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ロンドンで日本食材を求めて。 [街歩き]

1990年代のロンドンの日本食材屋さんといえば、もう圧倒的にヤオハンであった。ロンドンのみならずイギリスに住んでいる市民であれば本当に誰もが知っていた。それだけ圧倒的な存在だったのだ。


ヤオハンは1993年に開業して、1997年に閉業しているので、2000年代以降の年代の方々には、まったくその存在を知らない人が多いと思うが、我々の世代の1990年代の人にとってのヤオハンは凄いものがあった。


オフィスのイギリス人の同僚からも、ヤオハンにいけば日本の食材は大抵なんでもありますよ、とアドバイスを受けていたし、日本人赴任者からも同様だ。


ヤオハンがつくられて当時評判になった「ヨーロッパ最大」のショッピングセンター。ここの規模のデカさ本当に凄かった。ハンパなかった。


たぶん自分も東京でのスーパーマーケットやデパートを見て回ってきたが、これだけデカかったショッピングセンターはいまだかつてない、というほど広かった。


まさに体育館といっていい。


あの体育館の広さで、食品から、雑貨、書籍を始め、文字通りなんでもありで、キャッチフレーズ通り、「一つ屋根の下に日本がある」のだ。スーパーマーケットの他にフードコート、お弁当屋、ケーキ屋、日本系書店、さらには不動産屋、写真店(その頃はまだデジカメは普及していませんでした)までなんでもあったのだから。まさに日本パラダイムの世界だったといっていい。(日本食のフードコートは、あまり美味しくなかったです。。笑笑)


ネットで写真を探したんだが、いい写真が見つからないんだよね。あれだけ有名な日本専門ショッピングセンターだったのに、なんでこんなに写真が少ないんだろうと思ったのだが、よく考えれば、当時はデジカメがなかった時代でフィルムカメラの時代だからPCとの親和性がなかった時代。撮った写真をPCに取り込むということができなかった時代。


だからなのかな、と思った。


そんな中から敢えて探し出したのが、この写真。

自分とまったく同じ年代に、ヤオハンに行ったことがある方の日記のお写真をお借りした。だから自分が言及しているヤオハンとまったく同じである。


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でも自分の記憶のイメージにあるヤオハンは、こんな小粒な感じじゃなかったんですよね。もっとバカでかい感じ。


まさに体育館で、このように醤油、みりんとかの調味料だったら、もう膨大な数の展示があって、もうありとあらゆる日本食材が、その圧倒的な品ぞろえで、ずらーっと膨大な敷地に陳列されていたのである。


生鮮物からなにから、日本の食材に関するものは全部揃っていた。当時自分はこれはもう日本のスーパーマーケットやデパートどころではない。こんな巨大なショッピングモールは見たことないというくらい凄かった。


最寄り駅は地下鉄ノーザンラインのコリンデールにあって北ロンドンでかなり郊外のほうにある。バスの便も少ないし、幹線道路沿いなのだが、車で買い物に行く分には便は悪くはないのだろうけれど、この場所自体ロンドンの北のはずれに近いので、多くの日本人客を集めるにあまり適しているところとは言えなかった。


それが開業してたった5年目の1997年に経営破綻してしまった理由の一つであろう。


ヤオハンは、当時のロンドン、イギリスに住む日本企業の駐在員家族に依存する商売だったと言っていいと思う。


後から思うと、自分が住んでいた1995年当時がヤオハンの最後の輝きの時期であったと思う。熱海の青果商から出発し、世界中に店舗を構える巨大小売業にまで拡大したヤオハンであったが、1997年に経営破綻してイオングループに吸収された。ロンドン Colindale にあったヤオハンショッピングモールも、その後はOriental Landと名前が変わってしまった。そしてそのOriental Landも倒産。いまやあの区域にあの当時の面影なしのようだ。


日本に帰国した翌年には、ヤオハンが経営破綻したということを耳にしたのだが、あんなバカでかい日本パラダイム世界が倒産してしまうなんて、まったくびっくりしたものである。


ヤオハンにいけば、日本食材ならなんでも売っているという感じだったが、なにせ北ロンドンにあるので、車で行くにしても僻地である。BasingstokeからM3でロンドンに来る経路から外れて、いったん北に向かわないといけない。


自分は、ヤオハンには3~4回行ったのだが、なんか遠いな、そこまで行くの面倒だなと思うようになった。


そのあと発見したのがピカデリーサーカスの日本食材屋さんである。BasingstokeからM3でLondonに行くとWaterlooに出て、そこからすんなりとピカデリーサーカスに出る。そのピカデリーサーカスで日本食材屋さんを見つけることができた。


結局、経路的にすごく便利、自分の経路上にあるお店なので、そのまま寄れるということで、自分はその後、このピカデリーサーカスの日本食材屋さんを自分のお気に入り、アジトに決めた。


