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音の共感覚・色聴 [クラシック雑感]

共感覚とは、「ひとつの感覚の刺激によって、別の知覚が不随意的に起こる」現象である。


「共感覚」は、いくぶん風変りだが素敵な感覚を備えた人々が、日常的に知覚している「現実」をそのまま表した言葉でもある。


共感覚.jpg

音を聴くと色が見えるという「色聴」や、文字を見ると、そこにないはずの色が見える「色字」が代表的で、「痛みを感じると色が見える」とか、「何かを味わうと手に形を感じる」などなど。


何らかの共感覚を持つ人の割合は、近年は「23人にひとり」という報告もあるのだそうだ。


たとえば、


「色字」と「色聴」


「ひらがなやアルファベット、数字、それから画数が少なければ漢字にも色を感じます。たとえば「あ」は赤で、「い」は白、「う」は白に近いグレーという具合に、それぞれの文字に色を感じるんです。数字だと、1は白、2はオレンジ、3は水色……と、やはり数によって違う色を感じます。」



「色聴」では、おもに楽曲の調(キー)に色を感じるという。


「ハ長調なら白ですし、ニ長調はオレンジ、ホ長調は緑です。これが短調になると、総じて色は暗くなる。ハ短調は濃いグレーで、ニ短調は枯れ葉みたいな茶色、ホ短調も緑ですが、ホ長調に比べるとずっと暗い色になります。」


23人に1人が、共感覚の持ち主というのは驚きとしかいいようがないが、共通していることは、その才能が自分にとってはあたりまえで、他の人も普通にそのような感覚があって別に不思議なことではないと思っていることだ。


他人から共感覚のことを聞かされて、初めてその才能に気づき驚く感じである。


共感覚という現象があまり広く世に知られていないことで、無理解という意味で嫌な思いをしたりして、共感覚者が口を閉ざしてしまうきっかけにもなる。


自分は共感覚者ではないと思うが、そのような才能を持ち合わせている人は、普段の生活、感覚はどのようなものなのか、興味はある。


特に自分がすごく興味が惹かれるのが、音の共感覚「色聴」である。


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色聴.jpg


自分は色聴はすごい素敵な感覚なのではないか、と普段から思っている。


芸術家、音楽家にそのような才能が備わっていたなら、これまた随分違った音楽人生になっていたであろうし、創作面においてもプラス面でいい影響を与えるものではないかと思ってしまう。少なくともマイナスには絶対ならないのではないだろうか。


自分は色聴ではないと思うが、フランスのドビュッシーやラヴェルの音楽を聴くと、淡いピンクや青のパステルカラーのイメージを思い浮かべてしまうし、必ず脳の純白のパレットに水墨画で淡く描かれているそんな色彩イメージが頭に浮かんでくる。でも、これは自分だけではないですよね。普通クラシック音楽ファンであれば、みんなそんなイメージを浮かべると思います。


ドビュッシーやラヴェルの音楽はそのような効力があるのです。


自分がはじめて、色聴という言葉を知ったのは、じつはつい最近。もう5年以上前だったであろうか。。


ヴァイオリニストの竹澤恭子さんのインタビューで、仲良しのピアニストの児玉桃さんは、色聴の才能があるのではないかと話していたインタビューを読んでからだった。児玉桃さんとのデュオ・コンサートのときか、なんのインタビューだったか、よく覚えていないのだが、桃さんは、音を聴いて、それを色で知覚する、描写するそういう才能を持っている、と仰っていた。


そうだったのか・・(^^;;。ところで色聴ってなに?とそのときに調べて、その意味がわかってその才能に当時随分驚いたものだった。


確かに、児玉桃さんはフランスの現代音楽を中心に、そのピアノで表現する世界は、音を色で描写するような芸術的で繊細な世界で、ある種感覚的な感性の持ち主のように思う。


もし、ご本人がそうでない場合は、スミマセン。(笑)たぶん竹澤さんは、桃さんにはそのようなセンスがある、という意味での発言だったのかもしれません。


そのインタビューで自分には、色聴という才能に大きく興味を抱いてきた。



共感覚を持つ人は、



・誰もが持っている感覚で、それが意識の領域にのぼる人は少ない説。

・幼少の頃は誰もが持っている感覚で、五感が発達する過程で失われていくといった説。


と言った様々な説があるみたいです。


この不思議な現象は最新の脳科学である程度解明され、芸術家や詩人、小説家には、それ以外の人より共感覚を持つ人が7倍も多いそうだ。


共感覚の中でも音が色のイメージと紐付けられる「色聴」。


色聴は共感覚の中でも一番発生確率が高いと報告されている。


音を聴くと色が見えるという色聴。その色の見え方も一音一音見える場合もあれば、音楽の音色を聴くと様々な色が見え方がする場合もある。それは曲によって見える色も全然変わってきて、一色というよりも複数の色でグラデーションを描くかのように見える場合であったりする。


色から色への移り変わりも、曲のテンポやシーンによって全然変わってくる。またアップテンポの曲だから赤、バラード調だから青というような単一な見え方をする場合もある。ケースバイケースである。


本当にその人が持っている才能によりけりなのだと思います。その色、描写のされ方というのは・・・。


芸術家、音楽家に多いと言われる色聴。


さらに大きな括りとして、共感覚の持ち主で著名な方でいうならば、レオナルド・ダ・ヴィンチや、モーツァルト、宮沢賢治(詩人・童話作家)、エドヴァルド・ムンク(画家)、スティービーワンダー(音楽家)等も共感覚の持ち主だったそうです。。



世の中には、色聴者判定テストというものもあるそうです。12音×長調と短調=24種類の調を3回ずつランダムに聞かせられる、つまり72回も似たようなフレーズを聴くようなテストだそうだが、このような感じでテスト結果によって自分が色聴なのか、どの程度なのかもわかるようなテストがあるんですね。


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