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とんかつ とんき [グルメ]

東京・目黒に「とんかつが好き」という人であれば、その名を知らぬ人は無い名店、「とんかつ とんき」がある。全国各地に「とんかつ とんき」という屋号を掲げる店は数々存在するが、それらはいずれも、この目黒本店から暖簾を分けられた店だ。


目黒本店はいわば「とんき」の総本山であり、全国のとんかつファンからは、とんかつの“聖地”と目されて久しい。


自分は、フジテレビの大学時代の同期友人から、このお店を教えてもらった。

上京したての頃だ。


当時、結構夢中になって通ったものだ。


2回来てくれたらもう「常連さん」だそうだ。(笑)

自分はもうじゅうぶんにその資格を有している。


とんかつ、もちろん大好きである。最近は、糖質制限食生活中なので、揚げ物はなかなか厳しいのだが、それでもたまになら許される。


やっぱり、とんかつは、ごはんが進む食べ物である。とんかつひと切れでご飯が何杯でもいけてしまう。とんかつを全部食べ終わったときは、もう腹いっぱい、喰った~~~という感じで、もう食べ応えがある食べ物なのだ。男という生き物は、やはり、こういう食べ物が好きなのだ。上品でもない、もう体育会系のガツガツ系、男の食べ物である。


とんかつ とんきも今しばらく行ってないな~。もう10年以上は経つ。ひさしぶりに行ってみる?という感じで行ってきた。


店があるのは目黒駅の西口を出てすぐ、権之助坂を下り始めた辺りの左手側だ。威風堂々たる佇まいを見せるこの本店店舗は、ここに建って50年余り。現在の目黒駅西口付近にあったという旧店舗の時代を含めれば、じつに80年近くもの間、目黒の人々に愛され続けている。


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とにかく、とんきはとんかつの”聖地”として、全国のとんかつファンから神殿のように崇められている場所。もう大変な大人気で、常に安定した人気を誇っている。


自分はこの日は、日曜日の開店16:00より前に行ったのだが、開店30分前には、すでにこの大行列。


ひぇぇぇえええ~。とんき、恐るべし!である。


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開店と同時に店に入店。


とんきの特徴は、この広大な店内。めちゃめちゃ広い。客席は1階のカウンターと、2階のテーブルの予約席があるのだが、やはり人気なのは、1階のこの広大な広さのカウンターだ。ほんとうに広い。


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自分が初めて、とんきを体験したときも、まず驚いたのは、この1階のめちゃめちゃ広い店内だ。


この空間こそ、まさに、とんき、である。


とんきは、すごい劇混みなので、カウンターの後ろに待合席が用意されている。とにかく広いので、席もすごい数用意されている。外で並んで立って待つことがないように店内で座って待っていてもらえるように、という配慮だ。


とんき、の店内が人気なのは、コの字に配されたカウンターから、厨房が丸見えになるような仕掛けになっているところだ。とんかつを揚げて、それに包丁を入れて、皿に盛りつけていく。やっぱり、せっかくとんきを体験するなら、ぜひこの1階席のカウンターに限る。自分は劇混みで、お客さんはつぎつぎと2階席に案内される中、どうしてもこの1階の空間で食べたかったので、1階席を懇願した。ちょうど1人分空いていて待たずにそのまま着席できてラッキーだった。


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店内は、すごい生活感あふれる感じで綺麗に清掃が行き届いている。なにせ広大なフロアなので、毎日膨大な労力で清掃しているらしい。



厨房内は完全分業制だ。


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これがとんかつを揚げている寸胴。中に脂が敷き詰められており、熱々だ。この中にとんかつをどんどん放り込んで揚げていく。もう上品系でもなく、もうどんどん放り込んでいく、ある意味大雑把というぐらいラフである。なにせ1階カウンターはすごい人数なので、数をどんどんこなしていかないといけない。いっきに13、14枚くらい単位で揚げていく。



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厨房の端のほうで、こうやって、とんかつの生肉に衣をつける作業をしている。1枚1枚卵と衣をつけて、つけ終わったら、そのまま1枚づつ寸胴まで運んで、放り込んでいくという作業だ。


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ちょうどいい具合に揚げあがったところで、それを取り出し、包丁を入れていく。切り方もちょっと変わっていて、一度縦に包丁を入れて、それからスライスしていくという切り方なのであるが、これは小さな方から、おじいちゃまおばあちゃままで食べやすいように、ということもあるし、何杯もごはんを食べていただけるように、という思いも込めている。お皿にはキャベツがすでに盛り付けられていて、そこに切った後のとんかつを、どんどん盛り付けていく。すごい慣れた作業で、さっさっと進んでいく。


カツを切り分ける際に、お客さんの性別や年齢に合わせて一口分のサイズを調整する。


十字に切るとき、歯が弱いとか、あまり食べられなさそうな方には1回多く包丁を入れたり、逆に大柄なお兄さんには1回減らしたり。過去にご来店いただいた方には、そのときの記憶も頼りながら。「縦2本入れてくれ」とか、オーダーいただければお応えするそうだ。



やっぱり、これだけのお客さん、そしてとんかつが出来上がるまでのフローなど、注文してから、出来上がるまでかなり時間はかかりますね。かなり待ちます。これは仕方がないことかな?それでも30分以上かな?とんかつを揚げるのに、大体17~18分かかるらしい。それを人数分さばいていくのだから、これは仕方がない。


