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へらぶな釣りは難しい [釣り]

中学の3年間にルアー渓流釣りにのめり込んで、高校進学とともに卒業した。
それから社会人になってからもずっと釣りとは疎遠であった。

もう釣りをすることもないだろう、と思っていたとき、まさかこんな状況下で
釣りに再会するとは思ってもいなかったのである。


それは2000年~2003年、病気で休職して、北海道の実家で療養していたとき、毎日があまりに暇なわけであるが、そんな持て余している自分を見かねて、オヤジが「どうだ?釣りにでもいくか?」と誘ってくれたのである。


うちのオヤジは、大の釣り好き。自分が子供心に物覚えあったときからずっと釣りを趣味として愛好していた。オヤジの終生の趣味である。


働いているときも、定年後も亡くなるまでずっと釣りに通い続けていた。
朝4時ころに起きて、出かけるのである。そして朝10時くらいに家に
帰ってくるというサイクルである。

働いていたときは、朝7時くらいには帰って、そのまま職場に出勤である。
早朝時間が釣りタイムであった。


もともとは鯉の釣り堀でスタートした釣り人生であったが、その後、へらぶな釣りに転身。その後、長い間、終生、へらぶな釣りを生涯の友とした。


もちろん海釣りもよく行っていた。子供の自分は、船が転覆したら危ないからやめてほしいな、といつも心配していた。


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オヤジの遺影として、へらぶな釣りをしているときのこのショットを選んだ。
自分のアイデアである。


母親は最初反対した。遺影というのは、もっとネクタイをして正面体のきちんとした写真でないと・・・。


でも自分はそんなありきたりの構図より、生涯釣りを愛したオヤジにとって、このへらぶな釣りをしている、そしてこの笑顔。これこそがもっともオヤジらしいショットであろう、と思い押し通した。


親戚一同にも額縁入りの遺影を配布したところ、大好評であった。
「この写真、お父さんらしくてすごくいいわー。」


そんなオヤジが終生の友とした「へらぶな釣り」。


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へらぶな釣りは、おそらく釣りの中でもっとも難しい釣りだと断言できる。
かなりの経験と技術力が必要である。


様々な釣りを経験した人が最後に行くつくところと言われているのが「へらぶな釣り」なのである。


「へらぶな釣り」は、あらゆる釣りの中でも、特に奥が深い釣りと言われている。繊細な竿や仕掛け、美しく塗り上げられた浮きに配合パターンに富む練り餌。ほんの少しの違いで釣果が大きく左右する、釣り人の腕の差が如実に出るのがこのへらぶな釣りの最大の魅力だと言える。


病気で実家で休職していた3年間、オヤジに連れられて、この「へらぶな釣り」を教えてもらい、いっしょに横に並んで釣り竿をかかげていたのである。


まさに自分が40歳のころ。世間の同世代の者は、みんな汗水たらして猛烈に働いているその年月、時間帯に、自分はオヤジと「へらぶな釣り」を習得して堪能していたのである。(笑)


へらぶなはこんなお魚です。


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淡水魚です。もちろん食べたりしません。
釣りをすることが楽しみであって、釣った後は放流します。


自分は、その3年間、オヤジといっしょに過ごしたことで、へらぶな釣りに使う道具とか、へらぶな釣りのテクニックとか、じかに教わったのである。


親子直伝である。


オヤジは、街のへらぶな釣り同好会みたいなところに所属していて、定期的に例会のような釣り大会もあって、それに参加していた。優勝したこともある。


へらぶなが生息しているところは、主に沼とか湖である。
渓流のような水の流れがない、止まっている淀んでいるところである。


そこに定期的に”放流”という行事がおこなわれて、その沼や湖に、生きたへらぶなを大量に何匹も放流するのである。


オヤジは、その放流をとても楽しみにしていた。放流後は、やはりたくさんのへらぶながいるので、エサへの食いつきがよく、たくさん釣れるからである。何月何日に放流します、という連絡をへらぶな同好会から電話で連絡を受けて、その放流後に釣りに行くのである。自分も放流後、何回かお供したことあります。


