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ARK HiLLS CAFE [カフェ]

サントリーホールのカラヤン広場のスペイン坂入り口のところにとても魅かれるカフェが昔からあった。サントリーホールのコンサートに行くたびにいつかは入ってみようとずっと思って早5年。(笑)
                                                   
ちょっとカフェに入るだけなのに、なんでこんなに時間がかかったのか。。。外観がすごく洗練されていてお洒落で店内も外から見た感じでは、とても雰囲気良さそうなカフェで、自分の感性にピッタリだった。
                                                   
いかにも赤坂の一等地の雰囲気に合う感じで、ずっと気になっていたカフェで、その都度つぶやきでいつか入ってみよう、と何回呟いたことか。(笑)
                                                   
先日ようやく実現できた。
                                                   
ARK HiLLS CAFE(アークヒルズカフェ)である。
                                                   
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閉店が夜の9時なので、終演後じゃ無理なんだよね。
だから開演前でないといけない。それがなかなか入れなかった理由かもしれない。終演後はお腹もすいているから、ホールのすぐそばで腹ごしらえというのもできたであろうしね。
                                                   
ARK HiLLS CAFEは自分が想像していた以上に素敵なカフェであった。
                                                   
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古材を使った質感ある内装・家具と広々した空間で、ちょっとクラシックな雰囲気がする空間で、これだけのスペース感、空間があると気持ち的にゆとりが出てくる。そして木材のブラウン系の色調が人間の五感に優しいというかホッとする感じで、それがインテリア的にも全体の調和としてマッチしていて雰囲気があってとても素敵である。
                                                   
やっぱりいいカフェだった~。
                                                   
こんなソファで寛げるところもあるんですよね。
                                                   
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これは会計カウンターです。おしゃれ~。
                                                   
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赤坂というお洒落で高級志向のエリアらしい装いである。
                                                  
5年ぶりにようやく夢が実現できたことだし、これで雰囲気良かったです~、コーヒー、モーニング美味しかったです~、じゃそれで終わってしまうだろう。(笑)
                                                  
もうちょっといろいろ調べてみてこのカフェのことをいろいろ知ってみたい。
                                                  
このARK HiLLS CAFEというのは、Culture Of Living 文化のある豊かな暮らし、「文化」+「日常」をコンセプトとして掲げている。「アークヒルズカフェは、地域の皆様の日常生活に身近で、コミュニティの中心になるようなお店をめざしています。」
                                                   
・アークヒルズカフェは、単に飲食を提供するだけではなく、地域の皆様の日常生活に身近で、毎日の暮らしをちょっと楽しく、豊かにするようなカフェ、地域の皆様にとって「自分らしい時間が過ごせる場所:Third Place」として活用していただきたいと考えています。
                                                   
・私たちは、カフェスタッフと地域の皆様との会話・コミュニケーションを非常に大切に考えています。また、周辺の企業や大使館の方などと積極的に交流・連携し、カフェをメディアとして活用していただくことで、カフェを中心として様々な情報が集まり、発信されていくような、「コミュニティをつなぐ結節点:HUB(ハブ)」を目指しています。
                                                   
・ヒルズマルシェだけでなく、アークヒルズでのイベントや様々な地域活動にカフェが積極的に参加することで、地域コミュニティの想像や活性化などに寄与することを大切に考えています。
                                                   
                                                   
・・・ということだそうである。
                                                   
これは一個人経営のカフェというよりは、もうちょっとコンセプチャルな企業体のような臭覚がするので、もう少し掘り下げて調べてみると、事業主体は、株式会社ダブリューズカンパニーという企業で、こんなことを目指している会社のようだ。
                                                  
