あっさり系らーめん [グルメ]
純すみ系や二郎系、そして背脂系のラーメンが自分は好きなのだけれど、それはつまり若い頃から食べてきたということもあり、そういう体育会系のラーメンが好きだったということ。
でも最近寄る年波もあって、あっさり系らーめんがいいな~と思うことが多くなってきた。
純連やすみれ、そして二郎、京都銀閣寺ますたに、などいろいろ熱く語って来たけれど、あっさり系らーめんについても自分は好きなラーメンがあるのでご紹介したいと思う。
この猛暑の暑い日に、たくさん熱いラーメンを食べてきました。(笑)
ラーメン業界に「1996年組」という言葉がある。横浜に「らーめん くじら軒」、中野に「中華そば青葉」、青山に「麺屋武蔵」が開業した。1995年に、日本初のラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設した大崎裕史氏は、この3店を「96年組」と呼称。その後、全国のラーメン職人からベンチマークされ、ラーメンシーンを疾駆していく先導者となっていった、とても革命的な3店舗だったのだ。
80年代、90年代、2000年代と、ラーメン業界を牽引してきた有名店は沢山あるが、現在のラーメン業界へ進化を遂げるきっかけとなる、伝説店が多く生まれる年があった。それが1996年で、96年に誕生した名店をラーメン業界では「96年組」と呼ぶのだ。
自分はこの中で、「くじら軒」だけは経験がないかな。「青葉」と「麺屋武蔵」は贔屓にしているラーメン屋さんだ。
その中で、自分にとって、あっさり系らーめん、さっぱり系らーめんの筆頭にあげるのが、東京・中野にある「中華そば 青葉」だ。純すみ系や二郎系のこってり系らーめんが好きだった自分にとって魚介系のあっさりしたラーメンもいいんだよ、ということを最初に教えてくれたのが「青葉」だったのだ。だから自分にとって、あっさり系らーめんと言ったら、その筆頭にまず「青葉」を挙げる。
青葉は、自分にとって、あっさり系らーめんのパイオニア的存在でもあった。
●中華そば 青葉
東京・中野にあるのだが、自分が初めて行ったのは1997年頃かな。だから開業したての頃だ。道に迷ってしまい、なかなかたどり着けなかった記憶がある。それも最初だけでなく、なぜか行く度に迷ってしまうというか、なんかアクセスに苦手意識のあるお店なのだ。(笑)でも、それ以来軽く5回以上は通っていると思う。
自分にとって、あっさり系らーめんといえば、この「中華そば 青葉」なのだ。こってり系らーめんばかりを食べていた自分にとって、あっさり系ラーメンの美味しさを教えてくれた最初のお店といっていい。
本店は東京・中野であるが、いまは東京、神奈川、埼玉、茨城に20店舗をかまえる大きなお店となっている。
もちろん自分が行ったのは、東京・中野本店。というか自分は中野本店以外行ったことがない。
芳賀良則氏が創業者。
ご出身が仙台で、仙台には、かつてたくさんの屋台があり、芳賀さんの子供の頃の楽しみと言えば、映画を見に行って、そのあと屋台でラーメンを食べることだったそうだ。
ラーメンというのは、大衆的な生活の中にとけこんでいる食べ物で、そして、ラーメンに一番相応しい空間が「屋台」だという。
そんなこともあり、屋台を参考に店作りを考えたそうだ。
カウンターのみの小さなお店、メニューはシンプル。
そして、お客さんすべてに、職人の顔が見え、仕事が見える。
そんな店作りがしたかったそうだ。
店舗が増え、本店が拡張された今も、その思いは変わらず、屋台の感覚が充分伝わる店、チャルメラが聞こえるような店、そんな店作りを常に心がけている。
「青葉」という屋号は、芳賀さんの好きな言葉にちなんだもので、二つの思いを込めている。一つは、ふるさと仙台のイメージ、もう一つは、「これから伸びゆく、繁れる」という日本的で新鮮な響きが気に入ったからである。
そういういきさつもあって、店内はほんとうにL字型のカウンターのみの小さなお店。
職人の顔が見え、仕事がよく見える造りになっている。
ここ「中華そば 青葉」は、醤油・味噌・塩というラーメンスープの味の違いがいっさいないのだ。ただ単に中華そば、つけ麺、ただそれだけである。ほんとうにシンプルそのもの。自分は中華そばをオーダー。
