ザ・ビートルズ Get Back [ロック]
Disney+のザ・ビートルズ Get BackをPart1~Part3まで全部完遂した。やはりDisney+に入会してよかったと思っている。
8時間という長丁場だけれど、配信だといったん一時停止にして、休憩を挟んだり、食事できたりするので、便利だと感じた。映画館だとそうはいかないですね。
リハーサル風景を延々に撮影したドキュメンタリーではあるけれど、ビートルズファンにとっては、堪らない面白味だと思う。
ひと通りみてまず思うことは、マイケル・リンゼイ・ホック監督の映画「レット・イット・ビー」の暗くて陰鬱なイメージが噓のような明るさと元気いっぱいのメンバーであったということだ。
この50年間、ずっと映画「レット・イット・ビー」、そしてアルバム「レット・イット・ビー」につきまとっていたそういうイメージを一掃したと思う。
これは今回のピータージャクソン監督の思うつぼのようなところでもあるので、納得のいく仕上がりなのだろう。
本当にとても解散1年前の状態とは思えないくらいみんな仲がいい。ジョンとポールなんてもう全然仲良しである。
このグループのどこが仲が悪いの?いたって普通じゃん、という感じである。
彼ら4人は、本当に根っから明るいネアカ人間なんだな、とも思う。常にジョークを挟んだり、笑わせたり、ふざけたり。。。ネアカ人間の人種なんだよね。
そして本当によく喋る。自分は同じ人間としてあんなに喋ったりすることは苦手である。それくらいよく喋る。
今回の最新作でそこら辺の従来の解散前のイメージはずいぶん改善されるであろう。
ビートルズの4人って、曲作りのときは、こうやってお互いこういう風に会話しながら、仕上げていくんだな、ということがよくわかって面白かった。とても普通です。そんな世間で言われているようなこの時期の険悪な雰囲気なんて全然ない。あの有名な曲も最初は、ゴミのような欠片みたいなものなんだなということがわかって興味深かった。
よくいままでの映画「レット・イット・ビー」では、ポールが1人仕切っている感じで、ジョンが全然やる気なし・・・そこにポールが次第に3人と対立の溝を深めるなんて話もあったけれど、今回のを見てみるとまったくそんなことなし。
ジョンが1番喋っていたと思えるくらい、よく喋っていたし、バンドをリードしていた。もちろんポールもだけれど。ジョンがやる気がない、なんてことは見た限りではまったくそんな印象を受けなかった。
ずいぶん我々はこの50年間虚構の姿、イメージに騙されていたんだなぁと思う。
ゲット・バック・セッションについて1番難しかったのは、最後のエンディングをどうするか、ということだった。
いままでトゥイッケナム・スタジオ、そしてAppleのスタジオとセッションをやってきて、彼らに許されているのは、1か月間のみ。その間にライブショーをやるまでに持っていかないといけない。
メンバー間ではつねにスケジュール管理をする会話があって、そしていま7曲まで出来ている。14曲は欲しい。間に合うかな・・・とか、この決められた期間の中で、曲つくり、そしてライブがおこなえるレベルまでに曲を覚えること、練習すること。そんな時間がエンディングまでに間に合うのか、のかけひきをやっていた、と言えた。
そしてメンバーの1番の悩みがこの1か月間に及ぶゲット・バック・セッションの映画のエンディングをどうするか、だ。
このまま終わるのでは、スタジオでのセッション風景が延々と続くだけで、締まりがない。エンディングとして感情の盛り上がりがない。
やはりエンディングはライブをやることで、打ち上げの花火のようにパーと盛り上げて終わりたい。
ライブ会場をどこでやるか・・・
これが1番難しい問題で、このときのメンバー間のディスカッションは、本当に激しいものであった。
これは普段から思っていることだけれど、議論が苦手な日本人と違って、西洋人は、本当にとことんまで徹底して議論する。日常生活でも本当にこの議論する姿は徹底している。
あの4人が1番真剣にそしてシリアスになっていたのは、この最後のエンディングをどうするか、を議論しているときだった。
けっして喧嘩ではない。でも喧嘩と間違えるくらいシリアスな議論である。自分はこのときの4人の議論している姿を見て、これぞ西洋人の議論だな~と感心した。日本人ではこういう議論はまずできない。
結局ホッグ監督とグリン(エンジニア)のアイデアで、アップルビルの屋上でやる、という案がもたらされた。
ポールではなかった。(笑)
その元ネタはジェファーソン・エアプレインのニューヨークでの屋上ライブなのかどうかは不明である。
やっぱり、このゲット・バック・セッションでの最大のハイライト・シーンは、この屋上ライブ、ルーフトップコンサートであることは間違いない。
やっぱり格好良かった~~~。
自分はビートルズのライブパフォーマンスの中で、このルーフトップコンサートが1番好きである。1番格好いいと思う。
ピータージャクソン監督による最新版は工夫がなされていた。カメラは10台。(隣のビルの屋上や路上での通行人の反応を見るため、とあとはビル内での警察官とのやりとりのための隠しカメラ含め。)
この複数のカメラをマルチアングル出力という形で同時に出力するという技を見せていた。4人のライブパフォーマンスと、路上の通行人のインタビュー、そして警察官との交渉を同時に表示させ、臨場感を出すような工夫がなされていた。
決して4人のパフォーマンスを邪魔するような感じではなかったと自分は感じた。
素晴らしかったと思います。
ノーカット完全版の42分。ゲット・バックなんて3回演奏したんじゃないかな?
とにかくこの50年間、解散前のビートルズにつきまとっていたメンバー間の暗い険悪な間柄というイメージを一掃した見事な名誉復活版としてリバイバルした、と言っていいのではないだろうか。
そのイメージ転換に、自分はずいぶん驚いた1人である。
8時間の配信であるが、これの劇場版というのも近日中に公開されるようで、これもぜひ映画館に観に行きたいと思っている。
2021-12-31 08:56
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