみんな行っているものなのです。みんな狙うところは同じなのです。


やっぱりクラシックファンは、同じ趣味を持った友人が多いです。クラシックのコミュニティなんかでの繋がりもあります。それじゃ休憩の時に落ち会いましょうね、ということにもよくなります。また、そんな約束がなくても、休憩で混雑しているホワイエをぶらついて、誰か知っている人を見かけないかな?とぶらつくこともあります。音楽評論家の方々もいることも多いです。そうするとご挨拶できるいいチャンスになる。休憩時のホワイエは、そんな束の間の宝探しのような出会いの場となることが多いです。


③写真撮影をする


自分は結構これやっているかもしれません。やっぱり人気の公演は前半だけで、すごい興奮状態に陥ります。そうするとホワイエの興奮度のるつぼが手に取るようにわかるのです。その興奮している聴衆を絵に撮りたいということで撮影することが多いです。その興奮度をみんなに伝えたいと思うのです。そのとき注意することは、人の顔が映らないようにすることです。かならず後頭部からの構図になるように撮影することです。休憩時のホワイエは大群衆の集まりですが、意外と人の顔が映らないように写真撮影することはそんなに難しくないです。


④ステージのすぐそばに行ってみる


せっかくなので、ステージのすぐそばまで行ってみましょう。オーケストラの場合は、コントラバスや打楽器など大型の楽器がそのままステージに置いてあるのでじっくり見ることができます。


P席(ステージ真後ろの席)に行ってみると、演奏者の楽譜の書き込みなんかもうっすら見れたりします。普段なかなか見ることができないので、とても興味深いです。オペラの場合は「オケピット」と呼ばれる、オーケストラが伴奏する場所をのぞきに行ってみるのもおすすめです。楽器や譜面台の他に意外なもの(ティッシュ箱とかサンダルとか)が置いてあったりして、面白いです。(笑)


またステージを前面にしてホール写真を撮影するのにも適しています。ホール撮影が厳しいコンサートホールでは、開演前は、やはりレセプショニストが目を光らせてますから、なかなかその中を撮影を敢行するのは勇気が要ります。よく注意されます。(笑)でも休憩時は意外にもレセプショニストさん達の監視が緩いときなんですね。だから自分は、よく休憩時にステージを含め、ホール空間写真を撮影することも多いです。


⑤プログラムノートを熟読


自分はプログラムノートは、かならず開演前にひと通り目を通します。前日から予習をいっさいやらない人なので、まず今日はどんな演目をやるのか、頭に入れ込むためです。それで大体のイメージを膨らませます。そしてその一瞬で、演奏家のこのコンサートにかけている意気込み、意図などを把握しようとします。演奏家はどこを聴いてほしいのか、なにに留意して聴いてほしいのか、そこは外さないようにすることは大事なことだと思います。


普段は予習はしない人ですが、数日前にSNSなどで公開される当公演に関する演奏家のインタビュー記事はかならず目を通すようにしています。それはプログラムノートには書かれていない演奏家のこの公演に対する想いとか、意気込みが語られている場合が多いからです。どんな想いで、この公演を臨もうとしているのか、その演目についてどのような想い出、思い入れがあるのか、そういう内なる面というか、本音を語っている場合が多いです。そういうのはきっちり公式文書であるプログラムにはまず掲載されない内容なのです。


音楽評論家の方々の文章も目を通します。きっとこのライナーノーツを書くために、それぞれ資料を確認し、推敲に推敲を重ねて書いている内容でしょうから、ある意味お宝の知識になります。自分は終演後、家に帰ってから、もう一回プログラムを見ることはあまりしない人です。日記を書くために、もう一回確認程度に見る程度です。


いままで終わったプログラムは特に保管していなかったのですが、今年からコンサートに行ったときのプログラムは必ず保管しておこうと思うようになりました。一生の宝で、自分の財産になると思うからです。