これが「中華そば 青葉」の中華そば。
基本は昔ながらの中華そばっぽいのだが、やや白濁系のとんこつというかそんな感じである。麺がストレート麺でやや太い。いろいろなラーメン店を経験したが、こういう太めのストレート麺はなかなか経験がない。
やっぱり青葉のいちばんの魅力はそのスープ。魚介系らーめんというか、いろいろな魚介類で下味をとったようなさっぱりした口あたり。らーめんもこういうシンプルでさっぱりしたのもいいもんだな、とあらためて思う。太めのストレート麺にこういう白濁系の魚介系スープの絡みの食感というのは、ちょっと今までに経験がないというか味わったことのないラーメンである。
不思議なもので、こってりらーめんを食べると、喰った~という感じで腹いっぱいになるのだけど、こういうあっさり系らーめんというのは、なんか食べた気がしない、というかそんなやや物足りない感も確かにある。
青葉がラーメン界に大きな影響を及ぼしたのは、ダブルスープを最初に採用したお店、ダブルスープを世に広めたという功績だ。「動物系」と「魚介系」のスープを別々に作り合わせるという今では当たり前の所謂「ダブルスープ」というラーメンで青葉は、一躍行列店になった。ダブルスープとは豚骨スープと魚介系スープを別の寸胴で仕込み、仕上げ用の寸胴に合わせたり、提供直前に丼で合わせたりする手法である。
自分は、青葉のらーめんを食べると、この魚介系の口あたりのよさはとても感じるのだけれど、いわゆる動物系のとんこつというのは見た目以上ほどの感じはしない。ただ、色はとんこつの白濁系で、魚介の香りがとても豊潤なさっぱりした味。
そういう感覚なのだ。自分にとって「中華そば 青葉」のらーめんというのは。
でも自分にとっては、あっさり系らーめんの王道のラーメン店である。
●和風らーめん 和鉄
前職時代にインテル入ってるの友人に教えてもらったお店。ここも前職時代から自分が贔屓にしているあっさり系らーめんの代表格だ。ここは青葉のラーメンを参考にして、味作りをしているラーメン店で、自分はここのラーメンがとても大好きだ。
蒲田というのは、ほんとうに東京都内でも激戦区で、たくさんのラーメン店がひしめき合うところなのだが、その中でもいまや蒲田でいちばん歴史が古い最古参で、すでに20年以上の大ベテラン店だ。
ラーメン界というのは、じつはすごく厳しい世界で、ほんとうに日々たくさんのラーメン店が夢見て開業するのだが、開業してから6割超のお店が3年以内に閉業してしまう、それほど現実は厳しい世界なのだ。ラーメン店を長く経営を続けるということはそれだけたくさんの強豪が日々登場する中でじつに難しい現実の世界なのだ。
そんな中で、この和鉄は、都内でも有数のラーメン激戦区蒲田で20年以上も続け、いまや蒲田で最古参となった、というのはやはり本当に本物の美味しさがあるからラーメンマニアも通い続ける、そういう本物のらーめんだからではないだろうか。。。
「店を出して21年経ちましたが、いつの間にか、蒲田のラーメン店の中では最も古い方になってしまいましたね」
JR蒲田駅東口、西口、京急蒲田駅の周辺まで含めると50~60のラーメン店がひしめく都内でも有数の激戦地。様々な店が生まれては消え、続いている店であっても、味や店名、スタイルも変わってきた。
開店は2001年5月。「店の場所も、名前も、味も変わっていないという意味では、蒲田では、中華料理屋さんを除けば、ウチが一番古いのでしょう。」
創業者の小林康志さんは40代の半ばで、脱サラして、この店を始めた。それまでは「飲食業の経験はゼロ」。ただ、それまでの仕事が金融系だったために、飲食店とのかかわりは多かった。
「多くの店のバックヤードを見てきましたので、商売をきちんと続けていくということに対しては、それなりに目算がありました」。ラーメン店を選んだのは、「昔から好きで、よく食べ歩いていたから」。
同期の会社の友人と2人で開店を目指し、1年間、食べ歩きと家での調理で、研究を重ねた。
「特に中野の『青葉』さんと、新宿の『麺屋武蔵』さんには、徹底的に通い詰めました。で、検討を重ねた結果、『青葉』の魚介スープと同じ方向で行こうということになりました。」
行列店となって、売り上げも伸びたが、どんぶり勘定にはしなかった。
