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北海道グルメの残されたミッション 第一部 [グルメ]

先日急用で北海道に急遽帰省した。なにせ突然だったので、1週間前にフライトをとる慌ただしさ。ANAマイレージクラブでチケットを確保したが、それはそれはもう大変な金額でございました。(笑)おそらく上京以来最高額の出費となってしまいました。夏休みのお盆休みとか年末年始のクリスマス、お正月は、当然航空券チケットも普段の月の軽く2倍に跳ね上がるのは、もうこれは常識のこと。それも予約を2か月前とかずいぶん前に取るときのことです。


でも直前にフライトを抑えるということは、もうこれらの金額をさらに凌駕するというか、もっとそれ以上で大変な出費でした。北海道に帰省する、という36年間の歴史の中では最高額だったかも?


やっぱり直前のフライトって高額なんだな、ということがわかりました。


今回もANAを利用しました。行路も復路も機材はボーイング777。通称トリプルセブン。ボーイングの中でももっとも歴史のある普及機材ですね。快適な空の旅でございました。



今年の3月に北海道帰省したとき、雪道のため断念した北海道グルメがあった。今回の帰省では、その残されたミッションを全部完遂しようと考えた。これでもうほぼ思い残すことはないと思う。


●けやき


札幌味噌ラーメン専門店けやき。札幌すすきのにカウンターのみの小さなお店なのだが、自分は2006年頃に、新横浜ラーメン博物館ですみれの後釜として同じテナントに入ったことでその存在を知った。とても個性的な味噌味で自分はすぐに虜になった。これは美味しい味噌ラーメンだと思った。いわゆる味噌味にとても重要なパンチがあって、クセになりそうな味で、しばらくするとまた食べたくなる。。。そういう中毒性があった。


1年間、月1回ペースでラー博に通った。それですっかり大ファンになった。そしてその後、新千歳空港(CTS)の北海道ラーメン道場にも出店していることを知って、帰省のときは、かならず空港でけやきの味噌ラーメンを食べることが日課になっていたのだった。


そしていつかは、すすきのにある、そのカウンターのみの小さな本店に行ってみたいとずっと願っていたのだ。ラーメンファン、ラーメンマニアにとっては、その本店はいわゆる聖地である。その聖地のすすきのにあるけやき本店に行ってみよう!


今回意を決してついに行ってみた。


地下鉄南北線ですすきの駅で降りて、ずっと南下していくと通りを左折すると、すぐに見つかった。


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おぉぉぉおおお~~~!ついに!ここか~!

ここが長年自分が愛し続けてきたけやきの本店なのか!


本当に小さなお店である。

よくこんな小さなお店が、ラー博にスカウトされるくらい有名になって、CTS空港にも出店したり、超人気店になったものだ。ラー博にデビューした時はかなり全国区になって、東京や札幌などいろいろ支店があったようだが、いまはこの本店とCTS空港のみだ。


「けやき」のラーメン


「けやき」は味噌ラーメン専門店である。味噌ラーメンだけを提供する。


1999年11月のオープン以来、行列の絶えないみそラーメン専門店。

開業以来すすきの本店はカウンターのみ十席、一杯一杯中華鍋で心を込めて創り上げるため、お客様をお待たせする心苦しさはあるが、 それでも常にラーメンをすする客たちでにぎわう。


店主のテーマは「五感に訴える一品料理としてのラーメン」だ。


店主は一杯のラーメンに、様々な要素を盛り込んだ。

「札幌はラーメンの発祥の地。だからこそ、自分が納得できる味を作りたかった。」

ラーメン店がひしめき合うススキノで、「けやき」の名はすでに全国区。

ある常連客の一人が言った。

「一杯、1杯魂を込めて作られたラーメン、これこそ味噌ラーメンの王道だな」と。


・・・である。


どんなに小さなお店でも、やはり美味しければ、束の間に口コミで広がっていく。そしてそれがラー博スカウト陣の耳に入ったのであろう。そして、そのおかげで自分も知ることができたに違いない。



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店内は全体的に黒色で統一されたシックな内装空間でL字型に形成されている本当に10人程度のカウンター席のみだ。店内の入り口のところに食券券売機があって、行列に並ぶ前に券売機で食券を買っておくことがルールだ。それを店内のおばさんが回収しにやってくる。