⑥チラシの束をチェック


クラシックコンサートでは、プログラムノートと一緒に入口のところでずっしりと重たいチラシの束をもらうことがあります。今後のコンサートの予定がわかるチラシがたくさんあるので、気に入った演奏会が見つかります。休憩中に選別するので、必要なチラシだけ持って帰ります。


自分はいつも開演というよりは開場一番乗りでホールに入るので、開演まで1時間は余裕であり、時間を持て余すので、大抵、この広告チラシのチェックは休憩時にやるというよりは、開演前にやっていますね。不要なチラシは、専用の捨てるところが用意されているのでそこに置いていきましょう。席に放置して帰るのは、マナー違反なのでやめましょう。


⑦外の空気を吸いに行く


コンサートホールは密閉された静かな空間なので、意外と緊張します。新国立劇場などコンサートホールによっては、テラスがあったりするので外の空気を吸いに行くのもいいですね。新鮮な空気で深呼吸してリラックスすると、眠気覚ましにもなるのでおすすめです。


毎年4月の東京文化会館で開催される東京・春・音楽祭はちょうど桜満開の時期ということと、とくにワーグナーN響のオペラはワーグナーなので、すごく休憩時間が長いです。そんなときは、外に出て上野恩腸公園の夜桜を楽しむことがよくあります。この上野の桜を見る時期は、本当に一年で一番気持ちが清々しいこれから、またクラシック三昧の1年が始まるんだな、と決意を新たにするときです。


⑧寝る


前日までの体調管理がいまいちで、静かに鑑賞してたら、眠くなっちゃった…ということもあると思います。でもせっかくのコンサートなので、寝てしまうのはやはりもったいないですよね。こんな場合は、休憩中にちょっと仮眠を取るのもありです。ほんの少し、うとうとするだけでもすっきりして、後半の演奏に集中できますよ。


自分は眠くなるのは、十中八九前半です。前半でウトウトしたら、後半はスッキリ目が覚めたということが多いです。


⑨演奏者のCDを買ってみる


ロビーでは、その日の演奏者のCDが置いてあったりするので、気に入った場合は買うこともおすすめです。リサイタルの場合は、演奏後に購入者向けのサイン会があったりするので、そちらも楽しみですね。サイン会、懐かしいですね。(笑)コロナ禍前ですが、そんな時期もありました。


25940505_2568220341_172large.jpg


このロビーでのCDや関連グッズの物販コーナー。オンライン時代とはいえ、絶対なくならないでほしいですね。まさにコンサートの名物コーナーというか、この物販コーナーがあるからこそ、いまコンサートに来ているんだ、という実感が湧きますね。コンサートで初めて知る曲や、初めて知る演奏家の方もいます。そのときに感動して、CDを買いたい!と思うことはすごく多いです。美術鑑賞もそうですが、音楽鑑賞も、まさにコンサートは終わったときが一番購買意欲が最大限MAXのときですからそのときにCD買いたい~、と思うことしきりなのです。


でもそのときにネックになるのが、現金払いしか対応していないのことです。自分は貧乏庶民なので、普段あまり現金を持ち合わせていないので、終演後にCD欲しいな~と思うのだけど、現金持ち合わせていないので、買わなかったということがすごく多いです。仕方がない、家に買ってからネットで買うか~みたいな。


これはもったいな、と思います。ここからがこの日記の最大のところです。これを言いたいからこの長い前振りをやってきました。このコンサートホールのCDや関連グッズの物販コーナー、どうしてキャッシュレス対応してくれないのでしょうか?クレジットカードやSuica、PayPay、そのほか諸々のキャッシュレス決済をぜひ対応してほしいと思います。


キャッシュレス決済にするだけでも、もう全然売り上げがかなり違ってくると思いますよ。現金しか対応していないと、持ち合わせがないということで、見送ってしまうことが多いと思います。ときどき物販コーナーに、これは通常のネット販売では売っていないな、というようなレアなCDやグッズを売っているのを発見することが多々あるのですが、そのたびに現金の持ち合わせがなくて泣く泣く諦めたことあります。それがいままで何回あったことか!そのたびにクレジットカード決済やってないのですか?と聞きます。そのたびにゴメンナサイ…という感じです。


