クライマックスシリーズ (CS)は必要なのか。 [スポーツ]
日本のプロ野球のクライマックスシリーズ(CS)について、これ必要なの?と思っている野球ファンは多いのではないろうか。自分もかねてより、CSについては、どうなのかな?と思っているところがあった。
それは米大リーグのプレーオフの模倣から入っているということは薄々わかっているが、MLBと日本のプロ野球(NPB)とではチーム数など根本的に違う。
それを無理やり日本のプロ野球界にあてはめても、そこは無理があっておかしんじゃないか、と思っていたのだ。
でも自分は子供の頃から大の野球ファンで、高校野球はじめプロ野球もずっと熱心に観てきたファンだが、あるところからもういまはほとんど観なくなった。巨人でいう松井とか、MLBでのイチローとかの時代が夢中になっていた最後だったかな。
だからそんなに関心もなくなってきた。CSがどうだとか、どうでもいいという感じである。
でも正月暇なので(笑)、ちょっと日本のプロ野球のCSについての是非について語ってみたくなった。その一番の動機がじつは大リーグMLBのプレーオフてそもそもどんな仕組みなの?ということを明らかにしたかったからだ。自分もじつは大まかには知っているのだが、意外やきちんとわかっていない部分でもある。それが今回の日記を書こうと思った一番の動機かな。
昔、自分の子供の頃は、セ・リーグは1シーズン制、パ・リーグは前期・後期リーグと分かれていたのだ。パは前期優勝と後期優勝とで最後に決定戦をおこなう。その勝者が日本シリーズに出場できるのだ。
パ・リーグは人気に困っていたから、いかに興味を持ってもらうことに必死だったのだ。セ・リーグは巨人を中心に人気があったので、そんな小賢しいことをせずに1シーズン制を貫いていた。
その後、パ・リーグも1シーズン制に。そして2004年頃かな。パ・リーグが最初にクライマックスシリーズ(CS)を導入。そしてセ・リーグも2007年からCSを導入。
そして現在に至るという訳だ。
クライマックスシリーズ(CS)というのはどういうことをいうのかおさらいしよう。セ・リーグ、パ・リーグとも長いペナントレース143試合を戦う。
そこからそのペナントレースの結果に応じて、さらに各リーグの上位3チームでトーナメント試合をおこなう。ペナントレースを優勝したチームがそのまま日本シリーズに出場できないのである。(笑)
これがクライマックスシリーズ(CS)である。
セ・パ・リーグそれぞれ、トーナメントをやる。2位、3位とで戦い、勝者と1位と戦う。5戦で先に3勝したほうが勝ちである。1位はアドバンテージとして1勝を与えられる。いずれもペナントレースの成績がよいほうがホームグラウンドでのゲームである。
だから下剋上があるのだ。
2010年、千葉ロッテがCSを勝ち上がり、日本シリーズで中日を破って日本一に輝いたときは「史上最大の下剋上」と呼ばれ、大いに沸いた。リーグ3位のチームが日本シリーズを制したのは、このときのロッテが初めてだった。
一方で、シーズン143試合の長丁場を制したチームが必ずしも日本シリーズに出場できないことに、当初から疑問を呈する声もあったのだ。その声がひときわ高まったのは、2017年。首位・広島に14.5ゲーム差をつけられての3位だった横浜DeNAが、日本シリーズに進出したためだ。今季もセの3位・巨人が勝率5割を切る成績でCSに進んだことから、再び「CS不要論」が沸き起こっている。
なんのための長いペナントレースなのか?
なんのためにいままで戦ってきたのか?
長い長い143試合も戦ってきて優勝して、この短期決戦に負けたら、それでいままでの苦労がいっさい水の泡である。
これって観ているほうでうれしい、と思う?
思いっきりしらけるんじゃないだろうか?