お店のスタッフは、調理をする若い男性とおばさんの2人だけだ。

おばさんが食券回収、そして給仕係だ。


カウンターで座って待っていると、至近距離なので、結構厨房の中が丸見えだったりする。

けやきの味噌ラーメンの作り方が丸見えだ。(笑)


ずばりひと言で言うならば、フライパンで全部作ってしまうやり方だ。まずフライパンで野菜をシャキシャキに炒め、そしてその他のそぼろ肉などの具材もどんどん放り込んでいって、いっしょにフライパンを振りながら炒めていく。そしてそこに、けやき秘伝で作ったラーメンの命のスープと、これまたけやき特製の味噌だれを加えて、もうフライパンで一気に味噌スープを作っていくのだ。フライパンには、さっき炒めた野菜などの具と、この味噌スープがチャンポンになった状態で、作り込まれるのだ。


つまりフライパンひとつで全部作ってしまうやり方なのだ。


そして麺は別にゆがく。丼に湯がき終わった麺を入れて、フライパンの具と味噌スープを注ぎ込んでそれで完成だ。


これはかなり時間がかかる工程である。1人分を作るのにもかなり時間がかかる。だから行列でかなり並ぶのだが、回転率もあまりよくなく、かなり待つラーメン屋さんだと思う。


自分は、まずいちばん最初は、余計なものをいっさい入れず、シンプルに基本の味噌ラーメンをいただいた。


これが、けやきのすすきの本店のみそラーメン。


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美味しかったね~。すみれと違って、本店と支店のスープの味が違うということはなかった。不思議とけやきはCTS空港でもラー博でもそうだけど、どこで食べてもスープは同じ味がする。期待を裏切らない。ラーメン屋さんにとっては、すごく難しいことだけど、この鬼のように難しい基本をちゃんと守っているお店なのだ。


ついに長年の夢であった「けやき」の本店に訪れることができた。


人気ラーメン店ほど、首都圏をはじめいろいろ支店を出すものだけど、ラーメンファン、ラーメンマニアにとっては聖地、その地元の本店を訪れることほど尊いものはないであろう。


それはいわゆる神本殿への昇殿参拝みたいなものである。

今回はそれを達成することができた。



●成吉思汗だるま


北海道、札幌といえばジンギスカン。

東京などの牛肉を使った焼肉とは違い、ジンギスカンは羊肉を使う。羊肉は臭みがあって、慣れない人は嫌がる人もいるが、自分は北海道育ち。子供の頃から家庭の食卓では、ジンギスカンは普通に食していた。家庭で食べるジンギスカンは、いわゆる味付けジンギスカンである。滝川市の松尾のジンギスカンがその発祥である。袋のパック詰めにされた状態で、もうあらかじめタレに付け込んだ状態でジンギスカン肉を漬け込む。家庭用で食べる味付けジンギスカンは、やはり松尾のジンギスカンと長沼ジンギスカンが二大巨頭ではないだろうか。うちの家庭は、松尾のジンギスカン専門であった。


ジンギスカンは、それを焼く専用鍋がある。いわゆるジンギスカン鍋である。黒くて丸い形で、外側に玉ねぎやもやしなどの野菜を置いて、そしてラードという脂の塊で鍋を拭いて、鍋の表面に脂を敷くのだ。そしてその上にジンギスカン肉を置いて焼く。味付けジンギスカンの場合、肉が焼けていくにつれて、タレや肉汁が外側に流れ出し、外側周囲の野菜とマッチングして野菜も美味しくいただける。


いつぞや、東京でもジンギスカンブームが起きて、いろいろなところにジンギスカンのお店が開店したが、ブームはあっという間に過ぎ去り、いまは東京でジンギスカンを食べることはなかなか難しい。


羊肉には、マトンとラムがある。マトンは大人の羊肉で硬くて臭みがあるのが特徴。

それに対してラムは子供の羊肉で臭みがなく、柔らかいのが特徴だ。


よく羊肉を敬遠されないようにラム肉を使うジンギスカンが主流だったりする。

でもそれは北海道民にとっては、邪道で、ジンギスカンはやはりマトンで食べるのが王道である。


これがジンギスカンという料理である。


札幌でジンギスカンといえば、やはり「だるま」。

昭和29年創業ススキノ名物。札幌でジンギスカンといえば「だるま」というだけの68年の歴史を刻んできた圧倒的知名度だ。ここは一度は体験しないといけないと思っていた。何を隠そう北海道民でありながら、だるまのジンギスカンを食したことがないのだ。それで、今回だるまのジンギスカンを体験しようと思ったのだ。


