鎌倉殿 心からの慰労と謝意、御礼申し上げます。 [ドラマ]
第61回大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、第1回放送2022年1月9日、そして本日2022年12月18日、無事最終回を見届けました。
まさに驚きの最終回、北条義時がどのように最期を迎えるか、というところが焦点だったわけですが、正直リアルタイムの視聴時のとき、よく意味が理解できなかったんですよね。(笑)
終わって10分後くらいに、す~っと霧が晴れたように突然その意味がわかってきた。
毒を盛られ、医者からもらっている、それを治癒する薬を、政子にとってください、とお願いした後、政子がその薬を意図的に床にこぼして、
「小四郎、あなたはいままでよくやってきました。あとは泰時が新しい世の中を作ってくれます。ご苦労様。」。
治癒薬を渡さないことで、義時にあの世に引導を渡したのは政子であった。
そういうことなのでしょうか?(笑)
たぶんそういうことですよね。(^^;;
こりゃ確かにスゴイ終わり方だ。でもリアルタイムに観ていて、一発でそのことに気づいた視聴者ってどれくらいいるだろう?自分は、まったく気づかず、どこが凄いのか最初わからなかったです。
でもよく考えられた想像外のすごい終わり方ですね。これは確かに凄いや。さすがです、素晴らしいです。
期待に胸膨らまして臨んだ「鎌倉殿の13人」。とうとう終わってしまいました。おそらく猛烈な喪失感、鎌倉殿ロスに陥ると思います。
寂しくなるなぁ。。。
本当に三谷さん、はじめ役者さん、スタッフ全員にご苦労様、感謝の意を表明したいと思います。
この1年間、こんなに盛り上がった大河ドラマってなかったんじゃないでしょうか。Twitterではいつもトレンド世界一、SNSでももうすごい盛り上がり方。メディア全体、世間全体的に、もうすごい熱い熱量とパッションが凄かった。とにかくいままでの61年間の大河の歴史でこんな盛り上がった大河は自分は経験したことがなかったです。
早鎌、本鎌、録鎌、再鎌。自分は48回を通して、自分は全部本鎌。それも夜8時になったら、ちゃんとテレビの前で正座して心構えしながらリアルタイムで観ていました。
終わってからその日の夜中0時になるまで、かなりダメージというか、打ちのめされている感じで使い物にならなかった。よく朝起きて残っていることもある。それだけ衝撃だった。そんなことはいままでの大河史の中では自分にはなかったです。
43年前に草燃えるをみて、衝撃を受けた自分。いままで鎌倉草創期ドラマと言うと、歌舞伎の世界でもそうですが、平家物語、源義経、武蔵坊弁慶、源平合戦、そこに源頼朝が加わるというそういう描き方が圧倒的でしたから。
草燃えるはその視点を変えて、源頼朝と東国武士団の旗揚げ、頼家、実朝、そして承久の乱での北条執権政治の確立。これは当時の中学生だった自分にとっては相当衝撃だったです。なんとカッコいいんだろう。男らしいんだろう。
いっぺんにこの視点からみた鎌倉草創期の物語の虜になってしまったです。あれから、43年間、まさかこの時代の物語をこうやってもう一度観れるとは夢にも思っていなかった訳で、もう自分にとっては夢のような1年間だったです。
本当に懐かしいな~というのと、ワクワクドキドキの毎回。やっぱり自分はこの鎌倉草創期、頼朝&東国武士団からの視線で描くこの時代が好きだなぁと再確認しました。
三谷幸喜さんの脚本は冴えに冴えて素晴らしかった。三谷さんは昔からよく存じ上げていますが、こんなに素晴らしい脚本を書かれる方というのは今回初めて気づきました。大変申し訳ございませんでした。
コメディのセンス、全般的に暖かい雰囲気が漂う人間的にホッとするようなドラマ。鎌倉草創期の時代って血で血を争う抗争劇じゃないですか。それが暗く陰鬱な雰囲気にならずに、つねにどこか喜劇的でアットホームなホッとするような明るい雰囲気がベース、根底にあったのは、三谷脚本の妙なのだと思います。
役者さんたちも素晴らしかったです。
どうして三谷脚本だと、あんなに役者さんたちが輝くのか、本当に不思議ですね。もうみんな個性的で光っている感じで、その役柄がすごい輝いている。活き活きとしている。
三谷脚本のドラマは、採用される役者さんがかならず固定ローテーションで決まっていて、なぜなのだろう?とずっと思っていましたが、やはりあのコメディのセンス、可笑しさ、ちょっとした演技の笑いの間の取り方だとか、それを演じられる役者さんは、おのずと決まってくるんでしょうね。他の役者さん、誰もがあのホンワカ、可笑しい雰囲気を演じられる訳じゃないんだと思います。
だから三谷さんが自分のドラマに適した役者さんということで、もう指定する感じで固定で決まってくるのだと思います。そのことがいま理解できました。