あの幻のCDやグッズが欲しい~と思ったことが何回あったことか!それはつぎのバーカウンターにもつながります。


⑩バーカウンターでワインを楽しむ


座って鑑賞しているだけでもけっこう疲れるので、飲み物でリラックスしましょう。多くのコンサートホールにはロビーやラウンジがあるので、ワインやビール、シャンパンを頼むことができます。もちろん、コーヒーやオレンジジュースなどもあるので、アルコールが苦手な人でも大丈夫です。サンドウィッチなどの軽食も用意されているので、お腹が空いた時はちょっとつまんだりできますよ。


f-1.jpg


s-E38390E383BCE382B3E383BCE3838AE383BCEFBC88HPE4BDBFE794A8EFBC89.jpg


nD4bPELkgInEeNN1675535141.jpg


640x640_rect_7045980.jpg


自分はキャッシュレス決済導入してほしいと思う一番なところは、この休憩時のバーカウンターでのドリンクをオーダーするときの決済方法です。このブレイク時のバーカウンターのドリンクは、本当にひと味違うんですよ。やっぱりここでワインやジュースを頼んで、そこで紳士・淑女の集う中でスタンディングで飲んでいるステータスはやはりコンサート体験の雰囲気をさらに高揚させるものです。


でもやっぱりお値段張りますよね。(笑)そして現金キャッシュにしか対応していないので、ついつい臆してやっぱりやめとこう・・・という感じになります。


でも長いコンサート時間、やはりどうしても喉が渇きます。自分は、そんなことを見越して、バーカウンターは高いし、現金対応しかないので、あきらめてもう自前で事前に烏龍茶などのペットボトルをバッグの中に持参しているのです。そしてそれを休憩時の飲んで喉の渇きを潤すのです。


でもやっぱりなんかちょっと虚しいです。(笑)寂しい感じになります。なんか、コソコソ、ルール違反のことをやっているみたいな感じで後ろめたい感じがあります。やはり休憩時は、堂々とバーカウンターで飲み物をオーダーして休憩を過ごしたい、という想いはあります。それで自分もやっとみんなの仲間入りができたような...


バーカウンターのところの決済もぜひクレジットカードなどのキャッシュレス決済にしてほしいと思います。


それがDX時代のコンサートホール・オペラハウスの在り方だと思いますし、バーカウンターのところをキャッシュレス決済にすると、現金だとお高いからやめとこう、という感じに臆してしまうのが、クレジットカード決済にしたら、ついつい頼んでしまうと思うんですよね。やっぱり休憩時のドリンクは、公式ということで、きちんとバーカウンターでワインをオーダーしたい、という気になると思うのです。






nice!(0)  コメント(0) 

DX時代のコンサートホール:オフィスのPC環境とスタッフ間通信・SaaSアプリの活用 [コンサートホール&オペラハウス]

MaaSと並んで語られるのが、SaaSである。
SaaS(サース)は、Software as a Seriveの略。
SaaSは、利用者であるクライアント側がソフトウェアを従来のように導入するのとは異なった新しいサービスのあり方、提供者であるサーバー側で稼働するソフトウェアをインターネットなどに経由させることで、利用者であるクライアント側で必要な機能や分量のみを選択して利用できる提供形態のこと。
SaaSの大きな特徴は、クラウドを経由してサービスが提供されるという点。これは、従来のいわゆるパッケージ型ソフトウェアには実現できなかったことで、そこがSaaSの最大の強みなのである。
                                                   
                                                                                                                                                        
business_img316.jpg
                                                   
business_img653.jpg
                                                   
                                                   
これだといまひとつビビッとこないので、もっと具体的なメリットを書いていこう。
                                                   
①マルチデバイスの利用。
                                                   
SaaSは、インターネットにアクセスできる環境があれば利用できる提供形態なので、アクセスする端末を限定せずにソフトウェアにアクセスできる。いつもと違う場所から、いつもと違うパソコンでソフトウェアを利用できる利便性の高さを実現してくれる。
                                                   