事業協力は、森ビルである。
                                                   
株式会社ダブリューズカンパニー
                                                   
①街にとって欠かせない「CAFE」の創造。Cafe
                                                   
私たちの店づくりは、立地特性や、そこに住む人のライフスタイルを見極め、その街に合ったカフェのコンセプトを導き出すことから始まります。その街の人が求めるサービスやお食事を日々提供することにより、街にとって欠かせないカフェを創造することができます。そんなカフェをサードプレイスとして利用するために地域の人が集まってくるようになると、カフェはそれぞれの人の活動の拠点として機能しはじめるようになります。コミュニティのハブとしてのカフェになるのです。
                                                   
                                                   
②地域の為に、社会のためにカフェができること。Local Support
                                                   
コミュニティのハブとしてカフェが機能しはじめると、ローカルサポートが本格化します。その街に息づく文化と特性を活かし、マルシェやワークショップの開催、地域行事への参加などを行います。地域の方々との関わりあいから賑わいを創出し、地域活性化のサポートへ繋げます。
                                                   
                                                   
③働き、学び、遊ぶ。カフェが自ら発信するライフスタイルの形。Event
                                                   
カフェが中心になって様々なライフスタイルに関わる活動を積極的に行い、その情報を発信します。音楽や映画、自転車やクルマ、アウトドアやスポーツなどのイベントをカフェが発信して行います。人々の生活に彩りを与え、街の魅力を一層引き立てることになります。
                                                   
                                                   
なんか、スゴくね?(笑)
                                                   
この3つの考え方・コンセプトをもとに活動している会社のようで、カフェを単純にドリンク、お菓子類を提供する休憩所なんていう古臭い考え方をしていたら怒られるような、本当に理想のカフェとはなんなのか、そのことを志向性のある一流の方々によって考えられて経営されている会社なんでしょうね。
                                                   
じゃないとカフェを①、②、③の3本柱で考えていくというようなコンセプチャルな考え方はなかなかできないような気がする。
                                                   
こんなド素人なことを言っては怒られるかもしれないけど、カフェでここまで深く考えるか!と驚いてしまう。
                                                   
特に①と②は実際肌身に感じて、彼らがやりたいことということはそうなんだろうな、と実感してしまう。
                                                   
①の立地条件やそこに住む人たちのライフスタイルに合うカフェを作っていく。
これはまさに赤坂の一等地で、アークヒルズのカラヤン広場に合うスタイルのカフェということで、このような素敵な内装空間のカフェを設計したんでしょうね。彼らはまずそこからどんなカフェを作りたいのか考える。そういう会社なんですよ。カフェに命かけてる。
                                                   
こういう①の考え方で、この株式会社ダブリューズカンパニーが設計したカフェは、この赤坂のARK HiLLS CAFEの他に、
                                                   
TREX CHIGASAKI OCEAN CAFE (神奈川県茅ケ崎)
TREX KAWASAKI RIVER CAFE (神奈川県川崎)
KAITEKI CAFE (東京都千代田区大手町)
                                                   
の3店舗あるみたいで、HPに掲載されている写真を見ると、どの店舗も内装はやはり高級志向で素敵な空間だ。やっぱり都内の高級一等地向けのカフェなのでしょうか?(笑)
                                                   
②で自分が実感するのは、マルシェである。
マルシェというのは、よく使われる言葉でよく聞く言葉だと思うのだが、意外やその正しい意味を知っている人は少ないかもしれない。自分もいままでそのまま素通りで来ていた。
                                                   
ところが先日、かねての日記の通り自由が丘南口のマリ・クレール通りで毎年5月下旬に開催されるフェスで、マリクレールフェスティバルというお祭りがあって、毎年病院の帰りにそこに偶然通りかかり、あ~また今年もやっているな~という感じだったのだが、今年はちょっと最初から日記にするべく気合を入れてこのフェスに行ってみよう!と気合が入っていた。
                                                   