三谷脚本で俳優さんたちが、なぜあんなに輝くのは、やはり三谷さんが”あて書き”といって、その役の役者さんが演じることを想定したうえで書いていくからなのでしょう。本人も仰っていますね。その役者さんへのラブレターなんだって。
主役の小栗旬氏。もうご苦労様としかいいようがないです。あっぱれな北条義時でありました。青年時代の好感度抜群から、晩年のダーク闇落ち、もうイメージ通りです。(笑)若いのに気を遣う方で、座長として1年間、スタッフにも気を遣いながら現場をまとめてきたのは、本当に素晴らしい、ご苦労様としかいいようがないです。
紙面の関係上できませんが、もう役者さんたち1人1人ご苦労様の労を労いたい気持ち一杯です。
43年前のときの草燃えるで、誰がどの役をやったか、というのは、43年経過した今でもはっきり覚えています。
鎌倉殿の13人は、自分の記憶の中にあった草燃えるのイメージを完璧に塗り替えたといっていい。鎌倉殿で、登場した役者さんたちが、どの役をやったかというのは、1人1人これからも永遠にずっと覚えていると思います。忘れること絶対できないです。
自分に縁があった役者さんたちということで、これからもずっとその活躍を応援していきたいと思います。これからもいい作品に恵まれて、素晴らしい役者人生が待ち受けていることを心からお祈りしています。
申し訳ないと思っていたのは、演技論、というか素晴らしい演技、役者論みたいなことを日記で感想を述べられなかったことだと思います。
これはやはり自分の役者の演技に関する知識不足。感想を述べられるほどの実力が備わっていない。これは申し訳ないな、といつも思っていました。そういうことを論じられればいいのにな、と常に考えていた。
自分は映画やドラマはもちろん大好きだけど、自分の人生の軸になっていたのは、音楽なんですね。音楽を人生の軸にして生きてきたところがあるので、音楽には自信があって語れるんだけど、映画やドラマはいまひとつ自信がないんですね。映画、ドラマもちろん大好きですよ。
でも自分の人生の中でも、映画に夢中になった時期もありました。大学生のときです。この頃、いわゆるハリウッド、ブロードウエイ映画に夢中だったです。
ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープが自分の時代の大スター、名優でした。
ゴッドファーザー、スティング、明日に向かって撃て、タクシー・ドライバー、ワンス・ア・ポン・ア・タイム・アメリカ、スタンドバイミー、恋に落ちて、愛と悲しみの果て、あと一連のヒッチコック映画は夢中になりました。
ここら辺は自分の十八番でした。懐かしい青春時代の想い出ですね。
社会人になって仕事が生活の基本になっていくと、だんだん映画に夢中というようにはできない体力になってしまった。音楽と違って、映画やドラマって、精神の集中度合いが数倍大変じゃないですか?すごい重労働です。やはり仕事がきつい毎日なので、だんだん映画がヘビーになっていって遠ざかってしまった。
やっぱり音楽のほうが、自分の生活軸に合う感じなんですよね。
自分の人生で後悔していることが、舞台やミュージカルに疎遠であることです。あまり経験がない。生のステージによる生の演技の世界をあまり経験したことがない。
これはぜひ体験したいとは思っています。
そういう訳で、なかなか演技論について熱く語ったり、論じたりできなかったことが今回申し訳ないな、と思ったことです。
ただこれだけは間違いなく言えることは、人間誰しも生きていくために、ご飯を食べていくために、それぞれの才能で生きていく訳だけれども、役者さんの演技という才能、これは一般人では到底まねできない持って生まれた大変な才能なんだな、ということがよく分かったということです。それが今回のドラマでよく認識できた。みんなプロ。これで飯食っていってるというプロ意識、オーラが凄かった。半面、オレの才能ってなんなのかな、と思い返すことが多かったような気がする。
鎌倉殿の13人は、三谷脚本ばかり注目されていますが、じつは脚本、ト書きに書かれていることがそのまま映像化される訳ではなく、それだけでは映像化は無理で、その実際我々が見ているドラマの映像に仕上げているのが、演出家であり、スタッフである、ということ。これも今回初めて知りました。
これはじつはめちゃめちゃ大事なことなのではないでしょうか。自分は脚本は見たことがもちろんないですが、自分がじっさい観ているドラマの映像は、ぜんぶ脚本からイメージを膨らませて、あのように現実画像にしているのです。脚本の文字の情報をあのようなドラマの描写、映像にしているのはこれまたまったく別次元で大事な仕事だと思います。
これはNHKのスタッフによるところです。三谷さんもこの演出、映像化へのご苦労に感謝の意を示しておられましたね。自分の脚本では、ただ文章でこうやって数行書いているだけなのだけど、実際出来上がったドラマの映像を見ているとすごい完成度で驚いたとか。
