今年の芸術の秋 [クラシック雑感]
今年は、東京・春・音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ、ディアナ・ダムラウ、ヒラリー・ハーン、水谷×大陸と例年にはないハイペースでコンサートに行って、もうすでに予算的に毎年の年度予算に到達。(笑)
やっぱりハイペースだった。今年はもう無理です。。。という感じなのだが、今年に限ってもうちょっと頑張ってみることにした。
まだ夏にも入っていないけど、早くも今年の芸術の秋の抱負を語ってみたい。
●小山実稚恵 以心伝心2023
小山実稚恵さんの最愛のピアノ協奏曲と、運命のパートナーの指揮者とともにお届けするサントリーホールでの5年間のシリーズ。
去年はその開幕として、大野和士と東京都交響楽団で、まさにライフワークのラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番を聴いた。上皇后美智子様ご臨席という思ってもいなかったサプライズがあって、会場はちょっと異様な興奮と緊張感に包まれた。
あれは震えたね~。あんな緊張感、ドキドキの中でラフ3を聴き、正直なところを告白すると、早く無事になにごともなかったかのように終わってくれないか。ミスタッチなく名演として終わってくれないか。そればかりを願っていた。長かった、本当に長く感じた。。。
場内の興奮は極限に達し大変な喝采、聴衆全員スタンディングオーベーションだった。もちろん美智子様もお立ちになられ拍手を贈る。もう場内全員、一種異様な雰囲気と興奮状態である。
小山実稚恵さん、最高にカッコよかったな~。ピアニスト冥利につきる、というか最高に幸せな瞬間だったと思う。
自分は小山さんのラフ3で、ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番を勉強してきた人なので、それをこのような最高のシチュエーションで聴けてクラシック人生の中で一生の記憶に残る忘れられない名演になったと思う。
自分は、この以心伝心シリーズ。5年間コンプリートすると宣言した。
今年2年目も行くのである。
小山実稚恵 以心伝心2023
今回は小林研一郎と日本フィルハーモニー交響楽団と共演する。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番とベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
自分はベートーヴェンのコンチェルトというと、実は4番が一番好きなのであるけど、3番なんですね。(笑)メインディッシュはやっぱり5番「皇帝」だと思います。いい曲ですよね~。
自分はじつは日本フィルの公演に行くことが普段あまりなく、この日はとても楽しみにしています。
自分は小山実稚恵さんのチケットをぴあで取るとき、いつも思うことが、小山さんって本当に年間すごい公演量をこなす人なんだな、と思うことです。もうリサイタル、コンチェルト、室内楽に至るまで、年間のかなり遠い先まで、もうびっしりと埋まっていて、チケット販売が羅列しているのである。全国津々浦々、駆け回ってコンサートをやっていらっしゃる。ご自身のSNSでもその公演の様子(終演で舞台袖に下がってくるときの写真)を毎日のようにアップされている。
自分は数年前と違って、いまや年間に行くコンサートは数少なくなってしまったけど、いろいろなアーティストのチケットをぴあで取るけど、それに比較すると小山実稚恵さんのチケットを取るとき、毎回驚くんですよね。うわっこんなにコンサートが控えているのか!という感じで。
もう大ベテランの域に達するピアニストであるが、いまだに全国いろいろな所から需要があるということ、そしてオーガナイザーの人たちからしても小山実稚恵さんのコンサートであれば、確実に集客できる。外れることがない。安定した収入源という絶大の信頼があるからなんでしょうね。
まさに日本のピアニストを代表する大スター中の大スター。至宝と言ってよい。
長いキャリアのもと、築き上げてきた信用、ブランドなのだと実感する。
ベテランになってもいまだ勢い衰えず。大躍進中である。
●阪田知樹 ラフマニノフ ピアノ協奏曲全曲演奏会
今年はラフマニノフの生誕150周年の記念イヤーなのであるが、驚くべきチャレンジングで、大変な演奏会が9月にお目見えする。
それが阪田知樹氏のラフマニノフ ピアノ協奏曲全曲演奏会である。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番、第2番、第3番、第4番、そしてパガニーニ主題による狂詩曲。
これを1日で演奏しきるマラソン演奏会である。
まさにピアニスト冥利に尽きるというか、体力的、精神的にもかなり極限中の極限であろう。よく決断した、と思う。
自分の世代でいうと、ラフマニノフ ピアノ協奏曲全曲演奏会、1日で5曲を全部弾くというと、もう完璧に清水和音さんなんだよね。
