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WSS (ウエスト・サイド・ストーリー) [映画]

話題のスティーヴン・スピルバーグ監督のWSS(ウエスト・サイド・ストーリー)を観た。本当はリアルタイムで映画館で観たかったのだが、仕事が大変な時期だったので、気持ちにそんな余裕がなく、Disney+で観た。つくづくDisney+に入会していてよかったと思う。


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ブロードウェイで伝説と言われるほどの成功を収めたミュージカルの現代のリバイバル版。


「トゥナイト」「アメリカ」「マリア」「サムウェア」など不朽のミュージカル・ナンバーを作曲したのが、レナード・バーンスタインである。


作曲家バーンスタインの名を不動のものにしたこのミュージカルの名作は、ニューヨークのウェスト・サイドを舞台に、対立する非行少年グループ間の男女の悲恋を描いた現代版「ロミオとジュリエット」といえる作品で、胸を打つ甘美なメロディや野性的なリズムによる音楽が魅力である。


ミュージカル、舞台や映画も本当に秀逸であるが、自分はウエスト・サイド・ストーリーといったら、やっぱりどうしてもバーンスタインなのである。


カラヤンの時代にその対極するライバルとして、クラシック界に双璧としてそびえ立ったバーンスタインであったが、作曲家として、このブロードウェイ・ミュージカルの作曲に、カラヤンとは違う、カラヤンが成し得なかった自分の大きな才能として自負していた仕事、業績だったのではないか、と確信している。


これが正しいかどうかはわからないけれど、カラヤン派であった自分は、このバーンスタインの作曲家としての才能に大きな尊敬の念を抱いていたのである。そんな才能がいっきに華開いたのが、このウエスト・サイド・ストーリーだったのだ。


自分が熱中して聴いていたのは、この盤である。


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「ウェスト・サイド・ストーリー」 

レナード・バーンスタイン&オーケストラ、

キリ・テ・カナワ、ホセ・カレーラス、他(1984ステレオ)





作曲者バーンスタイン自らがタクトを執り、キリ・テ・カナワやホセ・カレーラスなど超一流のオペラ歌手を起用したこの録音は、バーンスタインの意志が隅々にまで貫かれた名盤として広く知られている。


自分は、この盤でウエスト・サイド・ストーリーの名曲をよく勉強していた。



ウエスト・サイド・ストーリーは、もうあまりに有名で自分が子供の頃からずっと身近にあったミュージカル、舞台や映画だったと思う。子供の頃から耳にしたことがある、聴いたことのある、そんな名曲たちに溢れている。



もともとはミュージカルとしてスタートしたのだけれど、商標としては、当時は「ウエスト・サイド物語」でしたね。「ウエスト・サイド・ストーリー」は今回のスピルバーグ監督のリバイバル版の商標です。


日本でも劇団四季や宝塚を始め、多くのミュージカルや舞台で上演されてきた。もう王道の演目である。バーンスタインの祝〇〇周年というメモリアルイヤーになると必ず上演されるキラーコンテンツなのではないだろうか。



「ウエスト・サイド物語」は、アーサー・ローレンツ脚本、レナード・バーンスタイン音楽、スティーヴン・ソンドハイム歌詞のブロードウェイ・ミュージカル。原案ジェローム・ロビンズ。1957年初演である。


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シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」に着想し、当時のニューヨークの社会的背景を織り込みつつ、ポーランド系アメリカ人とプエルトリコ系アメリカ人との2つの異なる少年非行グループの抗争の犠牲となる若い男女の2日間の恋と死までを描く。


「ウエスト・サイド・ストーリー」自体がアメリカ文化の一部といえるほどの歴史的作品であった。


世界中のミュージカルや舞台で上演され続けてきたスタンダード中のスタンダードである。


ミュージカル版が1957年に初演され、1961年に映画化。今回およそ60年の時を経て、スピルバーグという現代映画界の巨匠によって再映画化がなされた。


60年前の作品をいまなぜ?


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黄金期のアメリカの光と影を切り取った傑作。


物語の舞台は、1950年代後半のニューヨークはマンハッタン西部。「ウエスト・サイド・ストーリー」は、ヨーロッパ系とプエルトリコ系の移民の若者たちの対立、主人公であるマリアとトニーの恋などストリートの人間模様を描いた作品だ。



この物語がシェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」を下敷きにしていることはとよく知られるが、原作を手がけた4人の作家は、新聞の見出しでラテン系の若者による暴力事件を目にしたことからもインスピレーションを得て、作品を仕立て上げたのだという。


1950年代のアメリカは経済的にも、文化的にもひとつの黄金期を迎える一方で、50年代半ばから60年代にかけて公民権運動が巻き起こり、人種差別の撤廃に向けて揺れ動く激動の時代だったのだ。


自分は、平和ないまの時代に住んでいて、けっしてあの時代に戻りたいとは思わないけれど、あの当時、世の中がそういう世相だった、ということを十分に感じとれる映画だと思うのである。


1961年度版映画では、白人俳優が褐色のメイクを施して出演している。現在の視点で見ればあきらかに人種差別的表現にあたる。


またいまこうして見ると、暴力的表現、差別発言など、物語そのものとは別のところで、この当時の社会の複雑さを内在化している側面もある。


自分はひさしぶりにこの映画を観た正直の感想は、ちょっと暴力的で正しい道徳観、倫理感で取り締まられているいまの時代には、ちょっとキツイな、観ていてしんどい、と思ったことも確かだった。


あの当時は、これがあたりまえの世界観だった。


そんな60年前の世界観を、ハリウッド映画界の巨匠スピルバーグが、なぜ再映画化したのだろう?


