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北鎌倉 建長寺にて坐禅会・写経会 [雑感]

かねてより禅寺で開かれる坐禅会に参加してみたく北鎌倉建長寺を訪れた。


坐禅会は、坐禅について素人の人でも大歓迎。一般人ならば誰でも参加できるそんなお気軽に坐禅を体験できる催しだ。北鎌倉では円覚寺も坐禅会で有名なのだが、円覚寺なら北鎌倉駅を降りてすぐそばなのでいいかな、とも思ったが、建長寺のすぐそばにある点心庵さんのけんちん汁をもう一回食べてみたくて建長寺にしたのだった。


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建長寺は、梶原景時ゆかりの地ということで、鎌倉殿の13人の旗が立っていた。なぜ梶原景時ゆかりの地なのか調べてみた。


梶原景時は鎌倉時代初期の武将。打倒平家を掲げ挙兵した源頼朝が大敗を喫した「石橋山の戦い」で、平家側でありながら、洞窟の中で潜んでいた頼朝を見逃して命を救った縁から、鎌倉幕府では御家人として重用された。


彼の讒言(ざんげん)によって源義経をはじめ多くの御家人が失脚したが、頼朝の死後は後ろ盾を失い、66人もの御家人から弾劾を受けて鎌倉から追放される。


頼朝の死からわずか1年後の1200(正治2)年、駿河国で合戦となり討ち死にした(梶原景時の変)。


建長寺の創建は梶原景時の死から53年後。第5代執権北条時頼の時代、1253(建長5)年である。


言い伝えによると創建から間もない頃(翌年ともいわれる)の7月15日、三門(山門)での施餓鬼会が終わった直後、一騎の武者が駆け付けたという。


施餓鬼会とは日本では奈良時代から行われている仏教行事で、多くはお盆の時期に行われる。餓鬼道に堕ちた衆生に浄水や食べ物を供えて追善供養するというもの。


施餓鬼会が終わっている事を知ると武者は残念そうに立ち去ったが、それを見た大覚禅師(蘭渓道隆)が武者を呼び戻しもう一度施餓鬼会を執り行った。


武者は大変喜び、自分が梶原景時の亡霊である事を告げると姿を消した。以来建長寺では毎年7月15日、一度も欠かす事なく梶原景時のために施餓鬼会を行っているという。


かつては午前に通常の施餓鬼会、午後に梶原景時のための施餓鬼会と分けて行っていたようだが、今は通常の施餓鬼会と続けて行うそうで「三門梶原施餓鬼会」と呼ばれている。


・・・なのだそうである。


鎌倉殿の13人では、中村獅童さんが演じられ、さすが歌舞伎役者ともいえる陰影、深みのある梶原景時を演じられている。これからが楽しみです。


そんな建長寺に、坐禅会に参加しようと思ったのだが、拝観料を納める窓口のところで、坐禅会は予約制であることを知って愕然となる。(笑)


写経ならできます。


まさか写経をやることになるとは思ってもいなかったが、ものは試しなれ、写経もぜひ体験しようということになった。


坐禅会も、写経会も建長寺の中の方丈というところでおこなわれる。建長寺の場合は、とくに方丈のことを龍王殿という。


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方丈は、どこの禅寺でも必ず存在する建物・部屋なのだが、方丈というのは、本来住持が居住する場所のことをいう。現在は建長寺の場合は、方丈は法要・坐禅・研修の場所として使われている。この建物も、総門と同じく京都・般舟 三昧院より昭和15年に移築された。建物は、享保17年(1732年)の建立で、元は皇室のお位牌を安置するためのものだったそうだ。



写経の場合、方丈に入ったすぐ目の前に、知客寮というお部屋があって、そこが写経室になっていた。


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自分は、写経は、もっと和室的というか、お寺的というか、修行僧のように正座して墨、文鎮で黙々とやるイメージを持っていたので、まず、椅子とテーブルというのが、少し驚いた。と同時に、いまや正座ができない自分にとっては、助かった~という感じである。思っていたほどお寺的ではないけれど、和風のとても綺麗な部屋だと思いました。


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写経はとくに時間が決まっている訳でもなく、朝10時以降、閉門になるまでは自由に自分で部屋に入って自分で自由にやるという感じである。


自分が行ったときは、誰もいなく自分1人であった。



ここに筆、文鎮、和紙などの道具一式が揃っている。写経が終わった後、その清書をここに置いていってもいいし、自分で持ち帰ってもいい。


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写経の仕方をよく読む。


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さっそく写経を始める。なぞるのは「般若心経」。


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般若心経とは。お釈迦様の悟りの境地である「空」の教えを説いたお経で、煩悩・執着といった欲から離れ正しく生きるお経である。写経する事で、大いなる「空」の教えである「こだわらない」「とらわれない」「かたよらない」という功徳が得られる。般若心経は600巻におよぶ大般若波羅蜜多経を262字に凝縮したお経である。


