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ANA 苦闘の1000日 [航空関連]

ANA(全日本空輸)は、来月の12月で創立70周年を迎えるということで、大きな節目を迎える。このコロナ禍の2年間は、まさに航空会社にとって悪夢のような大変な時期だったことは想像に難くない。


でもこの2022.2Q(7月~9月)の決算発表をおこなったところ、業績(純損益)は、195億円の黒字。営業利益・経常利益・四半期純利益のすべてにおいて、2019年度以来3年ぶりの黒字となったとのこと。


よかったですね~~~。


2019年と言ったら、まさにコロナ前ですよね。創立70周年の12月を前に、とてもうれしい吉報、よかったです。


国内線や国際線も、かなり戻ってきているようで、2022年度の航空需要を、国内線はコロナ前の水準まで回復、国際線は55%まで回復すると予測。


よかったです~。


ちなみにうちの会社も2022.2Qの業績は超よかったです。(笑)


先日、日経記者が書いた「ANA 苦闘の1000日」という本を読ませていただいた。



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ANA 苦闘の1000日 2022/9/22

高尾 泰朗 (著)




自分は驚いてしまった。


航空業界の経営とはどういうものなのか。航空会社なので、航空1本と思っていたANAがじつはかなり多角的な経営を目指している企業だったんだ、ということ。



自分は北海道の帰省では、この35年間ずっとANAを使ってきて、ANAファンであるのだが、それは飛行機にただ乗っているというだけであって、意外や企業としてのANAのことはよく知らないことがわかった。


企業としてのANAという実態を勉強させていただいた。かなり驚きました。


そういう面で、自分はANAのことを知っているようでじつは全然知らなかったと認識できたし、非常に興味深い著書だったと思う。


そしてなによりコロナ禍で空前の大危機となったANAをどうやって維持しつつ、それを乗り越えていったのか。これはもう読んでいて涙なくしては語れないほどよくわかる。


コロナ禍は別に航空業界だけでなく、飲食業界、音楽業界、旅行業界すべてにおいて暗黒の時代だったわけで、航空業界だけ、というわけではないけど、航空業界はもろに打撃をうけた業種ですね。空港に突然人がいなくなる。飛行機だれも乗っていないなど、悪夢の状況。


雇用は守る、と社長は宣言するも、パイロット、客室乗務員、グランドスタッフなど社員たちの一時自宅待機や休業状態。政府との調整で、雇用調整助成金。そして他社出向・・・


自分も企業社員なので、こういう先行き不透明な不安定な精神状態は、本当に痛いほどよくわかるし、辛い2年間だったのではないかとよく理解できます。


自分も病気で3年間会社を休業したとき、休職扱いで、給料がなくなる代わりに、健康保険組合から出る傷病手当金が給料代わりになり、それで生活していましたから。


そして自分はもとに復職できるのであろうか。また普通の生活に戻れるのだろうか。ある意味病気よりもその精神的な不安との闘いだったです。


それとまったく同じ状況だったと思うので、その気持ちが痛いほどよく分かります。


そして経営層ですね。やっぱり。この未曾有の危機をいかに乗り越えるべく、経営的に手を打っていかないといけない、徹底的なコスト削減などなど・・・拡大路線を続けてきた体質を急に筋肉質な体質に変えていくなど。さすがだなぁ、と驚きました。


やっぱり会社って経営です。


そんなANAの苦闘の1000日間の血が滲むような奮闘記を回顧録のように日経記者が取材し、まとめたのが、この「ANA 苦闘の1000日」という本である。


ぜひご一読をお勧めします。


意外やANAのことはよくわかっていなかった訳だが、今から52年前(1969年)の9月2日、全日本空輸(ANA)は全機種の機体塗装を「モヒカンルック」にすると発表した。


このモヒカンルックとはどういう意味なのか。


それはこれなんですね~。懐かしいですね~。この機体。子供の頃よく覚えていますよ。こんな時代もありました。


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この前方から見た姿が、モヒカンに似ているからモヒカンルックといわれるようになったそうです。

モヒカンに見える???