②オンラインストレージへのデータ保存
                                                   
2つ目は、オンラインストレージへのデータ保存。SaaSには、ストレージ機能とドキュメント編集機能、2つが備わっているため、オンラインストレージデータ保存を実現できる。オンラインストレージでのデータ保存は、ビジネスのスピードを一気に高めてくれるであろう。
                                                   
③複数ユーザーによる管理・編集
                                                     
3つ目は、複数ユーザーによる管理・編集。SaaSに備わっているストレージ機能とドキュメント編集機能を生かせば、複数人でデータの共有ができたり、一人のユーザーによるデータ編集を即、他ユーザーのデータに反映したりといったことができるため、スムーズなグループワークが実現するであろう。
                                                   
さらには、SaaSのほかにPaaS(Platform as a Service)とかIaaS(Infrastructure as a Service)というのもある。
                                                   
区分けとしては、
                                                   
SaaS:アプリケーションまで
PaaS:ミドルウェア層まで
IaaS:OSのレイヤーから下層まで
                                                   
                                                   
                                                   
うちの会社の各社員のPC環境は、VDI環境(VDI:Virtual Desktop Infrastracture~仮想デスクトップ環境)といって個人の端末のファイル、アプリケーション、OS含めて全部サーバーに置いてある。だから個人のPCはあくまで端末表示デバイスとしての役割でしかないのだ。各々の個人PCのディスプレイに表示されるファイルやアプリなどは 個人側で操作しているようにみえるが、じつはすべてサーバー側でおこなっているのである。
                                                   
目の前のパソコンはただの箱で、インターネットを通じて別の場所にあるパソコンを動かしている、という感じである。
                                                   
                                                   
VDI.jpg
                                                   
                                                    
メリット
                                                  
セキュリティを高められる
業務の効率化につながる
管理の手間を省くことができる
                                                   
デメリット
                                                   
ネットワークやサーバー環境に依存する
サーバーに何かあった場合の影響が大きい
 
                                                                                                     
会社のPCは、もう社員の数分だけ用意しないといけないだろうから、それを管理するIT部門としては、大変である。その点VDIで管理できれば、メンテナンス、セキュリティ含め、全部サーバー側で一気に対応できるので、各端末のオペレートにお願いする必要がなく、IT部門としてはそこが一番メリット感じるのでしょうね。
                                                    
自分も最初、いままで自分のローカルPCにあったOS/アプリ/ファイルが遠隔地に全部置いてあるという感覚は不思議で怖い感じもしたが、いまはすっかり慣れっこである。
                                                  
個人PCではVDI環境(環境がサーバー側にある)とローカル環境(従来の端末にある環境)の2種類のモードを持つことになる。
                                                   
                                                   
IaaSはインフラ、PaaSは動作環境、SaaSはソフトウエアをインターネット経由で提供するサービスならば、VDIに相当するのがDaaS(Desktop as a Service)である。VDIやDaaSというのは仮想デスクトップ環境で、必要なOSやソフトウエアはクラウド上に存在するのである。
                                                   
VDIやDaaSのような仮想デスクトップ環境というのは、リモートワーク環境に非常に適している。VDIやDaaSはインターネット経由でアクセスすれば利用できるため、場所を選ばない。また、専用の端末を必要としないため、自宅のPCからでも同じデスクトップ環境にアクセスすることができる。そのため、リモートワークへ非常に移行しやすいと言えるのだ。
                                                   
実際自分も会社に出勤しているときは、とにかく端末を選ばないので、どの机の端末でも自分の環境にログインできるのは 便利だと思うし、リモートワーク中心の生活としてもすごく利便性を感じる。
                                                   
これはIT部門の存在が必要であるが、コンサートホールの社員のPCもVDIやDaaS環境に移行するべきである。管理面のメリット莫大である。そしてホール職員のリモートワーク化も促進できる。
                                                   
                                                   
                                                   