下剋上したチームも、じつはそんなにおおっぴらに喜べないのではないかと思うのだ。
どこか後ろめたいというような気持ち。
本物のチャンピンではないというような世間の冷たい視線。
自分は、このCSが、ペナントレースの価値を下げていると思う。
自分が、CSがダメだと思うのは、もうひとつ理由がある。それは短期決戦に対するエネルギーの瞬発力が分散されてしまうことだ。ある天王山の短期決戦に対して、一気にエネルギーを集中して、そこに向かってどんどんエネルギー、気運を盛り上げていってそこの頂点で爆発する。それが日本シリーズなのである。
ところが間にCSが入ってしまうために、そのエネルギーが分散されてしまうのだ。CSが余計なのである。間にCSが入ってしまうため、日本シリーズに対するエネルギーの爆発がゆるいものになってしまい盛り上がらないのだ。CSと日本シリーズが同じくらいな感じである。
自分は、クライマックスシリーズ(CS)の導入が、日本のプロ野球をダメにしたと思っている。
長いペナントレースを勝ち抜いてきたセ・リーグの王者とパ・リーグの王者とまさに日本一の決定戦をおこなう。そこに一種独特の緊張感、胃がキリキリするくらい。。セ・リーグとパ・リーグは昔からライバル意識があって、人気のセ、実力のパとか言われ、お互いライバル意識があって、この日本シリーズに向かって一気にエネルギーの興奮を持っていってそこで一気に爆発する。。そういうライバルがお互いのプライドをかけて戦う。そういう短期決戦への気運の高まりがあったものである。
だから名ドラマも生まれた。自分は子供の頃からプロ野球の日本シリーズには、もう数えきれないくらいの信じられないドラマを経験してきた。
いまはCSの導入のおかげで、その日本シリーズの気運の盛り上がり方があくまで、CSも含めたOne Of Themに成り下がってしまっていると思うのである。
これは全部CSのせいである。
はたして、日本のプロ野球にクライマックスシリーズ(CS)って必要なものなのか?不要なのではないのか?そこを議論したいのだ。
自分はCS不要論者である。元に戻してほしいです。
やっぱり長いペナントレースを勝ち取ったチームは最大限の敬意を表するべきである。たかが1勝のアドバンテージじゃダメである。たかが1勝のアドバンテージで、143試合のペナントレースの代替えとなるか、である。
日本シリーズは、セ・パともペナントレースを勝ち取ったチームが戦うべきである。そうすることで、日本シリーズに対するエネルギーの爆発、気運も一気に盛り上がるというものである。
自分が1番問題だと思うのは、日本のプロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は米大リーグMLBのプレーオフのシステムをそのまま拝借しているということである。
自分は当時からそれは無理があるだろう、MLBとNPBではまず根本的にチーム数が違っていて、事情が違うのだ。MLBはそうせざるをえない事情があるのだ。だからプレーオフというシステムを導入している。
それをNPBがそのまま拝借してきても無理があるのだ。なんかNPBにMLBのプレーオフを無理やりあてはめて、なんとかこじつけたのか、いまのクライマックスシリーズ(CS)なのである。
だから変なことになってしまう。
そこで、米大リーグMLBのプレーオフ、別名ポストシーズンのシステムについて解説しよう。
米大リーグMLBは、米国はすごい国が広大なので、ご覧のように大変なチーム数があるのだ。
メジャーリーグは、
「アメリカン リーグ(ア・リーグ)」と
「ナショナル・リーグ(ナ・リーグ」の2リーグからなり、
2リーグ内にさらに「西部」,「中部」,「東部」の3地区に分けられるのである。
ア・リーグに14チーム。
ナ・リーグに16チームが所属しており、計30チームが、年間162試合のレギュラーシーズンを戦うのである。
西部、中部、東部それぞれの地区ごとに、その地区に所属しているチーム間で162試合戦うということである。
彼らの場合、世界一、いわゆるワールドシリーズを決めるには、これらのそれぞれの地区優勝者からさらにそれを勝ち抜いていくというシステムを作らないといけないのである。
ア・リーグの西部・中部・東部でそれぞれの地区優勝チームがある。
ナ・リーグの西部・中部・東部でそれぞれの地区優勝チームがある。
合計6チームいるわけだ。ここからさらに世界一を決めるシステムを作るにはどうしたらいいか。
まず、ア・リーグの1位のチームを決めないといけない。
そして、ナ・リーグの1位のチームを決めないといけない。
そのために考え出したシステムが、ディビジョンシリーズ、リーグチャンピオンシップシリーズなのである。それで、ア・リーグとナ・リーグのチャンピンが決まって、最後の世界一のワールドシリーズが戦われるというシステムである。
これだとわかりずらいだろうから、さらに詳しく説明すると、米大リーグMLBのプレーオフとはこういうシステムなのだ。
ア・リーグの地区優勝者、いわゆる西部・中部・東部の3チームをさらにその勝率で分ける。
ナ・リーグの地区優勝者、いわゆる西部・中部・東部の3チームをさらにその勝率で分ける。
そこにさらにワイルドカードと言って、地区優勝できなかったア・リーグ、ナ・リーグの優勝チーム以外の勝率1位,2位,3位のチームを参加させて敗者復活戦をするということである。
