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特許庁のオンライン見学 [ライセンス・知財]

特許庁へは行ったことがないのだが、どのようなところなのか興味があってネットで調べてみると、まず随分モダンで立派な建物であることに驚きます。


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こんなに近代オフィスなの?凄いです。


霞が関中央官庁街の一角にあるそうだ。いわゆるお役所なので、中央官庁街というのはとても納得がいきます。


特許庁の歴史は古くて、昭和9年に建てられ、いまのビルは平成元年に建て直しをしたものらしい。


人生で1度でいいから、特許庁へ行ってみたいな、とも思いますが、当然のことながら入所には通行許可証の電子ICカードが必要で、部外者禁止のようです。


そりゃ至極当然ですよね。(笑)


特許出願で、特許庁審査官との闘いを長い期間に渡ってやっていたときは、相手の特許庁審査官が、こんな立派なオフィスにいらっしゃるとは思ってもいませんでした。


自分がイメージしていたのは、もっと官庁らしい歴史のある煉瓦造りの古臭い建物だろうと思っていましたから。


でも、とても興味深い記事を見つけました。


それは”特許庁のオンライン見学”というものです。


特許庁が「オンライン見学」をスタート~家にいながら特許庁施設への訪問を体感。発明、実用新案、意匠及び商標に関する事務を行う特許庁が、来庁せずとも特許庁施設への訪問を体感できる「オンライン見学」を開始した。


オンライン見学では特許庁の仕事や知財に触れるコンテンツが多数用意されており、普段はなかなか身近に感じにくい特許や商標、意匠への一般の理解が深まることが期待されている。


・・・だそうです。


これはいいですね!自分はすごく興味があります。


正式にオンラインで申し込む必要があって、日時を指定して、オンラインで見学ができるようです。Skype for Bissness やMicrosoft Teamsでやるそうです。


特許庁は部外者禁止ですから、見学者を庁内へ導き入れて、見学させるリアルツアーは実際は難しいでしょうからこうやってバーチャルなオンラインツアーであれば、敷居もぐっと低くなって、主催者側にとっても見せたくないものなど、あらかじめ十分精査したコンテンツを作れますからいいですね。


オンライン時代だから可能になったことだと思います。



オンライン見学内容は、


・特許庁主要施設の動画紹介(庁舎入口から出願窓口、公報閲覧室、審査室(特許・意匠・商標)、審判廷など)

・特許庁の審査官等からのレクチャー(知財制度の紹介、特許・商標審査や検索システムの紹介など)

・「徹底解剖!これが特許庁だ!~仮想特許庁~」の自由探索・質問受付


見学対象者は、


中学・高校・大学などの学生、企業(特許事務所を含む)の新入社員など、5から50名の団体。


だそうです。知財に関して初心者向けのツアーだったんですね。(笑)知財とはなんぞや!特許庁とはなにをやっているところなのか?を初心者向けに紹介するのが目的のようです。


実際、特許庁ってこんな感じになっているそうです。


特許庁の構造.jpg


親しみやすいアニメーションで、学生など普段特許に触れることがない人々でも楽しめるのが特徴のようです。


特許庁って、やはり出願業務が中心なのだろうと思います。特許(発明)、実用新案(特許よりもっと軽いもの)、意匠及び商標に関する事務を行うところが特許庁なんですね。


・特許審査室(全員理系・分野に漏れなし)

・調整課(審査のルールメーカー)

・審判部(特許庁の法の番人)

・広報室(特許庁の情報発信はすべてここから)

・企画調査課(特許庁のアイデア課)

・普及支援課(霞が関唯一の営業部隊)

・国際政策課・協力課(世界への出願をより便利に)


特許庁ってこんな感じなんですね。


自分が闘いを挑んでいた特許庁長官のいる部署フロアは、特許審査室ですね。きっと。一部、二部、三部、四部と分かれています。


なんかこういうオンラインでバーチャルに組織案内されるだけでも、もう全然十分ですね。なんとなく特許庁ってこんなところ?というのがよくわかったような気がします。



興味のある方は、この特許庁オンライン見学に申し込まれてはいかがでしょうか?




