金沢のソウルフード [グルメ]
金沢への観光旅行で1番楽しみにしていたのが、金沢グルメ。いわゆる金沢の美味しいものをたくさん経験してきたいと思っていたことである。金沢というと、やはり石川県、日本海能登半島沖の漁獲高で美味しい新鮮な海鮮系の料理が一番と思われることであろう。
それはもちろん納得のいくところである。でも、自分はそれと同時に、金沢ならではの美味しいもの、いわゆるもっと庶民的でB級グルメ的な金沢庶民に愛されている金沢料理が食べたいな、と思っていた。
いわゆる金沢のソウルフードである。
金沢市民の金沢で土着的に愛されている料理。そういう金沢のソウルフードを体験したいと思ったのである。あくまでネットで検索して勉強しているレベルですので(笑)、実際のご家庭では、ネットには掲載されていないもっと庶民的な金沢ソウルフードがあるのかもしれない。
3泊4日の金沢への旅で、体験した順に、その金沢のソウルフードをご紹介していきたいと思う。
●8番らーめん
金沢だけではなく、石川県民の8番らーめん愛はスゴイ!!!
石川県のご当地グルメ代表の一つと言えば「8番らーめん」。8番らーめんの創業は昭和42年(1967年)、ちなみに2022年2月11日で55周年を迎えた。1号店は加賀市国道8号線沿いの、田んぼの真ん中の掘っ建て小屋同然のラーメン店だったそう。店名は、国道8号線にちなんで「8番らーめん」と名付けられた。
1号店を皮切りに店舗数をどんどん増やし、現在石川県内には約50店舗あるそうだ。日本国内では、石川県、富山県、福井県など北陸を中心に合計116店舗。さらに海外はアジアにも進出しており、特にタイに大きく展開している。タイに147店舗(2022/7/7現在)ある。その他、香港5店舗、ベトナム1店舗。日本の店舗数よりもタイの店舗数の方が多いなんて。。
「ハチバン」と愛されて続けている8番らーめんだが、通う一番大きな理由はやはりコレ。
“野菜たっぷり”なことである。
8番らーめんに来たなら、この野菜らーめんを食べないとダメなのだ。これが一番の売りのメニューなのだ。
8番のらーめんには、強い火力で炒めたシャキシャキのキャベツやもやしがどっさりのっている。気になるお味の方は、究極のおいしさを求めているというよりも、週に何度でも食べたくなる安定感のある飽きないおいしさを目指しているため、おふくろの味的安心感がある。
8番らーめんのCMキャッチコピーである「なんでやろ8番」どおり、思いついたようにふと食べたくなる味、体が欲する味である。
→これはまさにそう!あとで自分の感想をたっぷり言うが、まさにおふくろが作っていたらーめんなのだ。
野菜らーめんは、しょうゆ、塩、味噌があるのだが、石川県民のTOP2は、塩と味噌なのだそうだ。がび~ん。自分は事前によく勉強してなかったので、しょうゆの野菜らーめんを頼んでしまいました。
自分が、今回体験したのは、金沢駅の駅ナカにある8番らーめん駅前店。
ちょうど昼時だったので、混雑していた。
自分はもちろん野菜らーめんを頼むのだが、勉強不足でしょうゆを頼んでしまったんですよね。
これが石川県民全員に愛されている8番らーめん。(しょうゆ)
真ん中に乗っているカマボコに8番のマーク。これが8番らーめんのトレードマークである。8番らーめんのトレードマークである8カマであるが、8の赤い部分は、現在では天然由来の色素を使用しているのだそうだ。
8番らーめんを食す。
これはすごい懐かしい味。自分が子供の頃に母親に作ってもらった家庭のらーめん。すごい素朴ならーめんである。首都圏でやれラーメン愛を語り続けるスープや麺など、徹底的に拘りぬいたそういう極上グルメ・ラーメンとはまた一線を画す異次元の世界。8番らーめんを食べると逆にそういう世界が小賢しい世界に思えてしまう。
母親の味、家庭の味。そういう素朴そのものである。
やはり野菜がシャキシャキで美味しい。このシャキシャキでたっぷりの野菜が、この素朴なおフクロのラーメンに合うんだな、と思います。このシャキシャキたっぷりの野菜が一番美味しいと思う売りですね。8番らーめんでは野菜らーめんを頼まなきゃダメです。
たとえば、8番らーめんを新横浜のラーメン博物館に出店することがあるか、というと、う~ん、それもどうなのかな、と考えてしまう感じ。そういう世界じゃないんだよね。なんか、根本的に目指しているところが違うような。
その素朴なそのままにしてあげな、という感じです。
そんな懐かしい昔らーめんの味でした。
片町を歩いていると、ここにも8番らーめんの支店がありました。金沢だけでなく、石川県全域にどこでも味わえるソウルフードなんですね、8番らーめんは。
8番らーめん
●ハントンライス