「食材の仕入れが、やはり経験がなかったので、ルートが分からず、築地市場から買い付けていました。しかし、どうしても原価率が高くなってしまう。そこで、自分の足で、調べて回りました」。
その結果、独自の仕入れルートも確立できて、収益が改善した。
「食材のレベルだけは下げる気はなかったのですが、築地は『ブランド』なので、実は決して安くはなかった。同じ品質か、それ以上のものでも、安く買い付けできるということが分かりました」。
JR蒲田駅から徒歩1、2分のところに和鉄はある。こぢんまりとした店構え。看板や幟(のぼり)は出ているものの、周囲は、見た目から派手でにぎやかな店が多く、うっかりすると見逃してしまうかもしれない。
ほんとうに見かけは地味と言うか、自分は和鉄って蒲田では知る人ぞ知るという隠れた名店なのかな、と思ってたほどだ。それくらい地味である。(笑)
店内はカウンターのみの13席だが、余裕をもって作られており、狭さは感じない。テーブルの上も広く、隣席との間隔も十分にある。なによりも清潔感溢れるお店でいい。
メニューも極めてシンプル。ここも青葉同様、中華そばとつけ麺だけだ。
自分は中華そばをオーダー。これが和鉄の中華そば。
青葉のらーめんを参考にしているだけあって、その魚介系のさっぱりした口あたりは確かに美味しい。ただ、ここはダブルスープではないのじゃないかな?スープはとんこつではなく、醤油系だ。見た目醤油系でありながら、魚介系のさっぱりした豊潤な香り。そんなテイストが和鉄の中華そばだ。麺は中細のストレート麺。
ひさしぶりに食べる和鉄の中華そばはかなりうまい。この日は、午前中に青葉で1杯、そして午後に和鉄で1杯だったので、食べ比べができた訳だが、自分的には和鉄のラーメンは、青葉の上を行くのではないか、と思うほどウマい。
やっぱり醤油系で魚介系スープというのが、自分にとってかなりツボで、かなり美味しいあっさり系らーめんだと思う。
自分は心底からこの和鉄のあっさり系ラーメンはみなさんにお勧めしたいと思う。
かなり美味しいです。
●調布たけちゃんにぼしらーめん
昔からこの調布たけちゃんにぼしらーめんには行ってみたいとずっと思っていて、調布はなかなか遠くて行く機会がないので、チャンスがなかったのであるが、先日ようやく念願が叶った。(この日はその後、深大寺まで繰り出し、深大寺そばも堪能しました。。笑笑)
自分は煮干しラーメンは大好物である。煮干しでだしをとったスープは一種独特の香り、強烈な味、クセになる中毒性があって、基本は醤油系の見た目なのだが、かなり大好物である。
自分にとって煮干しラーメンの代表格は、やはり96年組の麺屋武蔵である。自分は新宿本店に毎週花金に通っていたのであるが、ここの煮干しラーメンはハマったね~。あの頃の麺屋武蔵は、サンマ煮干しという独特の材料を使っていて、それがあの独特の煮干し系の香り豊潤なスープの要因となっていた。あの中毒性はほんとうにハマった。ちょっといままでのラーメン店では味わったことのないようなパイオニア的な味だった。でもそのサンマ煮干しを使わなくなってしまい、それ以来麺屋武蔵の足を運んではみるものの、あの頃のウマさは感じず落胆をつづけ、それ以来足を運ばなくなった。残念である。
煮干しラーメンというと、自分はあの美味しかった頃の麺屋武蔵を思い出すので、調布たけちゃんにぼしらーめんにもおのずとあの頃のあういう味と言うのを期待してしまうのである。煮干しラーメンというとあんな感じだったよな~という感じで。
調布たけちゃんにぼしらーめんは、煮干しラーメンのパイオニア的存在であると共に多摩地区を代表する名店で、数々の人気店も輩出した。ミュージシャン出身の先代が1990年に屋台のラーメン屋としてスタートし、1994年に深大寺に店舗を構え、2006年11月に現在の地に移転オープンしたこのお店。
「たけちゃんにぼしらーめん」という屋号は、ご子息である武人さんの名前からとったもので、先代が他界され現在はその武人さんがお店を受け継ぎ守っている。名店を作り上げた先代の息子として、二代目として色々な苦労や考えもあるようで、ご自身のブログ「たけちゃんにぼしらぁ麺 にだいめ」でも語られている。
「たけちゃんにぼしらーめん」と言えば、やっぱり「しょうゆ」!