写経というのは、和紙には、薄字で、この262字の般若心経のお経が下地で書いてあって、それを自分でなぞっていく作業のことをいう。


筆はぺんてる筆ペンでした。文鎮も必要です。


自分にとって、写経はちょっと大変なのではないか、と思っていた。なんか考えるだけでも、あ~~~もういいっ!という感じで発狂してしまうのではないか、と感じていたのだ。(笑)


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写経はなかなか難しいです。最初のうちは、緊張感もあってきちんとなぞることができたけれど、段々半ばあたりから終盤にかけて精神力の持続が難しくて、うまくなぞれなくなってくるのだ。


書道って子供の頃以来であまりにひさしぶり。なぞるとはいえ、なんか自分は書道うまいな、という感覚になる。自分は子供の頃から字がうまいです。子供の頃は書道はかなり上手でした。賞をもらったことも何回もあります。書道のお稽古ごとに通っていました。ペン字もうまいです。でもパソコンになってからは、字を直筆で書くことはほとんどなくなりましたね。


そんな子供の頃の書道をやっている感覚が蘇ってきました。なぞっているので、できあがった書体はもちろん手本のようにうまい。だから自分はすごい上手な書道の書体を残しているような感覚に陥ります。



ぺんてる筆ペンのインクがなくなり、新しいぺんてる筆ペンにして、最後まで一気に行きましたが、中盤から後半にかけては、もうヨレヨレでなぞっていても上手になぞれなくなり、字も汚くなってしまいます。やはり写経は精神集中が必要ですね。


結局完成はこんな感じでした。


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でも思ったほど発狂せずに、大丈夫でした。ジャンパーを脱いでセーター1枚でやっていたので、段々寒くなり終わるころは、もう寒気でガクガクでした。


最後に写経志納金ということで、ここに千円を納めます。それで終了です。


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写経って難しいとは思うけど、思っていたほど大変ではないです。誰でも容易く入れるものだと思います。


文字を書いている間は精神が集中しているため、怒りや妬みなどの邪念が払われ、心が安定します。心に乱れがあると文字にも表れるので、自分の心の状態に気づくことができる。ストレスから解放され、リラックスできると思います。


お金もかからないし、とてもいいのではないでしょうか。


さて坐禅会のほうは、あらためてネット予約をして2週間後に再挑戦。


建長寺とこれば、すぐ目の前にある点心庵さんで、伝承 建長汁(けんちん汁)をいただきます。現代のけんちん汁の発祥ですね。点心庵さんはその建長寺代々に伝わるけんちん汁の歴史を守っているお店です。


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もともとは自由が丘での定期通院の帰りに寄ったのですが、定期坐禅会の開始時間が15:30から。間にかなり時間が空きます。建長寺をふたたびいろいろ見て回った後、どうしても時間を持て余します。快晴でしたが、外はすごい風が強く寒かったです。


どこで時間をつぶそうか、朝からどうするかな~と悩んではいたものの、とにかく行ってみて考えようということで来てしまったわけです。


そこで、待っているのはとてもいい場所を見つけました。


建長寺の中にひとやすみの休憩所があるのです。拝観受付のすぐ隣です。助かりました。


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ほんとうに何気ないひとやすみ場ですが、外で寒い思いをするよりは全然ましです。


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このテレビには、建長寺の開基・開山のこと、そして創業以来の歴史がエンドレス再生という形で再生されていました。自分は建長寺のことをよく勉強できたような気がします。


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建長寺が発祥の地、建長寺に代々伝わるけんちん汁。建長寺で僧が調理しているんですね。大鍋でダイナミックです。


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建長寺グッズも売っています。


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ここで時間をつぶし、時間になりましたので、方丈に向かいます。


ここが方丈。龍王殿です。法要・坐禅・研修の場所として使われています。坐禅会はここでおこなわれます。


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ここにいったん入ったら、もうこれです!