いま気づきましたが、この申し込みサイトには、オンライン見学のほかに、来庁しての見学、というのもありますから、直接見学することも可能なんですね。


ただ、おそらく新人さん向け対象なんだと思います。



【国家公務員】最も入庁してよかった中央省庁は「特許庁」と発表。


こういう記事も発見しました。驚きとしかいいようがないです。


オープンワーク社の「入社してよかった会社のランキング」に、国家公務員の勤務先である中央省庁のうち、唯一「特許庁」がランクインしたとのこと。



2019年10月23日に、「新卒入社してよかった会社ランキング」を、企業情報サイトの「OpenWork」を運営するオープンワーク社が発表しました。


この「新卒入社してよかった会社ランキング」は単に民間会社のランキングというわけではなく、中央省庁の若手職員の回答も集計しているようです。


そのランキングに、他の省庁や名だたる有名企業をおさえて10位に入ったのが経済産業省の外局である「特許庁」です。


国家公務員については10位の「特許庁」が最も順位が高く、入庁してよかった省庁だと感じる職員が多いようです。


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①「特許庁」は他の「国家公務員」と待遇面は同じ

②残業向きではない「特許庁」の仕事

③「特許庁」は、「個」の力の集合体

④職員一人一人が独立して仕事をするため上下関係が気にならない


こんな理由があるんですね~。


②,③,④について、もうちょっと詳しく補足してみますね。


②残業向きではない「特許庁」の仕事


「特許庁」の働きやすさのひとつとしてあげられるのが、業務内容が残業向きではないという点です。「特許庁」の主な業務である、申請された技術や商品等に特許を出すかどうかを見極めるための「審査業務」は、集中力が必要な業務です。


特許が認められるかどうかは企業の社運を占うというほど重要な場合もあるため、「特許審査官」の業務を任された場合は、集中し、かつ効率よく1件1件の申請について審査しています。


そのような集中が必要な業務のため、長時間だらだらと続けてしまうとミスも生まれたり、効率が悪くなったりすることは望ましくありません。


そのため、審査業務は特に短期集中型で行なっているほか、審査以外の業務に携わる職員でも、週に1回は定時退社日を設けたり、月に1回は休暇取得日を設けたりするよう呼びかけているようです。



③「特許庁」は「個」の力の集合体


また、「特許審査官」は基本的に独立して業務を行う仕事だという特徴があります。


「特許庁」では、「特許審査官」をはじめ、独立して業務を行う慣例があります。


個人単位で業務のペースやスケジュールを設定できることは、就職後の満足度にも繋がっているようです。例えば、チームでの業務をしていると、会議や打ち合わせなど、他の職員のスケジュールに合わせなくてはならず、自分のルーチンワークは後回し、というケースが多くなりがちです。


しかし、「特許庁」では個人単位で業務の計画を立てることができるため、定時に退社するかどうかも自分次第ですし、有給休暇が比較的取得しやすくなります。


個人が独立して業務を行なっているとはいえ、特許申請について判断が難しい場合には他の「特許審査官」と、この特許申請は妥当か、ということを議論できる環境も当然あります。


手厚い研修と、個人の計画が尊重される職場環境が、「入庁してよかった」という満足感に繋がっています。



④職員一人一人が独立して仕事をするため上下関係が気にならない


「特許庁」の独立した業務形式は、休暇がとりやすいというだけでなく、上下関係が気にならないという利点もあるようです。


「国家公務員」の中でも実力主義という面があるので、たとえ後輩であっても、先輩と対等に議論することができます。


入庁当初には先輩審査官によるしっかりとした研修がありますので、その時には上下関係を意識する場面もあるかと思いますが、一人前の「特許審査官」として独立して担当を持つ頃には、上下関係を意識せずに、意見交換ができるようになると言われています。



情報引用元:


公務員総研

【国家公務員】最も入庁してよかった中央省庁は「特許庁」と発表




いいですね~~~。これはいいですね~。自分向きだと思いました。


特許庁いいな~。自分は経験もあるし、と思いましたが、特許庁って国家公務員なんですね。(笑)そこですでにアウトですね。難関の国家公務員試験を合格しないとダメなんですね。


喜びもつかの間でした。。。


特許庁審査官については、自分にはこんな想い出があります。昔、病気仲間というか、いっしょにデイケアなどに通っていた仲間がいたのですが、東大出身で三菱に勤めていた奴ですが、病気により退職。


再就職先を、なんと!特許庁審査官に応募している、というのです。(非常勤でしたが)自分は腰を抜かすほど驚きました。自分はそのとき今の会社で特許庁審査官と闘っていた真っ最中の真っ只中でしたから、もう驚くしかなかったです。


しかも奴は知財の経験、出願の経験もなし。


それは無理だろう!と内心思い、やんわりとこの分野、経験ないとかなり大変だよ、とアドバイスしました。


まぁ予想通り不合格ではありましたが、でも奴の勇気と向学心はとても尊敬に値しました。奴はいまどうしているのかな・・・ちゃんと社会の歯車に戻れたのかな?