そのピカデリーサーカスの日本食材屋さん、ひょっとしてネットで載っていないかな?と淡い期待を寄せながらググってみたら、驚きの結果が待っていた。


ピカデリーサーカスの日本食材屋さんとして複数店あって、それを紹介していこうと思う。


日本人の多い地域に住む人にとっては、その地域にこじんまりとした日本食材店があったりしてそれで十分間に合っているのだが、おそらくそれ以外の人にとっては意外と重要な存在らしいピカデリーサーカス周辺の日本食材店たち。


ピカデリーサーカス周辺には、2013年までロンドン三越があった経緯もあるのか(そうだったんですね、これまた驚きです。)、日本食材店が豊富なのだそうだ。


●ジャパンセンター


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入口はこんなんです。ピカデリーサーカス駅から徒歩0分。日本人ももちろんお客さんとしてターゲットにしていると思いますが、どちらかというと東京にあるご当地ショップと似たような感じで、日本全体を宣伝する役割も担っている感じ。



品揃えはやはりロンドンイチ???


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お魚やデリ、霜降り牛も売ってます。高いけど。


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あとは小さいですが書店コーナーも。雑誌と漫画、旅行ガイドブックが充実してます。高いけど。


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自分が通っていたところはここではないような気がする。



●らいすわいんショップ


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ロンドンではいくつか日本食材を扱うお店があるが、チューブ(地下鉄)ピカデリー・サーカス(Piccadilly Circus)駅そばのRice Wine Shop(らいすわいんショップ)。ちなみに、ウェブサイトもあり、オンラインショッピングで配送もしてもらえます。


ピカデリーサーカス駅から本当にすぐで、出口によっては徒歩3分以内にある。お店自体はそんなに広くないですが、品数はかなり豊富です。



特に、日本のお米に近くてそれなりに値段がリーズナブルな欧州産こしひかり「ゆめにしき」はいつもこちらで買っています(10 kgで15ポンドぐらいです)。


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調味料も一通りそろっていて、しょうゆ、ポン酢、めんつゆ、オタフクソースなどお馴染みのものがあります。


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子供に必須のふりかけやご飯のお供もしっかりあります。


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インスタンスラーメンもあります。写真は出前一丁ですが、他にもいろいろあり、こういうのを買って食べると日本のインスタンスラーメンのクオリティの高さをあらためて実感できます。


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お味噌や豆腐などの冷蔵品も取り扱っています。


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カレールーもとっても貴重です。


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日本のお菓子(ここではハッピーターン)もあり、この手のお菓子は外国人宅に呼ばれた時に持っていくと歓迎されることが多いです。


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その他パスタソースなんかもあり、特にたらこパスタのソースはとても貴重です。ロンドンではたらこ自体を見かけたことがないので、たらこパスタはこのソースなしでは食べられません。その他、このらいすわいんは日本酒が豊富に揃っているので、こちらも手土産として活躍します。


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まず、自分が一番反応したのは、そのグリーン色した店の面構え。

これは・・・たぶん自分が通っていたピカデリーサーカスの日本食材屋さんってここかもしれない。

おそらく95%以上の確率で間違いないと思う。


自分の記憶のイメージとしっかりとPLLロックする感じで、その店面構えの風貌や、グリーン色であること、まさにこんなお店だったのである。たぶん間違いない。


25年以上も前のことだったが、まだやっているとは!!!驚きとしかいいようがない。


自分の記憶では地下1Fにあったお店だったと記憶しているのだが、この地上にあるグリーン色の店の面構えを見て、さらに記憶がグイグイ蘇ってくる。確かに地上1Fにもお店があって、そのお店は地下にも降りて行って地下にも展開している2階建てのお店だったのである。


これはたぶん絶対間違いないと思う。たまたま自分は地下のほうの記憶だけが断片的に残っていただけであって。。。いまスルスル~と記憶が蘇ってきた。地上1Fから地下に降りていく階段を下っているシーンが走馬灯のように蘇ってきた。


たぶん間違いない!この店だよ。


まさかネットでググったら、そのお店に出会えるとは!