なるべくお待たせする時間をできる限り削減するために、お店に来店と同時にすぐに注文を聞くようになっている。



そして、出来上がった、とんかつの聖地、とんかつ とんきのロースかつ定食である。2,300円。

豚汁、ごはんはお替り何杯でも無料である。


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超久しぶりのとんきだった訳だが、自分の淡い記憶では、もっと肉厚でボリューミーな感じでいた。やっぱりとんかつだから、1枚1枚が肉厚でボリューミーで食べ応えがあってほしい。そういう男の願望がある。でも完成品を見るや、意外や薄っぺらいというか(失礼。。笑笑)こんな貧祖な感じだったっけ?という印象であった。衣はかなりこんがりと焼ける具合十分に火を通している印象だ。


でも、ひさしぶりに食べるとんきのとんかつ。やはり美味しかった~~~。豚肉が上質ですよね。噛めば噛むほど肉汁と甘みが溢れ出る、という感じで、とんかつ食べてる、という満足感を感じられた。やっぱりこういう食べ応えがないと。これがとんかつに求められている、みんなのイメージ像だと思うのである。


とんきのとんかつ、超美味しかったです!


ひさしぶりに堪能出来てよかったです。


ひさしぶりのとんき。客層を見ると、若い人から年配の方まで幅広い。そしてなにより外国人がすごく多いことだ。メニューのオーダーも英語版も用意されていて、注文を取る方も、外国人のお客さんがスマホを見せて、これと同じものを、というリクエストにOK!と快く。そんなやりとりが多くみられた。慣れてるな~という感じ。


常連さんが多いので、3代、4代と続けて来てくださる方が多い。おじいちゃんおばあちゃんから、1歳くらいの小さなお子さんまで、いろいろな方に愛されている店だな、ということは日々感じているそうだ。そこにまた、タワーマンションの方や、新しい外国のお客様も増えているので、客層という意味では本当に幅広い。近隣にお勤めの芸能関係の方や政治家の方もいるが、「サインをください」みたいなことはまず無い。「大人」のお客様が多い。これも目黒の土地柄なのだろう。


ひさしぶりのとんき、美味しくて満足しました。

また来ます。


最後に、3代目 吉原出日氏のインタビューの抜粋を紹介して終わりにしよう。


――「とんかつ とんき 目黒店」の歴史を教えてください。


祖父が目黒で創業したのは1939(昭和14)年と聞いていますが、実は前身にあたる「とんき」が五反田にありまして、祖父はその五反田の「とんき」で修行していたそうで、やがて暖簾をいただいて、目黒に自分の店を持ちました。「なぜ目黒に出したか」ということは定かではないんですが、慣れ親しんだ五反田から遠く離れるよりも、近くでやろうと思ったのかもしれません。


目黒の最初のお店は、今みたいなしっかりした建物ではなくて、立ち食い蕎麦のお店のように間口がぜんぶ開いている、本当に小さなお店だったようです。その後に、いまの「目黒」駅西口のキヨスクがある辺りに、最初の(しっかりとした)店舗を構えたんですが、「目黒」駅を拡張する時に立ち退きにあいまして、いまの場所に移転してきました。移転してここに移ってきたのが1967(昭和42)年のことですから、ここは今年で51年目の店舗になりますね。



――40年この街に暮らして、目黒の街の変化についてどのようにお感じですか?


この40年だけ見ても、かなり変わりましたね。自分が小さいころには、当然ビルはこんなに無かったですし、食べ物屋さんもほとんど無いような街でした。今は権之助坂の左右にいろんな飲食店が並んでいますが、ここも昔は、魚屋さんとか八百屋さんいった店がほとんどでしたから、今のような姿は想像もしていなかったですね。


まったく変わらずにやっているのは、すぐそばのお寺さん(大圓寺)とか、「聖アンセルモ教会」とか、そういうところぐらいです。「ホテル雅叙園東京(旧:目黒雅叙園)」は昔からありましたが、建物は全部新しくなりましたし、ここ十数年で一気にビルやタワーマンションも建ちました。風景はすっかり変わりましたね。それから、何年か前からは外国人の方が多く住むようになったな、と感じています。


――「とんき」ならではのこだわりについて教えてください。


とんかつは、粉と卵を3回ずつ付けて、最後に衣を付けて揚げている点が一番の特徴かと思います。さらにそのかつを、低温の100%ラードの油で20分近く揚げて、中までゆっくりと火を通して、召し上がっていただくというとんかつです。切り方もちょっと変わっていまして、一度縦に包丁を入れて、それからスライスしていくという切り方なのですが、これは小さな方から、おじいちゃまおばあちゃままで食べやすいように、ということもありますし、何杯もごはんを食べていただけるように、という思いも込めています。豚汁とご飯はお替わり自由ですから、ゆっくり楽しんでいただきたいですね。



――目黒の街の魅力についてお聞かせください。


40年ずっと住んでいても、やっぱり住みやすい、いい街だなと思いますね。治安もいいですし、どこに行くにも便利です。お客様の品がとてもいいというところもですが、落ち着いた、本当の意味での「大人」の方々が住んでいる街ですね。そこが目黒の魅力にもなっているのかな、と思います。


目黒はとっても坂が多くて、歩くと大変な街ですけれども、権之助坂をのぼった先にはおいしいとんかつ屋さんがありますから、どうぞ「とんき」をよろしくお願いいたします!










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