そんな釣りの中で最高ランクの技術が必要な「へらぶな釣り」。

ここで、ネットの力をお借りしてちょっと紹介してみよう。


オヤジは、パソコンとか全然ダメなの人なので、そんなパソコンを使わずして、おそらく書物だけでへらぶな釣りを習得したのはすごいもんだなーと改めて思います。


情報引用元:

身近なゲームフィッシュ!ヘラブナの釣り方講座
https://tsurihack.com/entry_hellabna


へらぶなは、池や河川に生息している非常に身近な魚。

釣り場としては、管理釣り場・釣堀、ダムもあるけれど、やはり野釣り。
池、公園とかの河川が一番自分にはしっくりくる。オヤジの主戦場もそこであった。


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へら竿


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へら竿は「カーボン竿」と「竹竿」が販売されている。昔からへら師に愛されてきた竹竿は重く、手入れが必要になる事から、現在は軽く腰のあるカーボン竿が主流だそうだ。


オヤジはこのへら竿をそれこそ何十本もコレクションしていた。
へら竿を本当に見ていて美しい。芸術品ですね。


釣り雑誌を見て、この竿が欲しんだよなー、50万する!と溜息で語っていたこともある。息子と同じで、物欲に弱い人間であった。(笑)



ウキ


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へらぶな釣りで重要なアイテムのひとつがウキである。へら師は、エサの溶ける様子や、水中のへらふなの状況をこのウキの動きから判断する。


へらぶな釣りは、エサ釣りであるから、やはりウキは必要なのである。


非常に丈が長いのが特徴ですね。へらぶな釣りの難しさは、このウキの引っ張り方、あたりの見極め方が非常に難しいので、このように長いセンシティヴなウキじゃないとダメなのである。


オヤジはこのウキもこういうケースに入れて、何本もコレクションしていました。おかしかったのは、釣り仲間の送別会かなにかのときに、そのプレゼントとしてオヤジはウキを贈ったりして、これは釣り仲間世界だよな~という感じで微笑ましかったのを覚えている。



道糸、ハリス、針


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これで仕掛けを作るのである。仕掛けで使用するものは、「ウキ止め、ウキゴム、板オモリ、サルカン」を用いる。


オヤジは、家の中でこの居間のリビングで、いつもこの仕掛けを作っていた。
「踏むなよ!」と言いながら。


ときどき、歩いていたら、イテッとなるときがあって、そのとき足にオヤジの作った仕掛けが刺さっていることもよくあったのである。(笑)



万力・竿掛け・枕


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竿を掛けておく為に、必要になるのが「万力・竿掛け・竿受け」である。
エサを付ける際や取り込み後に、竿を置いておく際に使う。


へらぶな釣りに使う道具


エサ


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へらぶな釣りのエサは練りエサである。釣り方によって各メーカーから様々なエサが販売されている。配合例や割合は袋の裏に書いてある。


このエサ粉と水を配合して練りエサを作るのである。
大体、粉4杯に対して水1杯が基本。


エサ釣りはよくミミズとか使うのでグロテスクでイヤという人も多いが、へらぶな釣りは粉と水を配合する練りエサなので、大丈夫なのである。


エサボール


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エサを練り、入れておく容器。手に付いた練りエサを落とす為、水を入れておくボールも必要なので、最低でも2つ用意しておく。


計量カップ


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エサの配合は、「〇㏄+〇㏄」とエサ袋の裏面に表示されている。分量をしっかり図る為になくてはならないアイテムになるので、重要である。



玉網・針外し


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掛かったへらぶなを取り込む、または水中で外すために必要となる道具である。釣堀では用意してある所も多いが、持っておくと便利である。



そして


へら台・アルミへら台


へら台は、管理釣り場や釣堀では用意してある所も多いので、場所によっては優先度は低い道具。でもアルミ台は野釣りでは必ず必要になるアイテムである。


つまりへらぶな釣りの場合、主戦場が沼や河川なので、水の中に入っていかないとダメなのである。だから濡れても大丈夫なこのアルミへら台は必須である。そこに腰かけて釣り道具一式、そして練エサを作る場所などを確保する。