清水和音さんの代名詞でもあった。
いまから12年前の2011年8月6日にサントリーホールで、その清水和音 ラフマニノフ ピアノ協奏曲全曲演奏会を実演に接したのだった。高関健さんと東京交響楽団だった。
最前列で聴いていて、ピアノがこんな位置に見える席。
こんな位置なので、ピアノの胴鳴りがよく聴こえました。(笑)
このときのコンサートレビュー日記はきちんと書きました。
あれから12年。
伝説は継承する。・・・である。
神話、伝説、偉業は偉大なる先人から若い世代へと受け継がれ、後世へと語り継がれていくのである。
阪田知樹氏といういま若手ピアニストとして脂の乗り切ったもっとも輝いている若者が、この偉業に挑む。阪田知樹氏はご覧のように大変イケメンのかっこいい美男なピアニストで、そして音楽、音源にも深い知識を兼ね備えた知性派ピアニストとしても有名で、そこがまた本人の大きな魅力になっていて、本人の個性を一種独特で輝かせている部分でもあると思っている。
もう去年から今年にかけて、大変な公演量をこなし、いわゆる若いときに突っ走る全盛期とでもいうか、需要と供給がマッチした、ピアニストとしていま最高に旬な時期にある人なんではないか。
自分はじつは阪田氏の実演は接したことがまだ1度もないのだ。若手ピアニストの中でも、自分の感性に合うというか、グッとくるピアニストで、ぜひ実演に接してみたい、とかねてよりずっと思っていて、ラフマニノフ ピアノ協奏曲全曲演奏会というまさにこんな大偉業で、初の実演に接するなんて、これ以上のない晴れ舞台であろうと思うのである。
どんなピアニストなのか、とても楽しみにしている。
もちろんこの大演奏会のトリは、3番である。
阪田知樹氏のラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番はどんな感じなのだろうか。。。持ち前の若さ溢れる3番を期待しているし、とても楽しみしている。
「伝説は受け継がれていく。」
自分は、今回の阪田知樹氏のラフマニノフ ピアノ協奏曲全曲演奏会を迎えるにあたり、ひとつの自分からプレゼントを考えてみた。
12年前に、自分にとって初めてこの大偉業を体験した清水和音さんの公演のレビュー。mixiには掲載したのだけど、その頃はまだノンノンのブログをやっていなかったので、ブログ掲載はしていなかった。mixiだけの公開。ずっとそのままになっていた。
でも今回の阪田氏の大偉業を迎えるにあたって、この12年前の清水和音さんの大偉業のレビューをノンノンのブログにデビューさせようと思っているのである。1語1句編集なし、改訂なしのあの当時のあのままの写真と原稿で。ブログに再掲載である。
そして引き続き、阪田知樹氏の大偉業のコンサートレビューを、「伝説は受け継がれていく。」というタイトルで、清水和音さんレビューと隣り合わせで、連続投稿しようと思っているのである。
これが自分なりの花道のつけ方である。
●内田光子&マーラーチェンバーオーケストラ2023
ベルリンフィル(BPO)、ウィーンフィル(VPO)、コンセルトヘボウ(RCO)。。。無理です。(笑)
彼らは若いときに十分堪能しました。もう年寄りになると、あの値段はキツイな~。
でもプロモーターさんはけっして間違っていないです。
彼らの高額の出演料を守りつつ、渡航費、宿泊費、交通費などの必要経費をオーケストラ団員全員分算出し、そこにさらに本公演の利益分をアドオンして捻出する。そうするとどうしてもこのチケット金額にならざるを得ないのだ。これは必然にそうなってしまう。
外来オーケストラを海外から招聘する、ということはそういうことなのだ。
それでも尚、外来オーケストラは、日本ではドル箱ビジネスでお客を間違いなく集客できる。
日本人はそんな高いチケットでも、彼ら見たさに、彼らを堪能したいがために、その高額チケットを買ってくれる日本人は大変クラシック音楽を愛好する国民なのである。
ちゃんとビジネスが成り立つのである。
クラシック音楽はやはり西洋音楽だな、と思うとともに外来オーケストラがもつブランド力の強さを心底実感する。もちろん日本のオーケストラも現在では実力的に全然遜色ないくらい進歩していると思うのだけど、日本のオーケストラでもう全然満足と思うのだけど、やっぱりブランド力なんですよ。
クラシック音楽界は、外国人アーティスト、海外オーケストラのブランド力が非常に強く、とくに日本の場合、彼らへの依存度が高く、コロナ前では圧倒的なシェアを誇っていた。コロナ禍になり外国人が来日できなくなる中、日本人のみというときもあったが、ようやくコロナも収まり、日本入国に縛りがなくなってきて、またこの海外勢に依存という風潮が戻ってきた。今年2023年は、BPO,VPO,RCO以外にも軒並みビッグな海外オーケストラが来日する。
