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DX時代のコンサートホール:配信ビジネスの本命・5G時代のライブストリーミング [コンサートホール&オペラハウス]

ライブストリーミング、ライブ配信の世界は、なにもコンサート、エンタメ業界のことだけではないのである。報道・ニュース現場配信、講演や会議配信、スポーツ観戦、遠隔医療・・・もうありとあらゆる数えきれないほどの日常生活、仕事現場での可能性があって、これから必須のビジネスになっていくものと思われる。


そのためには従来の有線以上に、無線インターネットである必要性があることがわかってきた。


安定したネットワーク品質はやっぱり有線という認識が古くから自分の頭の中にあるのだが、正直ショックである。IoT,遠隔医療など、自分の趣味のエンタメ業界のこと以外の分野でも、やはり無線じゃないと実現無理なのだということが、理解できてきた。自分の仕事のカービジネスの自動運転でもそうだ。無線であることが前提条件、そしてエッジコンピューティングである。そんな未来を語るうえで5Gをようやく今さながら自分で勉強した。


世間の流れ話を耳にするのではなく、自分で理解することが重要である。来たる5G時代にあわせて、未来のライブストリーミングを語ってみようではないか。



5Gの高速・大容量・低遅延の次世代移動通信のデータ通信を活用すれば、家庭でのライブ鑑賞だけでなく、コンサートホールやオペラハウスでステージ上で繰り広げられる演奏やオペラ演劇を楽しむライブ鑑賞の楽しみ方も拡張してくれる。


究極は、コンサートホールやオペラハウスをそのまま持ってきて自宅にその空間を再現して鑑賞することだ。

もう配信は実演より劣るとは言わせない。技術はかならず追いつくのである。


5Gで急成長するライブストリーミング配信サービス。ライブストリーミングというビジネスは、5Gの到来があって初めて本格的になっていくのではないだろうか。


もちろん5Gはビジネス黎明期。最初からそんなにうまくいくわけがない。なんだ!夢のある話ばかりしていたけど、こんなもん?想像していたほどでない、とかは日常茶飯事で山ほどあるに違いない。でも時間が解決するはず。


自分は、全国津々浦々とも全部無線の5Gで網羅されるとは思っていない。そうなるのは、なかなか現実難しいのではないか、と思っている。やはり幹線の中心経路は、有線の光ファイバでないとダメで、末端のエリアを5Gで網羅するなどのハイブリッドな使い方が、やはり現実路線なのではないか、とも思っていたりする。



5G伝送は、世の中では、まだ実験の域というステージだと思う。


5Gによる映像配信技術を活用し、4K/8K、低遅延を活かした自宅にいながらライブ会場やスタジアムにいるような体験ができるライブストリーミング。


そんな夢のような5G時代のライブストリーミングの在り方、視聴の仕方としてどんな楽しみ方ができるのか。各社の開発状況をピックアップしていくことにする。



まず5Gによるストリーミング配信実験は、2019年のサッカーW杯でも実験済みである。ロシアのサンクトペテルブルグにあるクレストフスキー・スタジアムで実施されるワールドカップの第一試合が、 約600キロ離れたモスクワの「5Gゾーン」内の観衆にストリーム配信された。


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また日本では、ソフトバンクとシャープが5Gでバスケ国際試合の映像を通信実験。ライブ映像を報道陣に公開・・・というのもある。


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8Kカメラで撮影したものを途中有線の専用線を通すが、そのあとコンテンツDBからは5Gで飛ばし、5Gで受信してシャープの8Kテレビで映すというものである。


まさに王道中の王道の使い方というか、高画質をそのままご家庭に送れるという基本中の基本である。そのためには伝送路は太くないといけないということを証明したというところであろうか。



そういう大容量の高画質・高音質のデータが送れるという王道以外にも、5Gにはいろいろな使われ方(VR/ARとの親和性、マルチアングル多角視聴化など)がある。その実験例として以下を抜粋する。




●5Gで8K映像と立体音響技術による没入感の高いオンラインライブ映像を配信


大日本印刷やアストロデザイン、シャープ、ソシオネクスト、輝日、ドルビージャパンの6社が連携し、高精細映像と立体音響技術を掛け合わせた没入感の高い映像コンテンツの制作や、5Gによる配信インフラの構築を進めていくと発表した。


