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水谷×大陸 [国内クラシックコンサート・レビュー]

まったくの想定外だった。もうびっくりして驚いてしまった。心から拍手とブラボーを贈りたいと思う。最高のデュオである。


もともとそんなに期待していなかった、というと大変失礼なのだが、今年の東京・春・音楽祭 川本嘉子さんのブラームス室内楽を10年ぶりの天下の大ポカですっぽかしてしまい、水谷晃くんがせっかく東京春祭初出場という晴れ舞台に申し訳ないことをした、というその罪滅ぼしで、水谷くんの出演するコンサートに足を運んだ、という理由だったのだ。


水谷×大陸 MIZUTANI×TAIRIK


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同級生だそうである。音楽家、ミュージシャン同士のデュオだから、きっとお互い慣れないMC付の進行でポツポツと語りながらの進行なんだろうな、とは思ったのだが、もうこれがプロの漫才師、コメディアンを遥かに凌駕する凄さなのである。(笑)


いまの若い人ってほんとうに凄いな~。


若いイケメン2人ということで、聴衆は95%以上女性客である。男性客なんて自分含めて、ほんとうにごく少数。若い女性も多いのだけど、意外や年配の女性客も多く、クラシック音楽ファンであること、自分の孫を応援するような感覚なんだろうな、と推測した。


このホール内の聴衆の心を一気に鷲掴みにして、笑いツボの抑え方、そして会話のテンポの良さ、そして単なる漫談に終わらない音楽的素養の高さ。。。もうスゴイのである。笑っちゃうほど凄いのである。もうびっくりしてハハハという感じで、拍手するしかなかった。


まっお互い同級生ということもあると思うのだが、あ・うんの絶妙の掛け合いで、とにかくテンポがよくて、プロ・コメディアン顔負けのレベルで、もうこれはいまの地上波テレビのお笑い芸人を観ているより、もう全然レベルが高いと思う。


なによりも会話のレベルが高いですよね。

クラシック音楽ファンのための会話、水谷×大陸のファンのための会話であるから、余計に音楽的素養が高いと思うし、そこに2人のデュオという最高の演奏を挟みながら進行していく訳だから、レベルが高いに決まっている。最高のエンターティメント・ショーと言っていいと思う。テレビの大道芸人の漫才を観ているより、全然いいと思いました。


水谷晃くんは、大谷康子さんの後任として東京交響楽団のコンサートマスターとして2013年かな、入団した頃からよく知っている。もう鳴り物入りのスターという感じで、輝かしい活躍で存在感のあるコンマスであった。それが今年の3月でその東響のコンマスを辞めるという。


このニュースには自分ももうびっくりで、なんでなんだろう?なにかあったのかな?その理由が知りたかった。今回のMCで、東響のコンマスに就任してあっという間に10年間が過ぎてしまった。もうあまりに速過ぎる時の進み方。このまま行くと、あっという間に自分の人生終わってしまう。。そういう危惧があって、もっと自分をきちんと見つめ直して自分の人生を歩んでいきたい・・・発展ある前向きな退団。そういう理由なのだそうである。


水谷くんは、奥さんや子供もいるのに、経済的な理由もなんのその、安定な収入も捨てて、やっぱり芸術家、音楽家の心意気なんだろうな、と思った。


自分なんて、どうやって生きていくか、自分にどんな才能があるか、などを探りながら必死で生きてきた人間で、それで企業人として36年間ぶら下がって生きていた訳だが、そんな人生に比べると、本当にチャレンジングで音楽家らしい人生だと思う。ぜひ頑張ってほしい。この後も、幸運、大成功、ユニークな人生が待ち受けていることをお祈りしています。


水谷くんはクラシック音楽界の中では、お城好き、城マニアであることで、とても有名で、コンサートで地方に行ったときはその合間を見て、いろいろなお城を見て回っている。


自分のように単にお城が好き、というなんちゃって城マニアと違って、歴史にも詳しく、本格的なお城大好きファンである。そんなところも自分は気に入っていた。


でも水谷くんはいったい何歳なんだ???

1986年生まれ、ということだから、今年37歳。

1986年!!!自分が上京した頃か~!


でも37歳であの流暢な喋り、MCはすごくないかい?

ほんとうにスラスラと滑らかな喋りで、人間的にもすごく完成されたできた人のように感じる。

もう隔世の感があります。


自分が37歳のときと言ったら、もう生意気そのもので、世間知らずでかなり失礼な人間(いまもそうですが。。笑笑)で、あんなに流暢には喋れませんでしたよ。


自分は喋りは苦手なほうでいまも下手なのですが、37歳の若さしてあのスピーチ、コミュ力には本当に驚くしかないです。なんか見た目も本当にいい人でナイスガイ。奥さんもすごい美人で、本当に幸せな人生を送っているのだと思います。