でもいいじゃないですか?自分なんかは、なんか普通に戻った感じがするし、やっぱり海外アーティスト、海外オーケストラが来日すると、パッと華やかになるというか業界の雰囲気が高揚しますよね。悔しいかな。ブロンドヘア、体格の良さ、ルックスなど派手な見栄え、肉食派ともいえる体育会系の演奏力や歌手なら声量などのパワー。スケールがやっぱり大きいと思う。
自分にとって、今年の最大のコンサートとなる立ち位置が内田光子&マーラーチェンバーオーケストラ。
ひさしぶりに外来オーケストラに大金を費やした。
今年のメインイベントとしてこのときに気持ち的に最頂点に達したいと思う。ひさしぶりにどうしてもミューザ川崎に行きたかった。もちろん奮発してS席にしました。
ミューザ川崎は本当に近代的な空間デザインで最強の音響を誇る最高のコンサートホール。いいホールですよね~。もう最高に大好きなホールである。ミューザは久々だったので、どうしても、という想いが強かった。楽しみ~。
今回の内田光子&マーラーチェンバーオーケストラ2023では、サントリーホール、ミューザ川崎、札幌コンサートホールKitara、愛知芸術劇場コンサートホールなど全国を廻るツアーのようですよ。いいですね~~~。
内田光子&マーラーチェンバーオーケストラの来日は、もともと2020年に企画されていた。そのときも自分はサントリーホールの公演のチケットを買っていた。でもコロナ禍で残念ながら中止。今回仕切り直しという感じである。
マーラーチェンバーオーケストラ、マーラー室内管弦楽団は、1997年にクラウディオ・アバドとグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団のOBにより設立された。世界各地でコンサートやオペラ公演を行う傍ら、ルツェルン音楽祭ではルツェルン祝祭管弦楽団の中心メンバーとなっている。
アバドのオケです。クラシック界において、近代マーラー解釈者としてマーラーを普及させることで名を馳せてきて大きな業績を残してきたアバド。
いまでこそ、マーラーは普通に世界中どこのオケでも演奏されるメジャーな演目になりましたけど、ベルリンフィルとか世界のビッグネームのオケが大舞台でマーラーを堂々と演奏することで、クラシック界においてマーラーに対するアレルギーをなくし堂々とスタンダードナンバーの立ち位置を勝ち得た、そういう評価を与えたのが、アバドであり、ラトルだったと思います。
もちろんクラシック界でマーラーを商業的に大成功させたのはレナード・バーンスタインであることは間違いない。アバドやラトルは、そんなバーンスタインの後の世代のマーラー使徒だったように思う。マーラー指揮者などの呼び方も誕生し、アバドやラトルは率先してそう呼ばれた。
自分の時代は、マーラーといえば、やっぱりアバドとラトルなんだよね~。
彼らの音源、実演でマーラーを学んできた。
マーラーチェンバーオーケストラは、そんなアバドのオケである。
いまはダニエル・ハーディングが音楽監督だったっけ?
そんなマーラーチェンバーオーケストラは、内田光子さんと大変深い関係にあり、お互い強力な絆で結ばれてきた間柄である。指揮者を置かず、中央にピアノを設置し、内田光子さんが引き振りという形でオケをリードする。
自分は、内田光子&マーラーチェンバーという組み合わせでは、実演としては今回初めて体験するのである。どんなケミストリーが起こるのか、大変興味深く期待している。
またマーラーチェンバーの首席オーボエ奏者を吉井瑞穂さんが務めている。
吉井瑞穂さんは、アバドにその才能を見出され、ベルリンフィル、ルツェルン祝祭管弦楽団、そしてマーラーチェンバーと、アバドとともに、ヨーロッパで輝かしい活躍をしてきたオーボエ奏者である。いまは日本に活動の場を移しているが、マーラーチェンバーの首席であることで、ヨーロッパでの活動も両立している、そんな立ち位置だ。
ひさびさに吉井さんのあの嫋やかなオーボエの音色を聴けるのもとても楽しみである。
演目は、内田光子さんと共演するときはモーツァルトのピアノ協奏曲ですね。
モーツァルトのコンチェルトは、内田光子さんの最高に得意とする十八番でありますので、このコンビでどんな名演が奏でられるのか本当に楽しみです。
この公演が、本年度の自分の海外オーケストラにおける最大のエンターティメント・ショーになります。
けっしてBPO,VPO,RCOに負けていないと思います。(笑)
いま確定しているのは、この3公演のみです。もちろん他にも曽根麻矢子さんのチェンバロ・バッハ無伴奏リサイタルや茂木大輔さんののだめコンサートは予定に入れています。チケットが発売次第、ゲットしたいと思います。
他にもこれは!と思うものは、これからも追加でどんどんゲットしていきたいです。
あと、これはクラシックではありませんが、「演劇の街」下北沢でお芝居、舞台を観劇してきたいと思っています。
下北沢本多劇場です。
この演劇の街 下北沢を代表する下北沢本多劇場をどうしても体験したくて。
いろいろ悩んだ結果、これを観ることにしました。
●カモメよ、そこから銀座は見えるか?