だるまはすすきのにあるのだが、本店、5.5号店、4.4号店、4.4号店 二階亭、6.4号店と4店舗ある。自分は体験するならぜひ本店で、ということで開店の17時と同時に店に直行した。


だるま本店はすすきの駅から歩き、ちょっと細道に入ったところにある。

17時開店と同時に行ったのに、すでに店内満員でこの行列である。


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今回、自分はだるまに並んでいて思ったのだが、ラーメンの長蛇の行列と違って、ジンギスカンの長蛇の行列は、恐ろしいほど回転率が悪い。かなり待たされる。自分はラーメン店の行列並びはプロなので、経験豊かなのであるが大体20分待てば、自分の順番がやってくる。ラーメンってどんぶり1杯だから食べるのが速くて回転率が速い食べ物なのだ。だから見た目すごい行列でも20分も待てばすぐに自分の順番がやってくるという予想が立つのだ。


ところがジンギスカンは全然違う。

自分はジンギスカンは、本来家庭で食べるもの。外のお店で食べるようなものとは思ってないので、行列に並んだことがなかった。ジンギスカンってお客さんが注文して満足いくまで食べ終わってお勘定済ませて、お店から出てくるまで、もうめちゃくちゃ時間がかかるのである。回転率のすごい悪い食べ物なのだ。


もう待つこと、長いこと。長いこと。45分~1時間待たされたような気がする。もうこれだけでグロッキー気味である。


はじめて入店するだるま本店。


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このように半円形のコの字型にカウンターがあって、その座席ごとにジンギスカン鍋が置かれるのである。カウンターの中に店員さんが注文を受けて肉を出したりする。店員さんはアジア系の外国人のようだった。自分の担当してくれた人は。


本店はちょっと狭くて、閉塞感がある。


そして注文する訳だが、まず驚くのがその値段の高さである。


成吉思汗肉で1,280円。上肉を頼むと1,680円である。

高けぇー。


東京の焼き肉ならば、カルビ、ロース、タンなどで大体一皿700円、高くても1000円以内であろう。でも叙々苑のような高級焼肉店だとひと皿1,000円以上行きますかね?自分は貧乏庶民なので、せいぜい牛角です。(笑)


それと比べると、ジンギスカン肉とはこんなに高いものなのか!

自分は、成吉思汗と上肉をそれぞれ一皿づつ頼んだ。


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だるまのジンギスカンは、タレはついていない。

そのままなにもついていない羊肉を焼くのである。


そしてここ重要!だるまのジンギスカンはマトンなのだ!大人の羊肉なのだ。


まずジンギスカン鍋の外側に玉ねぎなどを配置する。

そして固形の脂で表面を塗る。


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そしてジンギスカン投入である。


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いい具合に焼けてきました。


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思うのだが、だるまのジンギスカンはタレがついていないので、肉汁が出てくることはあまりない。なので、外側に配置したたまねぎがその肉汁で柔らかくなることもない。たまねぎはそのまま鍋の上で蒸し焼きにする感じなのである。(笑)生のたまねぎを蒸し焼きって、そりゃ焼けるまで時間かかるよ。(笑)なんかいつまで経っても固いままで待ってられないので、半生のまま食べました。たまねぎ、半生で食べると涙が出てきました。(笑)


さて、肝心のだるまのジンギスカン肉である。まずすごいと思ったところは、ものすごい分厚い肉厚なお肉なのだ。これは確かに高級だ。納得のいくところである。値段が高いだけあると思った。


焼けたお肉を口に含んで噛んでみるとかなり固い肉である。噛み応えがあるというか、かなり食べ応えのあるお肉である。そして驚いたことに、臭みがほとんどない。いやまったくないと言っていい。これ本当にマトンなのか?お肉が固いのはマトンらしいと思うのだが、この臭みがまったくしないのは、ぜんぜんマトンらしくないと思った。


だるまのジンギスカンの味の決め手は、すべてこのつけダレにあると言っていいと思う。肉自体はまったくの無味無臭。つけダレがないと味がしないと思う。


でもやっぱり美味しいと思うのは、この肉厚で分厚いところがすごい満足感があるのである。美味しいと思うのは、この肉厚感とこのつけダレ込みの総合評価というところであろうか?