あるいは端末環境をサーバー側に置くまでいかないとしても、アプリケーションのソフトウエアをサーバー側で共通に共有して使えるSaaSは、大きなメリットがあると思う。たとえばOS,ミドルウエアなどは各端末に存在するとしてもアプリ、ソフトウエアはサーバー側にあって複数のメンバーで共有して使っていくのがSaaSである。
                                                   
SaaSの最近の事例で有名なのが、ANAで採用されたBONXのシステムである。
                                                   
25940505_2566620443_112large.jpg
                                                  
                                                   
25940505_2566620441_40large.jpg
                                                   
                                                   
25940505_2566620440_66large.jpg
                                                  
                                                   
スマホやタブレットにBONXのアプリをインストールしておく。
スマホとタブレットとBONXイヤホンとの間の通信はBluetooth。
そしてスマホとタブレットを使って、WiFiでインターネットを経由して会話する。
いわゆるVoIP(Voice over IP)を使う。
                                                   
BONXイヤホンは、耳にかける小規模なもので、ここで話すと、その会話情報は、VoIPでスマホ、タブレット経由で相手とキャッチボールができる。ふつうに通話、会話ができる、というシステムである。もちろん端末を使ってのチャットもできる。
                                                   
またアプリはメンバーをグループ化することも可能で、グループメンバー間でのみのチャット、会話も可能である。またスマホやタブレットなど画像表示デバイスを持っているので、機内の落とし物など、いままでは無線で口頭説明していたものを、BONXだとその場で写真を撮って、そのまま写真データを送るだけ。
                                                   
いままで無線機を利用していたものを、機器の世代交代とともにこのBONXのシステムに切り替えた。機内のCAや地上GSのメンバーは、みんなこのイヤファンと端末で通信している。
                                                   
このBONXのサービスこそが、SaaSなのである。サーバー側のBONXの親の通信ソフトウエアで、このような通信や複数メンバーの同時共有が可能になっている。
                                                   
このハンズフリーともいえるBONXのシステムは、コンサートホールのレセプショニストにも応用できるのではないだろうか。レセプショニストが急にこのようなイヤフォンやスマホ・タブレット端末を身に着けだしたら、なんか外見上違和感というか 奇妙な感じがするかもしれないが(笑)、使用用途としては十分可能性はある。
                                                   
スタッフ間の連絡手段として十分使える。もちろん航空会社は機内と地上との通信という意味で遠隔距離ですから。コンサートホールはそこまで大袈裟でなくてもいいかもしれませんが。
                                                   
                                                   
SaaSはほかにもいろいろな可能性がある。サーバー側にソフトウエアを置いて、それを複数メンバーで、端末を選ばずして同時に共有できるのである。
                                                   
たとえばプロモーター、アーティスト、コンサートホール間のコミュニケーションはかなり綿密におこなわれることになる。
                                                   
プロモータ目線で言及するなら・・・
                                                   
アーティストとの出演交渉、契約締結、契約書。(電子契約)、ホールの貸与のための交渉、出費、公演カレンダーのスケジュール管理。そのアーティストの招聘、招聘アーティストに纏わる一連の業務(ホテル手配、航空券手配、移動手段手配、そのほか諸々)、アーティストのスケジュール管理、アーティストの管理情報。(振込先口座情報、連絡先などの管理。マネージャー情報など)、入場者数管理およびチケット収益。および諸々の経費出費。それにともなう収益管理。アーティストへの出演料の送金。
                                                   
                                                   
コンサートホール、プロモーター、アーティストでかならず、かなりの回数、とても濃いコミュニケーションが交互にされているに違いない。コンサートホール側としても社内のコンサート運営システムのDX化の必要性を迫られているに違いない。
                                                   
この3者間あるいは他者も加えた通信において、共有の通信アプリケーションを利用できないか。そのようなSaaSアプリを開発できないか。どんなことを同時に、そして共有できればいいのか。それはこれから実施例に基づき考えていく訳だが、SaaSの”共有”,”同時"のメリットを思い存分活かせるそんなアプリ開発ができて3者間で使えるといいと思います。
                                                   
