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体験!石川県立音楽堂 [コンサートホール&オペラハウス]

石川県金沢の石川県立音楽堂コンサートホールは、2001年9月の開館。金沢駅のすぐ真横に鎮座している。


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オーケストラ・アンサンブル金沢の本拠地。石川県教育委員会が設置・管理するコンサートホールで、施設運営は(公財)石川県音楽文化振興事業団が行っている。


設計は芦原建築設計研究所が行った。


一見すると首都圏の多目的ホールのような趣だが、ホールとしては、コンサートホール、邦楽ホール、交流ホールの3種類が存在し、コンサートホールは音楽専用ホールである。


ホールの複合施設という感じであろうか。コンサートホールは、室内管弦楽・室内楽・ピアノを演奏・鑑賞する場として適している。




フロントを入るとこんな感じ。コンサートホールはこの2Fにある。


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2Fに上がる。ホワイエの定義をホールの前に広がる寛ぎ空間とすると、さらにその前にある待機スペースといったところか。ここで開場まで椅子に座って待っている。


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今日の公演。最近対費用効果、コスト削減ということで、こういうフライヤー、ポスター類を展示しないホールも増えてきているけど、ここはちゃんと展示してくれる。これがあると、やはり気持ちがなんとなくリッチな感覚になりますよね。これはやはりあったほうがいいと思います。


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開場してホワイエ空間。


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ホール側面の通路。


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そしてホール内潜入!毎度のことながら見知らぬ未知の世界への潜入ということで、自分の息がとまる瞬間でもある。


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シューボックス型のコンサートホール。


音響実験を何度も行った結果得られた数値と専門家の意見をもとに、残響時間、ホールの形状・容積、天井高、客席構成、内装仕上材料などに細かな配慮をして設計された。



客席規模は室内管弦楽を鑑賞するのにちょうどよい1560席とし、バランスのよい音響、迫力ある臨場感を味わえるようになっている。1560席というのは、シューボックススタイルの原点となったライプツィヒのゲヴァントハウスと同じ席数であることが拘りのようである。


やはりOEKの本拠地ということで、室内楽を念頭に、それに見合った規模感、エアボリューム感を意識して設計された室内楽ホールなのである。


う~む、自分はますます水戸室内管弦楽団と水戸芸術館との関係に似ていると思ってしまうのである。


開演前は、ステージ上で写真のようにスクリーンが降ろされ、そこに静止画が投影されていた。神尾真由子さんも近日中に広上淳一&OEKで、このホールでコンサートをするんですね。ぜひ来てみたいけど、もう一回、また金沢に来るのは大変かも?(笑)


残響時間は、1.6~2.2秒。コンサートホールの最適な残響時間の目安は2秒と言われているから、標準値というところか。


内装材は木材パネルのように思えた。


ホールの響き自体の印象としては、暖色系のウォームな響きの質感で、両側面からの反射音も豊富で、響きに囲まているような感覚で、かなりいい音響だと感じた。


両側面、上下面が平行面の直方体のシューボックスならではの、いわゆる典型的なシューボックス型音響というやつでいわゆるライブな感覚である。


ホールの側面写真では、ステージの側面、後方、そして1階席全般の周囲が三角錐の音響拡散体の形状で設計されているのがよくわかる。サントリーホールでもよく使われている典型的なスタンダードな音響拡散体ですね。


音響拡散体は、ステージからの発音に対してその反射音をある一か所のかたまりのところに偏った返しをするのではなく、客席に満遍なく同密度で反射させるための工夫である。この三角錐でいろいろな角度に反射され、客席に平等に音が行き渡るように工夫をするものである。


ホール空間を眺めていると、不思議なことを感じる。ステージ周辺、1階席周辺は、この三角錐拡散体で覆われている設計なのだが、2階席周辺がツルンツルンテンであることである。3階席の上層部になると、装飾梁と、前部から後部にかけて次第に小さくなるサイズの異なった薄い4角錐形状の音響拡散体で囲まれているのである。


2階席周辺のツンツルテン。これはなんか意味があるのかな?ここも1階席、3階席同様、屈曲を施して定在波対策するべきだと思うのだが。。。


家庭のオーディオルームでもシューボックスのコンサートホールでも最大の敵は定在波である。定在波というのは、同じ音波が直方体の平行面で反射を繰り返し、進行方向と同一で逆方向に進行する波が重なると、 波がその場で振動するように見える現象が生じることをいいます。


これはかなりの音響障害になります。


これは直方体で両側面が、同じ平行面だから起こります。そうならないように、戻らないように、拡散体や障害物を埋め込んだりします。前述の三角錐形状も、単なる拡散体だけではなく、定在波対策も包括していると思います。



両サイドテラスのシートは一見豪華なハイバックシートであるが、これは完全に並行した対抗面との間で生じる定在波障害の対策の一環であろう。(あくまで自分の勝手な推測)


天井はいわゆるヴォールト(かまぼこ天井)でヴォールト面に多数の4角錐型の小型ヴォールトを配置したプラスターボード製の一体型・複合ヴォールト型反響板。



開演前はスクリーンが降ろされ隠れているが、開演になるとスクリーンがあがり、パイプオルガンが見えてくる。ドイツ、カール・シュッケ製のパイプオルガンを装備している。


自分が今回取得した座席は、1階席真ん中のやや前方(10列目)ヴァイオリン奏者がよく見える位置と、腹に響くステージからの直接音をがっしり受け止めたいがため、この座席を選んだ。ヴィジュアル的にも音響的にも満足できました。


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金沢遠いけど、このホールでいろいろな座席で音響比較体験をして、なぜそう聴こえるのか考えてみたい衝動に駆られてきました。


新しいホール体験はじつにひさしぶりで、こうやってつぶさにホールを観察することも本当にご無沙汰。(いつもは通いなれているホールだから、そんなこともしない。)


やっぱり楽しい。なんちゃってコンサートホール・マニアだけど、好きなんだからしょうがない。日記の中でもこのホール体験記を書くのがなによりも大好き。本当にひさしぶり。


金沢の石川県立音楽堂は、非常に標準的なスタンダードなシューボックス・スタイルのホールで音響もいかにもシューボックスのような響き方、聴こえ方をするホールだった。


ひと言でいうならば音響は素晴らしいと思います。見た目も内装空間が人間の五感にいい木材のブラウンで統一されていて、極めてスタンダードだな~と思いました。









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