そのときに自分が遭遇したサプライズは、毎年マリクレール フェスティバルというのは、あくまで自由が丘南口のマリ・クレール通り、九品仏川縁道のお祭り、そこでのみ開催される、つまり自由が丘南口商店街が主催する自由が丘南口のためのお祭りなのに対し、今年は、なんと!自由が丘北口にも大きく店舗が増設されて、自由が丘南口だけでなく、北口も含めた”自由が丘マルシェ”JIYUGAOKA Marche”として自由が丘全体としてのお祭り、フェスティバルとなっていたのだ。
                                                   
自分は最初じっさい自由が丘に行ったときはそのことをよく理解できていなかったのであるが、後日自由が丘南口商店街に問い合わせて聞いたところ、そういうことだった。いままではずっと南口だけのお祭りで、こうやって自由が丘マルシェとして自由が丘全体のお祭りとなったのは、長い歴史の中で今年が初めてだそうである。
                                                   
なんという歴史の転換期に遭遇できたのか!
                                                    
我ながら大感動である。今年のマリクレール フェスティバルは、例年と違いちょっと気合を入れようと思っていたら、想像以上のサプライズが待っていた。
                                                   
南口の南口商店会の「マリクレールフェスティバル」の規模を拡大する形で、自由が丘ひかり街、旭会、自由が丘広小路会・しらかば通り会を加えた計5商店街がエリアごとに自由が丘の街の魅力を発信していく。自由が丘南口商店街はもちろんのこと、北口についても自由が丘商店街振興組合とか、いろいろなところがジョイントしてやっていたお祭りだったのだ。
                                                   
                                                                                                     
今年から将来に向けて、自由が丘マルシェ、自由が丘全体のお祭りとして開催されていくことになり、南口のマリクレール フェスティバルはその中に含まれることになる。南口だけのマリクレール フェスティバルだったのが、今後は自由が丘全体の自由が丘マルシェ(JIYUGAOKA Marche)として生まれ変わるのだ。
                                                   
そして驚きは、この自由が丘マルシェ、秋にも開催される予定だそうだ。
                                                  
このときに、自分は初めて、マルシェ(Marche)という言葉を意識した。
記念すべき自由が丘の北口と南口が協力団結して、自由が丘全体のフェスとした”自由が丘マルシェ(JIYUGAOKA Marche)。
                                                   
マルシェってなに?・・・である。
                                                   
調べてみると、
                                                   
マルシェとは、「市場」を指すフランス語。 フランスでは、市民が食材や雑貨などの日常の買い物をする場所として定着している。 日本ではイベント的に開催されていることが多く、規模もフランスのマルシェよりは小さめであることが多い。 売られている商品が食材や雑貨が多い点は、フランスのマルシェと共通している。
                                                   
・・・とのことであった。
                                                   
そっかー。わかったぞー。フランスなどで食材、雑貨を調達するちょっとした出店というかそんな感じですね。
フランスにはよくありますね。見かけますね。
でも日本だとイベントという感じですね。
                                                  
だからテントで臨時に出店して、いろいろな雑貨、食材を出すイベント。そのことを日本ではマルシェと呼んでいるのです。
                                                   
だから、まさに自由が丘マルシェなのです。
                                                   
ようやくこの歳になってマルシェの意味がわかった~。(笑)
                                                   
自由が丘マルシェ、南口のマリクレール フェスティバルの模様は、また別途日記で紹介しますので楽しみにしていてください。
                                                   
さて、そこで本題に戻ろう。(長い前振りでした。。笑笑)
                                                   
アークヒルズのカラヤン広場ではマルシェを毎週土曜日に開催しているのである。
いわゆるヒルズマルシェである。
                                                   
サントリーホールに行ったことのある人であれば、かならず遭遇したことがあると思うのだが、あのカラヤン広場で、いろいろテントが張られ、臨時でいろいろな食材や雑貨など販売するイベントが開催されていることはよくご存じだと思う。
                                                   
自分も数えきれないくらい遭遇してきた。
                                                   
あれがヒルズマルシェである。
                                                   
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ヒルズマルシェとは、毎月土曜日に東京都港区にある「アークヒルズアーク・カラヤン広場」において開催される地元でも有名なイベントである。会場はまるでヨーロッパの市場のような雰囲気につつまれており、訪れた人たちで賑わいを見せている。
                                                   