自分でなんか新しい事業を始めようとするとき、新しいアイデアが生まれたときは、必ず特許出願をすることをお勧めします。


特許出願は、その言葉上、一般市民にはとても敷居が高いものに思われるかもしれませんが、そして主に企業向けの話だと思われているかもしれませんが、そんなこともありません。


個人としても出願できます。


世の中で自分が1番最初に発明したことなのに、特許出願を怠ったために、後年第三者が先に出願してしまい、さらに権利行使までされてしまって、お金を払わないといけなくなる。。自分のアイデアだったのに。。。そんな馬鹿げたことはあってはなりません。


特許明細書の作成、特許庁への特許出願業務は、特許事務所に依頼すればいいのです。(世の中に特許事務所は星の数ほどあります。)特許事務所で、弁理士資格を持った先生方に書いてもらうのです。


その代わり、何十万という出費が必要になります。


そして幸運にも登録査定の特許として認められた場合は、そこから毎年、その登録査定の特許を維持するため特許庁に年金を払う必要があります。企業の場合は、それは会社が払いますが(会社が出願人のため)、出願人が個人の場合は、個人でその年金を払う必要があります。


特許出願はやるべきだとは思いますが、結構金食い虫なんですよね。(笑)ただの無料の世界じゃないです。


無事登録査定として認められてから、その特許の有効期間は20年です。20年後にはその特許は満了となります。期限切れです。満了日以降はその特許の主張や権利行使はできなくなり、そのアイデアは誰でも使えることになります。


作曲家の著作権と同じようなものですね。著作権の期限が切れた場合は、著作権フリーになるみたいな。。


その20年の中で、苦労して出願した特許をどう活かすかは、まさにその本人次第だと思います。


特許出願のメリットには、この2点があります。


①自社権利の保護のための特許。

②他社からお金を稼げる特許。


①は、自分のアイデアなのに、他人に自由に使われ放題。海賊ビジネスなんてそうですね。中国や東南アジア圏の海賊ビジネス、模倣やり放題は本当にすざましいです。模倣地帯の温床なのです。


この温床によって著作権者はもう膨大な億単位の被害額を被っているのです。当然、こういう海賊ビジネスは取り締まりをしていかないといけないのですが、そのためにはこの技術が自分の発明だよ、ということを証明できないといけない。


その証明の権威として特許があるのです。そういう自社権利の保護、個人の権利の保護のために特許出願をしておきます。



もうひとつの②は、もうちょっとプロフェッショナルな領域です。無事登録査定として認められた特許は、つぎにその技術を使っている世界中の企業に対して、権利行使(ライセンスオファー)して、その使用料、実施料としてロイヤリティ、ライセンス料を支払ってもらう。それが結構な収入源になります。


自分の仕事でそれを嫌とも痛感しています。自分の会社、自分の事業部だけで、年間、何億、何十億という膨大なお金を、ライセンス料として他社に支払っているのを目のあたりにしていると、やっぱり特許って他社からお金を稼げる特許が一番効果的な使い方なんではないかな、と実感します。


もうこれだけでひとつの大きなビジネスになりますね。知的権利、知的貢献度、知的作業によるお金儲けですね。これは大きいです。


ライセンスの世界には、自社が他社からお金を稼いでくる収入と、自社が他社に対してお金を支払う支出とに分けられ、そのインとアウトで収支の赤字、黒字が決まります。


①の自社権利の保護はとても大切なことだけれど、特許の維持は金食い虫なので、結構特許数が増えていくにつれてボディブローのように効いてきます。②のお金を稼いでくる特許は、相手に認めさせるまでが大変なことですが(それこそ裁判に訴訟したりしてまでもやる)お金が入ってくるようになってくると、もうドル箱ビジネスなのかもしれません。


そういう意味で、やっぱり②がいいよな~とか思ってしまう訳です。


①と②の違いは根底は同じところにあるのですが、違いは相手に権利行使(ライセンスオファー)するかどうかです。


自分も技術者時代は結構、特許出願しましたが、先行文献調査を怠らないようにして、自分で出願したいポイントを整理してまとめます。自分流のプライベートな特許レポート(アイデアシートみたいなもの)を暫定で書いておくのです。そしてそれを特許事務所の先生方に説明するのです。


そうすると、特許事務所のほうで、きちんとした特許明細書を作成してくれます。そして特許庁に出願してくれます。


特許出願は出費が必要ですし、特許維持は金食い虫ですが、やはり自分の権利はきちんと保護しておいた方がいいと思います。企業だけの話だけでなく、どんな職業ジャンルでも関係することだと思います。








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