                                                   

                                                   


nice!(0)  コメント(0) 

DX時代のコンサートホール:ホールに向かうまでのMaaSサービスの活用 [コンサートホール&オペラハウス]

カービジネスの世界では、MaaSの普及も大きな流れになっていくと思われる。世界的にもそういう潮流が圧倒的で、かなりの国でongoingで取り込んでいるからだ。


MaaS(マース)は、Mobility as a Serviceの略である。


次世代のモビリティ技術の中核をなす技術で、バス、電車、タクシーからライドシェア、シェアサイクルといったあらゆる公共交通機関を、ITを用いてシームレスに結びつけ、人々が効率よく、かつ便利に使えるようにするシステムのことだ。すでにヨーロッパでは本格的な取り組みがスタートし、日本でも鉄道会社や自動車会社などが中心となって研究が始まっている。


MaaS-e1560911229652.jpg



たとえば、サッカーを観戦するためにスタジアムへ行くとき。いまでもアプリを使えば自宅からスタジアムまでの最適経路と利用すべき交通機関、所要時間や料金などを簡単に知ることができるが、MaaSではこの検索機能にプラスして予約や支払いも、スマホなどの端末を使い、まとめてできるようになるということだ。しかも、MaaSの場合、前述したように鉄道やバスだけでなく、タクシー、シェアサイクル、カーシェア、ライドシェアなど、ありとあらゆる交通手段が対象となる。


28ced9032f504482f905165bbad1b350.jpg


MaaSの利用には、専用アプリという形で提供されている事例が多い。そして、目的地に至るすべての交通手段のなかから最適な組み合わせをAIが検索して、専用アプリに表示する。利用者はそれらのなかから選択し、必要な予約や手配に加え、決済もひとまとめにできる。フィンランドのように、月額定額制であれば、料金のことを気にすることなく、さまざまな交通手段を自由に利用できることにもなる。


以前にも日記でご紹介したが、ヨーロッパでMaaSの先進国はフィンランドですね。MaaSやAIオンデマンド交通をはじめとした交通ソフトインフラの海外展開に向け、国が大きく動き出したようだ。日本国内をはじめ世界各国でCASEやMaaSの潮流が加速しており、各国の技術は徐々に国境を越え始めている。日本も国内技術の海外展開をバックアップし、国際競争力の強化を図る構えだ。



カー業界でのCASEとは、Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとって作られた造語で、今後の新しい車の開発の軸となる考え方を表現したものです。




東京都も本気です!「観光型MaaS開発」に最大4000万の助成を決めました。航空業界でも「JAL MaaS」がサービスを拡充…京急、東京モノレールと連携。MaaSアプリは昔からJALが力を入れていた分野なのである。


1/25~1/27において東京ビッグサイトで、MaaS Expo (統合型モビリティサービス開発・活用展)が開催されたようでかなり熱かったようです。なんかカー業界に属する者として覗いてみたいなぁという気持ちもありました。幕張のCETEACより興味深いです。(笑)仕事で無理でした。



この熱いMaaSであるが、DX時代のコンサートホールとしてどのように関連してくるか。


あるコンサートホールの公演に行こうとしたときに、自宅の最寄り駅からの出発地から目的地までのコンサートホール最寄り駅まで、MaaSを使ってすべての交通機関を使ってシームレスに移動する。


でも首都圏のコンサートホールの場合、ふつう電車(乗り継ぎ)で行くことが普通で、ホールも電車駅の近くにロケーションしている場合がほとんどですね。だからあまりMaaSの有難みはないかも?(笑)


地方から宿泊込みで首都圏のホールにやってくる場合、あるいは首都圏から地方のホールに行く場合、MaaSは役に立ちそうです。


自分のように、海外・国内音楽鑑賞旅行と称して地方にオーケストラコンサートに行く場合は、それこそそのホールに至るまでの交通機関の乗り継ぎの示唆、そしてそれに伴うチケットの予約・購入がすべてスマホ1台でできてしまう統合型アプリはめちゃめちゃ便利と感じるに違いない。