このイベントはでは採れたての新鮮な野菜や果物をはじめワインや雑貨など色々な物が販売されたりする。最寄りの「六本木一丁目駅」からのアクセスもよく、地元の人たちはもちろん都内外からの観光客で賑わう人気のイベントなのだ。
                                                   
おーーー、知ってる、知ってる、である。(笑)
                                                   
それがこのエリアにカフェを作ろうとした株式会社ダブリューズカンパニーの狙いなのではないかと思うのである。
                                                   
このカラヤン広場で開催されるヒルズマルシェの存在を知り、ここにカフェを作ろう!
そして②の地域の為に、社会のためにカフェができること。Local Support。コミュニティのハブとしてカフェが機能しはじめると、ローカルサポートが本格化します。その街に息づく文化と特性を活かし、マルシェやワークショップの開催、地域行事への参加などを行います。地域の方々との関わりあいから賑わいを創出し、地域活性化のサポートへ繋げます。
                                                   
・・・ということなんだろうなぁと思い直しました。
                                                   
そのためにARK HiLLS CAFEはこの地、このエリアにあるのである。
                                                   
う~む・・・おそるべく株式会社ダブリューズカンパニーの狙い。彼らは只者ではないかもしれない。本当に彼らが掲げる3つのコンセプトに伴い、カフェを設計していき、ビジネスを運営しているのだ。
                                                  
理想のカフェとは?
                                                   
それを追求しているのである。
                                                   
ARK HiLLS CAFEはお洒落な素敵なカフェ・・・だけでは済まない恐ろしい実態が見えてきました。(笑)
                                                   
実際、ARK HiLLS CAFEは、このヒルズマルシェに出店されているようです。有言実行!!!
                                                   
そして最後の③であるが、イベントという括りでは、いろいろ広いと思うのだが、まずは身近なところで、このARK HiLLS CAFEでは店舗貸し切りでライブや演奏会などが開催されているようです。
                                                   
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これもカフェとイベントを結び付ける③のコンセプトの一環なのでしょうね。
素晴らしいことです。
                                                  
もちろんライブだけでなく、結婚式祝賀会とかの会場としての利用も可能だとか。マルチユースなんですね。
                                                   
ちょっと気になるカフェだったARK HiLLS CAFEですが、おそるべく実態が見えてきたところで、最後に肝心のお料理に行きましょうね。
                                                   
自分が行ったときは、時間帯もあってモーニングの時間だったので、モーニングにしました。
                                                   
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とてもボリューミーで、美味しいモーニングでした。コーヒーも美味しかったです。ARK HiLLS CAFEでは軽食だけでなく、結構本格的なディナーなんかも楽しめるようです。
                                                   
フレンチですかね?
                                                   
ちょっとFacebookからそのお料理のお写真を拝借して紹介しますね。
どれもすごく手の込んだ一流の料理のような感じです。美味しそうです。
                                                   
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お値段なのですが、やはりちょっとお高めかな~という感じ。
これは仕方がないですかね。
                                                
でも、ARK HiLLS CAFE。
とても素敵なカフェであることがよくわかりました。
                                                  
今後は、サントリーホールのコンサートがある日は、早めに乗り込んで、このカフェで時間つぶしをしましょうかね。
                                                  
ちなみに、このARK HiLLS CAFEを初めて体験しに行った日は土曜日でしたので、カラヤン広場はヒルズマルシェですごい賑わっていました。
                                                  
あ~やってる、やってる~という感じです。
                                                  
ARK HiLLS CAFE









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JASRAC GDSDX [技術]