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参加メンバーは、ざっと俯瞰してみたところ、かなり若い女性が多いような気がしました。やっぱり禅の世界、坐禅の世界は女性に人気なのですね。合計20人くらいの参加者でした。コロナということでディスタンスを稼いで、こんな距離でみんなポジショニングをします。どこに座るかは、お坊さんが指示してくれます。あなたはこちらに座ってください、という感じで。1人1人にです。


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座布団は、特徴があります。これは建長寺の坐禅の座布団が他のお寺と違うのかもしれませんが、建長寺の坐禅用の座布団は、長いのです。


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それには理由があります。


お坊さんが教えてくれました。この長い座布団をまず半分に折って、その上の部分をさらに半分に折るのです。そしてその高い山の部分に座るのです。


そうするとお尻の部分が高くなるので、坐禅で足を組むときに、足を組みやすいというか身体的に楽な感じになるのです。


まさに坐禅専用の座布団という感じですね。これは建長寺だけなのかもしれませんが。。。


さて、いよいよ坐禅の始まりです。


お坊さんが前で、説明をしてくれます。まず坐禅、初めての体験の人?と聞いて、初心者向けに坐禅とはこういう風にやるんですよ、という説明をご自分で実技をしながら説明してくれます。足の組み方(ふつうのあぐらとはちょっと違うんですね。)、両手での輪の作り方、姿勢の保ち方、呼吸法などなど。


目は閉じちゃダメです。寝てしまうから。そしてこれが自分は一番難しいと感じたのですが、坐禅をしている間は、心を無にすること。無我の境地、なにも考えないこと。


建長寺の坐禅は、2回やります。それぞれの回のことを、木へんに柱と書いて、”しゅ”とよぶそうです。(すみません、ここは記憶が曖昧です。)1回目のことを1しゅ。(漢字変換できない)2回目のことを2しゅ。


坐禅を始めるときは、まずお坊さんがお経を叶えた後に、火の用心のかちんという木槌を打って、あとち~んという鐘を鳴らします。


そうしたら、各々坐禅開始です。


警策(きょうさく)(お坊さんが棒みたいなものでバシッバシッとやるやつです。)はやります。ただ、プロフェショナルな坐禅ではなく初心者向けなので、お坊さんからやることはありません。


希望者のみやります。警策を受けたい人は、お坊さんが目の前を歩いたとき、合掌をして一礼します。そうしたらお坊さんと改めて、合掌しながらお互い一礼します。


そのあと、前かがみになります。するとお坊さんは警策で、右、左の背中をバシッバシッとやってくれるのです。


自分はせっかく坐禅を体験しに来たんだから、警策を受けないなどもったいない。ぜひ喜んで自ら志願して体験しようと思いました。


これは痛かった~~~。(笑)かなり来ます。打たれた瞬間、身が引き締まりますね。片方につき、バシッバシッと2回づつ。合計4回です。


1回目の坐禅で1回、2回目の坐禅で1回。合計2回バシッバシッとやってもらいました。


やっぱり坐禅と言えば警策なんですね。みんなかなり志望者がいました。1回の坐禅につき、10人以上はバシッバシッとやってもらっていたんじゃないでしょうか。


1回の坐禅は、大体10分~20分くらい。坐禅が始まると、周りの空気が一瞬にして無になりますね。完璧な無音の世界です。ひたすら静寂な無な世界が広がります。


自分は心を無にすること、なにも考えないという境地がすごく難しかったです。目は開けたまま、前の前にある仏殿を見ながら、ひたすらなにかいろいろ思いが錯綜していたような気がします。そのたびにいかん、いかん、無にならなきゃと思い直していた感じです。


方丈、龍王殿はご覧のように、外の空気がそのまま部屋の中にダイレクトに流れ込んでくるので、寒かった~です。やはり坐禅を組む、警策を受ける上では、ジャンパーを着たままでは失礼にあたると思い、ジャンパーを脱いでセーター1枚だったので、もう凍える感じで寒かったです。


2回の坐禅は寒さ、と無の境地になる難しさとの闘いだったような気がします。


じつは最近、歳を取ってきたせいか、昔みたいに心強くあることがなくて、どうもクヨクヨとしてしまうことが多くなりました。


若いときは、ガムシャラに前へ進んでいくという感じだったのに、歳を取ってくると、いろいろ悩むんですね。


でも坐禅を組むと、そんなクヨクヨした気持ちが一掃されて、終わった後はすごく清々しくなります。


これは坐禅の効果だと思います。精神の健康にとてもいいですね。


これは習慣化してもいいかな、と思いました。坐禅は精神の健康を保つにはとてもいいものだと思いました。


建長寺の定期坐禅会は、参加無料です。建長寺は、北鎌倉駅からかなり歩きますが、歩行リハビリにはいいし、定期的に通ってみますかね。


各禅寺で行われている坐禅会は、中にはオンライン坐禅会というのもあるらしいです。オンラインで参加しても、あの無の空間、無の境地を味わえるんですかね。


禅の世界、坐禅の世界は、なかなか素晴らしいものだと思いました。





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