デジタル田園都市国家構想 [コンサートホール&オペラハウス]
DX,Digital Transformationという言葉が出始めた頃、政府は一生懸命説明するのだが、その内容が具体性に欠けていて、イメージが湧きにくく、どのような状態のことを示すのかいまひとつだった。
自分もネットでDXのことを読んでみるんだけど、なにを言いたいのか、その具体性がさっぱりわからんね、とボヤいていましたね、あの当時。(笑)
でもいまやDX,Digital Transformationとは、デジタル変革、単なるデジタル化という意味ではなく、デジタル化することで、ビジネスのやり方も変えてしまう、そういう統合的な変革であることは、もうみんなわかってきている。
企業で言えば、物流サプライチェーン、バックオフィス、もうあらゆる点でDX化が進行中だ。
やっぱり世の中時間が経つにつれて、いや言い換えると、ものごとが進んでいくとわかってくることなんですね。
で、最初に政府がDXとは、Digital Transformationとは、とのろしを上げるのは、やっぱり旗振りという意味で大事なことなのかもしれません。言っていること不明瞭で、曖昧で具体的でなくて、しかも専門的でないにしろ。そういうのろしを上げるという行為そのものが大事なことなのかもしれない。それが政府の役目なのかもしれない。
あとは技術的に詳しい専門家、技術者に任せるみたいな、実務ベース、現場に移っていくみたいな感じです。
それと同様の疑問が自分の中に最近ふつふつと湧いてきている。
それが「デジタル田園都市国家構想」である。
最初名前を聞いたとき、田園都市線のどこかの街づくりをデジタル化することで、スマートシティのようなモデルケースの街を作りたいのかなと思っていました。(笑)
なんで、”田園都市”なのだろう???
岸田首相が、しきりに、”新しい資本主義”という言葉を頻繁に使用する。
これも具体性がなく、いまひとつ内容が不明瞭だ。
でも、この「デジタル田園都市国家構想」を理解すれば、政府はなにをやりたいのか?が理解できてくると自分は思う。
DX,Digital Transformationばかり目が行って、マイナンバーカードがどうかとか、マイナンバーカードと健康保険証、運転免許証とかを合体させるとか、そんな目先の小さなことでなく、もっと大きなScopeで国がやりたいことを理解するべきだと思う。
結構自分はショックだったな~。
デジタル田園都市国家構想は、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局がコンセプトをまとめて、HPで公開している。
これを自分の日記で紹介して、デジタル田園都市国家構想とは?デジタル化、DX化として結局国はなにをやりたいのか?どういう目標でいるのか?を理解してもらえればと思う。
デジタル田園都市国家構想とは、つぎの4つのスコープから成り立つ。
デジタルの力を活用した地方の社会課題解決
・地方に仕事をつくる
・人の流れをつくる
・結婚・出産子育ての希望をかなえる
・魅力的な地域をつくる
やっぱり東京、首都一極集中型ないま、過疎化、元気のない地方をもっと元気にさせたい、という意図があるみたいだ。テレワークがあたりまえになると、場所を選ばず働ける。デジタル化、DX化が進んでいくと、教育DX、教育分野でのオンライン授業とか、医療でも遠隔医療とか、国は地方をもっと活性化させたいのだと思う。あるいは子育ての補助など地方では優遇するなど。。。
でもこの問題はすごく難しい問題ですね。自分もそうだけど、東京から離れるのはイヤだ、という人もかなり多いと思う。なかなか難しい問題だと思います。すんなりはいかないと思います。
デジタル人材の育成・確保も大事だけど、世の中がデジタル化していくと、一番不安視されているのが、高齢者の方がついていけない、置いてきぼりになることではないだろうか。過激な人は、そんな高齢者層をいちいち心配していると結局なにも進まない、という強硬派もいる。でもやっぱり理想は、誰一人取り残されないための取り組みであろう。
そして自分の日記で詳しく取り上げようと思っているのが、構想を支えるハード・ソフトのデジタル基盤整備である。
ここは非常に興味がある。
今回はここを徹底的に取り上げたい。
構想を支えるハード・ソフトのデジタル基盤整備は、つぎの5つの項目からなる。
・デジタルインフラの整備