・8K映像から自分が見たい映像を切り出す


こうした、オンラインライブ配信では、画面上で全体を鑑賞しながら自分の見たい部分だけを拡大して観る楽しみ方もいろいろと考えられている。8Kカメラで撮影した高精細映像ならば、映像の劣化なしに高画質の切り出し動画が作成できる。


例えば、実際にアイドルグループのライブ会場に行くと、グループ全員の歌やダンスだけではなく、自分が推しているメンバーの動きだけを個別に追うという楽しみ方が当たり前だ。韓国の公営放送局「韓国放送公社(KBS)」は、独自に開発したAI顔認識切り出し用ソフトとアストロデザインの8Kカメラシステムを組み合わせ、1台のカメラで撮影したK-popアーティストの映像から、切り出し映像を制作するシステムを構築した。




●ハロウィーンはオリジナルアバターを使ってバーチャル渋谷で楽しむ


今や、若者の街として世界的にも高い知名度を誇り、国内外から多くの観光客が訪れる渋谷では、KDDIが渋谷区観光協会らとともに、区が推進する創造文化都市事業への貢献を目的とした「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」に取り組んでいる。


渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトが、渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」において「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021 ~FUN FOR GOOD~」を開催。渋谷の街にいてもいなくても楽しめる、オンラインのバーチャルコンテンツを配信する。


バーチャル版のハロウィーンフェスでは、5Gの高速、大容量通信を生かしてスポーツや音楽、お笑いなどのライブをバーチャルステージで実施する他、リアルとバーチャルの融合体験として、自分自身のアバターを作成できるスマートフォンのアプリと商業施設に設置されたスキャナーから簡単に自分のオリジナルアバターを作成でき、バーチャルハロウィーン上で楽しめる。


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コロナ禍でなかなか渋谷のリアルハロウィーンは参加できないと予想される中のアイデアなんですね。でも今年のハロウィーンは、すごい人ごみで今まで通りでしたよね。(笑)


5Gの世界は、VR/ARとの世界との親和性も高そうなのも魅力である。




●あらゆるアングルからの映像が見られる! 「自由視点VR」



KDDI頑張ってるよ。やっぱりauは携帯会社だから、KDDIは5Gは自分の会社を飛躍的に爆発できる時代が来る、ということで、何年も前から狙って開発していたんだね。5Gの恩恵は撮影側の映像にも大きな進化を呼び起こさせるものみたいである。


同じく5G時代を見据えた映像技術として、KDDI総合研究所が長らく研究しているのが「自由視点VR」。スポーツの試合やコンサートなどを、スマホやタブレットを使って、文字どおり自由な視点で見ることができる技術である。通常の映像コンテンツはディレクターなど制作する側が選択したカメラアングルからしか見ることができない。


ご存知のように、現在のスポーツの試合やコンサートなどには複数台のカメラが設置されており、制作側がそれぞれのカメラを切り替えている。ところが自由視点VRでは、視聴者が指で画面をなぞったりコントローラを使って、画面に映っている映像を自分の好きなアングルから見ることができてしまう。


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こんな感じである。4Kカメラを16台、野球場に設置する。その4K映像×16本の画像データを自由視点映像制作サーバーを経由して、これまた専用の自由視点配信サーバーで配信する。それを5Gネットワークで配信して、5Gタブレット端末で受信する。おそらくその端末には、その自由視点専用のアプリがインストールされているのだろう。そうするとユーザーは端末側で自由にその視点を変えられるという仕組みである。専用の配信設備、専用のアプリが必要ということですね。


自由視点VRの映像は18~46秒あたり。タブレットに映し出された打者がバットを振り、一塁へ走る映像を、指でなぞることでアングルを変え、グリグリと滑らかに視点を動かしながら見ることができる様子がわかる。



このマルチアングルによる多角視聴化というのも5Gの大容量の帯域が可能になせる業である。何枚ものアングルの動画像をいっぺんに送れるだけのバンド幅があるということだ。


これはコンサートホールのステージ上の奏者のパフォーマンス、演奏ライブにも十分応用できるのではないだろうか。コンサートホール、ステージ上のいろいろな場所にカメラを設置し、いろいろなアングルで撮影した映像を5Gで送信。それを視聴する端末側で、個人の自由な操作で、自由なアングルで楽しめる。


自分のお気に入りのアーティストのみを追っかけたい場合、あるいは指揮者、もう無限の可能性がある。従来の制作者側の意図による画面のスイチッングではなく、視聴者の視点に任せるアイデアである。