ハントンライスは、もともと金沢市だけで提供されてきた郷土料理的な洋食。オムライスの上に白身魚やエビなどのフライと、たっぷりのタルタルソースをプラスしたものが一般的である。
ボリューミーな上に色々な味を楽しめることから、地元のビジネスパーソンの人気メニューになり、今ではハントンライスを目当てにわざわざ金沢を訪れる観光客も多いのだそうだ。(私がそうです。。笑笑)
ハントンライスは、今や「金沢カレー」や「金沢おでん」と共に、金沢を代表するソウルフードとなっているのだそうだ。
ハントンライスの基本形は、ケチャップで味付けしたバターライスの上に薄焼き卵を乗せ、さらにお魚のフライとたっぷりのケチャップとタルタルソースをプラスしたひと皿。
ハントンライスが産声を上げたのは、1960年代後半のこと。
今は無くなってしまった伝説のベーカリーショップ「ジャーマンベーカリー」の社長が、片町でレストランを開業する時、看板メニューとして考案したのがハントンライスだったそう。
この新しい洋食は学生や若いビジネスパーソンの胃袋をしっかり掴み、ジャーマンベーカリーが誇る人気メニューの一つにまで成長。
やがてジャーマンベーカリーから独立した何人かのコックさんが、新店のメニューにハントンライスを加えていったことから、金沢市内の洋食店に広まっていった。
「ハントンライス」という変わった名前の由来は諸説あるが、ハンガリーの“ハン”と、フランス語でマグロを意味する“トン”から取ったと言われている。
ハントンライスはいかにもB級グルメという感じで、金沢ローカル色が強そうなので、今回の金沢グルメの中では自分が1番体験したかったグルメである。
自分は、金沢でハントンライスといえば、ここといわれるグリルオーツカに行くことにした。グリルオーツカの最寄り駅は香林坊バス停である。(でもお店の住所は片町です。)
ハントンライスといえば、グリルオーツカというくらいだから、それはそれは開店前からすごい長蛇の行列でした。
自分が思うには、金沢市民はみんなグルメが大好きというか、食文化に対して、とても熱心という印象を抱いた。自分の場合、長蛇の行列といえば、ラーメンくらいしか思い出さないのだけれど、金沢の街を歩いているだけで、それはそれはたくさんの行列を見かけたものだった。それは金沢おでんであったり、海鮮丼のお店であったり。。
うわぁ、金沢の人は、食べることにとても熱いパッションを持っているんだな、とその行列を見るたびに思いました。今回自分が体験した、金沢グルメも、ほとんどの店が行列に並ばざるを得なかったです。
観光客で賑わう近江町市場から金沢で一番の繁華街・香林坊をぬける百万石通りから、ほんの少しはずれた静かな一画。東急スクエアの裏手近くに佇む、ハントンライスが名物な老舗の洋食店「グリルオーツカ」
1957年(昭和32年)創業から地元に愛されてきた洋食店である。
自分はこのカウンターでした。
とてもレトロな昭和の洋食店という感じの装いです。
おかみさんの後ろにあるのは、グルメレポーターのサインの数々。
厨房では、コックさんたちが大きなフライパンを回しながら、ケチャップライスを炒めておりました。
今や「ハントンライスといえばココ!」と名指しされる有名店ですが、その外観はとてもレトロでシック。上部に白い看板がなければ見逃してしまいそう。
お客さんのオーダーは、ほぼ100%と言っていい全員がハントンライスをオーダー。みんなこれが目当てなんですね。
ボクのように、わざわざ東京からこのハントンライスを食したくてやってくる観光客もいるのです。
さて「金沢3大ハントンライス」のうちの一つといわれるグリルオーツカのハントンライス。
これです!
食べてみた感想。。。
これはオムライスだ!!!(笑)
あきらかにオムライス。あの洋食の王様のオムライス。オムライス以上のものでも以下のものでもない。
ハントンライスとしての特徴としては、ケチャップだけでなくタルタルソースがかかっていること、そしてここのお店の場合、エビのフライでしたが、そういうオムライス以外のファクターもトッピングされているのだが、それって多勢に無勢というか、あまり大きな変動要素にもならず。
やっぱり大半がケチャップで炒められたバターライスを卵でくるんだオムライス。これがもう圧倒的な口内での味覚印象で、この味が圧倒的なのである。
どう考えてもオムライスを食べている感じだな~という印象しか持てなかった。
タルタルソースを食すときやエビフライを食べるときは、ふ~ん、これがハントンライスの特徴なんやね、という風に納得しながら食べておりました。
オムライスとしか思えませんでしたが、金沢のハントンライス、ここに体験できました。美味しかったです!