あとANAの航空券チケットを見ると、かならずその番号がNHで始まりますね。これも意味があるのです。ANA、全日本空輸は、その元祖の名前が日本ヘリコプターだったそうです。そこからNHという文字を取っているそうです。


日本ヘリコプターだったんですね。(笑)これまた勉強になりました。


ANAのイメージカラーはブルーですが、先月の10月に、グリーン色に塗装したグリーンジェットがお目見えしました。


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「ANAグリーンジェット」は、ANAグループが持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指し立ち上げたプロジェクト「ANA Future Promise」の取り組みをアピールするもの。塗装をまとうのはボーイング787-9国際線仕様機「JA871A」。おもに欧米路線を担当する機体。


また外装には、CO2排出量削減に向けた取り組みの第一弾とし「サメ肌効果」が期待される“リブレット技術”を用いた縦35cm×横45cmのフィルムを、数か所に貼り付けて、その効果を検証する。この取り組みは、国内の航空会社では初とのこと。



ぜひ体験してみたいけど、欧米路線だとなかなか難しいですね。いずれは乗ってみたいと思っています。


先述した「ANA 苦闘の1000日」の中で、勉強になったことがありました。

それは「飛行機の墓場」です。


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飛行機の墓場2.jpg


米国カリフォルニア州のロサンゼルス市内から北へ車を走らせて約2時間、荒涼としたモハビ砂漠の中にポツンと空港がある。


「飛行機の墓場」


航空業界でそう呼ばれているモハビ空港だ。ここには、現役を終えた旅客機や貨物機が世界各地から集まってくる。



カンタス航空、タイ国際航空、エバー航空、ルフトハンザ航空……広大な砂漠の真ん中に各国の機体が並ぶ姿は絶景である。現在、モハビ空港に発着する定期便の就航はないが、ロサンゼルスなどから出発して空港周辺を観光するツアーが開催されており、世界中の航空ファンに大人気だという。(笑)


集まった機体は多くが解体されて部品だけがリサイクルされるが、中古航空機として売却先が決まる場合もある。一方でエンジンなどの主要部品だけが抜き取られた後、数年間、放置されることも珍しくないようだ。


コロナ禍の中、各航空会社は大幅な減収減益が避けられず、固定費の削減を迫られた。そのために旅客機が予定よりも早く引退せざるをえないケースが続出。たとえば日本の全日空では、長距離国際線の主力機であった「ボーイング777-300ER」が昨年から今年にかけて、一挙に13機も退役したと報じられた。


「たしかに現地では全日空機の姿が目につきました。4年前はわずかに1機しか見つけることができませんでしたが、今回は十数機が確認できました。トリトンブルーの尾翼にある「ANA」のロゴが消されていたのが印象的でしたね。」


う~む。まさに苦闘の1000日である。経営層の苦渋の決断がよくわかる。


このモハビ空港の観光ツアー、ぜひ参加してみたいです。(笑)


そうして、もうひとつ勉強になったのが、LCCに対して、ANA/JALのような大手航空会社のことをFSC(Full Service Carrier)と呼ぶこと。FSCに対してLCC。


自分は以前の日記で、LCCはもう嫌だ。やっぱり空の旅というのは、心の豊かさ、心のゆとり、気持ちの贅沢さ、そういう人間としてあるべき最低ラインのものを守るべきなのではないか。


いくら格安チケットとはいえ、小さな機体、機内食なし、コスト削減による徹底的なサービス排除。これではあまりに素っ気ないというか、味気なさ過ぎて、楽しめない。ただ単に飛行機に乗って移動しているというだけである。


それに、さらに自分の経験から、LCCでも夏のお盆や年末年始は、やはりチケット代はFSCとほとんど変わらないという事実を知っている。


そういう経験からもとのFSCに戻そう!と決意した。


これはある一定期間、LCCをかなりの回数搭乗してきた自分の偽らざる経験値からくる意見である。だからいまさら変えるつもりはない。


でも「ANA 苦闘の1000日」を読んでみると、LCCには、FSCにはない客層がある、という。それもかなり大きなパーセンテージで。その顧客マーケットはFSCとはまったく層の違う、考え方の違う客層で、FSCにとってもFSCの客層とはまったく違うLCCの客層も取り込んで、航空全体としてビジネスを把握していきたい、という戦略が経営層にはあるみたいである。小回りの利くLCC戦略は、FSC戦略ではカバーできない、そういう市場があるのだ。