Just FYIということで。


以前、”DX時代のコンサートホール”という日記でいろいろシステマティックに考えたこともあって、そのときに権利処理機関の部分は一番大事で、いかに権利者、クリエイターに利益をきちんと分配してあげることが、これからの配信時代にmandatory taskだということを思ったのだけど、JASRACはお役所なのでサーバー機能を立ち上げ、運営することなどできるはずなし(笑)、ということで、困ったものだな~という話にもなった。


でもJASRACはJASRACで、やはり彼らのもっとも得意な分野、一番大事な分野で、いろいろな戦略を考えているようだ。


JASRAC NEWSで知りました。


日本のデジタル配信コンテンツ(動画や音声)って、世界の配信の標準プラットフォーム(YouTube,Apple,Spotify,TikTokなど)で、ほんとうに日本だけでなく海外でも再生されているわけだけど、それをどうやって権利処理しているのか疑問だったのだが、日本にはJASRACという権利団体がいるように、世界各国にそういう権利団体がいるようなんですね。(でも、それはふつうに考えればあたりまえのことですよね。。笑笑)


例えば、JASRACが管理している楽曲が海外で利用された場合、各国の各地の管理団体が配信事業者から使用料の支払いを受けJASRACに使用料を送金、JASRACが国内のクリエイター・権利者へ使用料を分配しているのだそうだ。


いわゆる二段構えですね。


外国からJASRACへの使用料送金額は、2022年度実績で18.9億円となり、コロナ前の2019年度比で約3倍となったそう。いかに海外で日本コンテンツがネット上で再生されるようになったか、ということが昨今急激に伸びているか、ということです。


外国入金の推移.jpg



音楽サブスクリプションや動画配信サービスでは膨大な楽曲を利用するので、その使用料分配するにあたって、その楽曲の特定をすることが1番大事な課題になるそうだ。


配信分野では、JASRACのISRCコードとメタデータの活用で、JASRACにおける楽曲特定率は音楽サブスクリプションにおいて95.3%(2022年度)にまでなっているとか。


ところが、問題点として、


楽曲特定に関する課題のうち、特に自国の楽曲が海外で利用される場合、現地には音源情報(ISRC)に関連付けられる楽曲情報がないことが多く、また、タイトルが現地語表記に変換されることで、独自の文字体系を持つアジア地域での利用においてメタデータによる特定が困難。


これが問題で、これをなんとかクリアできないか。そしてこの分野でワールドワイドなPF(Platform)を作れないか?


それで、今回JASRACが立ち上げたビジネスというのが、GDSDX。


GDSDX-2.jpg



GDSDXは、各配信事業者(DSP=Digital Contents Service Provider)からJASRACなどの著作権管理団体に報告される情報のうち、


①各配信事業者が配信するコンテンツ(楽曲や動画)ごとに作成しているユニークコード(「配信楽曲ID」)

②音源情報(ISRC)をキーとして、各著作権管理団体の管理楽曲の情報


を関連付けたデータベースのことをいうらしい。


JASRACにとっては、日本の楽曲が海外で使用されているのをきちんと特定したい訳で、そのためのコンテンツ管理をきちんとやりたい、ということなんでしょうね。コンテンツIDを世界共通の配信コンテンツIDにする、その配信コンテンツIDとISRCコードをきちんと紐づけしたい。


要は、海外での使用になると、日本のコンテンツの場合、海外には音源情報(ISRC)に関連付けられる楽曲情報がきちんと存在しないことが多いので、それを打破すべく、あらかじめGDSDXのほうで、その紐づけをやっておくから、国内のみならず海外でも配信サービスをやる場合、このGDSDXのDBから配信コンテンツID,ISRCコードとの紐づけ、メタデータなどを入手してね、ということなのかな、と理解しました。



これは、いかにもJASRACらしい、というか、まさにJASRACがやらないといけないことだと思うので、これはさすがに適任だと思いました。


お役所機関ってバカにして申し訳なかったです。(笑)