さて、TAIRIKさんのほうは、今回自分にとっては初めてのご対面、体験でした。

インスト・ユニット「TSUKEMEN」のリーダーだそうで、ライブではヴァイオリンとヴィオラの両方持ち替えて弾きます。


デビューから現在までに、40万人以上の観客を動員。

リリースしたCDはクラシック・チャート1位を次々に獲得。

2015年ウィーン楽友教会「黄金の間大ホール」で行われたコンサートは驚異のキャンセル待ち200席を記録。近年では、古沢厳氏と「品川カルテット」、東京交響楽団コンサートマスターの水谷晃氏と「MIZUTANI×TAIRIK」を結成。コンサートや作曲活動の他「徹子の部屋」「題名のない音楽会」等数多くのTV番組にも出演。2021年4月より、NHK今日の料理「栗原はるみキッチン日和」にアシスタントとしてレギュラー出演。


水谷くんとは桐朋音楽大学のときの同級生。あるいはもっと前から???


人間って歳を重ねていくほど、年寄りになって行くほど友達、親友というのはできなくなっていきます。みんなお互い家庭を持っていくし、家庭の事情もあり、そんな友人同士の付き合いというのもなくなります。


また腹を割って、本音で喋る、冗談を言い合う、そういう親友というのも、やっぱり同期の仲間だけなんですよね。歳をとるほど、そういう親友というのはまずできなくなります。そういう生き物なのです。


そういう点で会社に入社時の同期、あるいは学生時代の同期というのは、人間の人生にとって貴重な宝だと思います。


そこからすると、この同期のユニット「MIZUTANI×TAIRIK」は、最高のデュオだと思うし、この類まれな絶妙な掛け合いのMCもお互い同期だったからこそ、お互い心が知れている間同士だからこそ、実現可能だった凄技なのだと思います。


MIZUTANI×TAIRIKってクラシック音楽界では有名なの?(笑)

まだ結成したてでそんなに月日が経っていないようだし、コンサートも年に1回ペースのようだから、これからもっと認知度が上がって、日本中いろいろなところで演奏会ができるようになるといいですね。


今回自分が行ったコンサートはこちら。

「2023 MIZUTANI×TAIRIK AGAIN」


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北とぴあ さくらホールというところで開催されました。

自分は初めて行ったホール。多目的ホールですね。結構な収容人数で2000人以上は確実の規模の大きさ。当日は満員御礼でした。さすがの人気です。


音響効果面でNHKの技術協力を得たハイグレードな大ホールだそうで、本格的なオーケストラ演奏やオペラ、歌舞伎、能、狂言、演劇、バレエなど、広くご利用できるのだそう。


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初めて行くので、南北線で、JR王子駅なのですが、なにを間違ったか路線を間違えてしまい、全然違う方面に行ってしまいました。慌てて戻り、着いたときは1時間前と、いつもだいぶ前に会場入りしないと気が済まない自分にとっては大遅刻でした。


パネルも手書きがいいですね。(笑)


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まだ資金がない、というか、知名度もこれから。。。という感じが微笑ましいです。主催は、東京第一友の会で、協賛は公益財団法人 全国友の会振興財団だそうです。


コンサートは、1曲ごとにMCを挟みながらの進行で、それはそれは盛り上がりました。最高のショーでした。


水谷くんは、ヴァイオリンですが、TAIRIKさんは、ヴァイオリンとヴィオラの両方を持ち替えながら弾いていきます。イケメン2人の弾く姿はさすがにカッコいいというかサマになっていましたし、演奏も抜群のアンサンブルで最高だったと思います。最高に絵になる2人ではないでしょうか?


選曲もドヴォルザーク、フォーレ、モーツァルト、スメタナ、シューベルト、プッチーニ、プロコフィエフ、サラサーテと、プロコフィエフを除けば、非常に若い人、クラシックをあまり知らなくても親しみやすい優しい選曲だったと思います。


楽しいMCにこれらの親しみやすい作曲家の演奏。

ほんとうに最高のショーなのではないか、と思いました。


まったく想定外で、ほんとうに心底驚いてしまった演奏会でありました。


次回は10月に愛知だそうですよ!MIZUTANI×TAIRIKのコンサートを年に2回というのは初体験なんだそうです。愛知県のみなさん、ぜひ足を運ばれてみてください。


驚きますよ。(笑)


やはり同じ同性の男性アーティストのコンサートは、やはりちょっと違う効果を自分にもたらしますね。若いイケメン2人ですと、同じ男性として自分もいつも歳寄りぶっていないで、若々しくこれからも頑張っていこう!という気持ちに勇気づけられました。


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2023 MIZUTANI×TAIRIK AGAIN


2023年5月27日 14:00~

北とぴあ さくらホール


ドヴォルザーク わが母の教え給いし歌

フォーレ シチリアーノ

モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラの為のDUO kv.424 第3楽章

スメタナ モルダウ


シューベルト 魔王

伝承歌 ロンドンデリー

プッチーニ 誰も寝てはならぬ

プロコフィエフ 2台のヴァイオリンのためのソナタ 1.2楽章

サラサーテ ツィゴイネルワイゼン






 

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