サントリーホールの正装コンサートを実現するためには・・・ [クラシック雑感]
サントリーホールの正装コンサート。自分が体験した5年前の30周年記念ガラだけでなく、定期的に(たとえば5年間隔)開館〇〇周年の記念イヤーにおこなわれているサントリーホールの伝統行事なんですね。
知りませんでした。
とにかく日本でこのようなことができるのはサントリーホールしかないであろう。
こんな光景が一面に繰り広げられる。
いいですねぇー。
観客のみなさんもビシッと正装して、その記念コンサートを楽しみましょう!という発想がいいですね。夏のヨーロッパの音楽祭では、正装はごくノーマルな身だしなみであるが、日本でそれを強いるのは、なかなか文化の違いもあり、難しいのではと思います。
今年の開館35周年記念ガラでも、もちろん正装コンサートがある。
ところが、ご存じのように、いままさにコロナ禍真っ盛りである。
おそらくサントリーホール側ではこの35周年記念事業を立案したときは、1年もすればコロナも沈静化しているであろう、という読みがあったに違いない。でも現実は、変異株みたいなものも出てきてしまい、まん防では足らず、また緊急事態宣言に突入だという。自分は、蔓延防止法と緊急事態宣言の違いがよくわからないです。(笑)
そんな現況下、はたして正装コンサートが開催される10月の秋には、マスクをせずにふつうの社会が戻ることに現実味はあるのであろうか?
男性ならタキシードに礼服、女性であればドレスに和服。こんなにビシッと決まっているのに、みんなマスクをつけている図はちょっと・・・(笑)。
さらにはこういう正装の図では、写真のように歓談するからこそ、全体の絵が映えるのであって、それを制限されたら、せっかく正装しているのも意味がないのではないだろうか?
それはドリンクなどの会食もそうである。
正装しているんであれば、片手にワイングラスは必須である。
正装しているんであれば、片手にワイングラスは必須である。
コロナが突き付ける条件は、正装コンサートにとって極めて厳しい現実である。
でも、たったひとつ解決策はある。
これは、サントリーホールが今年、正装コンサートをやると知ったときに、自分の脳裏に一瞬浮かんだ案で、自分としてはそれだけはやってほしくないと思っていた案である。だから黙っておきたかったのであるが、隠し事はできない性格なので。
それは観客、聴衆側にPCR検査や抗原検査などの陰性証明を課す方法である。
サントリーホール大ホールの2000人全員に検査を課すのである。
もちろんソーシャル・ディスタンスや人数制限もあるのだろうから、もっと少ない客数ではあるだろう。陰性が証明されたのであれば、べつにマスクをする必要はないのではないだろうか?さらには飲食もOKなのでは?
正装コンサートが立派に成り立つ。
この案がふっと自分に浮かんだのは、先例があるからだ。
それはベルリンフィル。
世界最高峰のオーケストラの1つ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などが参加して、新型コロナウイルスの感染防止とイベントの開催をどうすれば両立させられるのか検証する取り組みがドイツで始まった。ベルリン市は感染防止とコンサートなどの開催を両立させる方法を検証する取り組みを始め、20日、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が1日限定の試験的な公演を行った。
感染対策として、観客に当日、指定した検査場で、抗原検査を受け陰性だと証明するよう求めたほか、観客の人数を大ホールの収容人数のおよそ4割にあたる1000人に限定した。
訪れた男性は「生の芸術に触れる機会は限られ、検査を受けてでも訪れる価値が十分ある」などと話していました。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の代表、アンドレア・ツィーチュマン氏は「さまざまな感染対策に観客は応じてくれるのか、私たちもこうした対策を継続していけるのかを探っていく」と話していた。
ベルリン市は、来月にかけてオペラやコンサートを試験的に開催し、得られた結果をもとに、イベント再開の可能性やリスクを検討するとしている。
ここで重要なキーワードが”抗原検査”である。
コロナの検査で一般的なのはPCR検査である。いまもPCR検査が主流なのではないだろうか?でもPCR検査はどこでも受けられるという訳ではないし、いまはだいぶ拡充されているのかもしれないけれど、去年あたりでは、普通の病院ではPCR検査は受けられなく、保健所じゃないとダメでしたね。