この図を見てもわかるように、CISACというアジア太平洋委員会に所属するアジアの国々は、


FILSCAP フィリピン

KOMCA    韓国

WAMI      インドネシア

MUST      台湾

JASRAC   日本


というように各国に日本のJASRACのような権利団体があるんですね。      


GDSDXというのは、どこの国の配信プラットフォームでも、世界共通の配信コンテンツIDを使い、日本のISRCコードとの紐づけができる。それは日本のコンテンツだけではなく、アジア全体のCISACデータベースとも紐づけるようにする。


日本のコンテンツのメタデータはアジア各国では、その国での配信運用では、その国の言語で書かれていることも多く、それとISRCコードがきちんと紐づけできるように。


そのようにコンテンツ管理を世界中で一元化した上でアジアの各国の権利団体が、GDSDXからそのデータをダウンロードして、その権利団体経由で各世界の配信プラットフォームで使ってもらう。。。


そのように自分はこのブロック図から読めるんですよね。


だから自分が、DX時代のコンサートホールで、第三者機関(クリアリングハウス)としていたものは、、もちろん各国にそれぞれあるのだけれど、そこで使われるコンテンツ管理は、一元管理でアジア共通、世界共通にすることで、国を跨いだ権利管理がめちゃめちゃ統一性がでてきて収益管理がしやすくなる、ということなのかなぁと思ってます。


それをお助けするのがJASRACが開発したGDSDXというシステムなんだと思います。いままでの配信システム、考え方にアドオンする感じですね。


確かにクリアリングハウスは世界中にあって、配信事業者が管理するコンテンツIDもバラバラ。これをどうやって日本のコンテンツについて日本のクリエーターに権利分配すればいいのか、は一番の課題で考えるのも大変だったからそれまでとしましたけど、すごい前進の素晴らしい統一規格、統一システム案のように思います。


ただ、”DX時代のコンサートホール”で言及していた第三者機関(クリアリングハウス)と、このJASRACをはじめとする各国の権利団体は、必ずしもイコールではないですね。顧客管理部、コンテンツ管理部、課金処理部、メタデータ管理部、暗号鍵管理部、個人嗜好解析管理部。この配信サービスに直接紐づいているこの部分は、直接はJASRACのような権利団体がやっている訳ではないですね。


ここはやはり各国の各配信事業者が自前で持っている部分ですね。各配信サービスに紐づいている内容なので。ここまではJASRACのような権利団体が管理しきれない部分だと思うので、あくまで権利団体が管理できるのは、その配信サービスで上げた収益をどのように、各権利者に正当に利益分配するか、というところ。


配信コンテンツそのものは管理しないように想像します。

あくまで配信コンテンツIDとメタデータ、著作権管理コードとの紐づけ。

ここだけを管理する。


各配信事業者が持っている第三者機関(クリアリングハウス)は、その事業であげた収益は計算するけど、それを各権利者に利益分配するのはJASRACのような権利団体の仕事、というところでしょうか。


ここですね。


配信コンテンツIDとメタデータ、ISRCコード、CISACのISWCコードと、いわゆるコンテンツ・マネジメントの部分はきちんとJASRACのような権利団体がちゃんと管理下に置いておきたい。マネジメントしておきたい。世界の配信サービスで使われるにしろ、共通のルール化にしておきたい。


そういう意味なのだと自分は理解しました。


JASRACやるな~という感じです。

コンテンツ管理というJASRACが一番得意な分野で、そのいままで痒かったところを解決しようということなのだと思います。


配信コンテンツIDとか、メタデータとか、ISRCコードとかは、やはり各国の事業ベースでやるもんでなく、もっと大元の機関が一元管理するべきものですよね。


そういう点ではJASRACが適任なのかもしれない。



各地でタイトルが現地表記に変換されるなどしても、GDSDXを通じて的確に楽曲を特定できるようになる。さらに、CISAC内で共有しているISWC(International Standard Musical Work Code/国際標準音楽作品コード)や作品届(権利者から著作権管理団体に届けられる資料)のデータとも関連付けが行われる。。。


具体的なイメージとしては、こんな感じだそうですよ。


GDSDXの利用報告.jpg




鬼滅の刃をアジア各国で配信するとなった場合、配信コンテンツIDは共通で、メタデータは各々の国の言語で、でもISRCコードやISWCコードはちゃんと紐づいている。こうすることで、どこの国の配信プラットフォームで配信されても、きちんと日本のクリエーターに権利分配される仕組みですね。


要はいかに楽曲の特定をするか。

ここです。


やりましたね~~~。


JASRACさすがです!!!