これは深遠なるドラマ制作の世界ですね。
脚本家、役者さんたちだけでなく、ドラマ制作陣、語り、スタッフ、そして時代考証などの先生方、いろいろなみなさんの協力によるチーム・鎌倉殿の勝利ということなんでしょうね。
鎌倉殿は、いままでの大河と違って、なんかいままでのしきたり、常識をぶち破ってやるぞ、というような斬新さ、勢いがありましたね。すごく斬新な試みが多かったです。それはオープニングのタイトルからして、すべてです。オープニングに毎回ナレーションを入れるのも斬新でした。
すべてにおいて斬新で、勢いがあって格好良かったです。
自分の鎌倉殿の感想は、やはり”カッコいい”のひと言だな。これに尽きる。カッコよかったです。
2022年1月9日から、2022年12月18日までの48回のうち、もっとも印象的だった場面を上げろ、というと、う~ん、難しいですが、自分はこのシーンを挙げたいですね。
承久の乱で朝敵となってしまったときに、北条政子の演説で御家人が奮い立つこの場面。
集まった御家人を前に、最初こそ大江広元の原稿を読むが「(頼朝の恩は)山よりも高く、海よりも…」と言ったところで、原稿を閉じ、自らの言葉で御家人達に語りかける。
上皇側は幕府が義時の首を差し出すと考えているとも訴え「馬鹿にするな」「そんな卑怯者はこの坂東に一人もいない!」などと呼びかけ、御家人達は雄たけびを上げ、聞いていた義時は涙を流す。
「あなた方は本当にそれでよいのですか?」「(義時は)一度たりとも私利私欲に走ったことはありません」「ここで上皇様に従って、未来永劫西のいいなりになるか。戦って坂東武者の世を作るか、ならば答えは決まっています」
「いまこそ、三代続にわたる源氏の遺跡(ゆいせき)を守り抜くのです」
「頼朝様の恩に今こそこたえるのです。」
この鎌倉草創期のドラマで、歌舞伎には絶対出てこないシーンで非常に貴重な場面が承久の乱であり、政子の演説なんですよ。これで北条義時は朝廷を武力で倒した唯一の武将として後世に名を残すこととなった。まさにこれから600年間、徳川家康の江戸幕府の時代に至るまでの武家社会の礎を築いたのが、この瞬間だったのです。
だから自分的には、鎌倉殿の最大の頂点はここだと思っていましたから。当初から。
ずっと1年間、「北条政子のあの演説どうするんだろう」と思いながら見続けてきたから、やっぱり感慨深いものがありました。痺れました。カッコよすぎて泣きました。1年間ずっと待っていて本当によかったと思いました。
政子演説は、史実とは違う解釈で三谷流解釈を加えていたのが新鮮でよかったですね。これは48話全般に言えることですが。三谷さんは吾妻鏡をベースに書いているようでしたが、かならずしも史実に沿った書き方はしていませんね。不明なところは、かならずオリジナルな創造を加えていましたね。かなり創作なところも多かったような気がします。
史実に忠実な歴史ファンからするとデタラメばかり、けしからんという人もいるかもしれませんが、自分は全然そんなことないと思います。歴史ドラマである前に、エンターティメントであり、楽しめるドラマでないといけない。そういう点でそういう楽しめる工夫があって、ドラマ的にはより肉付けがよくて豊かなドラマになったと思います。
この1年間、つねに自分の側に居てくれた感じ、自分に寄り添ってくれた感じがして、いつも自分の心はポカポカ暖かったような感じでした。幸せな1年でありました。
まさにあれから43年後に、またこの時代の貴重な歴史ドラマがもう一回観れるなんて、夢にも思わなかった自分。この御恩は一生忘れないですし、脚本家、役者さん、すべてのスタッフに厚く心より御礼申し上げたいと思います。
どうもありがとうございました。
最終回の今日、日本の各地でグランドフィナーレとして、役者さんたちが同行してトークイベントが開かれファンのみなさんと一緒に最終回をスクリーンで観ようという企画があったようです。
●鎌倉会場
小栗旬 (北条義時 役)
小池栄子 (北条政子 役)
坂口健太郎(北条泰時 役)
宮澤エマ (実衣 役)
菊地凛子 (のえ役)
山本耕史 (三浦義村 役)
宮沢りえ (りく 役)
司会
西本たける(北条朝時役)
石井美江(NHKキャスター)
●札幌会場
金子 大地(源頼家 役)、山本 千尋(トウ 役)
●名古屋会場
ゲスト出演なし
●京都会場
栗原英雄(大江広元 役)
●大分会場
ゲスト出演なし
自分は、今日の鎌倉会場での配信を拝見しました。面白かったです。
後日、NHKの総合テレビでも再放送あるみたいです。
ぜひご覧になってください。
本放送:【総合】12月27日22:55~23:24
再放送:【総合】12月29日9:25~9:54