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なぜウルトラマンはゼットンに負けたのか? [特撮]

初代ウルトラマンが放映された1966~1967年、その第39話の最終回「さらばウルトラマン」で、ウルトラマンは、宇宙恐竜ゼットンに負けてしまう。


その後55年続くウルトラマンシリーズ史の中で、これほどショッキングなでぎごとはないのではないかと自分は思う。


1960年代というと、番組のヒーローは絶対的な強さを誇り、まさに勧善懲悪の世界。怪獣たちをコテンパンにやっつけて、正義はかならず勝つ!そういうシナリオが定着していた時代だ。


いまのように世の中捻くれて斜め横から世間を見るようなそんな斜に構えた姿勢がなかった時代。つねに正義、ヒーローは勝つ!


そういう時代だ。


そんな時代に、正義の味方ウルトラマンが負けてしまう。


そういう台本、シナリオを考えたというのは、当時としてはかなり勇気のいることだったのではないかと自分は想像する。


自分は、初代ウルトラマンはリアルタイムではなく、再放送でみた年代なのだが、それでも最終回ゼットンに負けてしまうシーンを見て、かつてないショックを受け、それを50数年経過したいまでもその衝撃を引きずって生きている。


あのゼットンのピピピピピという電子音、不気味でしたね~。


あの衝撃はいまでも忘れられないのだ。


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ひさしぶりにその最終回をもう一回見てみたいと思い、YouTubeで見てみた。


やっぱり55年経過したいま見ても、すごいショックである。YouTubeでひさしぶりに見ても、そのドキドキ、ざわざわ感は数日間続いた。


ウルトラマンの必殺技、スペシウム光線や八つ裂き光輪が片っ端からゼットンに破られてしまう。なにをやっても敵わない。もうウルトラマンの一方的な負けなのである。



残り時間もないとウルトラマンの全てをかけた攻撃、今まで多くの敵を撃ち破ってきた必殺のスペシウム光線!


必殺技.jpg


しかしゼットンは腕を胸の前に構え、あのスペシウム光線さえを簡単に吸収してしまう。


スペシュウム光線吸収.jpg


怪獣に自分のスペシウム光線を吸収されるという衝撃の体験に驚きを隠せないウルトラマン!「私のスペシウム光線が吸収された!」と流石のウルトラマンでも一瞬の隙が生まれ、胸ががら空きになり、、、


どよめくウルトラマン.jpg



この瞬間を最初から狙っていたかのように吸収したスペシウム光線のエネルギーを波状光線にしてウルトラマンの胸のカラータイマーに放つゼットン!


既にウルトラマンの弱点は調査済みとばかりに。


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ゼットンの光線が最大の弱点のカラータイマーを直撃!被弾した瞬間にウルトラマンは短く「ヘアッ」と叫びます。光線のエネルギーがカラータイマーを通してウルトラマンの体内に吸い込まれる。


そんな既に力尽きたウルトラマンに止めを刺すかのように容赦なく、ゼットンは再びカラータイマーに波状光線を放つ。


再びゼットンの光線がウルトラマンの胸のカラータイマーを襲う!既に死んでしまっているウルトラマンは言葉を発する事もなく、光線を浴びるだけ。光線の最後がタイマーに入っていくとピカッと光る。それを合図に。。。


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カラータイマーだけではなく、目も点滅しているウルトラマン。やがて目からも光が失われました。


巨体はゆっくりと前のめりに倒れます。



地面に力尽きている銀色の巨人、ウルトラマン。

その亡骸をただ見つめるゼットン。

今までのウルトラマンの立場が逆転しています。


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自分は、まさにこの構図こそ、最大の屈辱というか、これほどショッキングな図はないのではないだろうか、と思うのである。ヒーロー絶対だったあの1960年代の子供たちにとって、このウルトラマンと怪獣の立場が逆転している、まさにこの構図こそショッキングなことはなかった。


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ウルトラマンはゼットンに手も足も出ずにやられてしまった。

無敵のウルトラマンが死んだ。




55年経過したいま見ても相当ショックである。いま見ても2,3日、ショックを引きずらざるを得なかった。


そんなときにももうひとつ興味深いYouTubeを見てしまった。


「なぜウルトラマンはゼットンに負けたのか?」


きっとオタク、マニア研究家による深い洞察なのだと思うのだが、なるほどそうだったのか、と感心してしまった。そしていままでは、単にその最終回をみて、自分がショックだったという事実だけであって、それ以上の深い考察はべつにしなかった、というかできなかった。


でもその真実には、こんな深い洞察があるのか、そうだったのか、という驚きを隠せなかった。


その真実とは・・・



カラータイマーはウルトラマンの心臓と接続されていて、エネルギーを司る重要な中枢機関であると同時に弱点もである。このカラータイマーを破壊されるとウルトラマンは死んでしまうという設定である。


ゼットンは、「ウルトラマンが戦う最後の怪獣」ということから、アルファベットの最後の文字である「Z」と、ひらがな最後の文字である「ん」を合成させて「ゼットン」とネーミングされたという逸話があることは有名である。


メフィラス星人が地球に向かう前日、侵略宇宙人たちが火星でウルトラマン打倒作戦会議を開いている。実際の映像には反映しなかったが、この会議で1番目がメフィラス星人、2番目がバルタン星人、3番目がジェロニモン、と波状攻撃をかけるつもりだったようである。


その会議でケムール人に似た謎の宇宙人が、「ゼットン・はやく育て」と呟いている。


このことから、ゼットンは対ウルトラマン用に調整された怪獣であることも明白になっていく。


最終回の台本によると、ゼットンは力、技、スピード、特殊能力のすべてがウルトラマンを上回る説明が書いてある。


そして最初からカラータイマーを破壊する目的でウルトラマンを組み伏せ、グシャ!と殴り潰してウルトラマンを即死させている。ウルトラマンを高らかに持ち上げて投げ捨てる描写まであるが、撮影時にはこれでは残酷すぎる、ということで変更された。


またドラマの描写としても決め手になったスペシウム光線を吸収され波状光線として打ち返されカラータイマーを破壊されたことや、ウルトラマンはまずゼットンをウルトラキャッチリング拘束するも火玉で攻撃され外されてしまったことがあったり、格闘戦でもカウンター攻撃などでやられてしまう結果になってしまっていた。


以上のことから、ゼットンは「対ウルトラマン専用」の怪獣として開発され、相当の分析をされていることから、ゼットンはすべての能力がウルトラマンを上回る宇宙恐竜で、ウルトラマンに全く勝ち目はなく、ゼットンの狙い通りカラータイマーを破壊されて敗北した。


これが負けた1番の理由である。


まさにヒーローの最終回が敗北なんて衝撃的ですべて手探りの手本なき時代に作ったとは思えないほどの完成されたストーリー展開であり、最終的にゼットンをヒーローではなく普通の人間たちが倒すっていう展開になるのがすごく素晴らしい!



・・・笑笑。


最初の台本にそんなことが書かれていたなんて、驚きとしかいいようがないです。もしその通りに映像化されていたら、大パニックになっていたでしょうね。


ウルトラQからスタートして55年。まさにいま明かされる真実という感じですね。自分にとっては・・・ですが。


そしてゾフィーとのやりとりで、ハヤタ隊員と分離して、ハヤタ隊員を地球に戻すことになったのは、まさにテレビの通りです。


この衝撃の最終回、もう1回観てみませんか?(笑)YouTubeで用意してあります。さらにはこの「なぜウルトラマンはゼットンに負けたのか?」を刻々と説明しているYouTubeも紹介しておきます。



















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