数種類の煮干しをふんだんに使い、鰹節や昆布で天然の旨味を十分に引き出したという化学調味料に頼らない醤油味のスープ。現在流行っている煮干しラーメンのような強烈な煮干し感では無く、穏やかな煮干しの風味と味わいの中にキッコーゴ醤油を使用した奥深さと厚みを感じる醤油ダレがキリッと効いたシャープな仕上がりで、シコシコしたコシのある自家製の麺とベストマッチである。
やっぱり煮干しラーメンといえば醤油が似合いますよね。
調布たけちゃんにぼしらーめんは、調布駅から徒歩1,2分に近いところにあるのだが、自分はなぜか迷ってしまい、右往左往してようやく辿り着いた。
店内はカウンターとテーブルがあって、細長い感じで清潔感があって昔ながらの町中華のラーメン屋というよりは、今風の近代的なオシャレ感覚のある内装空間だと思いました。
メニューはシンプルで、煮干しラーメンと塩チャーシューメンのみ。
自分は煮干しラーメンをオーダー。
これが調布たけちゃんにぼしらーめんの煮干しラーメン。
やっぱり煮干しラーメンは醤油系が基本。見た目。味も醤油味ではないとあの煮干しの強烈な味は合わないと思う。やっぱりあの煮干し独特の強烈なパンチのある味、臭みがたまらなく美味しい。クセがあって中毒性がある。
自分が抱いている煮干しラーメンのイメージによく合致しました。美味しかった。
ただパンチ力という点では、あのかつての麺屋武蔵ほどの迫力はなく、やや大人しいかなとは思いました。でも現在食べられる煮干し系ラーメンではピカ一の存在ではないか、と思います。あとチャーシューが美味しかった~。
念願の調布たけちゃんにぼしらーめん、ここに制覇いたしました。
大変美味しかったです。
いかがでしたか?
東京都内には、それこそ、無数のあっさり系らーめん屋さんはあると思いますが、あくまでノンノン目線、私が経験したなかでの美味しいあっさり系ラーメン屋さんのお勧め3軒です。
ぜひ行かれてみてください。
今回、この3店舗を訪れるにあたって、どうしてもこれらのお店がある街に繰り出すことになった訳だが、やはり街はそれぞれいろいろ風景があって面白いですね。
まず青葉がある中野
東京・中野といえば、やはりサブカルの街、サブカルの聖地とよばれる特殊な街。中野といえばやっぱり中野ブロードウェイであろう。マンガ、アニメ、ゲーム、フィギュアなどいわゆるサブカルチャーを扱う店舗が軒を連ねる中野の象徴である。日本のアニメ文化の人気に伴って、ここ数年は外国人観光客が増加、「サブカルの聖地」として海外にも知られる場所になっている。来場者の3割くらいは外国人じゃないかというように、実際にガイドマップを手に店をめぐる外国人の姿も多い。
今回、自分は青葉に行くにあたって、中野ブロードウエイの場所をよく調べていかなかったので、せめて写真だけでも撮ってこればよかったと思うが、今度別日記で、「中野ブロードウエイ」として取材したいと思う。
中野ブロードウエイは、中野駅からのサンモール商店街を突っ切ったところにあるらしい。
自分が今回青葉に行くまでに通った中野の風景。上が青葉がある枝道に広がる飲み屋、飲食店街。下が駅から直結のサンモール商店街である。サンモール商店街には、24時間サウナがあり、この猛暑の中思わず吸い込まれるように入りそうになりました。(笑)
そして和鉄のある蒲田。
蒲田という街は、都内のほかのエリアとは少し雰囲気の違う感じがする。ちょっと下町の香り漂う感じがするのではないだろうか。自分もそんなに蒲田にはあまり縁がないというか、自分の生活圏エリアに入ってこなく、距離も遠いので、あまり縁がない街だが、ご存じのようにラーメン屋さんの和鉄に通うためと、ここには大田区民アプリコホールがありますね。よくクラシックの演奏会でこのホールに通いました。だからクラシック人生を歩んでからのほうが、よく通っているかもしれない。
アプリコホールといえば、蒲田撮影所。
大正9年(1920年)から、大船に移転する昭和11年(1936年)まで、蒲田の地で夢を作り続けた松竹キネマ蒲田撮影所。当時の蒲田周辺には俳優も多く住み、「流行は蒲田から」と言われるほどの華やかさと活気にあふれていた。現在は跡地に区民ホール「アプリコ」が建っているのである。
古くからの繁華街として知られる蒲田は、実は「住みやすい街」という側面も持っていて、使いやすい鉄道路線、ディープな食文化、そして区役所や警察署などの官公署が集中しているのも便利、そんな特徴があるらしい。
蒲田の繁華街として、ディープな食文化のところを今度街歩き日記で開拓してみたいですね。
そして調布。
もうお馴染みですね。(笑)今度、桐朋学園音楽大学キャンパスに潜入してみたいです。不審者として通報されないようにしなくては。(笑)
2023-08-10 04:06
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