その反対の地方から首都圏のコンサートホールに鑑賞に来る場合もまったく同様である。これに宿泊や観光スポット案内などが伴った総合的な旅行プランの紹介、予約、支払いができるようになるとこれはかなり便利だと感じる。


MaaSは旅行業界にとっても大きな変革期と思われる節目のように自分は感じるのである。


MaaSと言い切れないかもしれないが、じゅうぶんその範疇に入り、魅力的なサービスがタクシーの配車アプリである。


タクシー配車アプリ.jpg


自分はこれはすごく有難いアプリだと実感している。まだ自分は体験していないのだが、これはあれば絶対重宝するアプリだと思うのである。


スマホにその配車アプリをインストールしていれば、電話したときにそのタクシー会社に連絡でき、自分がいるその位置はスマホのGPSで分かり、そこに向かってタクシーが迎えに来てくれる、というサービスである。


いつどんなところにいようが、タクシーを呼べるのである。


自分の場合、タクシーを使うのが自分の街の中に限られるので、もうお馴染みのタクシー会社が決まっているのである。自分のスマホの電話帳にちゃんと登録されている。


でも見知らぬ土地、街、旅行先に行ったときに、そんなタクシー会社はすぐに見つからない。また道路の傍に立って待っていて、空車のタクシーが通り過ぎるのを待つなんて気の遠くなる話である。


コンサート通う者にとって、とくにこのタクシー配車アプリが有難いと思うのは、海外のコンサートホールで終演後のときではないだろうか。


海外、とくに欧州のコンサートは、日本と違って、通常夜8時の開演と遅いのだ。そうすると長いコンサートや、オペラのような演目だと下手すると、夜の11時過ぎ、0時過ぎるなんて結構ザラなのだ。


海外は日本と違ってやはり治安があまりよくないし、見知らぬ海外でそこからホールから近くの地下鉄の駅までとことこ1人で真っ暗な夜道を歩くのだ。そして地下鉄の中も治安がよくない。そんな真夜中に欧州の地下鉄の中で1人で乗っているというのもかなり勇気のいることなのである。そして地下鉄で到着してからホテルまでの歩き。これまた危険。


男の自分でさえ、怖いなと思うぐらいだから、女性1人の旅ならかなり怖いし危険だと思うことは間違いない。もう海外でのコンサートはこの帰路の問題が大きな不安要素なんだよね。毎回のことです。海外のコンサート通いを知っている人なら共通に抱えている問題と言える。


海外でのコンサートを楽しむ方にとって、このタクシー配車アプリがあれば、こんな危険も一気に払拭できる。神アプリといっていい。


もちろんその国、その都市専用の海外専用のタクシー配車アプリを自分のスマホにインストールする必要はあります。



次世代タクシー配車アプリ「MOV」を紹介します。

このプロジェクトには、無線機には我が社の製品、技術が使われているのです!!!いま知りました。(笑)


配車アプリ.jpg


「MOV」は、お客様がアプリから配車依頼を行うと、タクシー車内に設置された乗務員専⽤端末に直接配車依頼がかかる「アプリ連携方式」を採用しており、タクシーが従来電話配車などで使用している無線機システムなどとは独立した配車システムである。


そのため、タクシー事業者は無線機システムなどの入れ替えタイミングに影響を受けずに、「MOV」を導入することができる。


また、「MOV」はタクシーメーターと連携し実空車情報をリアルタイムに反映できるため、タクシー事業者は従来の電話配車と重複することなく、追加の配車依頼を受けることができる。

 

今回、タクシー事業者と乗務員の更なる利便性向上のため、「MOV」の配車システムとシステムオリジン、西菱電機、JVCケンウッドの無線機システムなどを連携させることで、乗務員が「MOV」の乗務員専用タブレットで電話などの配車依頼も一元管理できることを可能にするシステム開発の検討をしていく。



人気タクシー配車アプリのおすすめランキングです。



人気投票.jpg











nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。