マトンはもっと臭いと思っていたので、拍子抜けであったが、まっ美味しいとは思いました。今日は、他のジンギスカンのお店をもう一軒ハシゴしたかったので、これくらいにしておいた。


まっでも、あれだけ待たされて、この程度であれば、やはりジンギスカンは家庭で味付けジンギスカンを食べてた方が満足感あっていいかな、とは思いました。(笑)


ほろ苦いだるまデビューでございました。


●さっぽろジンギスカン


札幌ジンギスカンといえば、だるまと並んで名店なのが、「さっぽろジンギスカン」。だるまと違って隠れた名店のような感じで、自分は知らなかった。今回初挑戦である。


だるまからそんなに遠くない。すぐに歩いて行ける。ところが罠に嵌ったのが、さっぽろジンギスカンは移転しているのだ。ネットに上がっている地図情報は古い。移転という情報記載もあったので、あっ移転しているんだな、とは知っていたが、まさか自分がプリントアウトしていった地図が古い方とは思ってもいなかった。(笑)なんか地図ではここなんだけど、らしきお店が見当たらない。松田釣具店の2階にあるということだが、釣具屋さんがそもそも見当たらない。


散々彷徨った挙句、近くのローソンの店員さんに聞いたら、松田釣具屋さんなくなっちゃった。さっぽろジンギスカンも移転したんです。あっそっかー。オレの地図は古い方だったんだな。


そして移転先の場所を教えてもらい無事到着。


移転した「さっぽろジンギスカン」はビルの中の一番奥のところにあった。昔は、寂れたプレハブの2階にあってボロボロ(笑)の松田釣具屋さんの上だったのだが、いまはビルに移転された。


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「さっぽろジンギスカン」は、”さっぽろ”の部分を漢字で札幌と書いてネットで検索したら、まずお店情報は見つけられない。札幌ジンギスカンというのは、いわゆる札幌で食べるジンギスカンの総称のようなところがあるからだ。いちお店の固有名詞ではないのだ。


自分も事前にネットで調べたのだけど、公式HPをはじめ、あまりお店の由来だとかお店情報のことが書いてなくて情報がつかめていなかったのであるが、札幌に住んでいる札幌市民がこっそり教えてくれる、そういう隠れた札幌ジンギスカンの名店のようだった。個人的にはだるまよりプライオリティ高め、と食レポしている記事がすごく多かった。かなり期待度が高くなってきた。


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店内はだるまよりずっと広くて、かなりスペース的に開放感がある。

色調として店内は赤いお店であった。


ここはラム肉のジンギスカンのみである。

お肉が赤いのが特徴なんだよね。


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さっそく焼いていきます。


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焼けてきた、焼けてきた。ウマソー。


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さっぽろジンギスカンのラム肉の印象は、とても不思議な味だった。香りがついているのだ。なんというのかな?なんか独特の高貴な香りがする感じで、お肉にふつう付いているような味ではない。かなり独特の香りである。これはなんだろう?と思い、ネットでいろいろ調べてみたのであるが、自分と同じような意見を書いている人はほとんどいない。自分だけが味覚変わっているのか?肉は臭みがなくて柔らかい。美味しいと思うが、この香りの正体がわからず、やや不満。


特に〆のタレをジャスミン茶割りするスープが名物のようで、自分は事前にそのことを調べていなかったので知らずに注文しなかった。結局ラム肉2皿で引き上げてきた。


だるまでも食べたので、あまり食べれなかった。ハシゴはやはりキツイ。


「だるま」と「さっぽろジンギスカン」。

外のお店で食べるジンギスカン。


ジンギスカン、やっぱり家で食べるもんだな。(笑)味付けジンギスカンの松尾ジンギスカンが一番美味しいと思うよ。長蛇の行列に並んでまでして食べる代物ではないような気がしました。





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