本当に現実問題うまくいくかどうかは別問題ですが。(笑)


このJASRACが管理するのは、楽曲だけでしょうか?ストリーミングは、音楽配信だけでなく動画配信もありますね。映像と音声の両方のコンテンツにこのような運用が欲しいですね。


でも楽曲は、昔からISRCコードという著作権管理コードが日本にはあってそれを紐づけることで特定に利用している訳ですが、動画の場合はどうなんでしょうね。でもいままでパッケージメディアで映画作品という映像の著作物が長年に渡って発売されてきている訳ですから同じことですよね。さらには動画配信という分野でも、現に今でもAmazon Prime VideoとかNetfilxなど映像の著作物の配信は真っ盛りですから、映像コンテンツ専用の著作権管理コードありますね、きっと。


あるいは、ISRCコードって動画でも使えるの?


であれば、音楽配信も動画配信も、このGDSDX使えますね。


クラシック音楽のライブストリーミングもこの仕組みに乗れるようになるといいですね。

演奏会のライブストリーミング自体が、いわゆる楽曲と同じコンテンツという扱いになるところからスタートしますね。たとえば、あるオーケストラ楽団のライブストリーミングは、その楽団が権利者、コンテンツプロバイダ。そしてそれには世界共通の配信コンテンツIDが付与され、ISRCコードのような著作権管理コードと紐づけられる。(それはGDSDXの中のDBの中にある。)そして世界各国の表記にあったメタデータ。


これをGDSDXのほうで用意してやって、アジア、世界の各国の権利団体がそこからダウンロードして、その配信コンテンツID、メタデータ、著作権管理コードとの紐づけを入手して、世界の各々の配信サービスで利用する。


そうすることで、あとでJASRACは権利処理、各権利者の権利分配しやすいようになるということですね。


大発明だと思います。


自分は、このニュースでなにが一番感動したかと言うと、コンテンツIDを世界共通にするというところです。本当に何気ないことなんだけど、これは大きいと思うな~。またコンテンツIDを世界共通にすることの難しさ。コンテンツIDは、絶対各配信事業者ごとに異なるのが常で、これを横軸、串刺しで全部どこの配信サービスでも共通のコンテンツIDを使うようになる、ということは、これはすごい画期的なことなんですよ。


すごい地味なことなんだけど、一番大事なところ。

長年この世界を見てきた人間にとって、ここのポイントはすごく感銘せざるを得ませんでした。


世界中のどんなたくさんの配信プラットフォームを流れていても、じつはそのコンテンツに割り振られているコンテンツIDは、世界でユニークに決まっている、というのが理想なのです。でもそれを実際、実現することはすごい難しいことなのです。


最近、生成AIは、大きな潮流となっていますが、”生成AIと著作権”、世界各国の動きなど、いつも毎日ウォッチしています。生成AIは知的財産権としては大変大きな節目ですので、重要です。生成AIの登場で、日本のドル箱ビジネスであるアニメとかのクリエーターが軒並み失業してしまいます。ここのところのガイドライン制定はとても急務だと思っています。


技術の流れは本当に速くて、つねに世界の動向、日本の動向をチェックしておくことは、技術の世界に携わる人間にとって最低限のマナーですね。


でも本当に毎日速くて大変です。(笑)



JASRACのGDSDXの情報元はこちらです。


JASRAC NEWS










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