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「The Guardian」のインタビューでは、スピルバーグにとって本作はオリジナル版であるミュージカルの再構築作品であると強調し、「このミュージカルは、わたしの人生とともにあった」と思い入れを語っている。


「ウエスト・サイド・ストーリー」を自らの手で映画化することは、スピルバーグの長年の夢だったのだ。


「ウエスト・サイド・ストーリー」を自ら手がけることは、スピルバーグにとって悲願であると同時に、非常に複雑な作品背景をもつことから大きな挑戦であったことは間違いない。



スピルバーグによって60年ぶりに復活した「ウエスト・サイド・ストーリー」は、まず画質が素晴らしかった。自分が記憶にあるこの映画の映像は、どちらかというとセピア色のフィルムの世界のような画質だったのだが、蘇ったスピルバーグ版は、じつに最新映像技術によるVividな鮮明な画像だった。


セットなのかな?かなり投資費用をかけたゴージャスな当時の街風景を再現し、ダイナミックな輝度情報、色再現性などまばゆいばかりな感じであった。


非常にダイナミックでスピード感ある映像表現で、まさに今風、現代版といっても過言ではなかった。


あの名画がこんな風に蘇るなんて!という感じで嬉しかったです。


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俳優さんたちもとても魅力的ないい俳優さんばかり。主人公であるマリアとトニーは、とても輝いているいい俳優さんでした。トニーが夜にマリアの部屋にかけよるこのシーンなんて、まさに「ロミオとジュリエット」そのもの!


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そして「ウエスト・サイド・ストーリー」といえば、このストリートでのダンスだ。圧倒的!画像の色使いがVividなので、すごいインパクトがある。この華麗なダンスのストリート・ショーはもう圧倒されますよ。この映画の一番の魅せどころであろう。これが現代風ダイナミック映像表現でいまに蘇るのだから堪らないのだ。


このストリートでのダンスをみると、自分は古き良き時代のアメリカをイメージするし、このシーンを観るたびに、これこそ「ウエスト・サイド・ストーリー」だ!と思ってしまうほど、この映画といえば、まさにここ、ドンピシャなのである。



オリジナル版であるミュージカルの再構築。そう語っているこのスピルバーグ版。


いろいろ拘っているところがあるそうだ。たとえば楽曲の順番。この作品は幾重にもいろいろ上映されてきていることもあって、曲順が改訂されて違うところもあるそうなのだが、本映画ではまったくオリジナル版と同じ順番だそうである。


スピルバーグ版では、多数のスペイン語のセリフを導入したり(それらは英字幕なしで上映されている!!!)、すべてのプエルトリコ人パートにラテン系の出演者を配置したり、キャストとスタッフがプエルトリコの文化や歴史を学ぶための人員を雇うなど、制作上においてもさまざまな配慮を施したのだそうだ。


このスピルバーグ版は2021年度に米本土で上映され、その年のゴールデングローブ賞、アカデミー賞を総なめにしたらしい。


楽曲演奏が、グスタボ・ドゥダメルで、ロサンゼルス・フィルである。


超話題作なので、ぜひ観てほしいです。自分の世代は、きっと懐かしむだろうけど、若い新しい世代の人たちにもぜひ観てほしいと思います。


Disney+の配信でも見れるし、Blu-rayなどのパッケージにもなってますよ。


自分は、この「ウエスト・サイド・ストーリー」をミュージカルや舞台で観たことがないんですよね。やっぱりコアなファンの声によると、映画よりも絶対、舞台、ミュージカルのほうがいいんだそうです。


ダンスの臨場感、などじかに生にその躍動感が伝わってくる感じで、全然迫力が違うんだそう。


劇団四季、宝塚。ぜひ今度挑戦してみたいです。日本語上演なのかな?



ちなみに、ウエスト・サイド・ストーリーと書いてその頭文字でWSSとよく略されるが、自分にとってWSSとこれば、これはウエスト・サイド・ストーリーではなく、WideScreenSignalling(ワイド・スクリーン・シグナリング)のことを指します。(笑)


自分の前職時代に、自分の在籍していたGPで仕事としてやっていた業務で、アナログ時代の映像信号でV-Blanking(垂直同期区間)のところに、16:9のワイド画像信号であるよ、というIDを重畳させることをいいます。当時のTVのスクリーンは4:3だった時代なので、上下に黒色のレターボックスという帯がでるのですが、その映像信号のV-BlankingのWSSのID信号をTV側でデコードして、16:9の画像だと認識したら、それをスパン、ズームするとか、なんかそんな感じだったような・・・スミマセン。記憶がもう曖昧で定かでありません。


いまのデジタルな時代、16:9/4:3のスクリーンのアスペクト比の判別IDなんて、データのパケットの中に入れれば、それで済むことなのかもしれないけれど、当時、波形がアナログの時代、V-BlankingにIDを重畳する、というそういう考え方だったんですね。懐かしいです。


でも自分にとってWSSというと、完璧にこの16:9IDのことをいうのでした。だからクラシックのSNS投稿でWSSと書かれていると、自分は猛烈に、16:9IDのことを意識して思い出してしまい、あとから、あっそうか・・・ウエスト・サイド・ストーリーのことだったんだな、と思い直すのです。







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