・マイナンバーカードの普及促進・利活用拡大
・データ連携基盤の構築
・ICTの活用による持続可能性と利便性の高い公共交通ネットワークの整備
・エネルギーインフラのデジタル化
これをひとつひとつ紹介していきますね。
総務省「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」に基づき、光ファイバ、5G等の通信インフラの整備を地方ニーズに即してスピード感をもって推進していく。
昔むかし、夢の次元で語られてきた全国情報スーパーハイウエイ構想というやつですね。
日本全国中に通信のネットワークインフラを張り巡らせるということです。
日本のDX化を実現するには、まずは通信インフラが整備されないといけないですね。
まずインフラがないと話にならないですよね。(笑)
具体的な物理ネットワークとして、光ファイバと5Gで進めていくということなんですね。光ファイバは有線、5Gは無線です。通信が大前提となりますが、それに伴って従来の放送の果たす役割というのも変わってきますね。放送と通信はつねにペアなのです。通信の発展にともなって放送の在り方もどんどん激変していきます。その議論も必要だと思います。
あと、自分はこの中でデーターセンターってこれから非常に重要な役割を担ってくると予想しています。いままでの日本にはあまりなかった分野ですが、これから大事になりますね。じつは後で述べますが、自分のこれから連載する日記で結構このデーターセンターって必要なのです。
マイナンバーカードはもういわずとしれたDXテーマのひとつですね。欧州で国家としてDXに成功したフィンランドのように政府と国民の間に信頼関係が必要ですね。日本の政治家への信頼関係からするとなかなか難しい問題ですね。(笑)
自分は思うんですが、もっと政府は国民に説明しないといけないですね。マイナンバーカードを持つとどういうことができるようになるのか、健康保険証や運転免許証と合体化させることで、こんな夢のあるようなことが実現できるんですよ、という夢を語らないといけない。
医療費が何パーセント下がるとかくだらなすぎる。(笑)レベル低すぎですね。(笑)目先の普及のためのくだらない策を考えるのではなく、もっと夢のあるサービスの可能性を説明するほうがよっぽど効果あります。
そういう説明がないから、ただ合体化させて、その後考える・・・じゃダメなんですよね。もっと先を見通して、想像に想像を膨らませて、先に利便性のあるアイデアを考えちゃう、先に見識者あつめてアイデア会議をやってしまう。そういう仕事、苦労が必要なんではないのでしょうか?
国民に利便性を説明するということは、その説明する人の頭の中にそういうアイデアがないとダメだと思います。現状そこまで頭が回っていないのではないでしょうか。なんとなく合体化するといいよな~ぐらいの感覚なのではないでしょうか。
これは自分的にはかなり大事なファクターでありながら、その実現性として技術的に一番難しい処なのではないかと思います。国と各地方間、そして公共機関と民間企業とのデータ共有とかデータ連携など。。って簡単に言うけど、これ一番大変じゃない?(笑)
システム全体のアーキテクチャ設計ですね。自分はここに一番痺れます。
ICTとは、「Information and Communication Technology」の略称。日本語では、「情報通信技術」と訳され、コンピュータを単独で使うだけでなく、ネットワークを活用して情報や知識を共有することも含めた幅広い言葉である。
交通インフラ、交通ネットワークの整備ということなんだろうけど、交通インフラといえば、飛行機、車、電車、船などがある。それ以外になにがくるというのか。自分は正直この部分は、いまひとつそのターゲットが明瞭には理解できなかった。
最先端のデジタル技術を活用したリニア中央新幹線の早期整備は、とてもよく理解できます。ここは、まだなかなかどうやっていくかわからないところなんでしょうね。具体的なところに落とし込んでいくまで現場の意見、力が必要なんだと思います。
交通インフラのDX化ということでは、自分はMaaS(Mobility as a Service)を候補に上げたいです。要は、ある地点からある地点に移動する、旅行するときに、乗り継ぎ含め、どういう乗り物で行ったらいいかの情報を提供し、選択し、さらにその乗車チケットの予約、購入までをスマホやタブレットでできてしまうアプリのことです。