男の仕事場なのである。


四角いアルミでできたへら台をつかって沼などでへらぶな釣りをしている図がこんな感じである。これがへらぶな釣りの主戦場である。


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へらぶな釣りの代表的な釣り方として3種類の釣り方がある。


(1)セット釣り


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エサの調整も難しくなく、アタリも明確に出ることが多いので、入門者におすすめしたいのがこの「セット釣り」。上針には、大きめのバラケエサをセットし、下針には固形のウドンエサをセットする。



(2)両ダンゴ釣り


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ヘラブナ釣りの醍醐味を味わえるのは、なんといっても「両ダンゴ釣り」でしょう。エサの配合、大きさ、柔らかさで浮きに出る反応が変わってくる。その為、エサは小分けにし、少しずつ手水(手に軽く水を付けて餌になじませる事)を加えて食いアタリが出るように調整していく。



(3)底釣り


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へら釣りの基本と言われる。へらぶなの活性が下がる厳寒期に代表されるのが「底釣り」。手返しは遅くなるが、一度魚を寄せてしまえば素直なアタリが出やすい釣りなので、大会で選択するへら師もいる釣り方である。


なんか専門的ですね。(笑)
オヤジが使っていた釣り方、仕掛けはどれだったか覚えていません。でも両ダンゴという言葉はよく発していたというか、聞いた覚えがあります。


へらぶな釣りの奥深さは、いろいろな調整を使ってあたりを狙っていくところ。
へらぶなとの勝負なのである。


エサの調整、ハリスを伸ばすor詰める、竿の長さを変える・・・など、あたりが出ない場合はいろいろなテクニックを使って、へらぶなを呼び寄せる。


自分がオヤジからいろいろへらぶな釣りについて、教わったとき、ここら辺のテクがいるところは、結局全部オヤジにやってもらったところがあったので、身につけているとは言い難いかもしれない。こういう技術を使っても、さらに尚、自分が実感して、へらぶな釣りが難しいと思ったのは、ウキの動きから判明する”あたり”の判別の仕方である。


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これは熟練と言うか、かなりスキルがいるのではないだろうか?


ふつうのエサ釣りは、ウキがさっと沈んだら、それあたり、と思って竿を上げるが、へらぶな釣りはそんな単純ではないのである。


まずへらぶな、という魚は、いきなりガブっとは食いつかないのである。ちょっと口先でポンポンと触ったりする習性がある。そうするとウキがポンポンと沈むので、初心者はそれ!いまだ!と思い、竿を上げるのだが、空振りしてしまう。


そのポンポンの動作と、本食いの動作を見極めるテクが必要で、自分は3年間、習ったけれど、この竿をあげるタイミングがどうしても自分のものにならなかった。


オヤジから、早すぎる、とか、遅すぎる、とか、言われる始末だ。


へらぶな釣りって難しいなぁ・・・


そして練りエサなので、時間が経つとともに、エサが水に溶けていくんですよね。そうするとエサがなくなって、軽くなり、ウキが浮いてくる。


そうすると、あっエサが溶けちゃったんだな、ということで、また引き上げて、エサを配合して練りエサにして、また仕掛けにつけるのである。


これはなんとなく習得した。(笑)


でも、へらぶなの”あたり”は、終始、自分のものにした、とは言えなかったなぁ。無念。


このようにへらぶな釣りは、釣りの中の王者である。

幾多のへら師を魅了してやまないへらぶな釣り。

数多の釣りを経験した釣り人が、最後に行きつくところと言われているのが「へらぶな釣り」。そこには釣りの“奥深さ”があるからこそなのである。


実家の物置には、オヤジのへらぶな釣り道具一式が大量に眠っている。
だから、いまからへらぶな釣りを始めようとするなら、道具には困らない。
自分に余裕があれば、それらをオヤジの遺品として取り寄せることも可能であろう。


カーペンターズとABBAを聴いて急に頭の中を巡った釣りであるが、じつは超久しぶり、半世紀ぶりに、釣りを体験してみたい、という計画があって、コロナの緊急事態宣言が収まったら、実行予定である。



日記にします。

ちょっと楽しみにしていて欲しい。






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