このようにトーナメント方式で、地区優勝者以外にもワイルドカードで敗者復活戦も交えトーナメントをおこなう。それがディビジョン・シリーズであり、リーグチャンピオンシップシリーズなのである。5戦して最初に3勝したチームが勝ちである。
そうやってア・リーグ、ナ・リーグのそれぞれのチャンピンが決まり、両リーグのチャンピン同士で世界一を争うワールドシリーズを戦うのである。ワールドシリーズは7戦で最初に4勝したほうが勝ちである。
これがメジャーリーグMLBのプレーオフ(ポストシーズン)の仕組みなのである。
自分も昔から大リーグが国土が広いからチーム数が多くて、複数の地区に分かれてペナントレースが行われて、その地区優勝者でのトーナメントがプレーオフなのかなというレベルの認識だったのだが、こうやって改めて勉強するとなるほどである。
日本のプロ野球(NPB)のクライマックス・シリーズ(CS)は、この大リーグMLBのプレーオフのシステムをそのまま持ってきているのだ。考え方含め、そのまま拝借しているだけなのだ。
なるほど考え方、そっくりだ。(笑)
でもやっぱりチーム数など事情が全然違うだろう。MLBは地区ごとに分かれていて、チーム数がすごい多いからこういうシステムで世界一を決めざるを得ないけど、日本のプロ野球のように、たかだか両リーグで12チームくらいで、このシステムを導入するのは無理があるのではないか、意味ないんじゃないか、と思うのである。
ところがNPB側でこのCSを導入した理由など拾ってみると、なるほどな、と思う意見もある。
「CSは短期決戦の面白さがある」
「興行面、ファンから見ても消化試合を少なくするため必要。ただし上位チームのアドバンテージはもっと多くすべき」
球界全体にメリットがあり、ファンもリーグ戦とは違った野球を楽しむことができる。これはCSの存在意義として、非常に大きなウエイトを占める部分だ。
「長いリーグ戦を戦い抜く力と短期決戦を勝ち抜く力を兼ね備えたチームが称賛されるべき。消化試合が減る」
自分は、この意見はすごく納得する。
自分は日本シリーズ当日、パ・リーグの数チームがまだ消化試合を淡々と戦っていた時代を知っている。昔はドーム球場がなかったため、雨天中止試合の数が多かったのだ。スタンドではファンが日本シリーズのラジオ中継を聴いていた。そのスタンドは当然のように閑古鳥が鳴いていて、実にむなしい光景だった。
消化試合をなくす、というのは確かに言い得ている意見だ。
ペナントレースであるチームが独走が決まってしまうと、ペナントレース自体がダラダラ消化試合みたいになってしまい、興行的にもかなりよろしくない。優勝できなくてもCSにさえ出れればチャンスがあるんだよ、といことで頑張りがいが出てくる。消化試合を減らすという意味ではこれは興行的に見ても確かに正しい意見だと思う。
つまりCS実施により、たとえレギュラーシーズンの優勝チームが早々に決まってしまっても、2位、3位争いへの興味・関心が維持され、いわゆる“消化試合”が激減する。チケット、グッズ等の売り上げにもつながり、興行的にも上々のコンテンツとなるというわけだ。
この意見はプロ野球のビジネスサイドからすると至極真っ当な考え方で、自分は納得せざるを得ない。まさにその通りだと思う。
ちなみに、Web誌のスポーツナビが、CS不要論?クライマックスシリーズは必要?不要? プロ野球ファンの意識調査結果を発表!という興味深いアンケートを実施した。
それによると、
「CS不要論に賛成=CS廃止派」が22.2%、「CS不要論に反対=CS続行派」が35.7%という結果になった。「賛成」「どちらかといえば賛成」を合わせると33.1%、「反対」「どちらかといえば反対」を合わせると50.2%。半数近くのファンはCSを継続してほしいと考えていることがわかった。
さらに年代別に見ると、
年齢が若いほど「CS不要論に反対(=CS続行派)」するファンが多いということだ。この傾向はとりわけ10代、20代で顕著で、「反対」「どちらかといえば反対」に投じた10代のファンは65.6%、20代は59.9%となった。
年齢が高くなるほど「CS不要論」への賛成派(CS廃止派)が増えていく傾向にある。特に60代以上のファンの48.7%は、「賛成」「どちらかといえば賛成」に票を投じている。酸いも甘いも知った世代は、143試合の重みをより強く感じているのだろうか。
CSが不要か、必要か、というと、すごい拮抗している結果だけど若干CSは必要と考えている人が多く、若い人ほどCS必要と考えている人が多く、高齢な人ほどCS不要と考えている人が多いということだ。
CS不要、必要という点では拮抗しているので、やはり今後もいろいろ問題とされることは間違いないだろうし、そのたびに、CS不要論、必要論で議論になるんだろうな。
そして高齢な方ほどCS不要と考えている人が多く、ペナントレース143試合の重みを尊重しているという結果に自分は納得するような感じである。
まさにオレだ(笑)という感じである。
昔のプロ野球を知っている人は、やっぱりどうしてもCS不要論、ペナントレースの価値下げるな、という意見なのだろう。
自分もこの日記を書こうとしたときは、もう徹底的にCS不要論でガンガンに主張してやろうと思ったけれど、こうやってつぶさに調べていくと、それなりの事情、経緯もわかってきて、いまはなんか複雑な気持ちである。(笑)
2023-01-02 21:31
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0