グリルオーツカ(ハントンライス)
●のど黒めし
のどぐろというお魚を知っていますか?
自分は知らなかったです。
のどぐろは、全国的な知名度の上昇とともに、その価値もぐんぐん高まっている高級魚。やわらかい身は口の中でとろけるほど脂のりが良く、「白身のトロ」と呼ばれることも。
「のどぐろ」という名前は、喉の奥が黒いことから名付けられた通称。正式名称(標準和名)は「アカムツ」だそうです。
全国各地の漁港で水揚げされるが、よく知られているのは北陸や山陰、九州の海域で獲れたもの。
のどぐろは、北陸屈指の観光地・金沢の名物としても知られている。金沢の人気スポットである近江町市場には、のどぐろの丼や寿司、ひつまぶしなどを目当てに訪れる観光客がたくさん。
自分が金沢でのどぐろを食べたいと思ったのは、以前、金沢の美味しいものという日記を書いたときに「のど黒めし本舗 いたる」の”のど黒めし”を発見して、その写真を見たときである。
これは美しすぎる!あまりに素敵ではないか!!!金沢に行ったら、もうピンポイントでこのお店に行こう!と決心したのである。
「のど黒めし本舗いたる」は、香林坊バス停で下車する。住所は片町である。移転しているので間違いのないように。HPに掲載されているMAPは古いです。よく確認して、片町の住所のほうです。兄弟店の香林坊いたるの隣にあります。
香林坊バス停で降りるほうです。間違いのないように。
「のど黒めし本舗いたる」は、こんなにお洒落な店舗です。びっくりしました。
店舗がすごいお洒落だし、のど黒めしもすごい美食なので、やっぱり客層がもう圧倒的に若い女性なんですよね。80%近くが若い女性客でした。
なんかわかるな~という感じです。
そして超人気店であることもわかりました。夕方4時半に店の前のリストに来た順に名前を記載して予約します。そして5時半に開店です。
開店間際には、もうこんな感じ。大人気店であることがうかがえます。
そして開店とともに入店。店内もおしゃれでした。
日本画も掛けられています。
2階もあるみたいです。
自分はカウンターでした。
のどぐろが保管されています。適温湿度で保蔵されているんですね。
これが「のど黒めし本舗いたる」ののど黒めしです。ここの看板メニューです。
この看板メニューには、食べ方があります。名古屋のひつまぶしと同じです。
最初はしゃもじで四等分に分けて、まずはそのままの味を楽しみます。
2等分目は、薬味をのせて、その変化を楽しみます。
3等分目は、のど黒出しをかけてだし汁とともに食べます。
最後の残りは、お好きな食べ方で。
です。
のどぐろ、初めて食べてみました。
いやぁ、これはすごい脂が乗っていて、本当に白身魚のトロですね。こんなに脂が乗っていて香ばしい魚は初めての体験です。これはまさに高級魚だと思いました。
こんな高級魚いままで食べたことないです。(貧乏な人生なので。)
こんな高級魚をこうやってひつまぶしのような食べ方で食するのですから、本当に美味しいし、美食そのものだと思いました。
これはまさに美食ですね。若い女性が圧倒的な客層なのもわかるような気がしました。
これはお洒落なお店といい、美食といい、今回の金沢グルメの筆頭格といっていいかもしれません。
のど黒めし本舗いたる
●金沢おでん
金沢をはじめ、石川県は人口あたりのおでん屋の軒数が日本一の”おでん県”だそう。金沢の街を歩いていても(特に片町や近江町市場)、うわぁ~すごい行列ができているなぁ~と思って、そのお店を見てみると、大半は金沢おでんのお店だったりしました。
金沢では、やはり金沢おでんが身近なんだな~と実感しました。
金沢おでんは関西おでんや関東のおでんとも違う。金沢おでんの定義ってなに?ということを調べてみました。
ずばり金沢おでんとは、
・おでんのタネに地元金沢の食材を使っている
・1年を通して食べることができる
この2点なのだそうです。
すごいシンプルな定義だったんですね。(笑)
金沢らしい具(タネ)で代表的なものと言えば・・・
魚肉や海老のしんじょ
ばい貝
車麩
赤巻き
ふかし
かに面
肉いなり
玉子巻き
などが特徴的なのだそうです。
自分は大失敗してしまいました。事前に金沢おでんのことをよく勉強していなかったので、金沢おでんの特徴はじつは金沢の食材を使ったその具(タネ)にあることを知らず、お店ではまったくそのことを知らず、ふつうに大根とか卵とか頼んでいました。(笑)大失敗です。
おでんのダシのほうは、特に金沢おでんだから、ということで、こう決まっているという訳でもなく、そのお店自体でそのだし汁もいろいろ特徴が違うみたいです。
自分は、金沢といえば、金沢おでん、そのお店として片町にある「金澤おでん 赤玉本店」を訪ねました。
創業95年の老舗で、代々受け継ぐ秘伝のだしが自慢。夏はそのだしを冷たいシュレ状にした「夏おでん」でさっぱりと味わえることもできる。2階にはカップルにお勧めの庭が見れるカウンターもあるそうです。
うわぁっ美味しそう・・・
とにかく、最初は、金沢の食材とかそんなことはまったく知らなかった訳ですから、普通に大根とか卵とかしいたけとか頼んだのです。
そのうちおまかせ盛り合わせというのを発見して、そちらもオーダーしました。これで金沢の食材はカバーできましたかね?