ネットの時代、恐るべし!である。


もう大号泣である。


自分の時代では、このグリーンの玄関のところにお勘定するカウンターがあって、その横に日本の雑誌なんかも売っていたように思う。地下のほうにはカップラーメンや、生鮮食品とかお味噌や豆腐などの冷蔵品、お菓子類とにかくなんでも売っていた。


お勘定を済ませ、外に出るときに、このグリーン色の扉、玄関を通っていった記憶があるので、間違いなく自分の記憶イメージ通り。間違いなくこのお店ですね。


もうここピカデリーサーカスのらいすわいんショップに行けば、日本食材はもう十分なくらい完璧に揃っていて買えたので、自分はヤオハンよりもこっちのお店を重宝した。自分の経路上にあるお店だからである。



ピカデリーサーカス駅から本当にすぐで、出口によっては徒歩3分以内にある。お店自体はそんなに広くないですが、品数はかなり豊富です。


この情報も、まさに自分の記憶イメージとぴったし合致する。


しかし驚きました。25年以上も前のことなのに、ちゃんと営業が続いているんですね。

嬉しいのひと言です。


そして25年以上経ったいま、そのお店に出会えるとは!!!またロンドンに再訪できる日がいつか来るかどうかわからないが、ぜひこのらいすわいんショップ、再訪してみたいです。


大号泣することでしょう。


このように海外で毎日の食生活を営んでいくとなると、やはり日本の食材で調理することも必要になってきます。そういうときのために現地での日本食材店はきちんとカバーしておく必要があると思っています。


ブリュッセルに住んでいたときも、堀米ゆず子さんをよく見かけることで有名な日本食材のお店によく通っていましたよ。(笑)


これは経験値としてしみじみ思うことなのだが、海外に旅行するということと、海外に住むということでは、やはり次元が違うように思う。


ハードルはやはり住む方がいろいろ高いというか大変である。

自分が日本に住んでいて至極あたりまえのように出来ていたこと、たとえばちょっと具合が悪くて病院に行くとか、区役所に行って書類記入だとか、そんな日常生活に身近で些細なことは普段まったく気にも留めないというか心配しないじゃないですか。


でも海外に住むということは、そんな普段あたりまえに出来ていることから、それをちゃんとやれることから、もうすでにハンディが始まっているというか、大変なものなのです。自分もイギリスに住んで、区役所になにかの登録に行ったり、文書を提出したりとか、そんな事務仕事、意外や苦労するものなんです。これって日本に居たらあっという間に終わっちゃうことだよね~といつも思っていた。


自分が相手にこれこれこういう感じでお願いね!と区役所のスタッフにお願いして、自分はこれでこの事務作業も終わったと安心していたら、何日経っても音沙汰なし、なにも起こらなかったとかはしょっちゅうの出来事でした。(笑)


そんな日本に居たら、ちょっとついでに用事を足すというレベルな些細なことも、海外に住むと全力でやらないと進まないのです。そこにハンディがあるな~といつも思ってました。


海外赴任者にとって病院は非常に大事なことだと思います。海外で健康保険がどう利くか、海外で働いているなら、海外の医療費、健康保険負担はどうなのか、これをいろいろちゃんと勉強しておく必要がある。イギリスは、いま医療費は無料フリーでしたかね?


こんな日本じゃあたりまえのついでにやることも、見知らぬ海外の土地でやることになるとなかなか大変です。


自分は病院関係は、海外に駐在されている日本人医師による専門病院にお世話になっていました。これは大変助かりました。内科、皮膚科、精神科、眼科など、複数の日本人医師でまわっている日本人駐在者用専門病院みたいなところです。ロンドンの郊外にありました。


日本人医師ですので、日本語で思う存分症状など説明できるし、日本語で適切な指示も受けられる。やっぱり命にかかわることなので、病院関係はきちんと押さえたほうがいいと思います。自分はここは海外で生活するにはかなりキーになるところかな~と思ってます。


一度、歯が猛烈に痛くなったことがあって、仕方がなくイギリス現地の歯医者で治療してもらったこともあります。


やはりこういうのは、海外に住んでいる期間が長くなればなるほど、段々勝手がわかってきて、こういうケースのときはどこに行けばいい、どこにコンタクトすればいい、というのが段々経験値とともに蓄積されていくものなんですね。


自分はもう高齢者ですが、もう一回ぐらい海外で暮らしてみたいと思うこともあります。

特にクラシックに関わりながら。。たとえばベルリンに住めるようになって、ベルリンフィルの定期会員になって、ベルリンフィルハーモニーに定期的に定期公演に通いたい。ベルリン市内のコンサートホール、オペラハウスを自分の好きなときに自由に鑑賞できるようになりたい。それはやはりベルリンに住んでいるからこそ、という感じです。


でもいまや毎月定期通院が必要な持病をいくつも持った体。やはり無理なんじゃないかな~といまは諦めています。自分は今後はやはりあくまで旅行と言う形で関わっていくと思います。


自分は、人生の中ではやはりどんな形にせよ、海外で暮らす経験はぜひしておいたほうがいい、という意見です。その人の人生にとって無形ではあるけれど、その経験は、もうとてつもない自分の財産になると思っています。


だから若い人には、自分の体が健康体のときに、チャンスがあれば思う存分海外で生活することを経験しておくことをお勧めしたいと思っています。


間違いなくかけがえのない人生の財産になります。








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