あと、ドコモが、”5G時代に相応しい8KVR映像ライブ配信・視聴システムの開発”という記事もある。


その他にも、NTT Com、5G時代のライブ配信プラットフォーム「Smart vLive」--1秒未満の低遅延を実現。



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低遅延。高いリアルタイム性により、双方向コミュニケーションでも違和感のないレスポンスを実現。また、シンプルな操作で利用でき、エンターテインメントやスポーツイベントなどにおいて、さまざまな角度からとらえたマルチアングル映像や音声と、SNSなど他のネットメディアを、リアルタイムに同期させることが可能だという。 同社では、1秒未満の低遅延ライブ配信が可能となる特徴を生かし、


(1)低遅延ライブ配信

(2)低遅延マルチアングルライブ配信

(3)低遅延双方向ライブ配信/パブリックビューイング


という3つの利用シーンを想定している。



総務省は5Gを活用したスポーツ観戦のイメージとして、「どこでもスタジアム」という構想を提案している。そこには、どの方向からでも観戦できる「360°パブリックビューイング」や、プレイ中の選手の情報が取得できる「カメラで撮って情報取得」などといった楽しみ方が描かれている。



あと、ローカル5Gを利用した例としてパブリック・ビューイングがある。


パブリック・ビューイングは、祝祭的なコンサートの場合、あったほうが華やかでいい。コンサートホールの近くの野外で、大スクリーンを立てて、そこにホール内のコンサートを映し出す。パブリック・ビューイングをやろうとすると、モニターの設置、機材の配置、配線など一大イベントである。そのうち信号(画像・音声・文字)伝送をローカル5Gで無線化する。


実際、実験もおこなわれている。


KDDI、stu、渋谷未来デザイン 、NHKエンタープライズは、LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂) において、映像撮影用のカメラ配線をローカル5Gに置き換えるワイヤレス映像撮影システムの実証実験を開始した。


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映像撮影用のカメラの配線をローカル5Gにするワイヤレス化ということなんですね。


こうしてみると、5Gのキーフィーチャーとなりそうなのは、大容量の動画(4K/8K)・音声(立体音響技術)の伝送、低遅延、マルチアングル多角視聴化、VR/ARとの親和性ということになるであろうか。


これをどうコンサートホール、オペラハウスに結び付けるかである。


もちろん基本中の基本である大容量、すなわち高画質・高音質の動画・音声の伝送も魅力である。それによってより臨場感あふれるライブ映像が楽しめるであろう。


でもそれだけではない、


ライブストリーミングを単なる実演の代替えとして捉えない。視聴者による新しい価値観のライブの見方を提供するという点でもいろいろアイデアが豊富につまっている宝の山のように自分は思える。


もちろん、ここでは述べなかったがカー空間でのエンターテイメントも一気に豊かになりそうである。





DX時代のコンサートホールというのは、つねに全国・全世界とつながっている、コネクトの状態ということと同義なのである。ホールで味わった感動と同じレベルの感動を、全国・全世界とシェアできないといけない。


カーの世界ではコネクテッドカーというが、まさにそれに倣うならDX時代のコンサートホールは、コネクテッド・ホールなのである。ホールのあの体全身に浴びるホールの響きを、全国・全世界中の家庭内で体験できないといけない。


ホールの中は常に最高に保障された空間で、ここはいつも不変の場所。実際コンサートホールに足を運ばれたお客さんは、その空間で、まさに実演そのもの、最高の興奮・悦楽を堪能できる。


DX時代のコンサートホール、コネクテッドホールは、その感覚を、クオリティを落とさず、そのままの状態で、みんなにシェアできる機能を持つのである。


そのためにはコンサートホールはネットワーク機能を持たないといけないのである。

いままではホール空間のみで楽しんでもらっていたことを、これからは全世界に同時にシェアしないといけない。それもクオリティを落とさず、である。


インターネットを通してホールの響きを再現するのである。


5G時代のライブストリーミングというのは、そういう理想に近づくひとつのステップなのだと確信している。



情報引用元:


・Stuら4社、ローカル5Gでライブ映像をワイヤレス伝送する実証実験 コンサートホールをDX化



・NTT Com、5G時代のライブ配信プラットフォーム「Smart vLive」--1秒未満の低遅延を実現



・「カメラマンなしのスポーツ中継」をAIカメラで実現 5G通信が起こす進化がすごい



・5Gが可能にする新しいエンターテイメントの形









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