しかもPCR検査は、結果が出るまで1週間とか時間がかかる。
それに比べ、抗原検査はものの10分くらいで結果が出るのである。
抗原と抗体。抗原はウイルスそのもの。抗原検査はウイルスがあるかどうかの検査。
自分もPCR検査はよく知っていたけれど、抗原検査は知らなかった。
去年の秋のことである。ご存じ、松本にコロナ明け復帰コンサートに行った。(松本市音楽文化ホールで川本嘉子&吉野直子デュオ・コンサート)そのとき過度な観光を強行してしまった結果、帰京してからなんと発熱してしまったのだ。もう慣れっこのいまと違って、当時発熱してしまったら、それこそ大恐怖である。
どうしよう?と青ざめた。
しかもPCR検査は、保健所でないと受けられない。
発熱してしまったら、自分はどうしたらいいのだろう?という準備をしていなかった。かかりつけの内科の病院にすがるような気持ちで電話で相談したら、いますぐ来てください、という。嬉しかった。先生に松本で過度な観光をして、帰ってきて熱が出てしまいました。どうしましょう?と。
そうしたら、先生は、コロナはうちでも検査できますよ、と仰る。
それが抗原検査だったのである。
PCR検査も抗原検査も、鼻の中を綿棒でグリグリかき回されるのは同じである。でもその結果を得る方法が抗原検査の方が簡単なのである。ものの10分で答えが出るのだ。
結果、コロナもインフルエンザも陰性だった。
単なる疲労で体が火照っていたという診断結果であった。
単なる疲労で体が火照っていたという診断結果であった。
自分はよかった~!!!
抗原検査、なんて便利なんだろう!
どこの病院、内科でも常備されていて、ものの10分で答えが出る。
どこの病院、内科でも常備されていて、ものの10分で答えが出る。
世の中、PCR検査、PCR検査と騒いでいるけれど、抗原検査で全然十分じゃん!とそのとき思ったのである。もちろん医学的には、陽性、陰性の精度からすると、抗原検査はあくまで簡易的なもので、PCR検査の方が精度が高いのかもしれないけれど、抗原(ウイルス)があるかどうかの判断なのだから、抗原検査で十分なのでは?と素人ながらに思ってしまうのである。
ベルリンフィルが、コンサートの前に、観客に当日、指定した検査場で要請したのは、抗原検査である。自分はこのニュースを見て、なるほど、それは納得!と思ったのである。その場で10分くらいで結果がでる。
これだったら、聴衆全員に抗原検査を課しても、ちょっと時間がかかるかもしれないけれど、聴衆の安全が確保される。聴衆が全員陰性であれば、別にマスクをしなくてもOKなのでは?さらにドリンク、会食もOKなのでは?と思うのだ。
陰性が証明されたものだけが、コンサートホールの中に入ることができ、マスクなしの正装コンサートが成立する。
これが現実的な手法なのだろう、と思った。
ベルリンフィルのアプローチ。
だが、正装コンサートだから、こういうことをするなら自分は理解できるが、普段もこういう検査が必要か、という話になるのであれば、自分はかなり疑問視する。ベルリンフィルの場合は、あくまでパイロット実験である。日本と違って、ヨーロッパ、とくにドイツは厳しいですからね。
比較的軽症な日本で、コンサート前に聴衆に抗原検査を要請するという仕組みになったら、自分もそうだけれど、かなり猛反発を食らうのではないか、と思う。
検査を受けて陰性の人しか入れないなんて・・・。
いまの自分もそうだけれど、無症状の陽性が判明したら、かなり面倒なのである。(笑)無症状なんだから、そのままそっとしておいてくれ、という感じで、その陽性の事実を知ったら、かなり動揺すると思う。
しかも社会生活、会社生活に影響を及ぼすことは必至。
ベルリン・フィルが言っていた「さまざまな感染対策に観客は応じてくれるのか、私たちもこうした対策を継続していけるのかを探っていく」である。模索状態なのであろう。
検査を受けないとコンサートを聴けないなんて、いまの日本では絶対反発を食らうと思うな。ヨーロッパほど重症ではないから。
自分は絶対いやである。
反対である。
反対である。
まっどこまでやるか、の問題ですね。
コロナに煩い方は徹底的にやれ!なのかもしれませんが、自分はちょっと勘弁派かな?
コロナに煩い方は徹底的にやれ!なのかもしれませんが、自分はちょっと勘弁派かな?
もしサントリーホールが正装コンサートで、当日、会場で、抗原検査を実施するという話になったら、自分は行かないかも?(笑)
正装コンサートに向けて、サントリーホールがどのような判断をするのか注目である。
2021-04-20 22:02
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0