スマホ1台あれば、目的地まで行けるみたいな。。。感じです。MaaSは今後のカービジネス、モビリティ関連では重要なサービス・技術になって行くと予想しています。カー業界は熱いです。MaaSは、旅行業界にとっても大きな革命期になると思っています。
エネルギーインフラのデジタル化は、ちょっと自分の専門外というか、門外漢ではありますけど、送配電インフラの増強やデジタル化による運用の高度化を推進。。ここでしょうね。ポイントは。
これはただ目標を立てたら、それで終わりという訳ではありません。
PDCAやらないといけないのです。PDCAというのはPlan Do Action Checkの略です。計画をたてて、実行して、それをチェックして反省、改良、軌道修正していくという意味です。
このデジタル田園都市国家構想では、KPIといって、重要業績評価指標というのを設けています。こういうゴール、達成感で進めていくということです。
この日記のメインテーマである「構想を支えるハード・ソフトのデジタル基盤整備」では各々の項目でつぎのようなKPIを立てています。
そんな遠い世界のことじゃないですね。2025~2030年あたりで達成する日程感です。
どうですか?
デジタル化、DX化って簡単に言ってますけど、マイナンバーカードの目先の議論より、もっと広い見地、Scopeから結局国はなにをやりたいのか、ということがわかったのではないか、と思います。
自分は、この「デジタル田園都市国家構想」のHPを読んだとき、結構ショック大きかったです。
じつは、この日記の本当の目的はそこにはないのです。(笑)
なぜ「デジタル田園都市国家構想」を紹介する日記を持ってきたかと言いますと、そのあとに自分は、DX時代のコンサートホールとはどういう形態のものなのか、コンサートホールをデジタル化するってどういうことなのだろう?ということをかねてより1年前から日記で書いてみたいとずっと思っていて、なかなか実現できないでいました。
でも意を決して、去年のクリスマス休暇から年末年始の休みにかけて、自分1人だけのブレスト(ブレインストーミング)をやって徹底的に考えてみてアイデアを捻っていたのです。そりゃたった数週間、1か月だけ自分1人で考えたアイデアですからそんな大したレベルのものは考案できません。
自分が長年ずっとコンサートホール通いをしてきて、こんなことができたらいいな~と思っていたこと、そして最新の技術開発状況をネットで徹底的に調べて、それをいまのコンサートホールに無理やりくっつけたというレベルです。
全然洗練されてないし、こなれてないです。また単に今後これはコンサートホールに活かせる最新技術なのではないか、という技術の紹介、示唆にとどまっているところもあります。
でもいいんです。のろしをあげる意味でも、そういうことをぜひ書いてみたいと1年前からずっと考えていたので、それをようやく実現できただけでもいいと思ってます。自分にとっては、1年越しについに夢成就なのです。
実際の実現ベースの段階でのアイデアですと、もっと数年先(あるいは数か月先)にいろいろなその道の専門家のプロフェッショナルな方々によって練られていくに違いないと思っています。
それでいいと思ってます。
またそうあるべきだと思っています。
そんなバカなことできるわけないじゃないか!と言って現在の既成概念で最初から拒否する姿勢の人とか、現在の常識を掲げて、つねに全否定する姿勢の人よりも、バカにされてもいい、そういうアイデアを出す人のほうが偉いと自分は思っています。
それは・・・だからできない。。というのは簡単なことだと思います。
そんな経緯からDX時代のコンサートホール・オペラハウスの在り方として、どういうことがあるのか、を連載としてこれから語っていきたいと思っています。
このシリーズは、2017年に連載した「コンサートホールの音響のしくみと評価」に次ぐ、自分の代表作になると信じています。
よろしくお付き合いをいただければ、と存じます。
そのための序奏・プレリュードとして、そのデジタル化、DXの概念ということで、国が推し進めている「デジタル田園都市国家構想」を最初に持ってきたのでした。
デジタル田園都市国家構想
2023-01-17 18:31
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