べつに金沢おでんだから、という意味ではないですが、やっぱり美味しかった~~~。この赤玉本店のだし汁は白濁していました。関西系の薄味と、関東系の濃い醤油味とも全然違っていました。
白濁なんだけれど、そして基本さっぱり系なんだけど、味が深いというか、ダシの効いた染みているじつにうまいお味でした。なんか表現するのが難しいです。
具(タネ)もだしによく沁みていて、ホクホク状態。もう最上のおでんでございました。
金沢おでん、ここに体験できました。
おでん2皿だけでは、お腹が物足りないので、お茶漬けと牛すじ煮込みもいただきました。美味しかった~~~。
赤玉本店(金澤おでん)
●金沢カレー
金沢のソウルフード、最後は金沢カレーです。
金沢カレーも地元金沢ならではのソウルフードでぜひ旅行する前に、日記で自分で書いて自分のものにしてから行きたかったのですが、間に合わなかったです。
金沢カレーの定義は、
・ルーは黒色濃厚でドロッとしている。
・ステンレスの皿に盛られている。
・フォークまたは先割れスプーンで食べる。
・付け合わせとしてキャベツの千切りが載っている。
・ルーの上にロースカツを載せ、ソースがかかっている。
これが金沢カレーです。
金沢カレーのルーツはそれこそ、いろいろあるみたいです。カレーのチャンピオン、ゴーゴーカレーとか。。。カレーのチャンピオンはチャンピオンカレーともいい、略してチャンカレとも言われているようです。金沢カレーの歴史、ルーツについては、それこそネットにかなり詳しく特集されていて、読み応えあります。いずれあらためて紹介してみたいですね。
金沢カレーのそれぞれの特徴ですが、
ステンレス製船皿については最も単純な理由で、割れにくく丈夫であることが大きな理由だそうです。
フォークでの提供が多いのは、昔使用していた豚肉が欧州産の肉質の固いものであったことが影響しています。召し上がりの際には先割れスプーンなどよりカツに刺しやすく食べやすいからだそうです。
また、カレーの上にカツをのせ、ソースを掛けてキャベツを添える…という点は、元々洋食店であった際に提供していた“豚カツ定食”と“カレー”を合わせて現在の“Lカツカレー”に行き着いているため、豚カツ定食で提供していた一式をそのままカレーの上にのせるスタイルとしています。
自分が金沢カレーを体験するなら、やはりカレーのチャンピオンで、と思っていたところがあるので、近江町市場にある近江町いちば館のB1にあるカレーのチャンピオン近江町店で体験することにしました。
すごいカジュアルな感じで驚きました。
う~ん、やはりステンレスの銀皿ですね~。
これがカレーのチャンピオンの金沢カレーです。ここの金沢カレーでまさに1番人気のLカツカレーというものをオーダーしました。
金沢カレーの定義がすべてあてはまります。
思っていたよりカツが貧弱かな、とも思いましたが、なかなかです。もちろん注文を受けてから揚げます。
金沢カレーを食した印象は、とりたてて、普段自分が食しているカレーとそんなに大きな差はないな、と思うところで、ルーが黒くて、ちょっとコクが深いと感じるところぐらいです。
金沢カレーの特徴・定義が、ステンレスの銀皿、フォークで食べる、カツとキャベツというように、カレーの味そのものの特徴と言うよりは、その様式の違いを主張しているようなところだと思うので、味そのものはそんなに普段のカレーとは違わないというのが自分の感想です。
まっ金沢の様式を兼ね備えた一種のカツカレーですよね、という感じである。でも美味しかったことは間違いないです。
チャンピオンカレー(カレーのチャンピオン)
以上、3泊4日で体験した金沢のソウルフード5品です。いやはや大変な貴重な体験でございました。
一生忘れることはないでしょう。自分のグルメ体験の中でも輝かしい体験だったと思います。
金沢おでんや金沢カレーあたりは、東京でも体験できそうな気がするので、探して通ってみようと思っています。
2022-07-27 19:26
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