だからFSCとLCCがタッグを組んで、コードシェア、共同運航便などフルネットワーク化を目指すということなんですね。


なるほど~と思いました。経営目線でいくと、そういう現実があるんですね。ずいぶん勉強になりました。


もうひとつ勉強になったこと。それはANAは航空1本だけのビジネスではなく、いろいろな分野で多角的な経営を目指している企業である、ということである。


自分的には、ANA/JALといえば、飛行機でお客さんを地方に運ぶ、それだけのような認識しか持っていなかったけれど、じつはそれだけではいけない、本当にいろいろなビジネスを考えている。


こういう副業的なビジネスは、本職の航空業と比べると売り上げ高はそれほど大きくないのが課題で、いかにそのシェアを本業の助けになるように育てていくかが大きな課題だとか。


その中で昔からANAの大切なビジネスとして存在しているのがマイル・ビジネスである。コロナ禍の絶不調の時期も、このマイルビジネスと貨物輸送事業は、好調な業績だったそうです。


マイルは、JALもそうだけど、昔から航空ファンにとっては根強い人気を誇っていますよね。搭乗回数を増やし、マイルをためて、次回の航空券をゲットする。そんなマイルをためていくのが楽しみだったりします。


ANAの場合、ただ飛行機に乗ってマイルをためるというだけでなく、ANA関連店でショッピングをしたり、ANA系ECサイトでネットショッピングをしたら、それでもマイルがたまる、あるいは使えるなどの工夫をしています。


マイルの守備範囲をぐっと広げていく感じですね。


ANAマイレージクラブ(AMC)。


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いまそのマイルを管理するには、ANAの場合、ここに入会する必要があります。


自分は大昔、AMCに入会していて、そのマイレージカードを持っていました。マイレージカードにはクレジットカード機能がついているバージョンと、単にマイレージカードのみの場合があって、自分はクレジットカードは、すでに6枚も持っているので、これ以上は作れないので、あきらめ、マイレージカードのほうを作りました。ずいぶん昔の話です。


ANAマイレージカードはこんなカードです。


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でも大昔のことなので、なくしちゃいました。(笑)もう1回AMCに入会しようと思い、ネットで入会手続きをしましたが、その情報はすでに登録されています、というメッセージが。あっそうだった、とAMCに連絡をして、身分照会作業をしたうえでお客様番号を教えてもらい、再入会登録をしました。


いまのAMCはマイレージカードのみ、というのはなくなっています。いやあるんだけど、テレフォンカードみたいなペラペラなカードらしく、自分は迷わずスマホでのデジタルカードにすることにしました。これからはスマホの時代ですね。


AMCデジタルカード.jpg


今後、ANAの航空券を買うときは、AMC経由で買うと、そのままマイレージが格納されていきます。そして搭乗して、目的に着いたと同時に正式にマイルとして成立します。


スマホのANAスーパーアプリはすごく便利で、スマホ経由で航空券が買えるのはもちろんのこと、スマホでそのままチェックインできるし、搭乗ゲート情報やゲート変更のときもお知らせしてくれます。


いままで空港で、(特に海外の空港ですが。(^^;;)電子掲示板を見ながらゲート番号を把握し、途中でゲートが変わったら大慌てということも今後はなくなりますね。(笑)


便利な時代になったものです。スマホひとつあれば、すべてが完結するのです。


ANAの中には、こういうアプリを開発する部隊も要るんですね。もちろん実際の開発設計は外注なのかもしれませんが、ビジネスとして推し進めていく部隊がANAの中にはいるのです。それも航空ビジネスの中でとても大切な部署になります。


ANAの中には、本当にいろいろな部署があるのですが、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進する部署もあります。その一例をニュース記事で見つけたのでご紹介します。



空港では、客室乗務員や空港内のグランドスタッフ間の業務連絡では無線機を使うことが常だったとか。たしかに空港内でスタッフがトランシーバーを使って話をしているのをよく見かけたことがあります。