M&Oplaysプロデュースで、岩松了さん作・演出。黒島結菜さんらが出演します。
自分は映画・ドラマはふつうに観ますが、じつはお芝居、舞台というのをほとんど経験したことがないのです。記憶を辿っても渋谷の劇場で観た1回しか覚えていない。
舞台というのは、役者さん、俳優さんのそのままの素が全部観客に見えてしまう勝負の場所のように思います。映画やドラマですと、カメラというフィルタを通して視聴者に届き、その途中の経過でカット割り含め監督、編集者の意図で役者さんたちの演技、見え方に加工をすることもできます。でも舞台は自分そのものがそのままリアルタイムで観客に見えてしまう。そこでの芝居は、まさに役者さん、俳優さんのその人が全部現れてしまう勝負処なんだと思います。だから役者、俳優としての下手さ加減もリアルで露呈してしまう。そういう意味で舞台は難しいし、勝負の場所なんだと思います。
これは何を隠そう、三谷幸喜さんのコラムから拝借したものです。(笑)
自分はそんな舞台を体験してみたく、ぜひ「演劇の街」下北沢の下北沢本多劇場でそれを体験したいと思っているのです。
2020年以降のコロナ禍、そして脳疾患で在宅勤務中心のワークスタイルになりましたが、ふつうに会社のオフィスに通っていたときと比べてなにが1番違うかと言いますと、在宅勤務はほんとうに精神的、体力的にも楽で、会社を休まなくなったこと。
1時間半の満員電車による通勤往復がなくなっただけでも本当に肉体的、精神的にも快適になりました。
在宅勤務ができるかどうかは業種によって違うと思いますが、会議などもWeb会議スタイルになり、PCで資料を共有して見れますし、日本中、世界中どことでも会議をすることが可能になりましたね。会議室でプロジェクターに投影していた時代は、見づらかったですよね。(笑)PC画面に共有はすごく見やすいです。Web会議の普及で、もう国内、海外の出張はあまり必要ないように思います。(でもPC画面を通してでなく、どうしてもリアル対面のほうが、信頼を得やすい、気持ちがグッとくるなどの違いはやはりあります。)
コロナ禍は不幸な出来事でしたが、反面、在宅勤務やWeb会議など働き方改革も一気に加速して進み、世界中ガラ変したと実感します。
反面在宅勤務のデメリットもあります。
自分が一番感じるところは、就業時間と夜のプライベートな時間の切り替えができなくなったことです。通勤で会社が終わったときは、なにせ自分は5時半から男、定時で帰ります男だったので、定時のチャイムと共に、速攻で帰宅する訳ですが、1時間半の電車の中での通勤時間の中で頭が仕事モードからクールダウンしていくんですね。そして家に帰ったら、自分の趣味の世界のお楽しみモードに切り替わり、楽しさ全開。家の中では、自分の世界で楽しんで生きて来れました。
でも在宅勤務になると、そのオンオフの切り替えができないんですね。
就業時間以降でも、頭の中はヘビーな仕事モードがずっと余韻で残っていて、楽しい自分のお楽しみ時間に切り替えできない。結局その日はそのまま過ごすという日が多くなったような気がします。
頭が切り替わるのは、週末のお休みの日になってからですね。
歳のせいなのか分かりませんが、ここ最近、平日は頭の切り替えができなくなりました。クールダウンの時間が昔と比べて長く必要になったんですね。
いろいろ日記で書くことがたくさん溜まっていて、それをなかなか書く気が起こらないのは不幸なことです。先日急用で北海道に緊急帰省したのですが、グルメを始め、そのときの体験記もいろいろ溜まっています。写真がそのまま録りっぱなしの放置状態。
マリクレール フェスティバルもそう。写真撮りっぱなしの放置状態。日記にするには、もうちょっと時間が必要です。
でもイベントは次から次へとやって来て、こなしていくので、日記だけが溜まっていくという感じでしょうか?
在宅勤務の思わぬ罠に嵌って意外な点で苦労しています。(笑)
2023-06-23 19:12
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