でも無線機だとコストが高いので、1人1台という訳にも行かず、ある台数を共用する仕組みだったとか。でも無線機の世代交代のタイミングを見計らって、BONXのシステムを導入することを決定したそうです。


自分は、自分の仕事柄、こちらのニュースはとても興味深く拝読しました。


BONX WORKの仕組みは、スマホやタブレットと、BONXイヤホンを連動させて使うシステム。


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スマホやタブレットにBONXのアプリをインストールしておく。

スマホとタブレットとBONXイヤホンとの間の通信はBluetooth。

そしてスマホとタブレットを使って、WiFiでインターネットを経由して会話する。

いわゆるVoIP(Voice over IP)を使う。


なんかハンズフリーみたいな感じですかね?


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BONXイヤホンは、耳にかける小規模なもので、ここで話すと、その会話情報は、VoIPでスマホ、タブレット経由で相手とキャッチボールができる。ふつうに通話、会話ができる、というシステムである。もちろん端末を使ってのチャットもできる。


またアプリはメンバーをグループ化することも可能で、グループメンバー間でのみのチャット、会話も可能である。またスマホやタブレットなど画像表示デバイスを持っているので、機内の落とし物など、いままでは無線で口頭説明していたものを、BONXだとその場で写真を撮って、そのまま写真データを送るだけ。


確かにこりゃ便利だ!


まさにDX化ですね。


問題は通信品質にどれくらいの強度があるかですが、空港内および機体内でのWiFi環境次第という感じでしょうか・・・


無線は電波強度が強いところが強みですので、それに対抗できるかですね。


しかし、こんなアプリを開発しているベンチャー(BONX WORK)がいるんですね。大変勉強になりました。


これは別に空港業務だけの問題ではなくて、普通の画像表示デバイス付ハンズフリーなわけですから、どこにでも応用できるというか、いろいろなところで活躍できそうですね。


ANAはこのBONXのシステムを4000台導入することに決定したそうだ。


そしてこのBONXのシステムをANAに導入するということを推進し、管轄した部署もANA内にはあるのです。


だからANAには本当に、日頃の業務を推進していく上で、本当にいろいろな部署が存在するんだな、と思いました。われわれ普通の会社とまったく同じ。ある意味、そりゃあたりまえのことなんだけど、一般庶民からはあまりそういうところが見えないんですね。飛行機のことしかイメージが湧かないのです。


ANA 苦闘の1000日を読了して、ANAはふつうに我々と同じ企業だったんだな、ということを強く意識し、理解できるようになりました。とても勉強になりました。この本、お勧めです。


最後に、航空関係の写真雑誌「航空旅行」を購入しました。季刊誌ですが、今回はANA特集だったので買ってみました。


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いまのANAの最新情報が全部網羅されています。写真がすごいので、すごく楽しめます。


来年の夏休み、3年ぶりに北海道にANAを使って帰省する予定です。そのとき、羽田、新千歳の空港で、ANAラウンジを体験したいと思っています。ただし有料のお金を払って。(笑)自分にはそんなステータスがないので。


楽しみです。そのためにはわざと搭乗時間より数時間早く空港に行く必要がありますね。ラウンジのためだけに。(笑)


ANAのラウンジには、ANA SUITE LOUNGEとANA LOUNGEとANA ARRIVAL LOUNGEの3タイプがあるようですが、ANA SUITE LOUNGEが最高級で素晴らしいですね。ぜひ体験して観たいですが、無理みたいです。(笑)


次回はぜひJALを特集してみたいと思います。航空旅行の先号はJAL特集だったのです。なので、それもすでに購入済みです。


JALに関する書籍も買って、JALについて勉強してみたいと思います。JALは一度経営破綻しているんですね。まったく知らなかったです。JALはナショナルフラッグの立場として、日本に君臨してきましたが、いろいろ苦労の道も歩まれているようです。


JALにはJALならではの魅力があります。

ANAとは正反対の魅力だと思います。


そういうのもぜひ勉強してみたいです。

そしてJALの北海道行航空もぜひ体験してみたいです。








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